02/11/13 第5回インターネット等による医療情報に関する検討会議事録 第5回 インターネット等による医療情報に関する検討会 ○日時 平成14年11月13日(水)14:00〜16:00 ○場所 経済産業省別館1111号会議室 ○出席委員 大山永昭 菊池玲子 木本陽三 坂本憲枝 櫻井秀也 塚本亨 奈良昌治       深井寧 福島龍郎 三谷博明 ○大山座長  定刻になりましたので、ただいまから「第5回インターネット等による医療情報に関 する検討会」を開催いたします。委員の皆様方におかれましては、お忙しい中をご出席 くださいまして誠にありがとうございます。  本日は残念ながら、五十嵐委員、石原委員、河北委員、中島委員、花井委員、松山委 員、御手洗委員、渡辺委員がご欠席です。誠に残念ですが、なかなか日程がうまくとれ ませんでご了承願いたいと思います。  それでは、これから議事に入りたいと思います。本日は前回の会議でご案内いたしま したように、事務局と相談させていただきまして、私のほうの座長責任という形で、論 点整理の案をたたき台として作成いたしました。これを使って議論を深めていきたいと 考えております。皆様方のお手元に資料として配付されていると思いますが、まずは事 務局から本日の会議資料の確認と説明を簡単にお願いしまして、その後、自由に議論を していただきたいと思います。  それでは、事務局側から説明をお願いいたします。 ○竹林課長補佐  それでは資料の確認をさせていただきます。まず1枚目は本日の議事次第です。2枚 目は、横向きになっておりますが本日の会議資料です。そしていちばん最後に、本日は 御手洗委員からご欠席のご連絡をいただきましたが、御手洗委員から事務局のほうに予 めご意見を文書でいただきましたので、配付しております。  それでは本日の資料の説明をいたします。資料1ということで、座長のほうからご案 内ありましたように、本日の論点整理(案)のたたき台です。内容については事務局か ら読み上げさせていただきます。  1 インターネットによる医療情報の重要性。患者の視点を尊重した医療の提供を推 進するためには、患者・国民が医療機関等自ら選択できる環境整備を進めることが重要 であり、そのためには患者・国民に対する医療情報の提供を積極的に推進することが必 要ではないか。  患者・国民に対して医療情報提供する手段としては、パンフレットやホームページな ど様々なものがあるが、その中でも、インターネットは、(1)患者・国民が必要とする情 報を端末からプロバイダーに接続して早く確実に入手したり、検策エンジンを活用して 容易に入手したりすることができる。(2)ホームページを開設することによって、医療 機関が従来よりも簡易に、多様な情報を患者・国民に提供することができるといった利 点があるため、患者・国民が医療情報を入手し、医療機関等自ら選択できる環境整備を していくためには、インターネットを活用した医療情報の提供を推進することが重要で はないか。  一方インターネットは、使い方によっては、提供者を隠したまま情報を発信できたり 、偏った情報を発信することができたりするといった面もあることから、提供される情 報の信頼性の確保を図ることも必要ではないか。  2 インターネットによる医療情報の提供の推進。(1)現状等。我が国においては 、インターネットの利用者数、企業普及率等は急速に増加している。また、インターネ ットによる医療情報の提供についても、社会福祉・医療事業団のWAM NETや都道 府県等の公的機関が医療機関に関する情報を提供したり、医療機関がホームページを開 設して詳細な情報を提供したりしている。このほか、NPO等の民間団体もインターネ ットを活用して医療情報を提供しており、これらを活用してインターネットで医療情報 を入手するものも急速に増加している。  (2)基本的な考え方。患者・国民に提供される医療情報については、客観性や検証 可能性に着眼すれば、(1)既に客観性が十分で検証が容易な情報(例:住所、診療科目 、診療機能、治療実績、患者に対するサービス提供の状況等)。(2)評価基準。評価方 法の明確化などによって客観性が十分に高められている情報(例:医療機能評価機構に よる病院機能評価等)。(3)客観性を高めるために評価基準。評価方法等を確立して いく必要がある情報(例:死亡率等の結果(アウトカム)情報など客観的に比較可能な データを提供するための環境整備(ICDコードの普及、重症度補正等のデータ処理技 術の開発等)が必要な情報等に区分されるのではないか。  患者・国民の利便性を考慮すると、官民のそれぞれの特色を活かした情報提供が必要 であり、具体的には基本的、画一的な医療情報は官が中心となって、きめ細かで特色あ る情報は民が中心となって提供することが重要ではないか。  公的機関がインターネットによって医療情報を提供する場合、その性質上、客観性が あり、検証可能な情報を提供すべきではないか。これを具体的に考えると上記3分野の うち、現段階では(1)と(2)が該当するのではないか。広告可能な事項については、客観 性があり、検証可能なものと位置付けられていることから、公的機関はインターネット によって広告可能な事項を広く提供していくことが適切なのではないか。  また、地方公共団体は地域の実情に応じた医療情報を提供していくことが重要ではな いか。このためには、都道府県は医療機能調査を積極的に実施し、それに基づいて地域 の医療機関の医療機能に関する情報など、患者・国民が医療機関を選択する際に役立つ 情報をきめ細かく提供していくことが重要ではないか。  個別の医療機関やNPO等の間団体は、国の機関や地方公共団体等の公的機関との役 割分担の下に、それぞれの特色を生かしながら患者・国民にとって有用性の高い情報を 提供していくことが重要ではないか。  なお、社会福祉・医療事業団や都道府県等がインターネットを通じて医療情報を提供 していることについて、国民に積極的に広報することによって国民の利用促進を図るべ きではないか。  3 医療情報の信頼性の確保。医療機関のホームページ上の医療情報については、患 者・国民に対する医療情報の提供を推進する必要がある現状においては、当面、法規制 の対象とするのではなく、情報内容は基本的には提供者の創意工夫にゆだねることとす るのが適当ではないか。  しかしながら、医療情報の重要性にかんがみると、その信頼性の確保は不可欠である 。また、今後、インターネットによる医療情報の提供が一層進むことが想定されるため 、何らかの信頼性の確保のためにの方策を講じておくことが必要ではないか。この場合 、医療以外の分野における取組状況等を考えると、民間団体等による自主的な取組を中 心に考えていくことが適切ではないか。ただ、こうした自主的な取組を促進しても、民 間団体等に属さないものに対しては効果が及ばないという問題も考えられることから、 医療機関がインターネットによって医療情報を提供する場合、やはり広告可能な事項の 範囲内にとどめるのが妥当なのではないか。  医療情報の信頼性を確保するための民間団体等による自主的な取組の具体的な方法に ついては、例えば、関係団体又は第三者機関によって、(1)コンテンツ等において配慮 すべきポイントやホームページの運用基準等を示したガイドラインの作成。(2)医療情 報の内容が法令やガイドライン等を遵守していることを認証する仕組み。(3)医療情報 に関する患者や医療機関からの問合せへの回答や苦情の審査等などが考えられるが、今 後、インターネットによる医療情報の提供の進展を踏まえて更に検討していく必要があ るのではないか。  患者・国民が公的機関による客観的で検証可能な情報と個別の医療機関やNPO等の 民間団体による特色ある情報提供を双方見比べることが、医療情報の信頼性の確保につ ながるのではないか。したがって、このためには、例えば社会福祉・医療事業団のWA M NETによる医療情報の提供に際して、個別の医療機関やNPO等民間団体の情報 提供とリンクさせることを取り入れるべきではないか。  患者・国民は「かかりつけ医」を通じて医療情報を得ると同時に、インターネットに よって得た医療情報について「かかりつけ医」に相談することによってその信頼性を判 断することも、医療情報の信頼性を確保するための有効な方策ではないか。  4 その他。必要な情報をインターネットで得ることができない人のために、広報誌 や紙媒体によって提供できるような仕組みを作っておくことも、当面は、必要なのでは ないか。また患者・国民のニーズに対応する観点からは、来訪に対する相談や電話によ る相談への対応を充足させることも重要ではないか。  個々の患者にとっては、全国的な医療機関の情報とともに、自分が治療を受ける可能 性の高い身近な医療機関について、より詳細な情報を必要としているのではないか。そ のためには、例えば、2次医療圏内の医療機関に関する情報をきめ細かく提供する方策 を講じる必要があるのではないか。  続いて資料2です。医療情報の信頼性の確保について、「医療以外の分野における情 報の信頼性を確保するための自主的な取り決め」。前回の会議でJAROの市川参考人 からもご案内ありましたが、若干それを補足するという形で事務局から参考資料を添付 いたしました。具体的には関係団体、業界団体によってインターネットに対して何らか の自主的な取組をしているかどうかを事務局で調べたところ、いまのところ、こちらで 承知している範囲では、旅行業界、不動産業、銀行業の3分野については、すでに情報 公開、インターネット取引について、何らかの自主的な取組を行っているということで すので、その中で比較的馴染みのある旅行業についての例を参考として取り上げさせて いただきました。  簡単に説明しますと、旅行業については日本旅行業協会という関係団体、業界団体が インターネットを利用して、いわゆる旅行契約を締結するというところまでを対象とし ておりますが、そういったインターネットを利用した旅行取引についてはガイドライン を定めている、これは本年2月に定められたところです。ガイドラインの内容というの は、関係法令の遵守、セキュリティ対策、個人情報保護、e-TBTマークの交付とい った一般的な留意事項のほかに、いわゆるインターネット取引に関する様々な留意事項 、広告に関する様々な留意事項などをガイドラインとして定めているものです。  インターネットを利用して旅行契約を締結する場合は、先ほど言いました日本旅行業 協会が、この旅行業者は法令を遵守している、あるいはセキュリティ対策を講じてい る、個人情報の保護を適切に図っているということに関して、e-TBTマークを交付 しています。日本旅行業協会と全国旅行業協会が承認した上でマークを交付している、 といった取組がなされています。ただ、このマークは当該ホームページの内容の質を保 証するものではなく、あくまでホームページに提供された情報が法令を遵守している、 ガイドラインを遵守しているということを示すものです。  続いてもう1つ、関係団体における取組として、前回の会議で委員の先生方からも若 干ご質問がありました弁護士の広告についてです。