03/03/13 新たな看護のあり方に関する検討会(第12回)議事録          第12回新たな看護のあり方に関する検討会議事録        日時     平成15年3月13日(木)        10:30〜12:30 場所     経済産業省第1111会議室 出席メンバー 井部俊子、上野桂子、内布敦子、川越厚、川村佐和子、國井治子、        西澤寛俊、平林勝政、藤上雅子、宮武 剛、柳田喜美子        (五十音順、敬称略) ○田村看護課長  ただいまから、第12回「新たな看護のあり方に関する検討会」を開催いたします。委 員の皆様におかれましては、ご多忙の中、当検討会にご出席賜りまして誠にありがとう ございます。本日は、前回までの報告書(素案)の検討内容を踏まえ、事務局と座長と の間で、少し文章を修正して出させていただきましたので、これについてご検討をお願 いいたします。それでは、川村座長に議事進行をお願いいたします。 ○川村座長  それでは議事に入ります。まず事務局から資料の確認をお願いいたします。 ○勝又補佐  資料の確認ですが、座席表と議事次第とメンバー表です。本日は、新たな看護のあり 方に関する検討会報告書(案)という資料が1つあります。資料は以上です。 ○川村座長  それでは、前々回と前回と2回に分けて報告書の素案を基にして議論をしていただき まして、たくさんのご意見をいただきました。それらを踏まえまして事務局と私とでこ の案を作成いたしましたので、本日はこれに基づいて議論をしていただきたいと思いま す。  それでは事務局から前回の素案、それからの主な変更点についてご説明をお願いいた します。 ○土生企画官  資料に沿いまして、2回の議論、その後ファックスとメール等でいただいたご意見を 踏まえて、修正した報告書(案)について、変更した点を中心に説明いたします。  1頁の「はじめに」という文章全体を追加しております。その構成は、第1段落は第 1回の検討会の開催、発足に至った趣旨を簡潔にまとめたものです。第2段落は、昨年 の9月にまとめた中間まとめについて、ごく簡潔にその内容を記述したものです。第3 段落はその後の審議の経過ということで、主な検討事項を中心に整理しております。最 後の段落は、議論の中で看護のあり方を検討する上で医師、薬剤師、その他の医療関係 職種について、どういうことで議論をし、どういうことを報告書に盛り込んだのかとい うことを「はじめに」の中に書いたらどうかというご議論があったと思います。そうし た議論に沿いまして、現在の医療を提供する上では医療関係職種が協同することは不可 欠であることから、看護のあり方を検討する過程で、職種との役割分担や連携のあり方 についても議論を行いました。そうした議論について看護のあり方を示すために必要な 範囲内において、報告書に記載することにしたという書き方で案を作りました。  2頁から先は素案にもあった部分ですので、変わった所だけを説明いたします。3つ 目の○ですが、「しかしながら」となっておりましたが、少し柔らげた表現をというこ とで、「それにもかかわらず」となっております。次の○ですが、療養上の世話につい ての法律的な整理をここに記述しておりましたが、その部分は4頁にまとめて書くとい うことで、ここには「診療の補助のみならず、療養上の世話についても」としておりま す。3頁の2つ目の○ですが、諸外国の事情について書くべきかどうか、あるいは書き 足したらどうかということでしたが、この案では諸外国の事情については、「それぞれ の医療制度等の違いを踏まえて考える必要があるが」というような留意点を記載すると いうことで、記述としては残す案にしております。  (2)の2つ目の○ですが、「看護師等は、…療養生活支援の専門家として、…適切 な看護判断を行い、それを実践していく…」という記述がありましたが、その次に、「 特に慢性疾患の患者や高齢者の増加を踏まえると、従来以上に患者の自己回復力を引き 出し、支える働きかけや、合併症等を予防するためのかかわりを強化するなどの必要性 が高まっている」という具体的な記述を追加しております。同じ頁のいちばん下の「医 師の指示」の所の書き方ですが、医師がなるべく主語にならないようにということで書 きぶりを若干変更しております。  4頁の同じ○の2つ目の段落の「この場合」の所ですが、「看護の立場からの判断を 医師、薬剤師等に適切に伝える」という所で終わっておりましたが、ご議論がありまし たので、「伝え、より良いケアを行っていくことが必要である」という文章にしており ます。その2つ下の「療養上の世話を行う場合についても」という所ですが、先ほど2 頁でご説明した記述をここに合わせて書くということで、「療養上の世話を行う場合に ついても、法的には医師の指示を必要としないとしても、状況に応じて医学的な知識に 基づく判断が必要となる場合もあり」ということで、法的な話と実際上の話を合わせて 書いております。  同じ頁の下から2つ目の○ですが、「疼痛、呼吸困難、発熱」と例示の順番を変えて おります。その文章の最後が「安楽を確保」となっておりますが、「入念的に安全や安 楽を確保することが重要である」としております。4頁から5頁にかけての○ですが、 ここもいろいろな意見をいただいた所です。処方と指示を入念的に書くことと、指示の 中身として、「医薬品等の量の増減が具体的にある場合」という書きぶりになっており ます。医薬品等の使用方法について、「患者の症状に応じた医薬品等の量の増減を可能 にする医師の指示の範囲内において」ということで、医師の指示のほうに量の増減を書 きまして、看護師等については「患者の症状を観察した看護師等が症状に応じて、適切 な服薬を支援することが望ましい」という書き方で整理をしております。  次の○の「自律性」についてご議論がありました。医師等との適切な連携というのは 当然の前提であるということで、文章として追加しております。次の○の「十分にコミ ュニケーションを行い」というあとの所で、「治療の内容や選択」となっておりますが、 ここでは「看護ケアの内容」を持ってきまして「治療、検査等についても当然説明が必 要になる場面もありますので、例示としては入れております。ただし、選択というのは 全体的な文章の最後に「患者・家族が医療を理解し、より良い選択ができるように支援 をする」ということで、前の文章の「選択」というのは落としております。代弁者とし ての役割ということも重要だということで、「ときには代弁する役割を担うなど」とい う文章を追加しております。 6頁の・の2つ目の「看護基礎教育の期間の延長」とな っておりますが、期間の問題だけではないのではないかというご意見もありました。「 看護基礎教育を充実するとともに、その期間を延長していく」ということです。「専門 看護師等の要請」の次の○の「特定のセイドをさせないような配慮ということで、より 専門的な知識・技術を持っている専門看護師の要請の強化や普及」ということで、一般 的な用語としての書きぶりにしております。  2つ下の○ですが、「看護関係者の交流・連携」ですが、まず2つのことがあるとい うことで、看護教育の内容や水準と臨床看護が乖離しないようにということと、「施設 における看護と訪問看護との交流」という2つの趣旨が出るようにすることを書いたつ もりです。なおかつ、施設の中に医療機関、福祉施設等、両方があるということです。 そういうことを行っていくための仕組みをつくっていくことが必要だという書きぶりに 修正しております。  7頁の1つ目の○ですが、プロトコールについては「個々の患者の状態に応じて適切 な判断が重要であることに留意しつつ」ということで、留意点を追加しました。下の2 以降ですが、最初の2つの○は平林委員から討論としてふさわしいものになるようにと いうご意見を頂戴いたしましたので、そのご趣旨にそって修正したつもりです。なおか つ1つ目の○の中で「医師がさらに積極的に取り組む」という記述がありますが、「さ らに」ということをあえて言う必要はないということで、削除しております。  7頁のいちばん下の○ですが、「麻薬を使用するだけではなくて、看護技術を駆使し た疼痛の緩和と生活の質の向上が重要」ということで、1つ○を起こしてそれを記述し ております。8頁の具体的な内容ということで、この部分は内布委員からもいろいろご 意見をいただきまして、新たに書き加えた部分です。「即ち、患者・家族と十分にコミ ュニケーションを行い、患者・家族が症状やその緩和方法を理解し、より良い選択がで きるよう支援するとともに、疼痛症状の専門的な観察を踏まえ、体位の工夫、マッサー ジ、リラクゼーション、積極的傾聴などを通じた身体的、精神的・精神的なケアなど、 様々な看護ケアを提供すべきである。