03/03/24 新たな看護のあり方に関する検討会(第13回)議事録          第13回新たな看護のあり方に関する検討会議事録        日時     平成15年3月24日(月)        15:00〜17:00 場所     経済産業省第944会議室 出席メンバー 井部俊子、上野桂子、内布敦子、川越厚、川村佐和子、國井治子、        西澤寛俊、平林勝政、藤上雅子、宮武 剛、柳田喜美子        (五十音順、敬称略) ○田村看護課長  ただいまから、第13回新たな看護のあり方に関する検討会を開催いたします。委員の 皆様方には年度末の大変お忙しい中をご出席いただきまして誠にありがとうございます。 本日は13回目で最後を迎えることができました。  それでは川村座長、議事進行をお願いいたします。 ○川村座長  いまご説明がありましたように、本検討会も本日で13回目を迎えることになります。 議論の前に座長として発言をお許しいただきたいと思います。報告書については、これ まで既に相当の議論をしていただきました。また、最終的にも前回以降各委員から意見 をたくさん頂戴いたしまして、それをかなり反映させられたと思っております。本日は 最終的な取りまとめを行いたいと思いますので、委員の皆様方には是非ともその方向で 議論をいただきたいと思います。  その前に分科会の取扱いについて事務局からご説明をいただきたいと思ういます。 ○田村看護課長  「ALSの患者に対する看護師等による在宅療養支援に関する分科会」をこの1月か ら設置し、現在、検討しているところです。当初は年度内を目途にということでスター トしましたが、なかなか議論が複雑で、3月26日に第4回目を予定しているところです が、この3月いっぱいに結論を出すのは難しい状況です。年度内には結論には至らない ということもありまして、4月以降も引き続きこの検討を続けることになっています。 したがって、報告書も分科会で別に取りまとめるという対応をすることにし、その検討 結果については改めて座長とご相談させていただきたいと思っておりますので、「新た な看護のあり方に関する本検討会」の報告につきましては、「ALS患者の在宅療養支 援に関する分科会」は切り離してご検討いただければと思っております。 ○川村座長  分科会の検討結果の報告書については切り離して、本検討会のまとめ、報告書を作る という方向でいきたいと思います。本日は前回の議論を踏まえて一部修正したものがお 手元に案として配付されていると思います。  それでは事務局から前回からの主な変更点についてご説明をお願いいたします。 ○土生企画官  事務局から資料に沿いまして、前回お示しした報告書案からの主な変更点について説 明いたします。1頁の「はじめに」の第1段落ですが、「在宅医療の普及あるいは推進 」という言葉が複数回出てきておりまして、少し言い方を整理するという趣旨で、3行 目辺りに「看護の質の向上と在宅医療の推進の観点から」、これこれについて検討課題 として議論を開始したという書きぶりの変更をしております。同じ頁の3つ目の段落の 真ん中より少し下ですが、「更には、看護師等の専門性を活用した在宅医療の推進のあ り方」の次に「在宅医療を取り巻く関連諸制度の見直し」となっておりますが、諸制度 の見直しもありますが、さまざまな施策の推進という広い意味にするということで、「 そのための環境整備」という言い方に変更しております。  2頁の見出しの1の「専門性の高い看護判断とその実践に向けて」となっておりまし て、このフレーズは報告書案の中でも何度か登場してきておりますが、判断を実践する という言い方が適切な言い方ではないのではないかということで、「看護判断と看護技 術の提供」ということで2つに書き分けております。そのほかこういう言い方をしてい る所は基本的にはこの言い方を使ったらどうかということです。同じ頁のいちばん下の 「在宅医療においては、訪問看護の開始や継続は、医師の訪問看護指示書に基づいて行 われるが」のあとに従前の案では「指示の内容や範囲が明確でない場合には、患者の病 態の変動があったとき、新たに個別具体的な指示を必要とする」となっておりましたが、 そこは意味内容が不明であるというご指摘がありましたので、「指示の内容や範囲が明 確でない場合は」を取りまして、「患者の症状の変化があったとき、新たに個別具体的 な指示を必要とする」という端的な言い方にしております。  3頁の2つ目の○の諸外国の事情ですが、趣旨は変わっておりませんが、「それぞれ の医療制度等の違いを踏まえて」という言い方を結びの所に持ってきまして、「この点 については、それぞれの医療制度等の違いを踏まえて留意する必要がある」という言い 方にしております。同じ頁のいちばん下ですが、基本的には先ほどの訪問看護の場合の 問題点というご指摘を受けた文書ということで、いちばん最初に「在宅で療養中の患者 をはじめとして」として、在宅の場合のみならず、当然入院の場合もあるわけですが、 文章の続きを明確にするというところで、冒頭の一文を追加しております。その3行下 に「医師の指示に基づき」という「医師の指示」を解説した文章ですが、「患者の病態 の変化を予測した」という言い方が少しわかりにくいということで、「患者に起こり得 る病態の変化にも対応可能な医師の指示」という言い方ではどうかということです。  4頁ですが、「医師等に適切に伝え」となっておりましたが、そこに薬剤師を追加し まして、「医師、薬剤師等に適切に伝え」としました。その下の○ですが、「こうした 医師と看護師とうの連携のあり方を、「包括的指示」と称するかどうかはともかく」と いうことで、少し中途半端な記述になっておりますので、「いわゆる『包括的指示』を 含めた医師と看護師等の連携のあり方」という表現ではどうかということです。また、 この文章を2つの文章に分けまして、「十分留意しなければならない」という所で一旦 改行しまして、「この点も踏まえつつ」とつなぎの言葉を入れております。その下の ○の法律上の解釈の書き方ですが、療養上の世話については「行政解釈では医師の指示 を必要としないとされているが」というところで「行政解釈」という言い方にして、か つそこで一呼吸おきまして、「療養上の世話を行う場合にも」ということをもう1回書 きまして、その場合には「看護師等の業務について、療養上の世話と診療の補助とを明 確に区別しようとするよりも」という言い方に変えております。  5頁の最初の○の医師の指示の説明の所ですが、「医薬品等の量の増減が可能な医師 の指示」と若干言い方を整理しております。次に、「療養上の世話については用語が適 切かどうか検討の余地があるが」のあとですが、ここも若干意味がわかりにくいという ことで「看護師等が行うことができる業務を、フランスのように限定して」とフランス の例を引きまして、「フランスのように限定して個別に列挙するよりも、我が国におい ては」ということで対比を明確にしております。  次の○の「十分にコミュニケーションを行い」のあとの「看護ケアの内容、治療、検 査等」となっておりましたが、治療については例示から削除しております。そのあとの 「代弁する役割など」の言い方ですが、「患者・家族が自らの意向を伝えることができ るよう支援したり、時には代わって伝える役割を担うなど」という言い方ではどうかと いうことです。6頁の○の下の2つ目のポツの看護基礎教育ですが、大学教育について ご議論がありまして、その結果を踏まえまして「看護基礎教育を充実するとともに、大 学教育の拡大などその期間を延長していくことも検討していく必要がある」という書き 方にしております。その下の○ですが、卒後の教育研修と特定の看護領域についての専 門性を高めるというところを2つに分けまして、それぞれ○にしております。また、2 つ目の文章については、「特定の看護領域について、より専門的な教育・研修を受けた 専門性の高い看護師等の養成の強化や普及を行い」という書き方に改めております。  7頁の最初の○ですが、クリティカルパス、看護プロトコールという英語だけではわ かりにくいというお話もありまして、それぞれ「入院診療計画」、「看護判断規準」と いう日本語を付記しております。その下の○ですが、上との文章を整理しまして、「看 護プロトコールなどを更に開発することも考慮する必要がある」と改めております。  8頁の5つ目の○ですが、前回の案では日本緩和医療学会が作成した、『がん疼痛治 療ガイドライン』という出典を書いておりましたが、元はWHOが示していますので、 むしろそちらのほうを書いたほうが適当ではないかということで、「WHOが示してい るがん疼痛治療法などの理解を進めていくことが必要である」と変更しております。9 頁の最初の○で、「この場合、医師と看護師等の実際の連携のあり方は…個々に異なる 」ということで、その要素ですが、「資格」の前に「能力」という言葉を追加しており ます。その下の○の「麻薬については」で始まる所ですが、1つ目のポツは通知に沿っ て書き直すということで、「ただし、在宅での使用は、患者を含む他の者によって注入 速度の変更が出来ず、また、薬液を取り出せない構造になっているものに限られている 」と修正しております。その下の○ですが、結びの所で「前述の医療機関の個別性に十 分配慮しながら」となっていますが、前述でもどこのことかわかりにくいということも ありまして、「標準的な在宅療養プロトコールの見直しを行い、医師、看護師等の連携 のあり方は個々に異なることに十分配慮しながら」ともう一度書き下ろしております。  その下から10頁にかけてですが、「在宅において麻薬製剤が不用になった場合の廃棄 」ということで、基本的な原則を書くという趣旨で「医療機関や薬局に返却するよう指 導されていることが周知される必要がある」という言い方に書き改めております。  