弁護士の広告は従来から「原則禁止 」ということで日本弁護士連合会の会則等において定められておりました。それが昨今 のインターネットの普及、あるいは弁護士情報の不足に対して利用者の方々から非常に 不満が大きくなったこと。また今般の司法制度改革の中で、もう少し弁護士に関する情 報を提供していくべきではないか、という議論が行われまして、平成12年3月に日本弁 護士連合会の会則が改正されて、従来弁護士の業務の広告については「原則禁止」とい う取扱いから、「原則自由」という形に方向転換されました。  ただ、「原則自由」といいましても例外的に禁止されているものもあります。それが (2)の2つ目の○で、いわゆる「事実に合わない」「誤導・誤認のおそれがある」と いった誇大広告、虚偽広告については内容のいかんを問わず禁止されています。また、 広告内容そのものの禁止ですが、勝訴率を掲示すること、顧問先、依頼者名を掲示する ことは、原則禁止されるという取扱いになっております。もし弁護士の方がこういった 会則に違反して広告を行った場合は、弁護士会がそういった違反行為の中止、排除を命 令したり、あるいは再発防止のための措置を講じることが会則の中に盛り込まれており ます。  さらに、日弁連にはないのですが、各地域の弁護士会の一部に、こういった弁護士業 務の広告について調査等を行ったりする、いわば審査機関、審査委員会といったものが 設けられている所もあると伺っております。この日弁連の会則は、弁護士が開設したイ ンターネット・ホームページについても適用されるということになっております。  続いて、関係団体とは少し離れた第三者の機関による取組の例についてです。これは 前回の会議において、ご案内いたしましたJAROが典型的な例で、前回の会議でもご 案内がありましたように、こういった一般企業からの広告・表示についての問合わせ、 受付処理、苦情の審査等を行っています。詳細については前回の資料等でもご案内いた しましたので、ここでは省略させていただきます。 ○大山座長  ありがとうございました。それではただいまから、いま説明をいただきました資料を 基に議論を進めたいと思います。前回までのお話を論点の整理として、このような形で まとめて説明していただきました。これに肉付け、あるいは、実際に内容を書き下ろし たものを次回には皆様方に提供したいと思っておりますので、大枠で見ていただき、不 足分、あるいは修正すべき点、様々あろうかと思いますので、皆様方のご意見をいただ ければ幸いです。 ○菊池委員  基本的な考え方のまとめ方としては今まで議論されたことが書いてあると思っており ます。3頁の下から2つ目の○、「患者・国民が公的機関による客観的で」というとこ ろですが、最後の行に「WAM NETの医療情報の提供に際して個別の医療機関やN PO等の民間団体の情報提供とリンクさせることを取り入れる」ということになってお ります。NPO等の民間団体の情報とリンクさせるというのはイメージできますが、個 別の医療機関とリンクさせるということは、WAM NETは個別の医療機関の情報が 入っていると思うのです。それと医療機関が独自に開いているホームページと、それぞ れ1つずつ、1対1でリンクするという意味でしょうか。 ○竹林課長補佐  菊池委員ご指摘のとおり、WAM NETで情報を提供いたします。そこには個々の 医療機関の情報もいくつか紹介されています。必要によってはそこの医療機関の所をク リックすれば、その医療機関、もしホームページを開設されていればそこに飛ぶように リンクさせる。単にこういう病院だけではなくて、そこにクリックすれば飛べるように と。これは利便性を考えてのことです。 ○大山座長  WAM NETの役割にもなりますが、最初にそこへ行ってもらうと一種のポータル になっていて、そこから中へ入って行けるようにと。全部WAM NET側に対応させ ようとしても、多分時間的に遅れてしまったりしますので、やはりリンクを張っていく のがいちばん良いのではないか。もちろん相手側が拒否すれば別の話になりますが、そ ういう考え方です。それによって、利用者から見ると両方見ていけるとか、いろいろな 所を見ていける。医療機関のそれぞれの所を検策エンジンで探す方法もありますが、自 分の所のそばとか、いろいろ見つけていくには、WAM NETから入るのも1つの方 法ではないかというイメージです。 ○櫻井委員  いまのことは、一方では「信頼性の確保」の所に書き込まれています。個別の医療機 関の情報が信頼できないというわけではないのですが、一応WAM NETの情報は信 頼性がある。ある程度客観的な、実証的なものが入っていて、そこからホームページへ 飛んで、個別医療機関提供のことは個別の話ですから、それは読んだ人が判断するとい う意味が含まれているのだと思います。いま言われたように、量的に、そういうのが必 要であると私は思うのです。WAM NETに全部、個別のホームページを入れ込んで もいいのでしょうけれども。そうするとWAM NETは信頼性を確保しなければなら ないことになるけど、そこまではなかなか難しい。 ○大山座長  元々の議論の整理はそちらなのです。そうは言ってもWAM NETをやっている側 に要求するとなれば、すぐに全部入れろと言っても絶対遅れますよね。 ○櫻井委員  個別の医療機関の情報が信頼できないとは言わないけれども、WAM NETとして の保証はしにくいからリンクであとは読んでください、という意味になるのだろうと私 は思います。 ○大山座長  そういう整理をしています。 ○塚本委員  私は櫻井委員と同じ論点ですが、3頁の上から2つ目の○の4行目に、「民間団体等 に属さないものに対しては効果が及ばない」という表現と、櫻井委員がおっしゃった部 分が合致するのではないか。それと基本的な考え方の1頁から出ています基本的な理念 と提供する体制に関してはよろしいのですが、やはりポータルサイトの中に入ってきた ときに、それを読まれた方が、どう客観的に判断できるかというのがこの委員会での論 点だと思いますので、そこをもうすこし煮詰めていただきたいと思います。 ○大山座長  いま言われた件は、事務局側に何かありますか。 ○榮畑総務課長  いま言われたことは、これから何回かの中でご議論していただくことになるのだろう と思います。資料1の論点整理のメモの中では、3頁の大きな3番の2つ目のマル括り の中で、旅行業とか弁護士業等々の他分野における情報提供なども考えると、やはり自 主的な団体もしくは第三者機関等による自主的な信頼性確保のための方策を中心に、何 か考えられるものは考えていかなければならないのかなと。そのための具体的な方法と して3番目の括りの中に「例えば」ということで(1)〜(3)の例示をしておりますが、こ れを今後どういうふうに具体的にしていくかということが、さらに議論として残る点が あろうかと思っております。ご指摘はもっともなことだと思っております。 ○木本委員  私は前回欠席しましたので、これは前回議論に出たかもしれませんが、2頁の下から 3つ目に「また、地方公共団体は」という書き出しで、1つ上の○の「公的機関が」と いうことで役割分担というふうになっているのですが、ここで事務局が書かれた「地方 公共団体の役割」というのは、もう少し具体的にどんなものをイメージしているのかお 聞かせください。  あと、基本的な考え方の最初にあります(1)(2)(3)のうちの(1)(2)の前提の中で、も っと情報量を地域の実情に応じて増やしていこうという意味でしょうか。 ○榮畑総務課長  私ども事務局として座長と相談しながらこの「たたき台」を作りましたが、若干舌足 らずな面があり反省しています。情報提供の主体として、まず公的機関とそれ以外の個 別の医療機関とか、NPO等の民間団体と大きく二分されるのだろうと。公的機関、す なわち官と個別の医療機関とか、NPOと民間団体等との役割分担が(2)の2つ目の に書かれています。  基本的・画一的な医療情報は、官という言葉がいいのかどうかは別にして、公的機関 が中心となって、きめ細かで特色ある情報は個別の医療機関とNPOと民間団体が中心 になってという役割分担があって、そのうち更に公的機関の中で国もしくは国の関係機 関、あるいは社会福祉・医療事業団と、それと地方公共団体の2つに分かれるだろう。 そうしますと、国もしくはそれらの関係機関というふうなこと、それと地方公共団体を 通じて言えることが3番目の括りで「公的機関は」「広告可能な事項」というのを、広 告可能な事項というのは客観性があって検証可能な情報ですから、それを広く提供して いくことが望ましいのではなかろうか。  その中でも特にということで、地方公共団体は客観性があって検証可能な情報、すな わち広告可能な情報を地域の実情に応じて、きめ細かく厚く提供していただく、という ふうな役割分担なのかなと。国もしくはその関係機関というと、どうしても広告可能な 情報であっても、やはりある程度、薄く広くになってきますから、その辺は客観性、検 証可能という範囲の中であっても、できるだけ地方公共団体、それも県・市町村と役割 は違うのでしょうけれど、できるだけきめ細かな情報を提供していただく、というよう な役割分担の棲み分けなのかなという感じでおります。 ○大山座長  私自身のここに対する考え方は、いまの件はもちろんですが、もう1個あります。や はり地方公共団体の自主的な取組を支援する必要がある。そこに尽きています。ですか ら全部、一律こうでなければいけないとやったら、地方公共団体の人たちは地域の住民 の方に対して積極的に様々な対応をしていくものもある。これからあると思いますので 、そこについては、こういう幅をもたせて書いておきたかったわけです。東京都をはじ め様々な所はもう取組をしておりますし、これを全国一律同じにするのは変な話だと思 うのです。 ○木本委員  お二方の話はそれぞれ分かるのですが、地方団体が独立性を出して(3)まで踏み込ん でいったらどうかという趣旨を座長はいまお話されたわけですね。 ○大山座長  いえ、違います。(3)は申し上げていません。(1)(2)の中でも、より細かく情報提供 していく。やはり地域によって、例えばwebでもどう書いていくかによって全然違っ てしまうわけですので、そういうことを申し上げたかったわけです。現時点では(3)で はありません。 ○奈良委員  私も前回欠席しましたのでちょっとピント外れな発言になるかもしれませんが、確か にこれからインターネットの情報は積極的に提供していくべきなのですが、ただこうい うものには光と影があります。入口はどんどん広がってもいいのですが出口をきちんと チェックしないと。資料を拝見しますと弁護士会の取組方は非常に良いと。弁護士さん の問題よりも、人の健康を与っている医療機関の情報は、もっと責任を持つべきである と思います。  いい例を挙げますと、某キノコの広告をしている会社がこの間脱税でつかまりました 。それからいろいろなキノコががんに効くとか、冬虫夏草といって虫の頭に生えている キノコが健康に非常に良いとか、そういう虚偽の広告を堂々と新聞に出している所があ るのです。