併せて家族との積極的な関りや、福祉サービス、 ボランティアなどとの連携を通じて、家族のサポートの中で患者が積極的な人生を生き 抜く力や意欲を持ち続け、生活の質を向上していくことができるよう、総合的な支援を 行うべきである」ということで、その必要性と具体的な中身について相当書き込みを行 っております。  その一方で、「麻薬製剤を適正に使用した疼痛緩和」というものも進めていくという ことで整理しております。次の○の「がん疼痛緩和に関する専門的知識と技術を有する 護師の育成の拡大」ですが、これは非常に重要な事項であるということで、○を起こし て、かつ場所も前のほうに移しております。  その下のガイドラインの関係ですが、出典を記載することと、なおかつこの検討会で 必ずしもこれがオーソライズされたわけではないということで、そうしたガイドライン の理解を進めていくことが必要であるという書きぶりに修正しております。その下の○ の「麻薬の適正管理」と書いてありますが、「明確に関連法規を引用して、法規を遵守 しつつ」と変更しております。  麻薬の指示について、前回の素案では「疼痛の増悪時の麻薬の投与量などについての 具体的な指示」となっておりましたが、レスキュードーズを指すということを具体的に 書いたほうがいいのではないか、あるいは看護師等の役割というのは服薬の支援ではな いかということで、「医師による麻薬製剤への種類や量、レスキュードーズなどについ ての具体的な指示のもと、その範囲内で看護師等が患者の疼痛の状況に応じて適切な服 薬等の支援を行う」と修正しております。 9頁の2つ目の文章で、「麻薬による治療 開始の決定や種類の選択は医師の責任」ということですが、一方看護師の責任について も記述するということで、患者の疼痛の状況等の判断は、看護師等の責任において行わ れるべきものである」ということです。次の○の麻薬の適正管理については、前の文章 と同じく「関連法規を引用してそれを遵守する」としております。そこの1つ目の・の 「安全性の確保が重要」ということで、「安全性を確保するため」としております。一 定のシリンジポンプ式の一定のものの推奨にならないようにということで、バルーン式、 ディスポーザブルタイプのものと並列的に記載した上で、安全な構造なものに限られて いるということを注釈として書いております。  次の○の下のほうですが、医療機関の個別性ということが少しわかりにくいというこ とですが、前に一度書いておりますので「前述の」ということで、そこではあえて長々 と説明はしておりません。9頁の下の「24時間対応」と「立ち会いの徹底」という非常 に短い文章になっていてわかりにくいということで、趣旨を明確にするために供給につ いては開局時間以外の緊急時の要請に対応できる体制整備を徹底するということしてお ります。廃棄については薬局に返却する、薬剤師の立ち会いを求めるという2つの方法 があるということで、それらを適切に行う必要があることを周知するという書き方にし ております。  10頁の(1)の「在宅で死を迎える患者への対応」ということですが、これは患者・家 族を含めた医師、看護師等と連携することが非常に重要だということが前提にあるとい うことで、その連携の重要性をいちばん最初に書きまして、その次の○で「在宅で患者 が死亡した際の対応についても同様である」としております。いちばん下の○ですが、 「死亡診断書の取り扱い」と書くよりも具体的にどうなっているかを書いたほうがいい ということで、「受診後24時間を超えて死亡した場合でも云々」ということで、そうい う場合は医師は死亡診断書を発行できることを看護師等も理解しておくことが必要であ る」としております。  11頁のいちばん上の2つの○です。まず最初の○ですが、「患者の死亡前24時間以内 に医師が診察し」等の要件はきちんと書くべきだというご意見がありましたので、論点 整理にあった文章に戻しております。看護師等も死に立ち会う必要があるということで、 「患者の死に立ち会った看護師等が」というふうに変えております。なおかつ下の○と 併せまして、これは非常に例外中の例外だということで、語尾が「望ましい」となって おりますが、「そういうことも考慮する必要がある」と書き直しております。次の○も 同様の趣旨で、「これはあくまでやむを得ない場合における家族などへの配慮として行 われるものである」ということで、例外であるという趣旨を出すために書いたつもりで す。団体がこうした対応を徹底すべきだという記述は、あえてここで書く必要はないと いうことですので、削除しております。そのほか11頁は大きな変更はありません。  12頁の検討事項の中に「訪問看護師等が行う場合の評価のあり方」も当然入りますの で、「訪問看護師士等が行う場合の評価のあり方について検討」と書いております。現 実的には中医協で決めていただく事項ですので、「そうした検討が行われることが望ま れる」という書きぶりに、所管課とも相談しまして修正しております。  13頁に「おわりに」を追加しました。どのように書くかこちらでも頭を悩ませました が、この案では患者の生活の向上をするためのケアを提供することが、医療提供体制全 般の改革の中でも極めて重要であることを書きまして、「そのため看護師等が療養生活 支援の専門家として、適切な看護判断を実践していくことが求められている」と簡潔に 要旨を書いたつもりです。さらにまだ残された分野もあるということで、この部分は國 井委員からもご意見をいただきましたが、ご意見も踏まえまして「当検討会は国民が安 心して、より質の高い生活を送ることができる社会の実現に向けて、この報告書で提言 した望ましい看護ケアが在宅医療を含めた分野で、普及、実現していくことはもちろん、 さらに看護師等が福祉施設、学校、保険の領域の分野でも、その機能と役割をより積極 的に果たしていくことを期待するものである」ということで終えてはどうかということ です。説明は以上です。 ○川村座長  ありがとうございました。13頁とふってある所に私の ○が付いていますが、これは何か意味があるのですか。 ○土生企画官  これは役所の習慣で、これが最後の頁であることを示すために用いるものです。特段 の意味はありません。 ○川村座長  ご意見を基に細かく修正していただいたことをおわかりいただければと思います。「 はじめに」という所から討論していただきたいと思います。「はじめに」は今日初めて 出てきたので、ここだけお読みいただいて議論したいと思います。 ○土生企画官  (1頁「はじめに」朗み上げ) ○川村座長  ありがとうございました。では「はじめに」のところで、ご意見をいただきたいと思 います。「はじめに」はこれでよろしいですか。では、本文についてご意見がありまし たらお願いします。 ○柳田委員  2頁の4番目の○ですが、この文章の意味がわかりませんので、4頁の「また療養上 の世話を行う場合においても」という所とまとめて、こちらを削除して4頁の2番目の ○を残すとかしていただくといいかなと思っています。 ○川村座長  2頁の○の4番目と、4頁の○の2番目が重複しているのではないかということです ね。 ○柳田委員  そこがわかりにくいのではないかと思います。それから、3頁の1番から2番の○を 書き換えるとすれば、「平成13年度厚生労働科学研究、諸外国における看護師の新たな 業務と役割によれば、看護師の裁量の範囲、役割、業務が拡大。変化し拡大しつつある 諸外国が少なくないことにも留意する必要があり、それにはそれぞれの医療制度の違い を踏まえて考える必要がある」としてもいいですが、これはどちらでもよろしいかと思 います。 ○川村座長  文章を前後させるということですね。 ○柳田委員  はい。それから4頁です。2番目の○の所で、「また、療養上の世話を行う場合につ いても、法的には医師の指示を必要としないとしても」とありますが、「医師の指示を 必要としないという見解があるが」という文章がいいのではないかと思います。いちば ん最後は「専門師を……いくことが重要である」あるいは「……ていくことが求められ ている」とか、そういう表現がごろ合わせとしてはいいのかなと思います。それから5 頁の上の○の2ですが、「インフォームド・コンセントを前提に、看護師等は患者・家 族と十分なコミュニケーションを行い、看護、ケアの内容、治療、検査」ですが、治療、 検査はいいとしても、治療となりますと主治医との見解が違ったりして難しいことにな り、語解を招く弊が出てる可能性もあるのではないかということを考えますと、「看護、 ケアの内容等」としたほうがよりいいのではないかと思います。「より良い選択ができ るよう支援することが望ましい」としたほうがいいのではないかと思います。「治療、 検査」を取ったほうがあとで語弊がないのかなと。  それから6頁です。・の2番目の「また、看護師等として学ぶべき知識・技術の増大 とあわせて」でも「増大において」でもどちらでもいいと思います。  ○の1番目ですが、「専門的な知識・技能を持っている専門看護師」、「専門看護師 」という言葉がいるのでしょうか。