12頁の(3)の上の○ですが、現行制度上は医師が供給すべきことを徹底するというこ とですが、仮にそれが問題がある場合には制度的な検討がなされるべきというご意見も ありましたので、「更に医療機器・衛生材料の供給が確保できない場合は、一定の衛生 材料等については、訪問看護ステーションが供給することが適当かどうかについても検 討がなされることが望ましい」という書きぶりを保健局とも相談の上追加しております。  13頁の「おわりに」の冒頭で「高齢化社会」となっておりましたが、「高齢社会」と しております。中ほどの文章は1の見出しと同じように「的確な看護判断を行い、適切 な看護技術を提供していくことが求められている」という表現にしております。以上で す。 ○川村座長  ありがとうございました。最後に至りましても、たくさんの修正をしていただいてお りますが、これは既に皆様方からこれだけたくさんのご意見があって修正されたという ことで、ご理解をいただきたいと思います。ご意見がありましたらお願いいたします。 ○上野委員  先ほどの修正されている所で、4頁の上の「看護の立場からの判断を医師、薬剤師等 に適切に伝える」となっていますが、ここは指示を受けて、ケアを提供して、患者を診 て観察結果を報告するところは「医師等」でいいのではないかと思います。いままでも 薬剤師に報告するとか、この方を調剤している薬剤師は誰なのかすらわからないのに、 ここに「薬剤師等も」とくることは理解ができませんでした。ですから、できれば「医 師等に適切に伝え、より良いケアを行っていくことが必要である」としていただいたほ うがいいのではないかというふうに思います。 ○藤上委員  ここは在宅医療にいろいろかかわってまして経験することは、患者の生活の質の低下、 ADLの低下には薬剤がかかわっていることが多いことです。例えばパーキンソン症候 群などは、10%が薬剤性のものであるという統計もありますしるということで、情報を 薬剤師にも伝えていただけたらありがたいなという思いで申し上げました。 ○上野委員  ここに書くと「ねばならぬ」になりますし、例えば患者が持ってくる薬は病院、開業 医の場合もありますが、どこの薬剤師が調剤しているのかまずわかりません。ですから ここにこのように書かれますと、その薬剤師がどこなのか、指示書との関係が必ず出て きますので、そこまでのところは私たちは医師に報告して、例えば医師が薬剤を変更す る場合に、それは薬剤の中で変更していくと思います。連携を取らないというのではあ りませんが。 ○藤上委員  必ずということではなくても、そういう情報を伝えていただけると、患者の生活の質 の向上には非常にプラスになるのではないかという意味でこれはお願いしました。 ○川村座長  いかがでしょうか。持つ意味とか、いまのようなニュアンスを修正できるでしょうか。 ○藤上委員  現実に在宅医療に薬剤師はかかわっていますが、看護師さんたちからの報告情報が非 常に多く有益いです。先生方にも報告すると同時に、薬剤師にも薬にかかわるものでは ないでしょうかといったような情報の伝達がありまして、先生方とのやりとりの中で患 者にプラスに回っていることが多いものですから、申し上げました。 ○上野委員  いろいろな関連部門との連携は薬剤師に限らずすべて行っていくので、あえてここで 薬剤師等を入れるところは。 ○藤上委員  例えば薬剤師だけではなくて、リハビリがうまくいくか、いかないかということにも でも薬がかかわっていることがもあります。して、リハビリを行う過程でも必要ではな いかと。医師と薬剤師だけではなくて、全体を看護師が見回すことはできますから、そ れをそれぞれ関係のありそうなところに情報を伝達していただくことはしていますね。 ○上野委員  はい。 ○藤上委員  医師、薬剤師等だけではなくて、その他の医療関係者にでもいいですが、そのように していただければと思います。 ○上野委員  医師等にしていただければ、私は非常にありがたい。 ○平林委員  いまの2つの問題を1つのところに書き込んでしまったところに問題があると思いま す。したがって、薬剤師に対する連絡、情報提供というのは別の一文を起こして書いて いただくとよろしいのではないかと思います。ここは私も全体の流れから見ると、3頁 の後ろから4頁にかけての流れを読むと、このシュチュエーションの中では「医師等」 で十分だと思います。ただ藤上委員がおっしゃるように、薬剤についての情報を薬剤師 にということが必要であるとするならば、そのことをもう一文然るべき所に書き込んで いただければ、それで問題はないだろうというふうに、いまのお話を聞いていて思いま した。 ○土生企画官  いまのご議論と平林先生のご提案を踏まえまして、例えば「この場合」で始まるとこ ろは「医師等に適切に伝える」と戻しまして、そのあとに「また、必要に応じ薬剤師等 にも適切に伝えることが望ましい」という別の文章で書き起こしてはどうかと思います。 ○川村座長  実態としては行われているということですが。 ○井部委員  いまから申し上げることはあまり建設的ではありませんが、看護師はなぜ医師にも報 告し、薬剤師にも報告し、OTやPTにも報告する報告係なのか。本当に知りたいこと はそれぞれの専門家が見るべきではないかと私は思います。情報発信屋さんみたいなス タンスにならないようにしていただきたいと思います。しかしながら、そうはいっても 医師の指示を受けてやっている部分もあるので、医師に報告しなければならないという 基本的な役割はあると思いますが、そのほかの職種はそのほかの専門性を持った人が患 者を実際に診て判断することをしないと、連携というのはなかなかできなくて、看護師 がいろいろな情報を取ってきて提供してあげて、そのあとで考えるといったような体制 はやめていただきたいと私は思います。 ○藤上委員  私もそう思います。ただ、看護師ほど頻繁には患者にかかわることができないので、 こういう変わったことがありましたが、ちょっと診てくださいませんか、ということぐ らいはいただきたいなと思います。 ○川村座長  先ほどのお話では、その程度のことは伝えられているという上野先生の現場の判断と、 藤上先生も看護職からはいろいろ連絡がいっているということをご承認なさっていらっ しゃるので、医師を中心にということで、医師等でこの場面は終わりにする。それでは まずいでしょうか。 ○藤上委員  報告というよりは、何かの折りで結構ですから、情報を伝えていただければと思いま す。例えば在宅の中で薬剤師がかかわっている場合には、連絡帳を在宅の患者さんの所 に置きます。そこに看護師たちがちょっとしたことを書いてくださる。私たちも書くと いう形で情報交換を相互に行っています。そういった意味も含めてなのです。 ○川村座長  どこかにありましたね。3頁の(2)の下のいちばん最初の ○で「例えば看護師等は医師、薬剤師その他の医療関係職種とともに、それぞれの専門 性を発揮しながら相互の信頼関係の下に、密接に連携する」ということで、ここで大括 りにされているということでいかがでしょうか。もう一度ここに書き直さなければいけ ないですか。せっかくここに「薬剤師」と入れていただきましたが、削除いたします。 ほかに何かありませんか。 ○柳田委員  4頁の上から3番目の○ですが、「例えば、食事(一般病人食)」とありますが、こ れはいらないのではないでしょうか。 ○川村座長  ( )の中はいらないということですか。 ○柳田委員  はい。「治療方針を踏まえ、患者の状態によって看護師等が判断し行うべきである」 を、「看護師などの判断を的確に医師に伝えることが必要である」というような表現は どうでしょうか。 ○田村看護課長  (一般病人食)と「( )」でわざわざ書いたのは、治療食の場合は違うという意味 において、一般病人食と限定して書いたほうがよいのではないかということです。これ まで形態と書いていたのは、通常食が医師からオーダーされて出てきたとしても、その 方の咀嚼機能により、刻み食にしようとか、軟食に切り替えたほうが嚥下しやすいとい ったような状況を踏まえて、そういうレベルの判断は看護師が十分にできるいうニュア ンスで書き込んでおりますので、「食事(一般病人食)の形態」と書いてあったほうが、 よりはっきりするのではないかと考えて、事務局としては提案させていただきました。 ○柳田委員  そうだったら「看護師等の判断を的確に医師に伝えることが必要である」と書けばよ いのではないでしょうか。 ○田村看護課長  「患者の状態、治療方針を踏まえ、患者の状態に応じて看護師等が判断し行うべきも のである」と書けるのではないかということで、提案いたしました。治療食ではないの で。 ○平林委員  なぜ「報告書」を全部 ○で書かなければいけないのか、私は従来から疑問に思っていましたが、これはそのこ との影響が出ていると思います。要するに全体の流れを見ると、4頁の最初の ○と2つ目の○がある意味で一般論というか、大きな枠組みでその具体例として、まず 最初に看護師が独自の判断で行うものができて、その次に前に言ったことの例証として、 こういう場合は医師に相談しなければいけないという、1があったら(1)(2)とい うふうに少し論理的に分かれてくるところが、全部○で同じレベルで書いてありますか ら、わかりづらいところがあります。そのように読んでいくと、必ずしも柳田委員のお っしゃるようにしなくても全体としては了解できるのではないかと思います。  中身ではありませんが、3頁の2つ目の○で、「それぞれの医療制度の違いを踏まえ て留意する必要がある」という日本語が、私には違和感を感じます。「医療制度の違い を踏まえて」という「踏まえて」を重視すれば、考慮する必要があるということになる でしょうし、「留意する」を重視すれば「違いに留意する必要がある」と。どちらかだ と思いました。これも中身ではなくて文章で気になったところですが、「普及を行い」 という言い回しが何回か出てきて、「普及を図る」という言い回しも出てきます。