インターネットはもっと危険を伴うもので、すでにインターネットはかなり 気を付けなければいけない、と諸外国では教育をしています。  ですから、虚偽の広告とか誇大広告とか、これは医療審議会のときに出ていた例の「 広告の自由化」の問題と全く同じなのですが、虚偽、誇大、比較広告、イメージ広告な どはきちんとチェックしなければならない。特に虚偽と誇大広告をやった者は非常に厳 しい罰則を加えて、弁護士会ではないけれども除名処分とか、それこそ排除命令をきち んと出すようにしておかないと危ないのではないかと思います。それをきちんと守った 上でやらないと、何もやってもいいですよということは、やはり人の命が係わっている 場面は非常に危険である。そういう不安を持っています。  この弁護士会取組の6頁に、例えば「勝訴率、顧問先、依頼先」というのがあります 。これを入れ替えますと、いわゆる死亡率、うちの病院にはエリツィンさんが来ました よ、ということを出したものは徹底的に取り締まらなければいけない。死亡率は客観的 な評価の基準になるというのですが、私ども病院で見ていますと、某病院は絶対に危な い患者は引き受けないし公的施設に全部押しつけてしまう。そういう所は死亡率は非常 に低い。例えば昔、有名な先生が「俺の心臓手術は100%だ」とおっしゃっていたけれ ど、プロの連中に聞いてみると「あの先生は絶対に危ないところには手を出さない」と いう話もあった。こういうこともありますので、その辺りの検証というか、罰則をきち んと作った上で自由化しないといけないと思います。 ○榮畑総務課長  いまのお話はそのとおりだと思っております。論点整理のことで申しますと、3頁の 3番の(2)の所になるのだろうと思います。インターネットによる医療情報の今後の進 展を考えますと、やはり信頼性確保のための方策は当然必要なのではないか。まさにい ま言われましたような事例なども含めて、信頼性確保のための方策は必要なのではない かと思う。  そのときにどういうことを考えるかと言ったら、先ほどのお話にありました旅行業、 もしくは日弁連、単位弁護士会等々の例などを見ますと、やはり各それぞれの団体の中 における自主的な取組、法規制というよりも自主的な取組で対応している例がどうして も多いのではないかと。そのための具体例として、この資料2の5、6頁にこういう例 を出しました。  私ども大きな方向としては、あえて事務局の立場で言わせていただきますと、こうい う方向かなと思っていますから、今後これをどういうふうに具体化できるか、もしくは 具体化させていただけるか、その点について更に議論を進め、検討を進めていかなけれ ばいけないだろうと思っております。 ○三谷委員  いまのお話に関連してくるかと思いますが、3頁に「医療情報の信頼性の確保」とい う所があり、多分この部分は大きな議論を呼ぶのではないかと思っております。医療機 関から出す情報について、公的機関と同じように「広告可能な事項の範囲内にとどめる 」べきではないかとあります。当初この委員会の議論の中でインターネットを通じた情 報提供が広告か広報かという議論があり、それは広報であるというような話であったか と思うのですが、現状はもうすでに広告の可能な範囲を逸脱するような情報提供がなさ れています。  それは内容的に問題があるという情報でなくても、積極的な情報開示の中で、別に悪 い情報ではなく意味のある情報提供がなされているというところがあります。公的機関 における情報発信というのは広告可能な範囲ということで構わないかと思いますが、医 療機関が出す情報についても同じような範囲を設定するというのは、現状を見るとかな り無理があるのではないかと思います。これは多分議論になるかと思ってはいますが。  また、先ほど情報の1つに「死亡率云々」という話が出ましたが、例えばアメリカな どは州によって死亡率は公的な情報として公開されています。それに対して医療機関、 あるいは州の医師会の反対等もあると聞いていますが、公的な所が死亡率を提供してい ます。その情報はいい加減なのかというと、しっかりデータを収集分析した上で、ちゃ んと根拠のある数字を出しています。こういう情報だから駄目というのではなくて、そ の情報をどうやって出していくかというところを捉えていくのが大事であって、ただも のだけ見て出すのが良い悪いという話では、単純な判断になってしまいますので、その 辺はもう少し慎重に議論をする必要があるのではないかと思います。 ○榮畑総務課長  いまの話で特に2つ目の点については、先ほどもご指摘がありましたが死亡率の扱い はなかなか難しいところです。2頁の(2)の最初の○の中でも書いておりますが、「 医療情報については、客観性や検証可能性に着眼すれば」ということで(1)(2)(3)の3 つに区分けして、(3)の例として「死亡率等の結果(アウトカム)情報」ということで 、まさにここで書いておりますような、今後客観性を高めていく、客観的で検証可能だ ということを入れるための評価基準、評価方法等をさらに詰めていく、研究、整備して 確立していく必要がある情報だろうと思っております。  いまここの段階で公的機関が死亡率を客観性、検証可能性ということに着眼して、い まの段階でこうだというわけにはいかないだろう。将来ともいまのでいいかというのは 、いまお話のようにアメリカの例とかいろいろな例を参考にし、客観性、検証可能性を きちんと整備できれば、その段階でそこは考えていけばいいのであって、今日の段階で 死亡率が(1)(2)に変えるかというと、先ほどもご議論がありましたように、ちょっとま だ首をかしげるのではないだろうか。評価のための物差しは必ずしも整備しきれてない ですから、公的機関がいまの段階でこれを出すというわけにはいかないのではないか。 (1)(2)(3)というところでの整理を前提とさせていただければこうだということで、今 後その扱いの変わるものがあったら変えていけばいいということです。 ○櫻井委員  いまの話で、死亡率に限らずアメリカの情報提供の問題等についてのことですが、先 ほどの「妥当ではないか」というところについても、妥当ではないかという意見はあっ たが、実際はそうではないということがもとにあるから「妥当ではないか」とくるわけ です。インターネット上の情報は、いまのところ、この間の議論のように「広告ではな い」という扱いで、自由の世界になっているわけです。それを見た人がどう受け取るか ということです。本当は受け取った人が判断すべきで、「何でもあり」と言ってしまえ ば信頼性確保の問題は議論する必要はないわけです。  どちらかと言うとアメリカという国は、そっちに近いはずで、個人が自分で判断する 。我々がなぜ死亡率を問題にするかというと、死亡率が高いから悪くて低いから良い病 院だという判断はできませんよ、ということを言いたいわけです。その判断は国民がす るのだから勝手だ、どう判断しようと何でも出してしまうのだという国と、そうではな くて信頼性の確保を議論している国との違いを考えないと行けないと思います。信頼性 の確保を議論しなくていいのなら、ここで議論する必要はない、インターネットでなん でも勝手に出しなさい、判断は国民がやるのですよ、ということで本来はいいはずです 。広告規制の話をしているわけではないのですから。  インターネットは本来は自由なのです。でも、厚労省が信頼性の確保は必要だと言っ ているのは、日本としては国民が何でも判断して、国民がそれで間違って死んでしまっ ても構わないということはできない、という理解のもとに皆が議論しているわけです。 アメリカという国はそうではなくて、間違って死んでしまえば自分の責任だという、そ こはちょっとオーバーなのでしょうけれども、そこがあるから違うんです。  そこの違いがあるから、アメリカはこうだから日本がどうだ、という話を持ち込まれ てしまうと、もともとインターネットは信頼性の確保はいらない自由の世界ですから。 見た人が勝手に判断すればいいので、死亡率だろうと何とか率だろうと勝手に出したけ れば出せばいいですよ、と本来私は思うのです。それだったらこの委員会の議論はこれ でおしまいで、どうぞご自由におやりくださいとやればいい。そうではなくて、信頼性 の確保というのが出てくるとすれば、そういう基盤をもとに議論しているのですよ、と いうふうにしてくれないと。アメリカでは、どこかで死亡率出して何とかですよ、と言 われてしまうと、そういう話ではないのではないですかと言わざるを得ないというのが 私の意見です。 ○大山座長  いまのお話の原則は、知識の偏在を認めなければいい、それを事実として認めるかど うです。知識が偏在しているときに、あるいはどちらかに格差があるときに、どちらか がいう話をどうやって相手が信用するか。逆に言えば誤解する。いちばんひどい場合に は、ほとんど騙されるという世界までいくわけで、そこは決して医療だけの話ではなく 他の分野もみんな同じです。やはり相手との信頼関係です。ただしそこにはプロとアマ の人がいたりするわけですから、その両者の知識の違いをどうやって、お互いに信頼関 係をつくっていくかという観点から、ここをやろうとしているのではないかと。  アメリカの話は、いまのところだけを言うと確かにそうなのですが、実は全然違う機 構が後ろで動いているわけです。例えば疾病ごとに分析チームを作って、それをNIH なんかが補助して、3年に1回か2年に1回、レポートを出しているから、フィードバ ックをかけているわけです。ここのところは日本でも、例えば3の所は、それこそこれ からの議論でありますが、どうやって信頼性を高めるための手法を作り上げていくのか 。これははっきりと今回、こういうものが必要なのだということを報告に出すべきだと 逆に思っています。そこはこれから皆さん、特に医療の学会、あるいは医師会の皆様方 にも頑張っていただくことになると思いますが、ご協力いただいた上で作っていく話で す。いまここで出せないというのは櫻井委員が言われたお話ではないかな、と私はそう いう気がしています。 ○奈良委員  実はこの間の会議のとき私アメリカにいたのです。スタンフォード大学に私の甥がい るものですから話したときにインターネットの話が出て、「インターネットは非常に危 険なものである」ということを言っていました。良い例を挙げれば、アメリカ人は比較 的そういうものも訓練されている。例えばインターネットの情報は、ちゃんと色眼鏡を かけなければいけないものもあるということを知っているわけです。ところが日本人は 非常に真面目で純情な方が多いし、特に印刷物には非常に弱いところがありますので、 何かというとそれを信じてしまう。  極端なことを言いますと、これはあまり品が良くないのですが、向こうのインターネ ットでは、かなりきわどいものをどんどん出していて、それを自由に取り入れたりして いますが、紳士はそういうもの、例えばポルノグラフィはやらない。そういうことを決 めていますが日本人は、それこそ国境の壁を越えて向こうのポルノグラフィをアクセス して大恥をかいたという話もあります。  ですから、もうちょっと日本人が成熟するまで、ある程度こういう委員会なり、ある いは医師会でもいいし医学会でもいいですから、広告をきちんとチェックするようなも のを作っておかないと、国民に非常に甚大な損害を与える可能性があると思っておりま す。 ○大山座長  いまの議論について整理しておきたいと思います。2頁の基本的な考え方の(1)(2)(3 )で申し上げると、(1)(2)は公的機関が云々という話をいたしました。まずここはやっ ていくのが妥当ではないかという考え方からなったわけです。先ほど奈良委員のお話の 中であった一部の、例えば「何とかキノコ」の話もそうですが、そういったものは、こ こでいう(1)(2)(3)のものに該当しているというレベルではなく、本当にインターネッ トの中で自由に、例えば私が勝手に書いてしまうのと同じ話なのです。  先ほどもう1つお話があったのは、「医療機関」というふうに出ている3頁の3の2 つ目の○の話は、同じ民の中でも医療機関なのです。それ以外の民がもう1個ある。こ こでは4つに分けて書いていませんが、そこのところを区別して、これからご議論をし ていただきたいと思います。いちばん最後の、特に医療機関でもなく、本当に自由な普 通の世界でやっているインターネットの流れでいうと、ここについては前から申し上げ ましたように違法でない限り止めることはできないし、処罰はできない。特にアメリカ や別の国では合法だったりして、そこから発信されたら絶対止められないのです。これ は制度的には無理で、そのときには通常レーティングをやって自主的に排除する方法。 すなわち、このサイトについては、あるいはこの内容についてはほかの、これはNPO 等がやることが多いのですが、ここは専門知識を持っている人がつけて、それを受ける 側はフィルターで落とすというやり方をしているわけです。ここのところを分けてこれ から議論をしていただきたいと思います。どちらをお話になっているかを意識した上で 言っていただければ幸いです。それでは福島委員、どうぞ。 ○福島委員  大きな論点の整理はこのとおりだろうと思います。いま死亡率の問題等が断片的に出 ておりますが、今後の全体の取りまとめの姿がどうなるのかというのが、ちょっとこれ だけでは見えないものですから、後ほど具体的項目について論議する時間があるのかな と思います。細かい項目についても意見等がまだ見えにくいと思いますが、大きな整理 の仕方の中で何度も客観的な検証可能性の問題が繰り返されておりますが、これは前回 もどなたかの論議にもあったかと思います。  利用する側はどういう情報が知りたいのかというところが、ここで何か調べるチャン スがあるのか、その論議をする時間が後ほどあるのかどうか。大枠の話としては客観性 の問題とか、検証可能性の問題が大きくかぶさってしまうと、利用する側のほうから見 て、この辺が知りたいのだ、ということが果たして掘り起こせるのかということが問題 です。  いまも何度か出ましたが、それは問題外の、例外ケースというのは、この骨格の論議 の中では除外して、先ほど奈良委員も言われましたが、キノコの問題とか何とかは、あ る程度無視していいのかなと思います。それと社会的な話で日本はアメリカと事情が違 うのだということがありますが、そうは言いながら最近では、あまりそこを意識しない でもいいほど成熟といいましょうか、アメリカとは元々違うのだというところまで意識 する必要もないのかなという印象です。 ○三谷委員  「インターネット等による医療情報」とありますが、この検討会の初めに「医療情報 の範囲」を確認させていただいて、今回この会で議論するのは「医学情報一般」ではな く「医療機関に関する情報」と、少なくとも絞り込んだ議論にしようということだった と思うのです。いまの民間の治療法がどうのこうのというのは、ちょっと範囲が違う分 野ではないかという気がします。それに対して理解力がある、ないという話は違うと思 いますので、ここはあくまでも医療機関に対する情報をどうやって提供していくかと、 そこに絞り込んだ議論になっているのではないかと思います。 ○櫻井委員  関係があるんです。ある医療機関でキノコ療法をやっている先生を紹介しているので す。キノコ療法を持って、医療機関情報を出している人がいるのです。インターネット でも売っていますが、実は紙媒体を出しています。必要でしたら今度持って来ます。だ から、実は関係あるのです。 ○三谷委員  それはコンテンツの部分の議論としてなら分かるのですが。 ○櫻井委員  医療機関情報の1つに入っていますから。つまり、こういう治療ができますよという ことです。 ○三谷委員  医学情報をどうやって提供するのかというのは、ちょっとここでの議論ではないので はないかという気がします。もちろん、それはいちばん大事なのですが、その情報をこ の枠組みの中で提供できるかというと、まだそこまで議論は進んでいないと思います。 例えば、このWAM NETにそういうような医療に関する情報を出していけるかとい うと、そこまでは多分検討されていないと思います。本当はそこまで発展させる必要が あると思いますが、ここでの議論は医療機関に関する情報ではないかという気がします 。医療機関に関する情報の中で、いわゆる広告というのに近い要素がある。その中でい まみたいな治療法の宣伝は、当然対象になってくると思うのですが、その辺と、いわゆ る医学一般のところがごっちゃになってくると、インターネットは危ない、けしからん 、というところにいってしまうので、ちょっと客観的な議論はしにくいのです。 ○坂本委員  患者にとっては今まで病院を選ぶ情報がなかったということで、インターネットも1 つの情報のツールとして整備されるのは非常に良いことだと思います。その中で信頼性 の確保ということが、逆に患者にとってこの情報にアクセスすれば信頼できる情報にた どりつけるよ、という部分をどうやって構築するかというのが今後の問題だと思います 。  今日の「まとめ」の頁の2頁の上から2番目に「患者・国民の利便性を考慮すると、 官民のそれぞれの特色を生かした情報提供が必要であり、具体的には、基本的、画一的 な医療情報は官が中心となって、きめ細かで特色ある情報は民が中心となって提供する 」と書かれていますが、具体的にはどういうことを意味しているのでしょうか。  それで後ろの(3)では、結局、医療情報のいちばん基本ベースは広告可能な部分を 範囲内にとどめると。私は今まで全く情報がなかったというか、住所とかそういうのは どこでも調べられるのですが、患者の欲しい情報を考えると、病院の特徴とか、医師の 内容とか、どういう治療をするよというか、ある程度広告が可能になったことはすごい 画期的なことだと思うのです。ですから、その部分がきちんと情報提供されるというこ とは、これは枠組みとして私は評価できると思います。つまり最初の質問はどのように 分けられるのかということ。  もう1つは、官という情報の1つのツール、公的機関が出すツール、地方公共団体が 出すツールと幾つもあります。患者にとっては、その情報はどうなのかというところ。 こちらは官が出す情報はどうだとか、地方公共団体が出す情報はどうかという枠組みで 考えますが、患者がアクセスするほうにとっては、どの情報が信頼できるかということ で、本当に信頼できる情報はこの情報なのだという枠組みを先に作って、それ以外は不 確かだよと。私たちもホームページを見て各機関が出している情報を見れば、本当に信 頼できるのかなという参考程度で見るようなことが多いわけです。患者もいろいろな情 報に対して頭から信じてしまうというわけではないので、私は出す情報の枠組みみたい なものをきちんと明確化する。逆に言うと、私たちも情報がほしい。  今まで一度も議論がなかったと思いますが、医療機関にとっても、自分の所の病院の 基本的理念とか、スタンスとか、そういうことを患者に知ってもらうということは非常 にメリットだと思うのです。その部分をもう少し医療機関が把握してほしいと思います 。その部分で信頼できる情報がどういうものか、まずベースの情報を流す枠組みを作る こと。患者にとっては全国の展開ということより、自分の身近にある病院の情報がまず ほしいというのが事実ですから、2段構えとか3段構えになるかと思いますが、具体的 な部分から入らないと信頼性の確保はできないと思います。 ○榮畑総務課長  そんなに外れていないと思っているのですが、いま坂本委員が言われる信頼性の確保 というのは何をもって信頼性の確保とするかと。ちょっと行きつ戻りつするかもしれま せんが、公的機関が出すものというのは客観性とか検証可能な事項というのを公的機関 が出す。別に公的機関以外のものが出すものでも信頼性はあるのですが、少なくとも客 観性や検証可能性ということに着眼したら、そういうものがちゃんと確保されて信頼性 が高いとすれば、そこを公的機関が出していきましょうということになります。  それは具体的に何かと言いますと、2頁の(2)の3番目の○でも書いてありますが 、上記3分野のうちの現段階で(1)と(2)。具体的には現在医療機関が広告可能な事項と いうのは、客観性があって検証可能なものというのは広告可能な事項ですから、広告可 能事項というのを公的機関が出していきましょうと。公的機関というのは国もしくはそ の関係団体と地方公共団体がある。  ちょっと言葉が不十分でしたが、(2)の2つ目の○で「基本的・画一的医療情報は 官が」となっていますが、官というのは公的機関のことです。公的機関が、いわば客観 性とか検証可能性に着眼したら、そこが確立しているような情報を出しましょうと。そ うすると、そこは少なくとも信頼性があるような情報でしょうと。ただ、それ以外の情 報でも当然、信頼度の高いものがあるわけですが、そこについては公的機関だというよ りは、むしろ個別医療機関なりいろいろな団体、民間団体が出していただければいいの ではないか。  その信頼性を確保するための方策として、いわば団体、第三者機関等によって実質的 な取組というのは期待できないのだろうか、期待できるのではないのかなと。そういう ふうな整理をこの論点整理の中でしたつもりです。ちょっと舌足らずというか、書き方 が分かりにくくなっているのかなと思って、そこはちょっと反省させていただきますが 、そんなに坂本委員が言われることと違いはないつもりです。 ○坂本委員  「基本的・画一的医療情報は官が中心となって」というのと、「きめ細かで特色ある 情報は民が中心となって」と具体的にはどういう情報になるのですか。 ○榮畑総務課長  官というのは公的機関と思っていただければいいので、それはまさに客観性とか検証 可能な情報です。それは何かと言ったら広告可能な事項の情報だと。その広告可能な事 項の情報については、例えば、今年4月に広告規制の緩和をしましたが、その中にはか なりのところ患者の方、国民の方々が医療機関を選定される際に必要な情報がかなり入 っています。ほとんど入っていると言っていいぐらい入っています。「基本的・画一的 」という言葉がちょっと不十分なのかもしれませんが、そこは公的機関が、まさに客観 的・検証可能性ということに着眼したら出せる情報だろうというつもりです。 ○坂本委員  逆に、民がきめ細かな出す情報というのは、どういう意味で民が出すのですか。 ○榮畑総務課長  それは私どもが民がこういう情報を出すべきだというわけにはいきません。そこはそ れぞれの医療機関なり、団体なりが創意工夫して出していただければいい。ここで「き め細かで特色ある」と書いたのは、「基本的・画一的」ということと対句みたいな形で 書きましたから、もうちょっと分かりやすく申しますと、客観性、検証可能性が確立し ている情報は公的機関が出しましょうと。それ以外の情報など、客観性検証可能性のあ る可能性のある情報を含めていいのですが、それ以外の情報は医療機関の方とか、NP Oといった団体の方もどんどん出していただければいいと、そういう整理かという感じ でおりますが。 ○塚本委員  本日のフリートーキングの中の論議のところですが、たまたまWAM NETで医療 機関のところをクリックしたと。クリックしたところがいわゆるマチネットなどで、民 の部分でのホームページのリンク先になると。結局そのときに、そのリンク先の開いた ホームページの内容がどうであろうかという論議がベースだと思うのです。  そのときに事業者の見方、医療を受けようという方が書き込んだ内容にどこまで信頼 度を持っているのか。特に医療に携わらない方の立場からすれば、何をもって検証して いいのかわからないわけです。それはこの委員会の論議中で、「自己規制」という言葉 を使いたくないのですが、ある程度の信頼性を持った情報を提供をするという理解でよ ろしいのでしょうか。 ○大山座長  その辺は是非皆さん方の、ここの委員会の考え方として合意を持っていければと思っ ていますが、すべて分け隔てなく繋いでいくのかどうかというところに、自主規制の方 向がうまく働いていただくとか、そこがここにいろいろと言葉を選んで書いているとこ ろなのです。しかし論点はそちらにいきますね。結局、繋ぐ、繋がないというのは、「 両方の合意の下」という言い方になってきますね。 ○櫻井委員  さっき福島委員が言われたこの委員会は何を目的とするかというのは、私が勝手に考 えていたのは、もともとインターネットの情報というのは、自由で何の規制もないから 、極端に言えば何を書こうと、どうしようと自由だと思うのです。先ほどから言うよう に、それでみんなが「そうですね」と言えば、この委員会は要らないので、それでおし まいでインターネットで自由にしなさいということになります。  むしろ坂本委員のほうから言わせれば、「自由だといっても載っていない情報がある から、もっと情報を出してほしい」ということで、そういう要求はわかりますが、そう いう要求をしろという問題と、いまインターネットで何をするかというのは別の問題だ と思います。そうではなくて、インターネットは原則自由なのですが、自由にやってし まうと信頼性が確保できなくなってしまうから、「公的な」とかいろいろ言っています が、ここでいうとWAM NETみたいなもので、ある程度信頼できる情報を出したら どうですか、あとは民間団体等々で自主的に取り組んではどうですかということを、ま とめようとしているのではないかと考えているのですが、そうではないのでしょうか。 それ以外にないのではないでしょうか。自由で勝手にやっていということをみんなが認 めたら、何も議論することはないのです。法律でインターネットでこれはいけないとい うのは、先ほど奈良委員が言ったように、アメリカではポルノが家庭に入るのはやむを 得ないという裁判所の判断が出ているぐらいです。何が入ってこようと構わないわけで す。  しかしそれではまずいからこの委員会があって、国民がそれで騙されないように、こ ういうのは大丈夫という範囲のものを出そうといっているのではないかと私は思うので す。 ○大山座長  もうそこは。 ○櫻井委員  載せてはいけないと言えないのではないですか。死亡率だってインターネットに載せ るのは自由なのですから。 ○大山座長  法律違反でなければ載せることは規制できないですね。 ○櫻井委員  法律違反でもスレスレのところまで載っています。それでもなかなか取り締まりにく いのではないですか。 ○大山座長  サイバーポリスみたいな話もやらざるを得なくなるかもしれません。でも、あまりや るといい方向にいかないのです。だからそこは極めて。 ○櫻井委員  それは置いておいて、国民がインターネットで医療情報を得るときに、ここのものな ら大丈夫とかという、そういう意味では我々医師会も反省しなくてはいけませんが、医 師会辺りがものを示さなければならない。自主的に「こういう医療機関がありますよ」 という案内を作るということはやらなければいけないかと思いますし、そこで坂本委員 のような方の意見を聞かなければいけないのです。  しかしそこがまた難しいところで、坂本委員がおっしゃるようなことが何で一般の方 が医療機関を探すのにインターネットで必要か。そこの医療機関に聞けばいいのです。 電話などはわかっているのですから、聞いて答えないようなところに行かなければいい のです。聞けばいいわけです。それを何でも出せと。こう言ったら怒られそうですけれ ども、女性が美容院など探すときに、結構行ってみて「あそこはやめたほうがいいわよ 」とかやっていますよね。美容院ならあんなに熱心なのに病院を探すときにはどうして 熱心に実際行かないのですかと。美容院と病院で、本来は病院のほうを熱心に探してほ しいと言うのですが、行って聞けば院内広告は自由です。パンフレットもない、聞いて も教えませんというところは行かなければいいのですから、そのくらいの努力をしても らってもいいかと思っているのです。何でもそれを載せろと言っているのがどうもわか りません。これは委員会とは別の話ですからもうやめます。 ○坂本委員  患者は一般的に見て、病院に質問をするとか、病院からこのような情報が出ていると いうことがわかっていないのだと思うのです。賢い人はいろいろ選んだりしますが、8 割くらいの人は、病院の院内掲示に非常に重要なことが書いてあることもほとんど知ら ないです。  そういう患者教育というか、啓発というものが医療の分野はすごく遅れていて、その 部分で、「もっと医者に質問をしましょう」とか、医師会のほうでどんどん言ってくれ れば聞く人も増えてくると思います。「聞いたら怒られた」という苦情もくるわけです 。そういう医者は行かないほうがいいと言っているのですが。 ○菊池委員  「美容院を探すほど熱心に医療機関を探してないのではないか」という話がありまし たが、実際に地域の中では、本当に自分がかかろうとしたら「あの医者はどうだったか 」という会話は女性の間ではよく行われていて、必死でかかろうとすれば評判を聞くと いうところはあると思うのです。ただ、情報が、たまたま経験した人の経験しかなかっ たり、非常に一部だったりということで、それでも情報がないから、そういう口コミの 情報を利用しているという状況があるのではないかと思います。そういう意味では、や はりある程度客観的な情報を少しでも、すぐに患者や家族が見たいと思ったときに手に 入れられる方法で提供をするというのが大事なのではないかと思っております。  これは意見と質問なのですが、客観的で十分な検証が容易な情報というところで、2 頁の(1)の中に、診療報酬の点数を何で取っているかということが、その病院の医療サ ービスの提供体制や、構造や、プロセスを示している情報になっていると思うのですが 、あれは広告可能になっていると思うのですが、それも入れたほうが参考になると思う のです。それはこの中に入っていると考えてよろしいのでしょうか。 ○榮畑総務課長  (2)の基本的な考え方の(3)で、「広告可能な事項については、客観性があり、検 証可能なものと位置付けられていること」ということから、その「公的機関はインター ネットによって広告可能な事項を広く提供していくことが適切なのではないか」という ことを論点として書かせていただいています。当然ご議論いただければいいのですが、 事務方の準備したものはそういう論点として書かせていただいております。 ○深井委員  2頁の基本的な考え方の(1)と(2)なのですが、この情報の中身がもう少し具体的なも のになってこないと、それに対して患者というか、生活者のほうがこの情報に対するニ ーズがあるのかどうか。つまり、どこまでの情報が載っていれば患者がアクセスをして 便利だと思うのか、そこの検証が必要だというのが1つあります。  そういう(1)と(2)をやる場合に、どういう機関がその情報提供していくのか。あるい はこの検討会の中でそういう団体をつくるべきだというものをアウトプットしていくの か。多分「すべきである」と書いてあっても何も進まないと思うので、もし本当にこれ がいうような情報を提供できるような内容のものであったとしたら、それを提供する機 関をつくるとか、そういう提案もしていかなければいけないかと思います。 ○福島委員  美容院の例が出たのですが、美容院であればむしろこういう公的な機関、あるいはそ れ以外のところが「こんなに親切な美容院がある」という情報を提供する必要は社会的 になくて、間違っても、騙されても、それは経験的にわかる話で、病院の場合とは違う と思います。何を出しても勝手じゃないかということとは別に、おそらく、一般の知識 のない、情報もない患者、国民のために、医療情報として「こういうものを出してあげ るべきではないか」というものをどういうものにするか、それをここで論議をしようと しているわけです。  確かにインターネットだけを取り出せば、よほど極端なもの以外は好き勝手に出せば いいと言ってしまえばその通りなのですが、やはり患者や国民に医療情報を提供して、 情報の選択を通じて云々という基本的な考え方も示されておりますので、その中の一環 として、この検討会で論議をしているわけですから、ここで先ほど個別の具体的な項目 にならないと、意見が噛み合わないということを申し上げたのもそういうことです。我 々の立場として必要な情報を積極的に提供していく道を探していくということが必要で はないかという気がします。 ○大山座長  いまのご意見はよくわかるのですが、まず現状をもう1回思い出してほしいのです。 いままでこういう形でやっていないのです。だから今回検討会をやっているわけです。 従って、この話は官側がやるとすればまずここまでやりましょうと、ここなら皆さん合 意いただけますかという、1つの線を引きたいのです。そのときに(2)の(1)、(2)、 (3)と分けた中で、(3)は手を打たなければいけませんね、まだ出せないけれどもこっち は努力しないと、患者の本当の希望とか、いろいろな面から見ると、私が個人的に思っ ても本当は(3)にほしいものもあるわけです。  でも、いま出せないというのを、私はこの整理がいまはここまでしかできないかなと 思ってやっているのですが、皆さんの意見が強いとすれば、個別に(2)か(3)かわからな いグレーのものがあるというのは議論としてあると思いますが、そこをこの委員会でい ちいち検討を始めると、多分何時間あっても無理です。したがって、まず大枠ではこう した上で動いていただきたい、国のほうでも官側でも対応いただきたいというのが1つ です。  ですから、坂本委員が言われている話からいうと、「その他」は民なのです。