1つの固有名詞みたいなものが出てきたほうがいい のか。「専門的な看護師」のほうがいいかと思います。  7頁のいちばん上の「クリティカルパスや在宅療養患者を支援するための看護プロト コールの普及を図るべきである」よりも「必要がある」というほうが妥当かなと思いま す。○の下の「標準的な看護プロトコールなどの開発を進めていくことを考慮する必要 があろう」という文章にしたらどうかと思います。  9頁の1番目の○、「医師と看護師等の実際の連携のあり方は、資格経験、専門性」 とありますが、この「資格」というのは資格によって差別されるべきではないと思いま すので、この「資格」というのは取ったほうがいいのではないかと思います。13頁の終 わりに「高齢化社会」とありますが、「高齢社会」でなくていいですね。今後ここもど うなるかはわかりませんが。以上です。 ○川村座長  いくつもありがとうございました。それでは、これまでにも少し議論をしてある程度 方向性が出たところもあったかとは思いますが、せっかくお出しいただいたのでもう一 度納得していただいたほうがいいと思います。恒例的に再度説明をいただきが必要であ って、それで前回一致したところはそのような形でもう一度リフレイン確認をさせてい ただければと思います。柳田委員のご意見についていかがでしょうか。別のご意見でも 結構ですが。 ○國井委員  2頁の4番目の○に関して、後ろの4頁と一緒にされたらどうかというご意見ですが、 これは看護職が医師の影に隠れて自ら責任を取らないということも問題だと。避けるよ うな姿勢があるということで、ここでも議論に上ったことなので、看護職のきちんとし た認識を促すためにも、この表現は後ろの法的整備とは別にここに盛り込まれたほうが 私は望ましいと思います。 ○川村座長  むしろ看護職自身の反省ということを最初に課題として述べているというご意見です ね。 ○國井委員  はい。 ○内布委員  9頁の最初の○の「資格」を取るという話ですが、これは「看護師等」の中に助産師、 保健師、看護師という明らかに資格の違う人たちが含まれていますので、それは残して おいたほうがいいと思います。 ○川村座長  ここで言っている資格というのは、いまの保助看及びそれに準ずるというところでよ ろしいですね。 ○田村看護課長  厚生労働省で「看護師等」と呼ぶのは、保健師、助産師、看護師、准看護師の4職種 を指しておりますので、やはり職種によってそれぞれ行っていらっしゃる業務が違って おりますし、助産師、看護師、准看護師の業務は独占業務であるということを踏まえま すと、ここは書いていただいたほうがいいと私どもとしては考えております。 ○國井委員  いまの問題から外れますが、5頁の2つ目の○のところですが、先ほど柳田委員から 「看護ケアの内容、治療、検査等について」という所は問題だとおっしゃいましたが、 「インフォームド・コンセントを前提に」と前文に書いてありますし、「医師の説明を わかりやすく患者に説明するということは必要で、実際行っていることでもあるので、 これはやはり看護なりの説明をするという意味で記載してあるほうがいいと思います。 ○柳田委員  熱意を持ってやってくださっていることはよくわかりますが、例えばある医師が治療 法について説明した場合に、ひょっとしてまた違った見解説明が出た場合に、そこまで 書き込んでいいのかなということで、「看護ケアの内容等」を取ったらどうかなという ことで発言しました。 ○川村座長  いま國井委員がおっしゃったように、この文章は「医師が行うインフォームド・コン セントを前提に」というのは、並列ではなくていまの文章にかかりますね。 ○國井委員  はい。 ○内布委員  いまと同じ所ですが、もし柳田委員が懸念されていることが払拭されるのであれば、 「看護師等は患者・家族と十分に」と書いてありますが、「患者・家族、医師と十分に コミュニケーションを行い」と書けば、治療、検査についても医師ともコミュニケーシ ョンを十分とった上で説明をする。実際には説明をしていますので、これは置くべきだ と思います。もし必要であれば「医師とのコミュニケーション」というニュアンスを「 患者・家族及び医師と十分にコミュニケーションを行い」というふうに入れ込むことが 必要かと思います。  その文章のいちばん最後の「ことが重要である」を「望ましい」に変えたほうがとい う話でしたが、それについては、むしろこれはしていかなくてはいけないことなので、 望ましいレベルではないので「重要である」といううふうに残したほうがいいと私は思 います。 ○川村座長  西澤委員と川越委員は実際に診療上でこういう齟齬をご経験かと思いますので、「イ ンフォームド・コンセントを前提に」という括りを付けても問題はないですか。 ○川越委員  いまの「及び医師と十分コミュニケーションを行い」と入れれば、柳田委員が心配し ていることも解決するのではないかと思いますが、わざわざ言葉を入れないとこの文章 が伝わらないということは残念だと思います。これは新たな看護の1つの課題かなと思 いながら聞いておりました。 ○西澤委員  たしか前回のときには「治療の内容の選択」という言葉が入っていましたね。前の議 論では、選択ということになると少し違うということで抜いたと思います。今回はこの ままでこの文章はいいのではないかと思っております。いま言ったように、コミュニケ ーションに「医師」を入れるのは私も疑問を感じます。これは同じチームでやっている 中で当然のことなので、改めてここでという気がいたします。  逆に下から3行目の「ときには代弁する」という言い方も何となく引っかかるのです が、これは患者・家族の意思を誰に言うかといったら医師に対してということでは同じ ような意味です。もちろん医師は患者・家族と接していますから、意思を伝えるのは当 然ですが、「代弁」という表現よりもほかにいい言葉はないのかなという気がします。 ○川村座長  それでは、治療検査のところは残させていただいて、次の代弁という表現をもう少し 実態に則すようなものはあるでしょうか。福祉のほうではこういう言葉が非常に簡単な 一般的な内容を持って使われていると思いますが、宮武委員、何かご意見はありますか。 わりと簡単に使いますね。 ○宮武委員  正確にはソーシャルワーカーが患者・家族の意向を聞いて、その中でサービス提供側 に対してさまざまな事情、不満を伝えて改善をしていくという、「代弁者機能」と普通 は言っていますね。同じ言葉がここで適当かどうかというのは、確かにご指摘のとおり で、少し違うのかなと。ソーシャルワーカーが言う代弁者機能とはまた違うのかなとい う気がします。 ○内布委員  ICNの(国際看護協会)で看護の役割について規定している文書がありますが、こ の中にあるアドボブケイトウという、看護単語の重要な役割として1項目挙がっていま す。看護界会では代弁するという言葉は頻繁に使われて、常識的に皆は使っています。 もしこの文章の中でどうしてもそれが引っかかるというのであれば、代わって伝える役 割と言い換えても別に意味は変わらないと思いますが、代弁でも問題はないと私は思い ます。 ○宮武委員  私も別に拘っているわけではありません。 ○川村座長  代弁という言葉かどうかは別にしまして、私見を申し上げますと、この中には患者さ んの言葉を整理して伝えるという意味も入っているかと思います。 ○川越委員  平林委員にお聞きしたいのですが、これは法律的に特別な意味を持った言葉なのです か。 ○平林委員  ないと思います。「代理」という言葉を使えば、法律的に意味を持つ場合もあります が、この場合は代理には当たりませんが、代弁という言葉は少なくとも私は知りません。 ○川越委員  宮武委員がおっしゃったように、私も代弁という言葉は引っかかるといいますか、業 界用語ではなくてほかの方にもわかる言葉に、代弁というと代わって弁明するという感 じですので。代わって伝えるとか、そういう表現に変えていただいたほうがいいのでは ないかと思います。 ○井部委員  アドボケイトは確かに代弁と使ったりしますが、私はあまり代弁という表現は好きで はなくて、むしろ患者や家族が自分の意向を伝えられるように促すということのほうが いいのではないかと思っています。「擁護」という言葉をあてて役立てている場合もあ ります。ですから、代わって看護師が弁ずるというようなことではなくて、このように したらもっとうまく伝わるかというような、コミュニケーションをサポートするような 役割のほうがいいのではないかと、私見ですがそう思っています。 ○平林委員  「代弁する」という言葉を入れたほうがいいと言ったのはたしか私だったと思います。 私は代弁で一向にかまわないと思います。要するに将来の新たな看護のあり方として、 看護師がどういう立場に立つのかということで、「代弁をする」という言葉を入れるか どうかはともかくとして、これはとても重要な意味を持っていると思います。