普及 はやはり図ったほうがいいのではないかと思いますので、その辺も言い回しの問題では ありますが、訂正をしていただければと思います。個々には指摘しませんが、気になり ましたので申し上げます。  もう1点、文章の意味で6頁ですが、これは若干議論したところではありますが、読 み直して少し通じないなと思ったのが、6頁のいちばん上の○の2つ目のポツの所です。 最後の2行目のところですが、「大学教育の拡大などその期間を延長していくことも検 討していく必要がある」となりますと、大学教育の拡大が期間の延長の例示になってい るような文章になっていますので、「大学教育の拡大とその期間の延長」とか、あるい はもう少し違った言い回しになるのか。この辺は前回議論したところで微妙なところで あろうかと思いますが、少しご検討をいただければと思います。  これも前から気になって申し上げなくて申し訳ありませんでしたが、12頁の注射の取 扱いの所で、「医師の指示を受けて看護師等が単独で」云々で、「筋肉注射等を行って も、診療報酬を請求できないことになっており」というのは、これは医師が診療報酬を 請求できないということですよね。その次が「訪問看護師等が行う場合の評価のあり方 」というのは、議論の経緯で言うと、訪問看護師が行っても看護師の点数の評価にはな らないということですよね。その2つの事柄が1つの文の中で少しわかりづらく、あえ てそうしたのか。私としてはちょっと気になっておりましたので、ご検討いただければ と思います。 ○川村座長  普及を図るという所は、文章を見つけて作業をお願いできればと思います。討論した ほうがいい所は6頁ですね。 ○國井委員  「大学教育の拡大など、その期間を延長」という表現ですが、大学教育の期間延長と いう議論はしなかったと思うので、いま先生がおっしゃったように「拡大などの充実を 図っていく」というほうがよいのではないかと思います。 ○内布委員  これはそういう意味ではないと思います。大学教育の拡大というのは、3年課程の分 が大学教育を拡大していくと期間の延長につながるから、そういう意味で書いてあるわ けですね。 ○國井委員  そうです。そういう議論はしませんでしたね。 ○内布委員  しました。大学卒の看護師が全体の卒業生の中のまだ10%ですというお話があって、 議論があって、もっと大学教育を普及していく必要がありますという議論はあったので、 大学教育が普及するということは3年から4年に変化していくということであって、そ れは期間の延長を意味しているので、このような文章になりました。 ○平林委員  読み方によっては、大学教育の期間の延長とも読めてしまいます。 ○内布委員  基礎教育期間の延長。 ○田村看護課長  基本的には養成所も4年教育がスタートしてきておりますし、そうしたものも含めて 期間の延長を図っていくべき状況にきているのではないかというご議論もあって書かれ ていると思います。そういう意味では、看護基礎教育の期間の延長をしていくというよ うに、そちらにつなげる言い方のほうがいいのかもしれませんね。 ○川村座長  そうですね。 ○田村看護課長  期間の延長だけではなく、中身の充実もあるということで、「充実を図るとともに」 というふうに提案させていただきました。 ○川村座長  延長や大学教育の拡大などを検討していくとか。看護基礎教育と期間の延長が近い所 にあったほうが読みやすいですね。 ○田村看護課長  ここで提案をさせていただくとすれば、2行目の後半から「看護基礎教育を充実する とともに、大学教育の拡大など、看護基礎教育の期間を延長していくことも」と書けば、 大学の教育期間が長引くということではなく、もう一度繰り返しになりますが意図がは っきり伝わるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○川村座長  よろしいですか。それでは、そこはそのようにお願いいたします。 ○柳田委員  5頁のいちばん上の ○の3行目ですが、「医薬品等の量の増減が可能な医師の指示の範囲内」というところ が、もう少し言い回しがわかりやすくならないかなと思います。もう1つ、3番目の○ で、「看護ケアの内容、検査等についてわかりやすく丁寧に説明する」知識を習得して いく必要があるということと、3番目の○のいちばん下に「より良い選択ができるよう 支援することが重要である」と書いてありますが、これは「必要である」と直したほう がいいのではないかと思いますが、どうでしょうか。 ○田村看護課長  先週末に委員の皆様にお送りしたものでは、「増減を可能とする」と書いておりまし た。しかし、そこがもう少しスマートな日本語にならないかというご指摘もあり、「量 の増減が可能な医師の指示」と書き替えたところです。 ○柳田委員  そこを詳しく読むわけではないですから、公文書で出た場合に意味がちゃんと取れる ようであればいいと思います。 ○上野委員  「可能な」を取ればスムーズに読めるのではないですか。「医薬品等の量の増減が医 師の指示の範囲内において、患者の症状を観察した看護師等が適切な服薬を支援する」 と。 ○川村座長  いろいろ提案をいただいていますが、いかがでしょうか。また元に戻りそうですね。 ○柳田委員  そこはわかればいいですが。 ○平林委員  いっそ、文章を固くするのであれば、関係代名詞が省略されている所になるので、「 患者の症状に応じた医薬品の量の増減を可能ならしめるところの医師の指示の範囲内に おいて」と言えば、意味としては正確にはなると思いますが、そういう意味をどのよう にスマートな文章にするかということだろうと思います。 ○川村座長  ならしめるところというのが難しいですね。しかし、正確なものがいいということで、 その文言をいただきますか。よろしいでしょうか。 ○平林委員  可能とするでもいいと思います。「可能とするところの医師の指示の範囲内に」と、 日本語としてはこなれないですが。 ○藤上委員  直してみたのですが、「患者の症状に応じて、医師の指示の処方量の範囲内において 」というふうにしたら簡単になりませんか。 ○宮武委員  日本語になっていないでしょう。患者の症状に応じて医師が医薬品等の量の増減を指 示する範囲においてということですよね。患者の症状に応じて、医師が医薬品の量の増 減を指示して、この範囲においてやってくださいよという意味ですよね。 ○土生企画官  「患者の症状に応じて医師が医薬品等の量の増減を指示する範囲内において」ではど うでしょうか。 ○上野委員  増減が可能なのは、医師ができるということを言いたい。 ○西澤委員  これは看護師さんができるだけ自分の知識と判断でもってやるということですから、 医師がこのときはこうであると細かく出してやるなら、ちょっと意味が違ってくると思 います。ですから、医師はもっと、大まかといったら語弊がありますが、そういう中に おいて看護師の判断でできるということを言いたいわけですから。言っていることはわ かりますが、きちんと伝えるのであれば平林先生がおっしゃったことが、いちばん誤解 がなく伝わるのではないかという気がします。 ○川村座長  多少口語的にして、「ならしめるところ」ではなくて「医薬品等の量の増減が可能と するところの」ということでよいでしょうか。 ○土生企画官  「患者の症状に応じて医薬品等の量の増減を可能とする」ではどうでしょうか。 ○西澤委員  「可能とする」でもいいのかもしれませんね。あとはお任せします。 ○川村座長  それでよろしいでしょうか。それでは、いまのところは「医薬品等の量の増減を可能 とする医師の指示の範囲内において」といたします。 ○田村看護課長  確認をさせてください。いま柳田委員から2つ目にご指摘をいただいた3つ目の○の 「わかりやすく丁寧に説明するとともに」というところは「説明する知識を習得する」 ということではどうでしょうか。ここは、知識の習得ではなくてここは説明する力その ものを問うています。説明するということは、看護ケアの内容やこれから患者が受ける 検査について、看護師が説明するということを言っているので、知識の習得ではなくて 提案させていただきましたが、いかがでしょうか。 ○内布委員  そうだと思います。知識を習得云々について議論されたことはいままでもありません でした。ただ、それを行うことができるようにしましょうということで議論が進んでい ったので、ここは知識ということではないと思います。 ○柳田委員  それはそれでいいとして「重要である」は「必要である」と。これはいいですか。 ○川村座長  その次の「必要である」はよろしいですか。 ○柳田委員  はい。 ○川村座長  それでは、柳田委員がおっしゃるように「重要」を「必要」に変更してください。 ○柳田委員  6頁の1つ目の○の3行目です。「卒前の看護技術教育についての水準の低下という 懸念にも対応する必要がある」ということですが、卒前の教育水準が低下しているので しょうか。そこまで言わなくてはいけないのかなと思いました。 ○田村看護課長  ここは「傾向にある」と入れましょうか。卒前の技術教育の検討会でまとめたものを この段階で視野に入れて書きましたが、検討会の報告書もまとまったことですし、なく てもいいということであれば、「機会が限定される傾向にある」で切ってもいいのかも しれませんね。 ○川村座長  せっかく柳田先生もご指摘くださいましたから、「期間が限定される傾向にある」で 切ることにしてはいかがでしょうか。それでは、この文章についてはお考えいただいて よろしいですか。 ○田村看護課長  「傾向にある。」でいいと思います。 ○川村座長  わかりました。 ○柳田委員  6頁の4つ目の○の4行目の「生涯教育を推進するための仕組みが重要であり、この ための学習プログラムの普及・充実がなされるべきである」を、「生涯教育を推進する ための仕組みが必要であり、このための学習プログラムの作成」、あるいは「普及充実 がなされるべきである」と。