官はこ こまでやりましょうと、あとは何が出てくるかはもちろんわかりません。その中には、 ちゃんと患者、国民のニーズを聞いて、これからフィードバックをかける仕掛けをつく らなければなりません。多分その中には(3)の部分が結構あるという予測が、いまは成 り立つのではないかということで、違うということならまたお聞きしますが、いまはと いうことでここではたたき台は整理しました。  2番目なのですが、ビジネスマッチングの世界でよくあるのですが、美容院や病院の 話があるのでわかりやすいと思うのですが、あくまでも最初にここはいいかなと知るた めの方法であって、それをもって信用するかどうかは別なのです。お見合と同じで会っ てみたら違ったということはよくあるわけですから、そこは過度な期待をされてしまう と問題があるのです。  その点、美容院は多分じっくり長時間をかけて話をしていて、お互いに本当に知って いる女性同士が話しますから、お互いの信用が高いのだと思うのです。ただ、客観的に 見たらどうかというのは、これはまた別の話になると思います。ちょっとそこの違いが あって、あくまでも情報提供はきっかけであって、それによって、情報がたくさん出て いるからその病院は絶対によくて、そこにしか行かないというわけではなくて、逆に情 報を出しても対応が悪ければ他に行ってしまうのです。そこのところも少し念頭に置い ておいていただきたいと思います。 ○奈良委員  ちょっと質問したいのですが、2頁の(2)の(2)で、例えば「医療機能評価機構に よる病院機能評価等」とあるのですが、これは公ではなくて民ですよね、あるいは官で はないですよね。ですから、皆さん意外にご存じないのは、この頃医療機能評価機構と いうのが出来まして、かなり厳しい500数十項目の煩いチェックがあるのです。私ども の病院もようやく通ったのですが、それには非常にお金もかかるし大変なのですが、み んな客観的な情報を提供しなければいけないという流れがあって、大体9,000ぐらいの 病院の内、もう1,000近くこれを受けて、またどんどん受け出したわけです。  これはインターネットで医療機能評価機構のチェック項目の中には、大項目、中項目 、小項目というのがあるのです。大項目が何点、中項目は何点といろいろと分かれてい るのですけれども、皆さんにどこまでこれをわかりやすい開示をしようかと医療機能評 価機構で真剣に討議しているのです。医療機能評価機構には医師会も絡んでいます。  そういう意味で、これは官なのか民なのか、私は医療機能評価機構というのは民だと 思っているのです。民の機構がどんどんそういうものをやろうということになって、健 保連もそういう客観的な情報を出そうということで、健保連に私が言っているのは、医 療機能評価機構を利用したらいいのではないですかと、これはかなり厳しいですよと。 そういうものをもう少しわかりやすく、インターネットで医療機能評価機構の審査はか なり厳しいものですよと、これはかなり客観性がありますよと、でもこれは民です。そ ういうことを広げていくことで、かなり皆さんの要求が満たされるのではないかと思う のです。  もう1つ言いたいのですが、この弁護士会のものがとてもいいですから、弁護士会は 虚偽、誇大の報告したものはギュッとやるわけです、これは医師会という団体があるの ですから、そこで責任を持って、そういう虚偽の広告、いんちき広告については、医師 会で取り締まるように、櫻井先生、やってもらってはどうですか。 ○櫻井委員  後半についてはやはりいつも問題になるのですが、弁護士会というのは弁護士が入っ ていないと開業できませんから、それだけの規制がかかっているのですが、医師会は除 名にしようとすると、除名をする前に大体脱会してしまうのです。脱会してしまうとそ れ以上追いかけられないという最大の欠点があるのです。  前半の話と先ほど座長が言ったことで、前にも私は言ったのですが、坂本委員がおっ しゃっていることにも関係があるのですが、私がどうも皆さん異なっていると思うのは 、医療機関を選択するときに我々が考えているいわゆる「かかりつけ医」が担当する「 日常的医療」と、言葉は適当でないかもしれませんが、「専門的な医療」と2つあって 、どちらかというと専門的医療を選ぶ場合のことを皆さんが議論しているような気がす るのです。  かかりつけ医の場合は、座長が言ったように「お見合い」なのです。会ってみて、付 き合ってみなければわからないのです。私はお見合いというと言い過ぎになるので、 「親友選び」だと言っているのですが、先ほども福島委員が言ったように、かかりつけ 医については失敗して大変なことになるというものではないです。とりあえずかかって みて駄目なときはやめてしまえばいいのです。もちろん選択の余地のない、村に1軒し かないと言われると困るのですが、常に患者が選ぶという意味では、選ぶ余地があるこ とを前提に話をしているわけですが、かかりつけ医というのは付き合ってみて、選んで ほしいと思っているわけです。それまでは何遍でも医者にかかってくださいと。その中 からいいかかりつけ医、つまり医者の友だちを探してくださいと言っているのです。そ ういうかかりつけ医を持ていればいいのです。  どうも坂本委員たちが言っている、この間の救急のときにも申し上げたのですが、お 腹が痛くてしょうがないときにインターネットで救急病院を探さなくても、かかりつけ の先生に言えば、「これは胆石かもしれないからあそこの病院へ行きなさい」と言って もらうのが、いちばん確実でいい情報だと思っているわけです。ところがお腹が痛くて 大変なときにどうしたらいいか、病院の情報で医療機能評価を受けているか、死亡率が どうか、手術がどうかをインターネットで探して行きたいと皆さんが言っているような 気がして、それは私にとってはナンセンスなのです。  それはかかりつけ医に聞けばいいことです。それはインターネットで調べてもいいで すが、かかりつけ医がいれば聞けばいいのです。そのかかりつけ医を選ぶのはお見合い なのです。付き合ってほしいのです。それは少しは学歴などもあっていいかもしれませ んが、要らないと思います。私は「馬が合う人を選んでください」と一言で言っている のです。それは会ってみてわかるのだと思うのです。だから美容院に行って、すごくう まくやってくれたと思えばいいのと同じで、近くの先生にかかって、聞いても質問に答 えてくれないからやめようとか、それでいいと思うのです。中には、何かあの先生は威 張っているけれども信頼できそうだからそれれでいいという人がいれば、説明しない医 者でもかかりつけ医になる人もいると思っているのですが、この頃はそういうのは少な いです。  私が患者を見ていると、3割ぐらいの人は私に説明を求めません。「何でもいいから こうしろと言えばその通りにするから、余計なことは言うな」という人もいます。それ は馬が合うか合わないかの問題です。それを抜いてこの議論をしていると、前も言った のですが、医療情報の提供、医療機関の情報がないから医療機関が選べないというとき に、その2つのことを区別しておかないと駄目だと思います。  私はいまそれをいろいろなところで言っているのですが、1つは日常的、一般的、よ くある医療、もう1つは日常に対して非日常的で、めったにない突発的とか、突然のこ との医療。そういう2つに大きく分けられるのではないかと思うのです。日常的な医療 についてはかかってみて、付き合ってみてからでいい話で、血圧が高いからどこかに行 こうというときに、いちいちインターネットで手術件数が何件、医療機能評価は受けて いるかを調べて、血圧を診てもらいましょうと行く必要はないわけです。もっと言えば 、風邪でも何でも、それは近くの先生のところに行ってみて、その医師が駄目ならやめ ればいいのです。事実そうやって医師は淘汰されているのです。それが言いたいのです 。 ○大山座長  かかりつけ医を意識の上で、持っている人と持っていない人の統計はあるのでしょう かね。そこがお2人の意見の違いになっているのではないですか。 ○福島委員  そのような情報はどうでもいいと言ったのは、「病院ではなくて美容院ならどうでも いい」と言ったので、病院ではありませんから。 ○坂本委員  つい最近の3月ぐらいに出た読売か朝日の調査でも、また私たちの個人的にやった調 査でも、「かかりつけ医を持っていますか」という質問をすると、大体56%ぐらいは持 っています。ですから、いまのお話を聞いていて思うのは、私たちの分析では56%の中 でもいろいろ考えると、とりあえず行っているところをかかりつけ医だと考えている人 がほとんどだと思うのです。本当にその先生と馬が合って、全部信頼できる、いわゆる 昔のホームドクター、そこまで考えている人はどうかなと思います。  それは置いておいても、櫻井委員がおっしゃっている、かかりつけ医を持っていて、 その先生に非常にきちんとした説明をいただいて信頼できて、その方にとっては別にホ ームページなどは必要ないと思うのです。私は所沢市に住んでいるのですが、所沢市の 医師会・薬剤師会がつくった、医療マップをいただくのですが、どこにどういう病院が あるとか、診療科目がわかるものです。しかし私たちが知りたいのは、それはどこでも 調べられるのです。かかりつけ医を選ぶ前に、この先生はどういう特徴があってという 、そこが全部ではなくても情報自体を知っていいのではないかと思います。そのために こういう病院情報みたいなものがあっていいと思うのです。それがすべてではないので すが、選ぶ手段としての情報というか、21世紀は自己責任といって、何でも自分で判断 しなくてはいけなくて、お任せ医療ではなくて自分で選びなさいと。でも、1つずつ行 って、この先生はよくなかったからこっちの先生にしようといったときの、次の病院を 探すときの情報にもなるわけで、いまきちんと信頼できる人が全部ではないわけですか ら、とりあえず選択をするための幅のある情報はあっていいと思います。 ○櫻井委員  でもいま座長が言ったように、お見合いをしてみなければしょうがないと思うのです 。かかりつけ医の場合の話は情報ではなくて、やはり実際にかかってみるしかしょうが ないと思うのです。 ○坂本委員  それは選ぶ次の段階ではないですか。 ○櫻井委員  そうですかね。とにかく近くにある医師にかかってみるしかない。 ○坂本委員  でも近くにある医療機関の情報もないのですよ、逆に言うと。 ○櫻井委員  でも、それはどこにあるかはわかっているわけですものね。 ○坂本委員  それはもう電話帳でも、看板でも、何でもありますけれども。 ○櫻井委員  それであとは何を知りたいわけですか、どこの大学を出たとか。 ○坂本委員  それだってある程度は。 ○櫻井委員  ちょっとここでやり出すと切りがないですね。 ○竹林課長補佐  「かかりつけ医」については事務局のほうで調べまして、次回にご報告したいと思い ます。それからもう1点、奈良委員からご指摘のありました日本医療機能評価機構は確 かに民なのですが、公益法人ということで、やっている内容は公益的な事業ということ で、国がやってもおかしくはない事業です。