これは私 の私見ですが、看護は医師の側に立って物事を見てきたように思いますが、これからの 新たな看護においては、医師の立場と同時に基本的なスタンスを患者の立場において、 患者の立場に立って患者の目線でその人のための医療を考えていく、ということが新た な看護に求められているのではないかと思っています。  よく申し上げますが、例えば医師が説明をするときに従来の看護師さんは、基本的に 者側に立って、同席するとしても医者側に立って話を聞いていた、あるいはメモを取っ ていた。しかし、今後のあるべき新たな看護のあり方としては、むしろ患者の側に立っ て患者と一緒に並んで医師の説明を受け、患者が医師に伝えられないようなことを患者 に代わってまさに代弁する。そういう機能がこれからは求められてくるのではないかと 私は考えています。そういう意味で、これをどういう意味付けで入れるかということは、 まさに新たな看護のあり方にとってとても重要なことだと思っておりますので、一言私 見を述べさせていただきました。 ○井部委員  平林委員に議論を吹きかけるようで大変恐縮ですが、医師は医師であり、所詮看護師 は看護師でありまして、患者の立場と同一にはなれないと、経験から思います。したが って、患者の代弁的な機能を持てることは望ましいと思いますが、必ずしもそこで一致 するとは、あらゆることで一致は見られないと思うのです。、それは専門家としての限 界だと思います。家族にはなれない、患者自身にもなれない。したがって医師にもなれ ないので看護師であって、看護師がどういう価値感でその場に同席するかということが 重要であると思っています。私たちが医師とを敵対視して患者側に立ちたいというふう によく言いますが、そこには限界があるのではないかと。あくまでも看護師としてのあ り様ではないかと思うことがあります。期待をしていただくのは大変ありがたいことで すが、看護師としては謙虚にそこの限界を認識しておく必要があるのではないかと私は 思っています。 ○平林委員  議論を受けて立つつもりはありませんが、少し目を覚ます意味で話をいたします。委 員がおっしゃることはわからないでもないですが、私が申し上げたのは患者の立場に立 って患者と同一化しろとは言っていなくて、どちらに基本的なスタンスを置くかという ことを申し上げています。ややもすると従来は医師のほうにスタンスを置いて見ていた のではないか。それをもう少し患者のほうに向いて、患者さんが医師に伝えられないこ と、言いたくても言えないことはたくさんあると思います。それを患者に代わって、看 護の判断を通してきちんと医師に伝えていくことは、私は看護の役割として重要ではな いかと、素人ながら思っていますが、これ以上は申し上げません。 ○宮武委員  私も平林委員と同じような思いで、例えば介護保険におけるケアマネージャー、介護 支援専門員というのは、まさに患者や家族の立場に立ってどういうプランをつくってい き、それが実際に機能しているかどうか。要するにご本人と家族の不満や批判をいつも 汲み上げて、サービス提供側にぶつけていく。それがなければケアマネージャーではあ りません。そういう意味ではケアマネージャーというものは、ソーシャルワーカーのい ちばん大事な代弁者機能をつくったときからそこが付与されています。付与されていな がらそこが機能していないことが問題だと思います。おっしゃったように、いまの現状 ではなくて先の新しい看護の姿という形でこれを読めということであれば、大変有意義 だなと私は賛成いたします。 ○内布委員  井部委員がおっしゃるように、代弁というのは確かにICNの中でも議論が一部あり ました。全部代弁してしまうと患者さんのセルフケア能力がディペンダントになってし まって、能力が育たない。だからきちんと自分の意思を自分で言えるようにサポートす るというのが、本来の看護のあり方ではないかという議論はあるようです。私もそれは 承知しています。  しかし、現実にはセルフケア機能が落ちている患者さん、自分で判断することができ なくなってしまっている人に関しては、専門家としての判断を基に代弁をするという行 為は残っていると思います。ですから、「代弁したり表現を助ける役割」とすればいい のではないかと思います。 ○宮武委員  イメージとして、ソーシャルワーカーの代弁者機能の場合は、例えば経済的な問題に ついて病院側と交渉するとか、非常に広い範囲で使っているものですから、ここは少し 違いますね。そういう違和感はありますが。 ○内布委員  植物状態の方とか、判断能力がなくなってしまった患者さんの代弁も含んで考えてい ますから、その人の健康、生活という視点で、より良い判断を専門家としてするという ことでの代弁も含まれているので、そのまま伝えていくという話ではない部分もありま す。 ○西澤委員  看護師さんが代弁者だということもわかりますが、看護師も医療提供側の一員でもあ るわけです。サービス提供者です。そういう立場で言うと、あまり代弁を強調してしま うと逆におかしくなるので、井部委員が言ったような表現に変えたほうがいいと思いま す。ここで医師として出ているのが非常につらいですが、患者さんと医師がいて、看護 師がどちらに付くか。最近は医療提供体制のあり方等も言われていまして、提供者全員、 すなわち看護師であろうと医師であろうと、ほかの提供者もこれから患者の視点でやっ ていこうと言っている議論の中で、常に医師がこっちに置かれている違和感も非常にあ ります。ですからそういう議論ではなくて、私たちも患者さんの代弁者にもなり得ると いう気持もありますので、そのあたりを議論していただければと思います。 ○内布委員  代弁というのは、必ずしも医師に対して言っているのではなくて、看護師のチームに 対して言っていると理解していただいたほうがいいと思います。医師と敵対して医師に 患者の意向を代弁しているというような言い方で使っていないと思います。 ○西澤委員  全くそのとおりだと思います。そうだとすれば、そういうふうにわかりやすく書いて いただいたほうがいいのではないかと思います。 ○川村座長  少しややこしいですが、少し考えて何か整理できるでしょうか。いますぐは無理かも しれませんが、ご意見の趣旨が伝わったでしょうか。 ○田村看護課長  よくわかりました。 ○川村座長  では、ここは次回にうまくまとめられるように整理をしたいと思います。 ○内布委員  ほかの点ですが、4頁の下から2行目の「必要としないとしても」という所で、「必 要としないという見解があるが」と書き換えてほしいというご意見ですが、これは私も 平林委員に見解を言っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○川村座長  前回同じ内容の議論が出たときに、いまの法律の解釈を企画官にしていただいて、平 林委員がそれについてのコメントをくださったということで、もう一度それを基軸とし てよろしいですか。 ○内布委員  これはそれを経て残してあるということですね。 ○川村座長  はい。 ○内布委員  そうであれば、議論をしているのでいいのかなと。 ○川村座長  してはいますが、もう一度出ましたので時間をいただいて前回のところがあれば。療 養上の世話というものの、法律行政の上の解釈について説明してというものをいただき たいたと思います。 ○土生企画官  資料の最初に議事次第等がありまして、資料1の「生活の援助と医師の指示について 」の次の資料1の1で保助看法の条文の抜粋があります。第5条で「療養上の世話また は診療の補助」ということで、看護師の業務が記載されています。第37条において、「 看護師等は主治医等の指示があった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を補充 し」ということで、「医師等が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為 をしてはならない」ということです。この「行為」ですが、これは医師が行うべき行為 で、それは医師の指示がなければならないということです。これは第5条で申し上げま すと、診療の補助に当たると、厚生労働省としては解しております。そういうことで、 療養上の世話については、少なくとも法的には医師の指示がなければできないというこ とではありません。  報告書のほうに戻ります。前回もご議論いただきましたように、こうした法的な整理 とはまた別の問題として、当然状況に応じて医学的な知識に基づく判断が必要の場合も あるということですので、前回の文章ではそれが離れていてわかりにくいというご指摘 があったものですから、4頁に続けて記載をいたしました。もちろん法的な解釈ですの で、行政としてはそのように解しておりますが、そうではないという解釈が学説等であ れば、そういうものの存在まで否定するものでもありませんので、ここでは行政解釈を あくまで主体にしているということです。 ○内布委員  このままでよいということで了解しました。 ○川村座長  何かおありですか。 ○平林委員  もう何回も言っていますので、それでよろしければ。ただ、そこの文章にもう少し違 う書きぶりがあるかなというふうには思ってはいたのですが、どうしましょうか。 ○川村座長  例えばいま思いつくところがおありなのでしょうか。 ○平林委員  その後のほうの「患者に対するケアの向上という観点に立てば、療養上の世話と診療 の補助についての公的な区別を論ずるよりも」という所が、少し分かりずらいので、看 護師等の業務を療養上の世話と診療の補助に截然と2分することはできないとしても、 医療の現場において云々かんぬんというふうに続けたほうが、「法的な区別を論ずると いうよりも」というよりも、現実に即した議論になるのではないかな、というふうには 思ってはいましたが。 ○川村座長  非常識で申し訳ありませんが、「截然とした」というのはどういう字を書くのですか。 ○平林委員  それは、その言葉を使う必要もないと思いますので、くっきりとというか、はっきり とでももちろんいいのです。 ○川村座長  結構です。いまの所の書きぶりについてはよろしいでしょうか。それと「療養上の世 話を行う場合についても」という所で、先ほどの行政解釈であるということについて、 少し説明がいるのでしょうか。もうよろしいですよね。柳田委員、何か行政的な解釈と してはこうだということなのですが。 ○柳田委員  そういう解釈があるかということですか。 ○川村座長  はい。 ○柳田委員  見解がと。 ○川村座長  いや、だから誰がこの解釈をしているかということが、はっきりすればよろしいわけ ですね。では、ここにつきましては、そういう書きぶりに修正をしていただくというこ とで。 ○田村看護課長  どういう方向ですか。 ○川村座長  行政解釈としてというふうに。 ○田村看護課長  ニュアンスがちゃんと入るようにということですか。 ○川村座長  はい、いま企画官がそういうふうな意味合いをおっしゃいましたね。 ○土生企画官  はい、分かりました。 ○井部委員  行政解釈としては「療養上の世話は医師の指示を必要としない」ということを、はっ きり書くのは私は初めてではないかと思うのです。こういう公の文章において、そこを 明瞭に書くというのは私はあまり認識がないのですが、そのような文章がほかにどうい うふうに書かれているのか。これは「法的には医師の指示を必要としないとしても」と いうのですらりと終わってしまうと、見逃してしまう可能性があるのではないかと思う のです。もう少しきちんと解釈を説明したほうがいいと思います。 ○平林委員  前にもちょっと申し上げたと思うのですが、もう少し違う言い方をすると、要するに 療養上の世話をする場合に、看護師に対して医師がキューを出さなくても、看護師は独 自の判断で療養上の世話、行為を行うことができるだろう。ただ、それをやっていくプ ロセスの中で、いろいろと医師に対して指示をもらわなくてはいけない場合もあるだろ うというのが次の所ですから、これを何て公的な文章で入れるかは難しいのですが、キ ューを出す必要があるかどうかというところに、いちばん大きな違いがあると思うので す。診療の補助については、やはり医師のキューがなければ動きがとれないことは明ら かだろうと思いますので、そこの違いだと私は認識をしています。ただ、私と厚労省の 解釈が微妙に違いますが、その線に沿っていま考えると、そうなるのだろうと思います。 ○井部委員  微妙に違うというのは、どこが違うのですか。 ○平林委員  すみません。余計なことを言いました。先ほどの説明だと、診療の補助と保助看法37 条を、先ほど37条が5条の診療環境の補助だというふうに、ほぼイコールに説明をされ ていたように思いますが、私は診療の補助は37条だけではないだろう、それ以外の診療 の補助、即ち医行為をしない診療の補助というのもあるだろうというふうに思っていま すから、そこが微妙に違っているといえば違っているということです。 ○田村看護課長  いま井部委員が行政解釈についてきちんと書くべきではないかと言われたところなの ですが、これは検討会の報告書ですので、そうした行政解釈について書くことに関して は、ちょっと馴染まないのではないかと思っておりますけれども。したがって行政解釈 を踏まえてこの検討会は議論をしていただいているということも含めて、法的には医師 の指示を必要としないとしても、というふうに書いて提案させていただいているところ です。その部分だけまだ切り出してここで書くことについては、全体の流れとの関係上 うまくそぐわないように思っています。 ○川村座長  何かほかの先生方でもご意見がおありでしたらどうぞ。井部委員、まだ更に追加があ るのでしょうか、またはこのように書くとかいうのがあれば。 ○井部委員  丁寧に書くとすると、「療養上の世話は法的には医師の指示を必要としないと解釈さ れるが、療養上の世話を行うに当たっては、状況に応じて医学的な知識に基づく判断が 必要となる場合もあり」と繰り返して、丁寧に説明をしてもいいかなと思います。 ○川村座長  では、いまの基調として前後の脈絡を考えた文章にしていただいたらと思います。柳 田委員よろしいでしょうか。 ○柳田委員  はい、そこはしっかり考えて書いてください、よろしくお願いします。 ○川村座長  ありがとうございました。 ○上野委員  最後の重要である、求められると柳田委員が言われましたが、やはりここは「重要で ある」のほうがより強いのではないかと思いました。 ○川村座長  そうですね、医師の意見を求めるかどうかというのを、きちんと判断する能力がない と、医師に相談をしないかもしれないということに係わりますので、重要だという表現 になっているということで、かなり配慮があるかとは思いますが。では、ほかのことに つきましていかがでしょうか。柳田委員のご意見だけに拘っているわけではありません。 ○内布委員  先ほどの柳田委員の、6頁の専門看護師等の専門的な「的な」を入れてほしいという 話でしたが、この文章は確かに「養成や普及を行い」というふうにすると、これはまさ に国が行うようなニュアンスになります。ので、むしろ専門看護師という名称について はは生かして。もう既に診療報酬等でこの人たちの役割が入ることによって、例えば緩 和ケアチームとか、化学療法認定看護師とかいう人たちがいることによって、外来の化 学療法の診療報酬が認められるとかいうことが、もう既に出発しているので、これは専 門看護師という言葉は残していただいて、この語尾のほうを国が行うような言い方では なくて、「等の養成の強化や普及が行われているところであり」というふうにして、「 行われているところであり、その能力が積極的に活用できない状況不満足」。これは国 が既に行っていることなので、これは書けると思うのです。  ですから「その能力が積極的に活用されるような基盤づくりを行っていくことも重要 である」というふうに、これはそのまま残していただいて、専門看護師という言葉も残 していただいて、ここの養成の強化や普及が行われているところでありというふうに、 国がやっているのではなくて、看護協会がやっているので、そういうふうに書かれるこ とによって、ここの専門看護師というのは「的な」を入れないで、そのまま残していた だくという案のほうがよろしいかと思います。 ○川村座長  いかがでしょうか。 ○西澤委員  不勉強で申し訳ないのですが、診療報酬上評価されている専門看護師の定義というの は、どうなっていますか。 ○田村看護課長  今日、資料を持ってきていないと思いますが、14年の改定で、緩和ケアチームの加算 があります。 ○西澤委員  その時の。 ○内布委員  チームのメンバーとしての専門看護師は、一応認められているのです。 ○西澤委員  専門看護師の条件というのを教えていただけますか。 ○土生企画官  緩和ケア診療加算という所です。まず3名から構成されている緩和ケアの専従チーム の設置が要件になっています。その3名は身体症状の緩和を担当する常勤医師、精神症 状の緩和を担当する常勤医師、それに加えて緩和ケアの経験を有する常勤看護師の3名 ということです。その看護師の定義ですが、5年以上悪性腫瘍患者の看護に従事した経 験を有し、緩和ケア病棟等における研修を終了している者であることということで、特 段研修というのがどこの研修ということではありません。  ただ、Q&Aで、研修のところに具体的にどういうものがありますかということが質 疑応答集で出ていて、例えばということで、日本看護協会、看護教育研修センターのホ スピスケア学科や、神奈川県立看護教育大学校のがん看護課程などということで、例示 が2つ挙がっているます。特定の団体の研修だけを制度化しているということではあり ません。