「重要」を「必要」と直したほうがいいのではないかと思 います。 ○田村看護課長  「普及」は取ったほうがよろしいですか。「このため、学習プログラムの作成、」を 追加するということでよろしいですか。 ○川村座長  「作成・普及・充実」といたします。普及・充実の前は「作成・」ですか。その前の 「重要であり」を「必要であり」と直します。 ○國井委員  同じ頁の上の段ですが、この間の検討会でいろいろ議論があって、「専門性の高い看 護師」を「専門看護師」という表現になっていましたが、特定の団体が使用している用 語ということで、こういう用語に変わったと思います。いままでの検討の経緯を見てい ると、専門看護師というのは昭和60年代から厚生省の看護制度検討会でずっと使われて いる用語で、その検討会では専門看護師を育成するシステムをつくるべきであるという 提言をしています。それを受けて本会が中心ですが、関係大学協議会の方、厚労省や文 科省の方にも入っていただいて、合意を得ながらつくってきたシステムでもあり、現に 誕生して活動しています。専門看護師だけではなくていろいろな意味でほかの認定の人 もいらっしゃいますが、これは前の検討会報告書を受けて更に発展させる意味もあるの で、専門看護師の養成の強化、以前は育成のシステムをつくれという提言なので、次の 検討会の報告書にはもう少し1歩進んだ表現にしていただきたいというお願いです。 ○川村座長  いかがでしょうか。前回はそれについてご意見があったのでこのようにいたしました が、一般論として使うわけではないということでしたがなくて出ていましたが。 ○國井委員  専門看護師という言葉に戻したいと思います。 ○田村看護課長  具体的には2行目の部分をということですね。 ○國井委員  はい。 ○田村看護課長  「より専門的な教育研修を受けた専門看護師等の養成の強化や」と書いたらというご 提案ですね。 ○國井委員  はい。 ○川村座長  いかがでしょうか。 ○柳田委員  認定看護師、専門看護師と看護師さんもいろいろありますので、公文書としてこうい う書き方でがすべてを含めていいのではないかと思います。 ○井部委員  折衷案でこの文章を「特定の看護教育について、認定看護師、専門看護師など、より 専門的な教育研修を受けた専門性の高い看護師等の養成の強化や普及」としたらよろし いでしょうか。 ○西澤委員  前に私が表現をこのように変えたらと言ったのですが、委員の発言の中で専門看護師 というのは看護協会が養成しているものだという発言があったので、そういう誤解を受 けるなら外したほうがいいというふうに私は言ったつもりです。看護協会を否定するわ けではなくて、当然それは私も推進すべきだと思いますが、すべての専門の看護師の教 育を普及するのであれば、このほうがより広くて逆にいいのではないかという気がしま す。 ○國井委員  いま、井部委員が言ったように、そういう名称を入れることは無理でしょうか。本会 が一部を担っていますが、教育は大学協議会でという形でいろいろな所と連携をして、 看護界総意のシステムです。そういう所で活動している人たちをきちんとこういう報告 書で位置付けることにもなって、非常に励みになると思います。前回の検討会の報告書 もあるので1歩進んだ表現にということです。 ○柳田委員  看護教育に関する検討会ではないので、西澤委員が言われたようにしたほうが非常に 読みやすくて的確のような気がいたします。 ○川村座長  この前は特定のものを推奨したいというご意見と、もっと幅広くいろいろな種類のも のを入れようということで、このようになったと思いますが。 ○西澤委員  以前議論したやったのは看護協会の養成している専門看護師の強化ではなくてあくま で専門知識を持った、専門というのは一般的な意味で使って、そういう看護師の養成の 強化だということでしたので、それならば誤解のないほうがいいということを申し上げ ました。例えば委員の方から、「看護協会が養成している専門看護師を中心にして普及 を図れ」という意見が多数を占めるのであれば、入れるべきだと。でも、本検討会では そうではなかったのではないかと思っております。 ○國井委員  看護協会が養成している専門看護師ではなくて、養成しているのは大学です。 ○西澤委員  専門看護師をですか。 ○國井委員  そうです。教育は大学院が行っています。それを審査で認定するのは協会が行ってい ますが、いろいろな所と連携しているシステムなのです。 ○西澤委員  連携していようとしていまいと、これは看護協会が認定しているものという表現なの か、そのほかのものも含めた表現なのかで違うのではないでしょうか。 ○國井委員  専門看護師等としていただければ、そのことも含めてということで、協会の認定する 専門看護師だけではなくて、その他の領域のスペシャリストも含める表現にならないで しょうか。 ○西澤委員  同等に扱うのであれば、逆に特定のものは外したほうが公平な意見になるのではない かと思います。1つだけをやってほかは書かないことになると、そこだけは浮いてしま うので、読む人にとってはそれだけというふうに見えてしまうので。 ○國井委員  非常に残念ですが、ずっと60年代から21世紀看護はこうあるべきだという提言を受け て、看護界が総意を上げて検討してきたシステムが、ここへ来てそういう形で表現して 発展させているのだということが、こういう報告書に残っていくことがいけないのかな と思います。 ○川村座長  ここに残したいというお気持はよくわかりますが。 ○西澤委員  それであればはっきりと「看護協会が認定している専門看護師等」を入れるという意 見を堂々とおっしゃったらいかがですか。それについてそういう表現にしますか、しま せんかの話だと思いますが、ぼやかして、「いや、一般で言っているのですよ」という 言い方と、片方では「そちらも」という言い方は。やはり読む方にとって両方にとられ る表現はやめようと。どちらかにしましょうということです。 ○國井委員  そうですね。本会はそういうことで「看護協会」という名前を使うのが構わなければ、 看護協会が認定している専門看護師を使っていただいたらいいと思います。 ○川村座長  こういう性質の報告書に特定の組織名が入るというのは、いかがですか。 ○平林委員  いま西澤委員がおっしゃったように、もしそういうふうにするのであれば、そこは改 めて議論していかなければならないと思います。ただ、従来の議論の流れを見ると、そ こまで特定の日本看護協会が認定している認定看護師なり、専門看護師、そのものを否 定するつもりはないのですが、ただそれをこの報告書の中に入れるのは、繰り返しにな って恐縮ですが、西澤委員が言われたようにいらぬ誤解を生む恐れがあるので、もう少 し一般的な言い回しをしましょうということで、こういうふうになってきたと思います。 私としては、このままでいいのではないかと思います。 ○川村座長  いかがですか。一般的にはあまりこういうレベルの報告書には特定の組織名は出てこ ないように、私はそんなふうに承知してはおりますが。 ○井部委員  西澤委員にお伺いしたいのですが、医師の認定医、専門医、各学会認定のものがあり ますが、それは認定医とか専門医というようなものを、こういう公の文章には使わない わけですか。 ○西澤委員  いや、使います。ただ、医師の場合の専門医というのは、そのどこかの団体の特定の ものではなくて、一般的なものを言っていますのでいいということです。ですから、専 門看護師がそういうふうに使われているのでしたら、私はいいと言っているのです。た だこの間の委員会の中で、「看護協会が認定しているもの」という、委員の間からもそ れを特定するような発言があったので、そういう誤解があるのであれば変えたらいかが ですかという意見だったのです。 ○川村座長  事務局がお書きになったのは、いみじくも前回説明がありましたが、特定のものでは なくて、いまの「専門医」というものに対置したような形で、一般的な専門看護師、専 門医というような幅の広いものの通称としてお使いになって書かれたということでした ので、そういう意味合いであれば、ここに残していくことはいいとは思いますが、特に 特別のものという指定を強く意図されることになりますと、少し意味合いが変わってき てしまうと思います。それで事務局としてはこういう表現に変えられたということです ね。幅の広い「認定医」とか「専門医」という通称の言葉として残すということであれ ば、「専門看護師」という表現も可能だとは思います。いかがですか。これはお答えを いただかないとこれ以上先に進まないのですが。 ○田村看護課長  事務局で調べましたところ、先ほど國井委員がおっしゃられたように、昭和62年4月 の「看護制度検討会報告書」という中で、「専門看護婦(師)の育成」ということで、 そういう人々を養成していくことを考えなければならないと。それから「専門看護師と して認定するシステムを確立することを検討すべきである」といったようなことなどが あります。この当時は当然一般名称としての「専門看護師」として使ってきております し、昨年の「医療安全対策検討会議」の報告書の中でも、一般名称として「専門看護師 」という名称を使っているところです。ただ、すでに5、6年前から日本看護協会の中 で認定している「専門看護師」という名称のものが存在するというところで、若干混乱 をいま招いているのだろうと思います。前回も申しましたように、事務局としては従来 どおりの一般名称としての「専門看護師」ということで提案させていただいたところで す。これまでの議論を踏まえて、今回の提案とさせていただいたということですので、 ご議論を今日していただくしか方法はないと思っております。 ○川村座長  いまのおっしゃられた説明されました国といいますか、社会全体の流れの中での通称 ということであれば、これを戻すということもよろしいですね。