事実、基本財産も、厚生労働省、日本医師 会、病院関係者といった方々が出資してやっておりまして、やっている内容が各専門分 野における高度な学術的な判断をしているということで、我々としては「準公的」とい う目で見ていたのですが、大学の評価も国の機関として大学評価・学位授与機構があり ますので、こういったことは公的と見ていたのですが、その辺についてご指摘があった ことは受け止めたいと思います。 ○福島委員  いま「かかりつけ医」について次回に公表するという話ですが、例えば先ほど話があ ったように、ここで言うかかりつけ医というのは、日頃通院をしたりする近くにある病 院という意味ですか。 ○櫻井委員  いま我々が言っているかかりつけというのは、国民が「誰々先生は私のかかりつけ医 だ」という呼び名だという意味です。普通は近くでしょうけれども遠くでも構わないと 思うのです。それはその人の選択です。しかもそれは1対1関係を言っているわけでは ないです。何人もいてもいい。眼科のかかりつけ医と、内科のかかり付け医と、両方の かかりつけ医のある人もいるだろうし、いわゆる家庭医的に一家全部を診てもらってい るかかりつけ医もあるし、母親のかかっているかかりつけ医と、子どもがかかっている かかりつけ医は違ってもいいわけです。それは別に規制するものではないし、国民、患 者が選ぶものだという意味です。だから定義はあまりなくて呼び名ということです。 ○大山座長  ちょっと議論が外れているのでその話はここで切ります。 ○三谷委員  インターネットを通じた情報提供の基本の部分を確認したいと思うのですが、本日の 論点整理でうまく整理していただいていて、1頁でも触れられているのですが、この会 の冒頭で、インターネットを利用して医療機関に関する情報を探しているという割合が 、昨年度末の一般新聞紙の調査で3〜4%であったということです。それからこの春の 保険者機能を推進する会の調査で20数パーセントだったということでした。この数字が 高いのか低いのかと見たときにも、いまインターネットが世帯普及率で5割を超えよう としている現状において、身近にあるインターネットを使って医療機関に関する情報が 十分得られる環境にないという、この状況をしっかり認識する必要があると思うのです 。多分その辺から検討が始まっていると思うのです。  インターネットがこれだけ普及しながら医療情報が利用できないというのは、提供さ れる情報が少ない、しかも信頼できる情報が少ないということが背景かと思うのです。 そこをまずしっかりととらえて、この状態をどうやって上げていくかというのがこの議 論になってきていると思うのです。  その中で、ここに書いてあるようないろいろな方策が書いてあるのですが、インター ネットを通じての情報利用の価値をもう少しここできちんと捉えてもいいのではないか と思います。情報をどう理解するかにおいて、かかりつけ医に相談するといったことも 大事になってくるかと思うのです。まずインターネットに期待する役割というものを認 識した上で、では信頼できる情報をどう集めるかということを議論しているかと思うの ですが、「インターネットはあまり利用しなくてもいいのだ」という話になってしまう と、信頼できる環境を整備していくというところに繋がっていかないような気がします 。 ○奈良委員  病院のインターネットのホームページは、いまどんどん進んでいるところです。です からアクセスするつもりならいくらでもアクセスできます。しかし櫻井委員のおっしゃ ったかかりつけ医をまず中心にしてというのは、実は私はまったく同意見なのです。と いうのは、我々が病院にいて大変困ったのは、来なくてもいい患者さんがぞろぞろ来る のです。何でかと思ったら、いろいろな情報を見て、「公的病院に行くといい」とか、 「どこどこに大変偉い先生がいる」とか、マスコミがいろいろやっていますから、いつ かも発言したのですが『日本の病院100選』とか、そういうものを売り込みに来る奴が いるのです。もちろんそういうのを突っ撥ねるところも多いのですが、そういうものに イージーに乗ってしまうところもあります。  そうなってくると、患者というのはまず診療所に行って、本当に病院に行くことが必 要だったら、診療所から病院に回って来るのがいちばんいいやり方なのです。アメリカ でもそうです。ところがいまはいきなり飛び越してしまって、東大病院だの慶應病院に ぞろぞろ来て、慶應病院に1日に4,000人も来たなどという、そんな馬鹿な国はありま すか。皆さんが情報を開示すべきだ、もう少しわかりやすい情報を広めるべきだとおっ しゃるのですが、一方においてはそういう現実が起こっています。  それからインターネットは、病院に関する限り片っ端からホームページを開き出しま した。ですから、どこの病院のどういう情報がほしいといったら、おそらく半年経たな いうちにほとんどの病院が出すと思いますから、基本はやはりかかりつけ医がいて、そ れで次のステップでどこの専門とか、どこの診療科ということでやるのが本当だと思い ます。私は医師会の肩を持つわけではないですけれども、かかりつけ医があってはじめ て正常な状態になると思います。  かかりつけ医は櫻井委員のおっしゃるお見合い論とまったく同じなのです。気が合わ なければどんな名医でも面白くないですから、どんどん引っ越せばいいのです。よく病 院に「こういう情報であなたの病院に来たけれども、サービスが悪くて怪しからん」と 血相を変えて出て行く人もいますから、それでいいと思うのです。 ○深井委員  確かに奈良委員がおっしゃるように、まずかかりつけ医に行って、そこで病院を紹介 してもらうというような習慣を国民に付けさせないと、インターネットで情報を提供す るのはいいですけれども、みんなそっちにいってしまって本当に必要な患者を病院で診 られなくなる恐れがありますよね。 ○櫻井委員  先ほどの医療機能評価機構の病院評価は奈良委員もおっしゃっていたのですが、それ は確かに意味があるのですが、本来は病院がそれを受けて改善のために使うことが目的 で、確かにその病院のいい悪いというか、ある意味ではそういうものの判定にはなるの ですが、国民が「受けているからいい病院だ、そこの病院に行こう」という判断するた めにやっているのではないということを是非わかってほしいのです。でも、そういうふ うに使われる恐れがあって、ある週刊誌が、一応医療機能評価機構の判定に基づくラン キングとは書いてありましたが、病院のランキングをしてしまったのです。きちんとや っているのはいいことなのですが、1位は腎臓透析の専門病院です。でも、一般の人は 1位がここと出ればそこが何でもいちばんいい病院みたいに思ってしまうわけです。  だから、この医療評価機構の評価というのは、少なくとも一般の人が病院選びをする ための評価ではないことは是非わかってほしいと思うのです。ところが、どうしてもこ ういうものをやると、そのように思われたり、使われたりしてしまいます。確かに評価 をきちんと受けている病院は、そういう意味ではきちんとやっている真面目な病院で、 少しでも自分のところをよくしようと努力していることは評価できる病院であることは 私も認めます。そうでなくては医師会が一緒になってそれに絡んでいるのはおかしいわ けです。しかし、いわゆる5つ星病院とか、そういうものとは全然違うということだけ は理解してもらわないといけないと思っています。 ○大山座長  そうですね。 ○塚本委員  いま櫻井委員のおっしゃった、そういった部分の情報すらまだ現時点では足りないわ けで、あたかも医療機能評価機構はマル適になると、グレードアップした病院であると いう誤解を国民の方が持っているのが現状であります。それとインターネットを中心と したIT化の流れの中で、確かに国民全体でのパーセンテージとして、世代別に見ても 、アメリカと違って、全国民がすぐにホームページを開いてアクセスするまではいって おりません。ただ、時代は確実に変わってきていますので、そのときに見る目を養う部 分が当委員会の論議であって、自主規制、自己規制とは言いたくないわけです。  特に病院については、先ほど奈良委員がおっしゃいましたように、病院なりのスケー ルアップは当然なされています、医療機能評価機構以上に。診療所の場合ですと切実な ものがあり、自体での研鑽がありますので、それを国民の方が媒体として見るときに、 どこまでがバツか、先ほどの3つの(1)、(2)、公の関与という部分です。おそらく論議 としては皆さんに了解を得ているのだと思いますが、そこからジャンプしたときに、ど こまで開くのか、開いたときに何をもってツールとして、内容をどこまでいくかという のはある程度論議をして方向を示唆していかなければいけないと思います。 ○三谷委員  先ほど指摘させていただいた、3頁の医療機関からの情報提供する場合の範囲という ことなのですが、広告可能な事項の範囲内に留めることが妥当ではないかということで 、これにちょっと疑問があるのではないかと発言させていただいたのですが、この辺は どのようになりましたでしょうか。趣旨はわかるのですが現状はそうではないと考える と、「広告可能な事項の範囲内に留める」という表現よりも、「広告可能な事項の範囲 を中心として」というように幅を持たせたほうがいいのではいかと思います。そうしな いと、現状こうした範囲をはみ出ているものについては、外れているのではないかとい うことで、逆にそういうものを出してはいけないのではないかと話がいってしまうので はないかと思います。  それと、その下の自主的なガイドラインを作っていくときに、それのなす役割が機能 しなくなるのではないかと思います。公的機関が出す情報も、民間から出す情報も同じ 枠をあてはめるものであると解釈される可能性があるので、そこは違うのではないかと いうことで、表現を再検討していただければと思います。 ○大山座長  あくまでもたたき台ですから、ご意見をいただくことと、この委員会としてはどう考 えるかというもの、もちろん厚生労働省のほうにお渡ししても、「これもらっても困る よね」と言われては意味がないわけですけです。したがってもちろん調整はしますが、 いまのようなご意見が他の皆様方からも出てくるかどうかで、その意味では本当にたた き台で出していますので、安全策をとっているのは事実です。 ○福島委員  先ほど私は「出来上がりの姿が見えないから論議がしにくい」と申し上げたのですが 、この論点整理よりももう少し、例えばこういう具体的な項目について1つの指標を作 るとか、そういう論議があるのであれば、このたたき台では多少表現が抽象的でも、具 体的な項目等まで進むのならばその中で、この項目はどうするかということを具体的に 論議をできるチャンスはあるのですが、この検討会のまとめということでこういう論点 整理だけでまとまることではないですよね。 ○大山座長  その辺については、お願いいたします。 ○榮畑総務課長  それも当然この検討会の場でお決めいただければいいわけで、事務局からどうのこう のというわけではありません。事務局の担当課長の頭にあるイメージを語るという前提 でお許しいただければ、大山座長と相談して出させたいただいたこれについて、今日の ご議論を踏まえまして、もう少し肉を付けて報告書のような形で書きものにさせていた だければと思っています。  