一般的な要件を定めて、その例示について回答をしているという制度になって います。 ○西澤委員  とすれば、ここに専門看護師等ということを入れると、これは誰が見ても専門看護師 という資格に見えてしまうので、そうではなくて、専門の教育を受けた看護師とかとい う表現に改めるほうが正確ではないかなと思います。決して専門看護師がもう制度化し ているわけではないと思います。 ○國井委員  制度化にはなっていないのですが、平成13年に出た、がん治療の地域拠点病院の施設 の指定基準の中には、がん専門看護師が望ましいという形で、通知文にきちんと表現さ れているのです。そういう意味で国のいろいろな所にもこの固有名詞が載っている事実 があるというところで、かえってそのことをきっちり謳ったほうがいいような気がしま す。 ○川越委員  いまのお話、たぶん2つの専門看護師というのが出ていると思うのです。つまり、大 学院の修士課程でそういう教育を受けられた専門看護師、いわゆるCNSと言われてい る方と、看護協会のほうで設受けられた、がんのコースを終えられた方、認定看護師と いうのですか。まだ専門看護師というのは、いま國井委員が言われたようなところにイ メージを持っていたのですが、そうではなくて、もっと広い意味をこの内容としては、 この文章の中では持とうとしているわけですから、西澤委員が言われたように、専門的 な看護師ということにしたほうが、この中には、いわゆる認定看護師も含むでしょうし、 いわゆる専門看護師も含むだろうということになるのではないかと思います。 ○田村看護課長  事務局のほうでは、看護協会の認定している専門看護師、認定看護師ということに、 この間ご議論があったので、ここで言っている専門看護師というのは、もう一般名称と しての専門看護師というニュアンスで、専門医という言葉が一般名称のように使われて いると同様に、例えば糖尿病学会等で行っている糖尿病指導の認定看護師といったこと などもあるわけなので、そうしたさまざまな領域でのことも含めて、より専門的な知識、 技術を持っている専門看護師という、一般名詞として使っている、そういう提案でござ います。 ○柳田委員  1つの民間団体のつくった固有名詞を、公文書に入れて良いかどうかということです。 ○川村座長  そこは特定の団体ということではなく、こういう提案をさせていただいたということ です。 ○西澤委員  全くそのとおりでよろしいと思うのですが、いまの議論の中であるように、やはりそ うではない受取り方を皆さんしてしまいますので、そういう受取り方をされないような 表現の仕方のほうが安心かなということです。 ○平林委員  事柄は、専門看護師という一般名詞と固有名詞が同じ言葉が使っているので、そこに 問題があるのだろうと思います。本質といいますか、問題は要するに看護業務を専門分 化していくということに尽きると思うのです。その結果が専門看護師であったり何とか 看護師であったりするわけです。そのことを少し明確に書き込むと良いのではないかと 思います。例えば全くの思いつきで恐縮なのですが、特定の看護領域について、その業 務を専門分化し、より専門的な知識・技術を持った看護師の養成の強化、普及とすれば、 意味は同じ意味で通るのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○川村座長  例えば看護協会が認めてやっている専門看護師という方々がおられない分野について もカバーしているということを、はっきりと示せるということなのですね。いかがです か。「業務を専門分化し」ということを入れることによって、特定化の誤解を避けられ るのではないかという意見です。 ○國井委員  医師には専門医師という一般的な表現を使いますね。ですから、特別専門看護師とい う用語が、特定の団体を意識するのではないということにもならない。 ○西澤委員  先ほど内布委員が言われたように、もう専門看護師は診療報酬で評価されていると言 ったので、そう申し上げたのです。そうであれば診療報酬でこの資格が認められたとい う表現になってしまい、いま課長の言われたような受取り方にはなっていなかったとい うことなのですね。そういうことで影響力が非常に大きいなと感じたわけです。ですか ら、そういう誤解のないようにしていただきたいというだけです。要するに先ほどの条 件は、決して看護協会の育成している専門看護師がいるということだけが条件で、診療 報酬というのは決して付いていない、ということを申し上げたいのです。 ○川村座長  ということは、課長の言われていることと中身は同じなのですね。別に看護協会の専 門看護師だけではないものがついているわけですね。 ○西澤委員  はい、そのとおりです。 ○川村座長  だから、一般名称として使っている、ということであればいいわけですね。話が込み 入ってきましたが、いかがいたしましょうか。うまく誤解されないようにということで すが、あまり長い言葉よりも簡潔に専門医があるから、専門看護師というほうが良いよ うな気も……。 ○内布委員  ここは「合わせて」以降の2行は、状況についての説明をしているというようなつも りで読んでいただければ、別に専門看護師を国が認めているとか、認めていないとかい うことではなくて、特定の看護領域においては、そういう教育は既にされていますと、 そういうことが行われているので、その能力が積極的に活用できるような基盤づくりが 必要ではないでしょうかということの文言だから、そういう意味で私はこれ「普及が行 われているところであり」としていただいて、むしろ専門看護師等という、認定看護師 ももちろん含んでいますが、そういうことを生かしていただいたほうがいい。状況説明 であって、国がこういうふうにしますと言っているわけではない文章にしていただけれ ば、それはそれで生かされるのではないかと思った次第なのです。「専門看護師」とい う言葉は現実には看護協会の認定で固有名詞として使われているわけです。それは看護 協会の専門看護師が育てられてということが行われているところでありということで。 ○西澤委員  それであれば課長の言われることと違うのではないですか。 ○内布委員  違うと思います。だから一般名詞の専門看護師として私は言っているわけではなくて、 看護協会の特定の固有名詞としての専門看護師ということ、そういうことが現実には養 成されている状況にあるのでそれを鑑みて、そういう人たちの活用を図っていくことを 国が考えているという、文章にしていただければいいと言ったのです。 ○川村座長  そういうことになりますと、中身がかなり矮小化された文章になる。例えば専門看護 師がない分野はどうするのかということになるので、これは「専門的な」とか、先ほど 西澤委員が言われたような「専門的な教育を受けた」とかいう言葉に修正したほうが、 この全体のトーンには合うことになると思います。 ○内布委員  そうするのであれば、「強化や普及を行い」はそのままで結構だと思います。 ○川村座長  そういうことでよろしいですか。 ○柳田委員  6頁の○、これでいいのですが、「看護師の資質が求められていることから、大学教 育の更なる普及・拡大」と書いてありますが、「大学教育において、看護基礎教育の充 実をするとともに、その期間を延長していくことも検討していく必要がある」のほうが よろしいのではないでしょうか。 ○川村座長  いまの専門看護師と関係のあるご発言ですか。 ○柳田委員  いいえ、違います。その前の○の所です。 ○川村座長  分かりました。では、先ほどのことはそういう文言を考えて、前後お願いができれば と思います。 ○井部委員  6頁のただいまの○の所ですが、ここは上段と下段とは異なることを言っているのか なと思うのです。上段のほうは卒後の教育研修を充実させて、制度化を含めて検討する ということなのです。つまり上はジェネラリストの教育を対象にしているのかなと思う のですが、専門性を高めていくことと書いてあるので、必ずしもそうではないかもしれ ません。下段は特定の看護領域の専門家の育成や活用ということについて論じていると 思うわけです。  そうすると、上段の制度化という中に、今後は日本看護協会の認定看護師、専門看護 師以外に、専門的な特別なに名称を持った看護師を、制度として養成していく可能性を 秘めていると解釈できるように思うのですが、そういうことが含まれているのかどうか。 上が制度化を含めて検討をするといっているので、ひょっとしたら日本看護協会が現在、 内布委員が言及しているような専門看護師、認定看護師以外の専門的な看護師の育成は、 どこかで更にされる可能性があるということを含んでいるのでしょうか。 ○田村看護課長  いま現在でも日本精神科看護技術協会においても、精神科のどういう名称であったか は定かに思い出しませんが、専門性の高い看護師の養成をなさっておられます。