看護協会が認定すると いうことだけではなくて、もっと幅の広い通称のいろいろの養成をされた専門的な看護 師さんを全体として指す、ということで定義をはっきりできるのであればいいのですが。 ○内布委員  看護協会は、これは「がん専門看護師」、「地域看護専門看護師」と、上に必ず何か を付けています。付けての固有名詞ですよね。ですから、看護協会が法律でないので名 称独占はできないのですが、看護協会は固有名詞で使っているのは、もしかしたらそう いうものですか。上に付いたものですか。私がこの前発言した「専門看護師」というの は、もう看護協会がその名称を使うということで、例えば協会の認定の委員会などでも その言葉をよそで使っていたら、そこに注意をしたりとか、そういうことをしたほうが いいのではないかという議論が出てきていたので、もしかしたら、看護協会が専売特許 で取っているのかなと思ったのですが、看護協会が言っているのは、「がん」とか「地 域看護」とか、そういうふうに付いた名称なのですか。それは理解が不足しているもの ですから。 ○川村座長  領域を付けているのですね。 ○内布委員  付けていますよね。ですから、この間厚生労働省の解釈で「専門看護師」という言葉 は一般名称ですと言われたときに、私は看護協会の認定のところでの議論があったので、 もしかしたらそれはちょっと困るのではないかなと思って発言したのですが。看護協会 が言っているのは、もしかして「がん専門看護師何とか」「地域看護専門看護師何とか 」であって、単純に「専門看護師」というものは特に言っていらっしゃらないのであれ ば、別に誰がどう使ってもいいと。ですからここで「専門看護師」という言葉を一般名 称として使っても協会として構わないのであれば、私は「専門看護師」でもいいと思い ます。 ○平林委員  私の数少ない経験を申し上げていいのか、どうかいま迷っているのですが、迷いつつ 言うことになるのですが。あるところで報告をして、訪問看護の話をして、将来的には 訪問看護を専門とする専門看護師というものが必要なのだというお話をさせていただい たことがあるのです。それを聞いていた看護協会のある幹事の幹部の方が、私に対して 「それは専門看護師ではなくて、認定看護師です」という訂正をいただいたわけです。 私は何も「看護協会の専門看護師」という言葉を使ったのではなくて、一般的な意味に おいて訪問看護における、それを専門とする専門看護師が必要なのだということを申し 上げたのですが、立ちどころに返ってきたのは、「それは専門看護師ではなくて、認定 看護師です」というお話ですから、非常に誤解を招く言葉だと思うのです。したがいま して、私は先ほど申し上げたように、ここに書いてあるような形で、少し一般的に広い 意味で「専門性の高い看護師等の養成」としていったほうが、いらぬ誤解を招く必要は ないだろうと。もし100歩譲ってあえて「専門看護師」という言葉を使うのであれば、 その頭に、「いわゆる一般的意味における専門看護師」というカッコ付きで書くぐらい にしか方策は考えられないのです。しかし、いわゆる一般的意味におけるカッコ付きの 「専門看護師」というのも、あまりスマートとは思えませんので、ここに書いてあるよ うな形で書くのが妥当なところかなと思っています。 ○宮武委員  看護協会の「専門看護師」「認定看護師」以外に、同じような専門性の高い資格とい いますか、教育を受けた方たちで、看護協会以外で他に名称はありますか。 ○國井委員  日精協で、「精神専門看護師」というのが「思春期」や「老人」という領域であるの です。あとは、それは看護師だけではないのですが、糖尿病教育学会と糖尿病学会が認 定している糖尿病療養指導士という、それは看護師とか薬剤師さんとか、検査技師さん も認定試験が通ればなれるのですが、そういう資格制度もあります。 ○宮武委員  にらみ合っていてもしようがないので、何かまとめなければいけないから、その「看 護師等の養成」のときに丸カッコを書いて「専門看護師」とか、いまおっしゃった「い ろいろな名前など」と書いておいたらどうですか。そういうことをしなければ、多数決 で決めるわけにもいかないし、あまりスマートな方法ではないが、どうしても両者がお 譲りにならないのであれば、丸カッコにしてそこに「専門看護師」とか「精神専門看護 師」とか、そういう名前を2つ、3つ付けて、「等」と書いて丸カッコを付けて書いて おくという、そんな妥協策しかないのではないですか。 ○柳田委員  公文書など現段階では、特定するというのは読んだ場合誤解を招くことにもなり兼ね ないので、これで十分表現しているような気がするのですが。 ○宮武委員  私もそう思いますけれども。 ○國井委員  誤解を受けるという意味が私はよくわからないのですが。 ○川村座長  誤解というよりは、できるだけ幅広いものをきちんと全部を網羅した形でここには書 き込むというのが一般的なこういう報告書のあり方、作り方だということです。  ですから、1つとしてはこのやり方がいちばん普遍的に表現ができる、今回のものが そうだと思います。2番目としては、先ほど事務局側から説明がありましたように、「 専門医」というような形で、「専門看護師」というものをいままでも法律的な文章の中 にも入ってきているということですから、そういう意味合いをまず尊重して、ここに一 般的なものとしてそれを借りて書くということが2つ目です。もう1つは、看護協会が 認定しているということをはっきり書くと。いま上がってきているものはそんな種類に なるかと思います。 ○國井委員  看護協会がということを書くことができないというのは、それはすごくよくわかるの です。ただ、何度も言いますが過去に将来あるべき姿ということで、看護制度の検討会 を重ねてきて、そこでこういう専門性の高い「専門看護師」という用語を使って提言さ れて、それをずっと発展させてきているので、もうこの段階では専門看護師という人が 現に活動しているわけですから、そういう意味も含めて、一般的なことも含めて、「専 門看護師等」と付けていただいて、そういう表現にしていただきたいと思います。 ○川村座長  ということは、2番目の解釈でよろしいのですか。「専門看護師等」と言って書いて、 それは看護協会の認定するものだけを示さない、もっと幅の広いものであると。そうい う解釈であるということになさるということですね。 ○國井委員  はい。 ○藤上委員  質問があるのですが、要するに、それを「専門看護師」と言うかは別として、専門性 の高い看護師さんを養成したいのですよね。でしたら、これでいいのかなと私は思うの ですが。 ○井部委員  「認定看護師」「専門看護師」というのは、看護協会の認定している専門性の高い看 護師の種類なのです。これは看護課も日本看護協会でこの専門性の高い看護師を養成す るということは合意の上で制度を作って始めているわけですので、「日本看護協会…」 と書かなくても、「認定看護師」「専門看護師」と言うと、その制度に乗っている「専 門性の高い看護師」となると思います。ので、もし入れるとすれば「日本看護協会」と いう団体名はいらないと思います。それは1つの方策として作られている。それは看護 課としてもかなり力を入れている部分だと思いますので、「認定看護師」「専門看護師 」といったような、他にもあるという意味で、「より専門的な教育研修を受けた専門性 の高い看護師等の養成」として「認定看護師」「専門看護師」と例示して、かつ「専門 性の高い看護師等の養成」ということで幅を広げるということは、先ほどの生涯教育の 検討会報告からも引き続いて流れを作るとすると、そういう方向性は可能かなとは思い ますが、どうでしょうか。団体名は出さなくてもいいと思います。 ○平林委員  あまり実益のある議論とは思えないのですが、もしどうしても「専門看護師」という 言葉を入れたいというのであれば、折衷案的になるのですが、研修を受けた専門性の高 い看護師の養成の強化及び普及を図ることが必要である」で切って、この点については すでに引用された何とか検討会の報告書において専門看護師の養成が図れるということ が言及されているけれども、今後さらにその能力が積極的に活用されるような基盤づく りを行っていくことも必要であるというふうに、要するに「専門看護師」という言葉は、 前の検討会の報告書で使った意味で使えますよということを、これは看護協会が言って いる「認定看護師」とか「専門看護師」というのではなくて、そこでの原点に戻っての 「一般的な意味における専門看護師という言葉ですよ」ということを明示して使うとい うのであれば、少し格好は悪いですが、誤解は招かないだろうと思います。先ほど私が 申し上げたように、私自身非常に誤解をされた経験があるので、それはおそらくかなり の誤解を生むことは必定だと思いますので、是非それだけは避けたいと思います。 ○川村座長  どんなものでしょうか。私はこういう報告書のまとめで、特定化されたものの扱いに 慣れておりませんが。 ○平林委員  私はこれでいいと思いますが、どうしてもと言うのであれば、そんなことしかちょっ と考えられないですが。 ○川村座長  川越委員、いらっしゃったばかりで突然ですが、6頁の3つ目の丸で、上から2行目 に「専門性の高い看護師等の」というところなのですが、前回「専門看護師」という言 葉だったのですが、いろいろご議論がありましたので、このように幅広く書き換えられ たのですが、また看護側の委員の方々から、「専門看護師」それも「看護協会が認定し ている専門看護師を特定してここに書き込めないか」というご意見が強く出ているとこ ろなのです。 ○川越委員  すみません、来たばかりなのでしばらく聞かせていただきたいと思います。 ○川村座長  いま私は本当に数少ない経験ですので、それで判断をしてはいけないのかもしれませ んが、一般的にはこういう報告書としては幅の広い、誤解の少ない言葉で表現をしてい くということだと承知はしておりますが、いかがですか。