それからそこの中で、先ほどからのお話を聞いていると、2頁の(2)の(1)、(2)と いうのは具体的な中身がよくわからないという話もありましたから、これから次回の検 討会に向けて作業をさせていただく中で、この具体的に(1)、(2)というのはどういう情 報なのかというのを列挙させていただきます。そういうことを次回に出させていただく 報告書の案文のたたき台みたいなものですが、そういう中で書かせていただくことはあ り得ると思っています。それはご覧になっていただければ、こういうイメージなのかな というのはわかっていただけると思います。  ただ、それはこの検討会の第1回のときにもお示しさせていただいていて、今日も過 去の提出資料を置かせていただいていますが、まさに広告可能事項を列挙することにな るかと思います。 ○三谷委員  もう少し補足させていただくと、広告可能なというのは時代とともに変わるというの があるので、むしろそういう枠で収めるというよりも、民間からの情報発信については 違う観点の基準みたいなもの、自律的なガイドラインを含めた基準みたいなものの働き を期待するという意味で、特にあえて広告可能という範囲ということを入れなくてもい いのではないかと思います。先ほどの話ではないですが、基本的な自由が前提になって いて、自由の中でより質の高い情報を出してもらうということからいくと、あえてこう いう枠を付ける必要はないのではないかと思います。高い基準を設定して、それに合う 情報を選んでいくというか、作り上げていくというような方向性のほうがいいのではな いかと思います。 ○櫻井委員  本来はインターネットは自由で何の制限もないということが前提の議論ではないかと 思うのです。しかしこの委員会としては、信頼性の確保のためにはその範囲に留めても らったほうが妥当ではないかといっているだけで、実際にはその範囲には留まっていな いわけですし、留まるはずがないのです。規制をかけようがないのです。そこの判断が 必要で、信頼性の確保のために留めてもらったほうが妥当だというのがいいか、そうで はなくて自由だというのなら別にこのようなのは要らないのです。インターネットの世 界はもともと自由なのですから。  妥当ではないかと委員会がいっても、妥当でないものがすでに出回っているのです。 つまり範囲に留まらなかったら違反であるということを言おうとしているのではなくて 、妥当ではないかといっているだけですから。もっとこの言葉を補って言えば、「妥当 ではないかと思われるけれども実際にはそうなっていないから、やはり信頼性の確保が 必要だ」と次に続くということなのでしょうね。 ○三谷委員  それが民間への影響は大きいものですから、この検討会がこういうものを基本で出せ ば、それを意識してやっていくようになっていくと思うのです。特に我々のような民間 NPOはこういうものを意識しますから。そこに基準があるならば、その基準に合った 民間の基準を考えていくので、やはりこれは大事な部分なのです。 ○櫻井委員  そう取っていただけるわけですね。そこまで取っていただけると思っていなかったの で。 ○三谷委員  いや、それを前提に考えていますので。 ○櫻井委員  この文章は妥当なものは無理だという意味だからね。 ○深井委員  結局信頼性とか、客観性というのは、誰が言うかという問題だと思うのです。それか ら、何を言うか。何を言うかというのは、中身が患者や生活者にとって、ニーズがある コンテンツであるかどうか、それをどう知らせるか、それがあったとしても生活者がそ ういうものがあるということを知らなかったら、ないのと同じです。その3つが備わっ ているものがあるといいということで検討しているのではないかと思います。  そうすると、誰が言うかを誰にするのか、何を言うかの中身について、何を言えばニ ーズがあるのか、それをどう伝えていくかということだと思うのです。確かに自由にイ ンターネットをできるとか、それはそれぞれの方がやればいいことで、我々の検討会の 中ではそういうものを作っておくと非常にいいのではないかと。特にインターネットの 中で、健康に対するニーズは非常に情報として多いです。ただ、この関係の病院情報で いくと、これだというものがないから、それをどう作るかという話ではないかと思うの です。 ○福島委員  私、先ほど「出来上がりの姿」ということを言ったのですが、イメージ的にはこの整 理も、おそらくそういうことが頭の奥にあって書かれた、いまの「広告可能な事項の範 囲内」というのは、ここにも何人か委員の方がいらっしゃいますが、昨年やった広告規 制緩和のときの論議の中でも、最初のところにはそれぞれの項目が出て、この項目はど うだ、これはどうだという論議をとりまとめのときにしました。あれと性格はまったく 同じものではないですけれども、ああいうイメージで、もう少しこれが具体論になって 、項目が具体的に提示されて、先ほどの話に関連しますが、この検討会はインターネッ トには載せていけない規制委員会をここでやっているわけではなくて、先ほども言った 、国民、患者のためにこういう情報が必要ではないかということを探しながらとりまと めていくという場ですから。イメージ的には最後か最後の前のとりまとめのときには、 もう少し具体的に、こういう具体的な情報を出していこうではないか、そういうのが最 後の出来上がりの姿ではないかというイメージがあるものですから。それは個別論のと きに項目ごとに、いろいろ意見が出ればいいと思っています。 ○榮畑総務課長  ご意見を頂戴して、座長とよくご相談して次回にまとめます。 ○大山座長  次回までに間に合うかどうかも含めていろいろありますので、申し訳ないですけれど も承ります。 ○塚本委員  広告の範囲の表現の仕方で、すでに4月には広告の規制緩和もいま福島委員がおっし ゃった部分の項目もある程度列挙されています。そういうものも具体的な事例であると 思います。また、範囲を逸脱した拡大解釈の論議はまた屋上屋を重ねるような感じがす るので、現下ではこの4月に広告規制緩和されましたという項目をまず論点の根拠とし てお進めいただいたほうが、よろしいのではないでしょうか。 ○深井委員  広告可能な範囲というものが、果たしてそれだけの範囲でどこまでニーズがあるのか というところを検証しないと、情報提供をしても結局誰も見ないということになりかね ないので、もし逆にそこの範囲でニーズがあまりないようだったら、よりコンテンツの 内容を広げること、あるいは客観性を。 ○大山座長  それが先ほど来申し上げている(3)で、ここは頑張らないと駄目なのですよね。 ○櫻井委員  どういうことを知りたいかというのを具体的に出してもらったほうがいいのですよ ね。何が知りたいかというのがありますか。 ○深井委員  端的に言うと、例えば私が肺がんになったときに生活者の立場でいくと、どの先生の どの病院に行って、どういう治療ができるのがいちばんのお勧めで、2番目の代替案は これだよと。 ○櫻井委員  それをインターネットで探すのは難しいと言っているわけです。 ○深井委員  しかし、そこの部分になるべく近いところまで、どこまで近づけられるかという。 ○櫻井委員  医療には2つあって、日常的なものと、非日常的な肺癌にかかったというようなもの があって、後者のことだけを皆さんは言っていて、深井委員が肺癌にかかることは一生 を通じてほとんどないのです。それを心配しているのです。でも、かかるかもしれない ことは確かなのです。心臓の病気にかかったら心臓の手術はをやっているところはどこ だと、そういうことをみんな心配しているのですけれども、心臓の手術をすることは1 人の人で言ったらほとんど確率はゼロです。そんなものは全部心配する必要はないから 、かかりつけ医を選んでもらって、私のところに深井委員が来ていたら肺癌の手術が必 要なら3人ぐらいの医者を推せんします。その中から選んでくれれば十分なのです、イ ンターネットで肺癌の手術をどこでするか選んでいたら間に合わないです。だから普段 からかかりつけ医を選んでいてくださいと言っているわけです。どうも皆さんがほしい という情報は、何か一生の内で起きないような稀なこと、突発的なことを心配しいらっ しゃる。 ○深井委員  肺癌になったときにそういう選択をするわけですね。 ○櫻井委員  かかりつけ医に相談するのがいちばん早くて、もちろんそのときに一緒にインター ネットで調べてもいいですよ。 ○深井委員  かかりつけ医にかかっていない方が半分いらっしゃるわけですからね。 ○櫻井委員  ですからかかりつけ医を持ってくださいと言っているのです。かかりつけ医のいる人 はそういう心配をしていないですから。 ○深井委員  私はかかりつけ医はいますけれども。 ○福島委員  深井委員は確かに肺癌になられる可能性は皆無に近いですけれども、現に何万人に1 人かは必ず出ているわけです。そういう意味では、ここでの論議の仕方としては、個々 の一人ひとりにとっては、肺癌とか、脳梗塞とか、それは何万分の1の確率かもしれま せんが、世の中にその何万人という病人が出ているわけですから、情報提供の仕組みと してはそういうものを自分のためだけではなくて、何かトレースする情報は必要だろう と思うのです。 ○深井委員  ですから、いろいろな情報経路があっていいと思うのです。かかりつけ医がいて、そ の方が信頼できるという方はそういうルートでたどり着けばいいし、そういう人がいな い人のためにも、やはり別のインターネットのルートである程度選択できるとか、やは り複数の道をつくっておかないと、必ずかかりつけ医のところで聞けばいいということ になれば、この情報はまったく要らないのではないかという気がするのです。 ○大山座長  あえて申し上げなくても、皆さんゼロイチの議論ではないことはおわかりだと思うの で、そのために新しいメディアとなるこういうものをどう使おうかという議論をさせて いただいているわけです。  まだ議論はあるかもしれませんが、そろそろちょうどいい時間になっていますので、 ご発言をなさっていない方でお話になることがあれば伺いますがよろしいでしょうか。 大体予定の時刻に近づいていますので、本日はこれまでにしたいと思います。次回は報 告書(案)を提示して、先ほど来の様々なご意見をいただきましたので、それを反映さ せた報告書案を作り、次回に皆様方からもう1度承わりたいと思っています。報告書 (案)は本日お配りした論点整理(案)に、皆様からいただいた貴重な意見を踏まえて 、事務局と相談をして作成したいと思っております。次回の日程について事務局から説 明をお願いします。 ○榮畑総務課長  次回ですが、そろそろ年末のご多忙のところ恐縮ですが、12月6日の午後2時からと いうことでお願いいたしたいと思います。会場はこれから調整をして、追ってご連絡さ せていただきます。 ○大山座長  これで終了しようと思いますが、どうしても言っておきたいことなどご発言はよろし いですか。それでは本日はこれで閉会いたします。大変お忙しいところ長時間にわたっ てありがとうございました。 照会先 医政局総務課 竹林(内2516)