いろい ろな団体あるいは学会が、そうした専門性を高めていくための活動をされていることを、 私どもとしては含めてこの「あわせて」以下の所を書きましたし、その制度化という所 に関しては、卒後の教育研修を制度化を含めて検討するということをまとめたつもりで すから、専門看護師の制度化という所ではどうかということで、混乱させるようであれ ば、それについては現状、私どもの考えでは、まだ非常に困難であろうと思っているの で、その○を2つに分けましょうか。 ○川村座長  そうですね、そして、もう少し説明を加えて。 ○井部委員  上段の「卒後の教育研修についても更に充実し、専門性を高める」。この専門性は看 護の専門性という感じなのです。ジェネラリストとしての専門性。 ○田村看護課長  そうです。ジェネラリストとしての専門性です。 ○井部委員  下段の「特定の看護領域における専門的な」というのは、スペシャリストとしての専 門性となるので、ちょっとニュアンスが違うのですね。 ○田村看護課長  分けましょう。 ○川村座長  では、これは少し書き分けていただくという形にします。すると、先ほどの議論も、 どの言葉を使うかというのも書きぶりで変わってくるかもしれませんので、ここの委員 の先生方の趣旨を踏まえて、書き分けていただければと思います。よろしくお願いいた します。ほかにもいかがでしょうか。 ○柳田委員  いま言われたのはその上のですね。 ○川村座長  失礼しました。では、大学教育の6頁の上の ○の2つ目、大学教育の所についていかがでしょうか。 ○柳田委員  この場合は大学教育のというよりか、「大学教育において看護基礎教育を充実すると ともに、その期間を延長していくことも検討をしていく必要がある」ということでいい のではないかと。 ○川村座長  いかがでしょうか、よろしいでしょうか。 ○川越委員  柳田委員の言われる真意と言いますか、危惧されているということ、私も少し分かる 気がするのです。ここの所をこのまま読んでいくと、これからの看護教育はより高度化 していかなければいけない、専門性を持たせていかなければいけない。ですから、その ためのそういう教育機関を増やしなさいという読み方になると思うのです。けれども、 そういう方向が、果たしてそれだけでいいのかというのが、たぶんいま柳田委員から出 た指摘だったのではないかと思うのです。  いま、多分、看護協会教育がある意味で過渡期と言いますか、大学がどんどん増えて いくという形で、どんどん学士を持った看護師たちが世の中に出てきている時代になっ ていると思うのですが、その辺の評価といいますか、今までそういう方向で走ってきた わけですが、その辺の見直しも今後の過程の中でやらなければいけないのではないか、 ということを私自身感じています。  ここからは全く私の伝聞で間違っていたら後で訂正をしてもいいのですが、アメリカ のほうでCNSがどんどん増えていった中で、いまはむしろアメリカの医療状況自体が 変わっていった中で、どんどんCNSが逆に減らされているという話をちょっと聞きま した。ではどういう看護師たちが大事にされているかというと、いわゆるジェネラルな 知識とかそういうものをしっかり持った方が出てくるというような話を、ちらっと伺っ たことがあります。そういう点から申しましても、日本の看護教育のあり方、看護の養 成も、ただ大学の数を増やしていけばいいという考え方だけでいいのかなということを、 実は私自身も疑問に感じているところです。ですから、柳田委員が指摘されたことも、 何らかの形でこの中に言葉として入れていただいたらいいのではないかということを、 私は思っています。いま長々と言ったのですが、私のいま言った意味が分かりましたで しょうか。 ○川村座長  いくつかポイントがあったと思うのですが、1つは基本的には大学教育だけを進展さ せるように読み取れると、そのことでよろしいのかということ。 ○川越委員  よろしいですかというか、そこを検討していただきたいということです。もう振り返 る時期にきているのではないかと思っています。 ○川村座長  そういうニュアンスを入れたほうがいいということですね。 ○川越委員  はい、入れるとしたら、ここを読むと大学教育の普及拡大ということになりますと、 大学を増やしなさいということだけに、ちょっと読めるような気がするのですが、それ は私の読み過ぎかもしれませんが。 ○田村看護課長  平成6年の話ですが、少子高齢社会緩和問題検討会の報告書の中では、今後の看護基 礎教育の充実ということで、将来的には大学が看護職員養成の主流となることも十分に 考えられる、という報告書をいただいているところです。文部科学省におかれましても、 まだ現在でも新たな大学づくりのご相談があるやに聞いていますし、我が国の高校生の 約半数は大学に進学を希望している実態がある一方、日本の看護教育の実態はまだ2割 にも、看護教育が大学教育を提供していないという意味では、まだまだ学習者としての 人たちに対して、彼らのニーズに合った看護教育が必ずしも行われていないのではない かという認識に私ども立っています。  そういう点からしますと、ここでは大学教育の更なる普及拡大ということが基本的に 今後も進めていくべきことであろうとは思っていますが、一方、専門学校、私ども厚生 労働大臣の指定する養成所も現在でも、まだ設置が進みつつあります。そういった所で の基礎教育の充実、あるいは教育の期間の延長も含めて検討をすべきではないかという ことを、書き込んだということなので、いま川越委員が言われたことをうまく表現する と、どのようにしたらいいのかちょっと迷いながら伺っていました。 ○川越委員  いまのお話の中で、ある意味ではいまの看護師の養成の大筋が決まって、それをしば らくというか、平成6年のを受けてやるということであれば、私はそれはかまわないと 思いますうのですが、医師会からの危惧があるのも事実だろうと思うのです。言葉とし てすぐに出てこないのですが、看護師のより有効な育成についても再検討といいますか、 見直しをする時期にきているのではないだろうかということです。教授が多い中で言う のはかなり勇気がいるのですが。 ○川村座長  川越村委員そこでよろしいですか。 ○川越委員  はい。 ○内布委員  整理させていただきたいのですが、CNSの雇用に関してアメリカで少なくなってき た背景は、ANPですか、アドバーンス・ナース・プラクティショナースナーという、 修士号以上を持っている人たちが増えてきた。同じく修士号以上持っている高学歴の人 たちは、医師が行うの処方の一部等を代わってできる人たち取って帰られるので、やれ る人たちなのです。それなので医師より安く雇うことができて、経済政策の一旦で安く 雇えてなおかつ医療が提供できるということで、ANPが出てきたという背景があって CNSが押された。CNSの人たちはちょっとした講習を受けるとANPになれるので そちらに転換していったので、CNSが変わっていった背景はあるのです。  ところが3年ぐらい前からCNSの呼び戻しが始まっている。それは看護の質が低下 してしまった。ミニ医師はたくさんできたけれども看護が充実しなかったということが あって、またCNSの呼び戻しがいま起こっているという背景があります。それはそれ として別にあるのですが、確かに大学教育だけではなくて看護の基礎教育というニュア ンスがあります。基礎教育の中には各種学校を初めとする看護学校がたくさん入ってい るわけです。  ここの文章を話を聞きながら少し変えてみたのですが、例えばここは「大学教育を初 めとする看護教育機関による看護の基礎的能力の養成を充実するとともに、その期間を 延長していく」としても良いのかなとも思います。大学は普及拡大は放っておいてもす るというか、それも時代の要請で受験者が増えている。いまは倍率が1を割っている学 部がかなり多いにもかかわらず、福祉と看護に関しては依然として倍率が高いのです。 だから放っておいても伸びていくとは思いますので、「大学教育の更なる普及」という ことをわざわざ言わなくても、「大学教育を初めとする看護教育機関による看護の基礎 的能力の養成の普及拡大」でも良いですし、「養成を充実する」という文言でも良いの かなと思います。  違うことなのですが、4頁の1つ目の○の上です。私が前回の時に医師の指示につい て、もし妥当でなかったような場合にあっては、看護師がそれを確認をしたりする作業 のことをはっきり言ってほしいようなことを言ったと思うのですが、それをここには「 より良いケアを行っていくことが」とパッと置き換えているので、表現をもう少しして ほしいなと思いました。この「やっていくことが必要である」の後に、「医師の指示を 受けるに当たっては、指示の根拠をよく理解し、必要な時は再確認するなどして、安全 な医療の提供に努めることが必要である」というふうに続けて、文章を是非入れていた だきたいと思います。 ○川村座長  懇切丁寧に、看護師の行動をきちんと書き込むということだと思います。 ○平林委員  4頁の最初の○になるのでしょうか。医師と看護師との連携のあり方云々の所の5行 目「十分留意しながら療養生活の支援について」と、包括的指示と称するかどうかはと もかくという流れの中で、少しコンテクストが違うように私には思われる、療養生活の 支援というのが、同じフレームの中に入っていると感じするのです。ですから「十分留 意しなければならない」で切って、段落を変えるなり○を変えるなりしたほうが良いよ うに思うのが1つです。  その前提として、ここでいきなり包括的、流れが私にはよく分からなくて、3頁から 4頁にかけての流れと、最初に柳田委員がご指摘された2頁との関係が、どういうふう に考えればいいのかよく分からなかったので確認をしたいのです。2頁のいちばん下の ○の所の、在宅医療においては訪問看護の開始や継続は云々の所ですが、これは訪問指 示書に基づいて行われるが、指示の内容や範囲が明確でない場合には、患者の病態等の 変動があった時、新たな個別的な医師の指示を必要とするというふうに、2つに聞いた ほうがいいのですか。指示の内容や範囲が明確でないときに患者の病態の変動があった 時に、個別的な指示を必要とするということになると、この文章をそのまま読むと、「 指示の内容や範囲が明確でなくても、患者の病態等の変動がなければ、新たに個別的な 指示を必要とすることなく、看護師は独自の判断で医行為を行うことができる」と私に は論理的に読めるのです。  そういうことをここでいっているのか、あるいは指示の内容や範囲が明確でない場合 にとか、あるいはずっと議論がありましたように1対1の個別的な指示しか出されてい ないような場合には、患者の変動があったときに、新たに個別的な指示を求めなければ ならないという議論の流れだったと思います。その流れの中で包括的指示」というのが 4頁で繋がっていくのだろうと思うのです。どうもちょっと離れていて、読んでいくと、 そこまでうまく息が続かないと思われるので、その辺は工夫をする必要があるのではな いかというのが私の意見です。 ○川村座長  これは文章の構成を変えるということですね。次回までにいまのご趣旨を踏まえた。 ○田村看護課長  追加させていただきます。3頁の「ケアを迅速かつ適切に提供するという観点からは 」というこの部分が、基本的に以前から表現していた「包括的指示」ということを言わ んとしている部分だと位置付けて提案をさせていただいたのです。それでこうした医師 と看護師の連携のあり方を、包括的指示と称するかどうかはともかくという受け方をし たところです。  2頁のいちばん下の○の部分は、現状として上野委員等がさまざま具体的な例をお出 しいただいたその部分を、表現が不足していればまた書かなければならないと思います が、現状を述べたにすぎないということです。 ○平林委員  そうしますと、3頁の2の「時代の要請に応じた看護のあり方、医師等の連携のあり 方」というのは、在宅に限定せず病院にも限定せず、両者を含めた形で議論をしている という中で、例えば3頁の患者の生活の質の向上を図る云々で、包括的な指示というの が、ここでの議論は専ら在宅医療においての議論であったのですが、それが病院の中に おける看護においても同じことがいえるのかどうかということは、少し性格が違うので はないかというふうに私には思えるのです。そうすると、そこのところがくっきり出て こないものですから、誤解を与える懸念がないか、心配がないだろうかというのが、読 んでいての感想というか意見なのです。例えば3頁の所でも在宅で療養を続ける患者の 生活の質と対象を限定していうと繋がってはいくのですが、というようなことも考えて みました。  在宅医療における看護のあり方と、医師の指示のあり方については、「包括的な指示 」という言葉が良いかどうかは別としてというフレーズにあるように、まとめて議論を したと思うのですが、そこのところが報告書の中であまり特定されて出てきていないの は、何か意味があるのかどうかということをお伺いしたいのです。むしろ在宅医療につ いては、より個別的ながんの末期の患者の緩和ケアの推進等は出てくるのですが、その 前提としての医師の指示のあり方と、在宅医療をバックアップするための訪問看護のあ り方についての議論が、うまくセットされて読み取れないというきらいがあるように私 には思えたので、その辺の構成も考え直していただけるのならば、考え直していただけ れば有難いと思います。 ○川村座長  これは共通する部分もかなりあるわけだと思います。ので、特徴づけられる部分があ るとすれば、そこをはっきりさせるというようなことですが、検討をするのに時間がか かると思いますので、次回にしましょうか。 ○田村看護課長  以前も平林委員が、病院の中の看護と在宅の訪問看護をもっと分けて記述をするのは どうかというご意見をいただいて、ずっと気にはなっているところなのですが、そこを 明確に書くことが難しいというのが、事務局と座長のこれまでの認識できているところ です。これは在宅だけですよ、これは病院の中だけの話ですよとしてしまうのも、非常 に困難ですし、また、看護がそこにおいてそれほど違いがあるのかというのも一方であ りますので、また座長とご相談させていただいて次回までに検討させていただきます。 ○井部委員  ただいまの部分ですが、私もこの「包括的指示」と称するかどうかはともかくという、 包括的指示がかなり議論されたにもかかわらず、ともかく棚上げして梯子を外してしま っているように取れるのです。、私はこの包括的指示は在宅にかかわらず、病院の中で も優れた包括的指示があることが望ましいと思っているので、在宅療養だけに限定する ように書かないほうがいいのではないかと思います。 ○藤上委員  いまのこととは違うのですが、麻薬のところの記載で誤解を招くようなところが2、 3ありますが、次回でよろしいですか。 ○川村座長  今日お願いいたします。議論をする時間がなくて申し訳ありません。 ○藤上委員  9頁の2つ目の○で、バルーン式ディスポーザブルタイプのものや、シリンジポンプ 式のものが使用されるところである。ただし、在宅での使用は取り外しや流量設定の変 更云々とあるのですが、この文章ですといろいろ誤解を招くのではないかと思うので、 麻薬対策課の通知のとおりの文言にしていただきたいと思うのです。「在宅での使用は 薬液が取り出せないこと、また患者が流量設定の変更ができない構造になっているもの に限られている」というようなところにしていただきたいと思うのです。  もう一つは、24時間体制を徹底するということはもちろんいいのですが、その次の「 在宅における麻薬製剤の廃棄については」の所は、少し変えていただきたいと思うので す。これが良いかどうかは分からないのですが、「在宅において不用になった麻薬製剤 は、提供された医療機関、あるいは薬局に返却し、適切に廃棄することが必要であるこ とを、看護師等に周知すべきである」というふうに変えていただきたいと思うのです。 ○川村座長  ほかにはよろしいですか。それではいまのところを事務局でまとめていただいた時に、 先ほどの法規則どおりに書くということはいいと思いますが、いまの所が齟齬を来たさ ないかどうかを確認をしていただいて、またご意見をいただけるようにしたいと思いま す。最後かなりつまってカットしまいまして申し訳ありませんでしたが、かなり深くご 議論をいただきましたので、次回は元に戻らない形で議論を進めて、是非次回でまとめ をさせていただきたいと思います。もし今日不足がおありでしたら是非ファクシミリま たはメールで事務局にご意見をよろしくお願いをしたいと思います。次回の日程につい て事務局からお願いいたします。 ○勝又補査  次回の日程は3月24日(月)の15時から、経済産業省におきまして開催をさせていた だきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○川村座長  この委員会は大変精力的に皆さまにご参加いただきまして、毎月1回どころではなく て暑い時も寒い時もずっと月1ないし2回のお集まりをいただいて議論をしてきました。 そのような訳で皆様方、この問題につきましては大変関心を深めていただきました。た だ、問題が大変大きいので、いつまででも議論ができそうな雰囲気になっています。最 初に厚生労働大臣が言われましたように、そろそろ桜が咲くようですので次回で一段落 させていただきたいという思いがはあります。ので、その辺ご了解の上でそろそろまと める方向でご協力をいただきたいと思っています。次回、またお忙しいでしょうがお集 まりいただきたいと思います。本日は大変ありがとうございました。 照会先 厚生労働省医政局看護課 課長補佐 勝又(内線2599) 保健師係長 習田(内線2595) ダイヤルイン 03-3591-2206