この前事務局はご説明があり ましたように、「専門医」に対置する言葉として「専門看護師」という幅の広い表現の 総称でお使いになって書かれたということで、今回もその説明が続いております。何か いいアイデアはないですか。 ○宮武委員  座長のご判断でいいのでは。 ○内布委員  これは名称を入れた場合と入れなかった場合で、どういう影響があるのですか。入れ て混乱するということはあると思いますが、入れなかった場合はどうなるのですか。 ○平林委員  入れたら、先ほどの混乱というと誤解が生じて、その誤解によって「新たな看護のあ り方検討会」が日本看護協会が行っている認定看護師ないしは専門看護師制度をある意 味で認めたというか、オーソライズしたというか、エンドースしたというか、そういう ふうにとられてしまうと思うのです。そのことを議論していて「そうですよ」というの であれば、私は一向に構わないのですが、そのことについては全くと言っていいほど議 論されてこなかった。むしろ逆の方向で、もう少し一般的な議論をしましょうという方 向で議論をしてきたので、従って先ほど申し上げたような結論になるのだろうと思って いるのです。 ○内布委員  入れなかった場合はどうなるのですか。 ○平林委員  ないと思います。 ○川村座長  それほど問題はないのではないですか。 ○内布委員  しかし國井委員は感じていらっしゃる。 ○川村座長  看護協会としての実利ということになると、そのこと自身が特定の団体の実利にこの 検討会が寄与したということに、なってしまうと思います。それはやはり避けるべきだ と私は思います。ですから、事務局のほうで何かいい案があればおっしゃっていただけ ますか。 ○土生企画官  あるということではございませんが、前回の検討会の報告書を引用してはどうか、と いうご提案がありましたが、「昭和62年の看護制度検討会報告書」では、まだ当時「看 護婦」あるいは「看護師」という名称だったということで、その中に「専門看護婦(師 )の育成」というところで、1章文章があるということで。仮にここを引用するとすれ ば用語上、「専門看護婦(師)」という原文のままにならざるを得ないということです から、それを現時点の報告書で古い言葉を使うのは少し問題があると思うのですが。 ○川村座長  それは昭和62年の報告書に書いてあればいいということですよね。 ○土生企画官  しかし、言葉が出てこないと駄目だということですよね。その言葉を引用せずに、検 討会の趣旨を前にそういうことがあったということを事実として記載するということで あれば可能だと思いますが、言葉そのものを引用してくるというのはちょっといかがな ものかと思いまして発言した次第です。  例えば、「特定の看護領域についてより専門的な教育研修を受けた専門性の高い看護 師等の育成の必要性については、昭和62年の看護制度検討会報告書において、すでに提 言がされているところであるが、さらにその養成の普及や強化を図り、その能力が積極 的に活用されるような基盤づくりを行っていくことも重要である」と。前からの経緯と いいますか、発展段階をわかるようにするということは可能だと思います。ただ、検討 会の報告書が「専門看護師」という言葉を含んでおりませんので、それを引用するのは 技術的には困難かと思います。 ○川村座長  さらにそういう形になって、屋上屋を重ねていきますがいかがですか。 ○井部委員  昭和62年でしたか。 ○土生企画官  はい。 ○田村看護課長  その後、前回も申し上げた平成6年の「少子・高齢社会看護問題検討会」の中でも「 専門看護婦等の認定」と言葉で、生涯教育の充実の中に書き込んであります。それは全 体としてはさほど昭和62年の部分よりもずっと量的には少なくて、当面は現在職能団体 が検討している「専門看護婦等を認定する仕組を確立することが望まれる」という形で まとめられているところなのです。ですから、昭和62年から平成6年の間は、「認定す る仕組を検討すべき」というところから、「確立することが望まれる」というふうに少 しステップアップしている表現であることは事実です。 ○井部委員  そうすると、現代ですので、それよりも少しステップアップした成果を少し入れると いうことは妥当な線かもしれません。あまりくどくど説明はいらないと思いますが、キ ーワードは入れたほうがいいと思います。 ○川村座長  ただ率直に言いまして、これは「あり方」なのです。教育とか、こういう専門性をど ういうふうに持っていくか、そういうことが中心ではなかったのでいかがなものでしょ うか。 ○國井委員  「あり方」はそうですが、すごく教育の充実というか、高度化というのが基礎教育だ けではなくて、卒後の教育が非常に行き届いて、かなり能力の高い人が出てきたという ことが底辺にあると思うのです。そういう人の能力を活用していくことが、何回もいわ ゆる看護職一般のことだと話が戻されましたが、念頭の中には看護師自身が能力を高め ていく努力をすべきということが何回もあったわけで、現にそういう人たちが増えてき ていることはあると思うのです。ですから、そういう意味で専門性の高いというか、そ ういう人たちをどんどん活用していくべきというのは、「あり方」として。 ○川村座長  ですから、それはここに書いてあるとおりではないですか。「その能力が積極的に活 用されるような」と。 ○國井委員  ですから、そこのところの表現で、いままでの経緯を踏まえて、その用語を使ってス テップアップした表現にしてほしい、というのが本会の願いなのですが難しそうですね。 ○井部委員  ただ、國井委員がおっしゃっていることと、私の主張は少し違うのです。同じ言葉を 使っているのですが違うので、國井委員のご意見は「専門性の高い看護師等」を「専門 看護師」と置き換えたらどうかという主張に見えるのですが、私はそうではなくて、看 護協会が明らかに認定している「認定看護師」、「専門看護師」といった「より専門的 な云々」というふうに明らかに看護協会が認定している人たちの名称を入れて、更に「 より専門的な教育研修を受けた専門性の高い」としたほうがいいのではないかと言って いるので、私よりも國井委員のほうがより職能団体風ではないのです。そこは微妙なと ころなので。 ○西澤委員  結局、「専門看護師」というもとの定義がみんなまちまちである以上、逆に書き込ん だらよくないなと思います。このままのほうがスマートでいいと思いますが。 ○井部委員  それではそうしましょう。 ○川村座長  それでは井部委員の一言で、それを採択させていただきます。これで一応修正なしと いうことにさせていただきます。 ○宮武委員  この種の報告書というのは、社会に対してわかりやすくアピールできる内容であるこ とが望ましいのですが、職種によって考え方が違うのでとても難しいということを今回 もまた痛感いたしました。それにしても、静脈注射というのを医師の指導のもとではあ るのですが、看護職ができるという、言ってみれば事実追認であったとしても、長い間 懸案になっていた行為について、実態とルールのところがきちんとあったということは 大きな成果だと思います。それ以外に自分自身で振り返ってみると、取り分け看護職の 方が在宅の医療とか、在宅の看護、あるいはもっと広い意味の在宅の介護に対して積極 的に取り組んでいくというアピールは、少なくとも世の中に対しては発信できたのだと 思います。そうなりますと、私は実は社会福祉士を養成する学校に勤めておりまして、 ずっといろいろなことで言いたかったのですが、どうして医師と看護職だけの問題で集 約されていくのか、至る所で不満でした。藤上委員がおっしゃるたびに、私も一言言い たくなるというのが実態ですが、そんなことを言ってもしようがないので、せめて最後 13頁の終わりのところに、「おわりに」と書いてある中の2つ目の段落で、「医師、薬 剤師、その他の医療関係職種との適切な役割分担と連携のもとに」とありますので、せ めて「医療関係職種」の後に、「福祉関係職種との適切な役割分担と連携のもとに」と いう一言ぐらい入れていただけないかお願いです。以上です。 ○川村座長  具体的には、「その他の医療関係職種・福祉関係職種」。 ○宮武委員  もちろん在宅でもそうですし、特別養護老人ホームや介護老人保健施設の中でも、看 護師の方と連携して働いているわけですから、ソーシャルワーカーについても当然同じ 職場で働いているので、そこだけで結構ですからお願いいたします。 ○川村座長  いかがですか。よろしいですね。それはそのようにいたします。 ○井部委員  私も報告書の終わりに当たって真面目に全部読み返してみましたが、多少宮武委員の ような感想もあるのです。私は「はじめに」と「おわりに」を中心に、企画官には大変 申し訳ないのですが、もう少し書き込んでもらうといいなと思ったことがあります。そ れは「はじめに」の1行目で「少子高齢化の進展」「医療技術の進歩」「国民の意識の 変化」の3つについては枕詞のように使って、あと言及はあまり言及していないのです が、「少子高齢化社会」というのは、一体どういう社会なのかということをもっと国民 の人たちにわかってもらう。それによって、例えば看護がどう影響を受けるのかという、 看護の価値がどのぐらい評価されなければならないのか、ということに踏み込んでいか なければいけないのではないかと思います。  「医療技術の進歩」は技術だけではなくて、遺伝子の問題などにも踏み込んでいきま すと、かなり枕詞だけで終わらせることができないような国民全体、あるいは医療関係 者全体に影響を及ぼすような大きな医療技術の変化というのがあるのではないかと思い ます。  もう1つは「国民の意識の変化」です。、これは一体どういう意識になってきている のか、非常に個人主義的、あるいは利益追及型というか、生産に価値を置くといったよ うなことです。、もう1つは「入院期間の短縮」ということもそこから派生してくるの ではないかと思うのですが、そうした事柄をもう少し踏み込んで書いていただいて、そ れを「おわりに」で受けて、だから看護職はこうあらなければならないのではないかと いったような、看護職の価値、あるいは看護が大切にしていることがどんなふうに守ら れなければならないのか書き込んでいただくと、先ほどの丸印で並べなければいけない のかという指摘にも関連するのですが、もう少し全体的に締まるのではないかと思いま した。ので、最後にあたって多大な要求かもしれませんが、そこのところを何とかやっ てもらうと格調高くなるのではないかと思います。 ○田村看護課長  いまの井部委員のご発言は、少なくとも前回に言っていただければまだ工夫のしよう があったかと思うのですが、今回に至ってというのはなかなか難しいですね。井部委員 の案として、いま具体的にお書きになられたご提案はありますか。 ○井部委員  文章の案はないのですが、それを書くことは可能です。 ○田村看護課長  いまでしたら少しの間というのはちょっと難しいですよね。事務局としては、そうい うご意見があったことは重々承知をしつつ、今回はこの段階でまとめていただきたいと いうのが私の実感なのです。 ○井部委員  私の発言の機会が遅過ぎましたので、議事録にとどめておいていただければいてもい いと思います。 ○川村座長  それでは柳田委員、何かございますか。 ○柳田委員  7頁の「入院診療計画」という日本語を先に持ってきて、(クリティカルパス)を後 に書く方がよろしいのではないですか。それから9頁の丸の4行目に「麻薬による治療 開始の決定や種類の選択」、「投与量」「投与方法は」と入れたほうが「麻薬」ですの でよろしいのではないですか。そして「医師の責任において行われるものであり、状況 の把握、的確な看護判断は看護師が責任を持って行う必要がある」ではどうですか。そ れから、その下に「麻薬」のことが書いてありますが、これはどうしても入れなければ ならないのかどうか。私は本当はこれは取ったほうがいいのではないかと思いますが、 いらないのではないかと思うのですが、どうしても入れたければ、この・丸ポツの上の 「麻薬については、麻薬及び向精神薬取締法の関連法規を遵守しつつ、処方、運搬、管 理、使用、廃棄方法等の取扱い方法を、医療現場に周知していくことが必要である」の 辺までで、この「注射による場合には、安全性を確保するため…」は、公文書にここま で入れる必要があるのかと思っております。  10頁の「在宅医療を推進するためのその他の関連諸制度の見直し」のところの○の2 行目ですが「一層在宅医療を推進していく上では、関連諸制度の見直しを行っていくこ とが必要である」と書いてあるのですが、確かに関連諸制度の見直しを行うことは必要 ですが、その諸制度の前にシステムを見直すわけです。ですから、「システムの見直し 」になるのではないか、そしてそれをしてから、諸制度を見直していくのではないのか と思います。  もう1つは、11頁の丸の2つ目の「しかしながら、これはあくまでやむを得ない場合 における家族などへの配慮として行われるべきであり、在宅医療に取り組む医師は、患 者の死亡に際しては、求めに応じて、速やかに、現場に駆けつけるものであることは言 うまでもない」。確かにほとんどの医師は患者の死亡に際して速やかに駆けつけている のですが、中には死亡確認ができずに家族が混乱している例も存在すると思いますが、 この書き方をもう少し工夫して、例えば「医師との十分な連携のもとに、個々に適切な 対応ができるように医師の指示を明確にしておく必要がある」とか、そういうふうにし たほうが少し文章がよく高度になるような気がするのですが、それぐらいです。 ○川村座長  先ほどの「入院診療計画」を(クリティカルパス)にするのはいいですか。割合と「 クリティカルパス」のほうが聞き慣れていてこのようになっていると思いますが、これ は何か順序を変えると大きなことが。 ○田村看護課長  当初、素案の段階では「入院診療計画(クリティカルパス)」と提案させていただい て、ここでの議論で「入院診療計画」と言うことは、病院に入院している患者さんのこ とに対応するという話から、むしろ「クリティカルパス」にしたほうがいいというご意 見で「クリティカルパス」が残ったと思います。それでもやはり日本語を付けたほうが よかろうというその後の提案もありまして、カッコでこのようにいたしましたが、もと 通りにすべきという委員の方々のご意見であれば、そうすることは一向に差し支えござ いません。 ○川村座長  柳田委員、どういたしましょうか。このままでよろしいですよね。 ○西澤委員  このままのほうがわかりやすいと思います。 ○川村座長  これはこのようにさせていただきます。9頁のところは、麻薬の投与量や投与方法と いうのは、「投与方法」はちゃんと指示の中に入っていますよね。それとまさか注射薬 を飲ませることはないと思いますが、川越委員、いかがですか。 ○川越委員  これでわかるのではないかと思います。「処方」という中に当然「量」とかが入って いるわけですから。 ○川村座長  全部入っていますよね。 ○川越委員  はい。 ○川村座長  それはそういうことでよろしいですか。次の黒丸はある意味で、きちんと説明をして 限定事項はしっかりと限定事項として周知して、間違いのないようにしていこうという ことで入ったと思いますがよろしいですか。きちんとした法規上の言葉で書くというこ とで、そのようにされております。 ○柳田委員  この「シリンジポンプ」は。 ○川村座長  この「シリンジポンプ」というところは、きちんとした文言で書き直されています。 ○土生企画官  正確に書いていると思います。 ○川村座長  こういったことが周知されて、きちんとできるようにしようということで、あえて藤 上委員からのご指摘もあって書いてあります。 ○柳田委員  あえて見直しのために言ったのですが、これがこのまま公に出る場合、私どもの委員 の資質にかかわりますので、きちんと対応ちゃんとしなければと。 ○川村座長  少しくどいかもしれませんが、文言はきちんと確認をしていただいております。10頁 の(2)の最初の丸で、「関連諸制度を見直す」の前にシステムが入るのではないかと いうことだったと思いますが。システムというのは、割と一般名的なところがあって、 幅が広くなってしまうところはないかなと思いますがいかがですか。 ○國井委員  あのときの検討は、関連諸制度がどうしても病院を前提とした関連諸制度になってい て、在宅に馴染まない面があるということだったと思います。 ○川村座長  それでわざわざここに書いたわけですね。「一層、在宅医療を推進していく上では」 という。 ○内布委員  「システムというものは」はそれぞれがいろいろな制度を使いながら作り取り上げて いくと思います。いちばん上の(2)は表題が「関連諸制度の見直し」となっているの で、「システム」はいらないと思います。 ○川村座長  もう1つ先生がおっしゃった課題ことが。 ○柳田委員  11頁の2つ目の○の書き方の問題です。これは非常によくわかるのですが、結局、書 くとすれば「やむを得ない場合における家族の配慮で」のところで、「医師との十分な 連携のもとに適切な対応ができるように医師の指示を明確にしておく必要がある」とい うふうにしたほうがいいのではないかと思います。少し言葉が足りないと思いますが。 ○上野委員  上の ○を受けて、看護師等が医師と連携をとって、「点滴の抜去、身体の清拭等の適切な対 応を行うことも考慮する必要がある」。これはあくまでも医師が往診へ行って死亡確認 をするのだよということを言っているのですよね。 ○柳田委員  はい、そうです。 ○上野委員  これはこのままで、柳田委員もこの間おっしゃったように、必ず医師は行くのだと、 行くのが前提だと強調しているととらえますので、これはこのままでよろしいのではな いですか。 ○柳田委員  「現場に駆けつけることは言うまでもない」というのは非常に強調してくださってい るのですが、「患者の死亡に際しては求めに応じて速やかに適切な対応ができるように 医師の指示を明確にしておく必要がある」とか。 ○川村座長  「医師の指示」は、1番目の丸の5行目に「医師に連絡をとって状況を報告し、医師 の判断、指示に沿って」行うのですよと。ただ、医師と事前に早めの時点で、連絡をと っていた指示でやるのではなくて、きちんと主治医が来るのだから、それをきちんと待 つとか、おいでになるのだということを前提にして行動しなさいというのが、2つ目の 丸だと思うので、ここに指示を入れるとおかしくなると思うのですが。いま柳田委員が おっしゃったことは上の丸で、ただ、それは安易に流されないようにというのが2つ目 の丸だったと思いますが、解釈が違っていますか。 ○田村看護課長  まさにそういうことで、事務局としても提案させていただいております。最初の丸で、 「看護師がやるんだ」というようなところだけが強く出てしまうことによる、ある意味 で弊害もありますので、「医師が本来そこに行くのです」ということで、上にも「やむ を得ず、医師が直ちに現場に駆けつけることはできないが云々」と書いてありますが、 繰り返しそこを強調しているということで、医師と看護師の関係性を明確に書いておい たほうがいいということで、ここへ書き込んだとご理解いただければと思います。先ほ ど柳田委員がおっしゃられた「医師との連絡を密にとって」ということについては、最 初の丸の中に書き込んだつもりです。 ○柳田委員  もう少し表現が他になかったかなと思ったものですから。 ○川村座長  「看護師が安易に流れない」というところで、これはあえてきついような言い方にな っているかもしれませんが。他にありますか。 ○田村看護課長  柳田委員がいまそういうふうにおっしゃられた意図の中には、「速やかに現場に駆け つける」というところが、医師にとってはシビアだというニュアンスが含まれているの ですか、お聞きしたいのですが。 ○柳田委員  実際、ほとんどの医師がやっているわけで、「速やかに」は取って。 ○田村看護課長  「求めに応じて、速やかに対応するものであることは言うまでもない」とか、そうい う表現に変えれば、もう少し柔らかくなるというお考えであれば、この辺の表現は若干 変えることはできるかもしれません。 ○柳田委員  はい。 ○川村座長  「現場に駆けつける」という1つの方法論だけではなくて、「対応する」という幅の 広さを持たせると。 ○西澤委員  ここだけ読むと、「求めに応じて速やかに」、例えば手を離せない場合でも、「来い 」と言ったら行かなければならないような誤解を生んでしまうということだと思うので す。実はこれは上の○とつながっているのです。ですから、両方読んでいただくとわか るのですが、ただ読む人によってはここだけ引っ張ってくるかもしれないという懸念が おそらく柳田委員はあると思います。ですから、これはつながっているということで、 読めばわかるのですが。かえってどうなのですか。小さい・にするとかで、完全にこの 2つはつながっていますということを見せたほうがいいかと思います。 ○川村座長  それでは・にすると。なるほど。 ○西澤委員   ○を取ってつなげたほうがわかると思います。 ○田村看護課長  段落だけ別にして、行間は開けないと。 ○川村座長  それではそういうことでよろしくお願いします。いまのところは丸を取ることと同時 に、段落は1行開けないで上と付けてきちんと両方1つのものとして読んでもらえるよ うにする。それと「現場に駆けつける」を「対応するものである」に変更することでお 願いします。他にありますか。 ○井部委員  質問ですが、この報告書はかなり網羅的に書いてあるので、いくつか改めてプロジェ クトか何か作らないと、実行できない内容があるのではないかと思います。例えば「基 礎教育の年限を延長する」と書いてありますが、それを具体的に詰めていく、あるいは 教育の内容をどうするかといったことを別個にそれぞれの項目に対応するような検討会 が持たれるのですか。 ○田村看護課長  この報告書をまとめていただいた後には、例えば死のマニュアルのところとか、看護 プロトコールのところであるというようなものは、例えば研究費で対応するとか、個別 の検討会を立ち上げてより丁寧な検討をいただくとか、そういうことを必要とすると私 どもも認識しております。個別に、すぐにすべてが立ち上げられるかは別として、より 緊急性の高いものから順次取り組んでいきたいと思っております。 ○井部委員  是非、期待したいと思います。 ○川村座長  それでは修正がすぐできるのですね。それではありがとうございました。ただいま修 正をしておりますので、しばらくお待ちいただきたいと思います。それでこの会として 医政局長にお渡ししたいと思います。 ○土生企画官  それでは作業している修正箇所を私から順に確認させていただきます。まず3頁の2 つ目の丸で、文末が「留意する必要がある」となっていますが「考慮する必要がある」 に修正します。4頁の上から3行目で「医師・薬剤師等」となっていますが「医師等」 に修正いたします。5頁のいちばん上の○の3行目ですが「医薬品等の量の増限を可能 とする医師の指示の範囲内において」ということです。同じ頁の3つ目の○の最初の文 章の最後ですが、「重要である」を「必要である」に修正しました。6頁の最初の○の 3行目ですが、「限定される傾向にある。」で止めるということです。その下の2つ目 の・ですが、「大学教育の拡大など看護基礎教育の期間を延長していく」ということで す。その2つ下の○は「普及を行い」となっていますが、「普及を図り」に用語を統一 いたします。その次の○の下から2行目で「仕組みが重要であり」となっていますが、 「仕組みが必要であり」、「このための学習プログラムの作成・普及・充実がなされる べきである」ということです。9頁の下から2つ目の○ですが、最後の文章で「この普 及を行っていく」となっていますが「この普及を図っていくことが必要である」という ことです。11頁の2つ目の○ですが、○を取りまして上の○の別の段落とするというこ とです。また、文末ですが、「速やかに現場に駆けつけるもの」となっていますが、「 速やかに対応するものであることは言うまでもない」ということです。その下の○は「 マニュアルを作成、普及すること」は「普及する」でよろしいですね。13頁の「おわり に」の2つ目の段落ですが、2行目の「その他の医療関係職種との適切な役割分担」に なっていますが、「その他の医療関係職種・福祉関係職種との適切な役割分担と連携の もとに」ということです。以上です。 ○川村座長  12頁の最後の(3)の下から2行目に「診療報酬を請求できないことになっており」に 「医師は」の主語を入れたらどうかというのがあったのですが。 ○國井委員  しかしこれは「医師」を取ったのではないですか。医師はもちろんそうなのですが、 看護職の技術料も評価されていないことから、前は書いてあったのを外したような気が するのですが。 ○川村座長  それでその後「訪問看護師等が行う場合の評価のあり方についても」が入ったと思い ます。 ○土生企画官  ですから、ここは少なくともいまは医師も当然請求できないし、訪問看護ステーショ ンもできないわけですが、それをもちろん注射自体は。 ○川村座長  ではこれは両者が駄目だということで入れなくてもいいですね。これはこのままにい たします。 ○柳田委員  6頁は「大学教育を充実させて、延長していく」ということではなかったのですか。 ○田村看護課長  これは「基礎教育の期間」です。 ○柳田委員  このままでいいのですか。 ○川村座長  上のところに「看護基礎教育を充実するとともに、大学教育の拡大など、看護基礎教 育の期間を延長していくことも検討していく必要がある」と。「大学教育」の「拡大」 はそのままです。 ○平林委員  いま聞いていて気になったのが1つ出てきてしまったのですが、6頁の「基礎教育を 充実するとともに、基礎教育の期間を延長する」というと、むしろ前半は基礎教育の内 容を充実するという意味ですか。 ○田村看護課長  そうです。 ○平林委員  そのあとで「基礎教育の期間を延長する」としたほうが、少し文意はわかるのではな いかと思います。 ○田村看護課長  「内容を」というふうに入れたほうが。 ○平林委員  もしそれでよければ。 ○土生企画官  「看護基礎教育の内容を充実するとともに」ということですか。 ○平林委員  そういう趣旨でよろしいのですか。 ○田村看護課長  そうですね。その趣旨はまさにそういうことです。 ○土生企画官  あとは手書きで。 ○田村看護課長  いま印刷が終わりましたので、川村座長のほうに最終の修正版をお届けいたしました。 それでは座長から医政局長に本報告書をお渡しいただければと思います。 ○川村座長  13回にわたりまして、皆様には熱心なご議論をいただいたまとめでございます。どう ぞよろしくお受け取りください。 (医政局長に報告書を手渡し) ○医政局長  ありがとうございます。 ○川村座長  皆様のご協力によりまして、本日こうして報告書を取りまとめて、医政局長にお渡し することができました。大変熱心なご議論を最後の最後までいただきまして、本当にあ りがとうございました。これが看護サービスがますます向上していく、ということに役 割を大きく果たしてもらえると大変嬉しいと思います。皆様方、ありがとうございまし た。それでは医政局長からご挨拶をいただきたいと思います。 ○篠崎医政局長  本日は年度末の大変お忙しいときにご参集いただきまして、そして熱心なご議論の末、 今日こうやって報告書にまとめていただきました。誠にありがとうございました。  この検討会はもともと坂口厚生労働大臣から直接ご指示がありまして、急遽検討会を 立ち上げて、13回にわたりまして大変お忙しいのに熱心にご議論をいただきまして本当 にありがとうございました。本来ならば大臣も出席されて、皆さんにお礼を申し上げた いと言っておられましたが、いろいろ用務が入ってしまいましたので参加できませんで、 皆様には是非よろしくということでしたのでお伝えを申し上げたいと思います。  この検討会で昨年の9月には、静脈注射のことで中間まとめをしていただきました。 これも長い間の懸案でしたので、新たな看護をどうするかという意味では、1つの象徴 的なことになったのではないかと思います。いま私ども厚生労働省としては、医療制度 の抜本改革を手掛けておりまして、昨年9月に出しました中間まとめを叩き台にして、 今年度末に最終的なまとめをしようということになっております。今回ご検討いただい たようなことも、この最終報告書の中に盛り込んでいきたいと考えております。川村座 長はじめ、皆様方には本当に何回にも渡りましてご審議をいただきましたこと、この場 を借りまして厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。 ○川村座長  それではこの報告書の取扱いについて、事務局からご説明をいただきたいと思います。 ○田村看護課長  本日いただいた報告書については、本日付けで公表するということになります。先ほ どご指摘のあった「看護基礎教育の内容の充実」という辺りをもう一度修正して、明日 朝いちばんで皆様にお届けしたいと思っております。  最初に申し上げた「看護師等によるALS患者の在宅療養支援に関する分科会」も報 告書がまとまり次第、川村座長とご相談させていただいた上で、報告書を皆様にお送り させていただくことになると思います。本当に長い間皆様にはお力をいただきましてあ りがとうございました。 ○川村座長  これで本当に終わりになります。どうぞ実行する所でも皆様方のお力添えをいただき たいと思います。大変ありがとうございました。 照会先 厚生労働省医政局看護課 課長補佐 勝又(内線2599) 保健師係長 習田(内線2595) ダイヤルイン 03-3591-2206