02/07/17 第4回少子化社会を考える懇談会議事録           第4回少子化社会を考える懇談会 <議事録> 1.日 時  平成14年7月17日(水) 10:00〜12:00 2.場 所  厚生労働省省議室(中央合同庁舎第5号館9階) 3.出席者  <メンバー>   木村尚三郎(座長)、山崎泰彦(座長代理)、安達知子、大越将良、奥山千鶴子、   柏女霊峰、黒澤昌子、玄田有史、佐藤博樹、清水ちなみ、白石克子、津谷典子、   水戸川真由美、山田昌弘  (敬称略)  <厚生労働省>   近藤厚生労働事務次官、渡邊厚生労働審議官、石本政策統括官(社会保障担当)、   岩田雇用均等・児童家庭局長、辻年金局長、河社会保障担当参事官、西村政策企画官 4.議事内容  木村座長  それでは時間になりましたので、まだお見えでない方もいらっしゃいますが、第4回 少子化社会を考える懇談会を始めさせていただきます。  お忙しい中ご参集いただきまして、誠にありがとうございました。  本日は委員のうち、ご欠席は、青木さん、大日向さん、熊坂さん、小西さん、酒井さ ん、残間さん、松本さんでございます。  それでは、議事に入らせていただきます。  前回までで大まかにひととおりの議論は行いましたので、次回、9月には中間的なと りまとめを行いたいというふうに考えております。  そこで、本日は、中間とりまとめに盛り込むべき事項につきまして、皆様方からご意 見をいただく、ご議論いただきまして、最後に中間とりまとめの起草委員を選任したい と考えておりますので、よろしくお願いいたします。  それではまず事務局から資料の説明をお願いします。  河参事官  社会保障参事官の河でございます。資料の1〜3、そして関連資料でございますが、 私と西村でご説明させていただきますが、私からは、資料1、いま座長おっしゃってく ださいましたが、中間とりまとめに盛り込むべき事項を、これまでのご論議、あるいは 各委員から提出いただいたペーパー等に基づきましてつくらせていただきました。ご検 討の参考にしていただければ有難いと思いますけれども、全体的になるべくコンパクト におまとめいただければ、と思っておりますが、広く世の中、政府、企業、地域社会、 あるいは国民に対してどのような形で今回の懇談会をおまとめいただければいいだろう かというときのポイントになる事項、これまでのご論議から、このようなものではない かというふうに考えまして整理させていただきました。  大きく3本柱になっておりまして、1ページ目に「目指すべき社会像」、やや大括り な話を一番目に書いてございますが、こういう社会を前提に考えていく。あるいはこう いう社会を望みながら考えていく必要があるのではないかということです。  2番目は、そういうことを考えるに「対応に当たっての基本的な視点」、特に少子化 ということですので、子どもとの関係、家庭との関係、企業との関係での基本的視点を 2番目に列記させていただいております。  3番目に、それらの視点をもう少しブレイクダウンして「今後の取り組みの重点的方 向」というものをいくつか挙げさせていただいております。  この2ページにつきまして、私からご説明させていただきます。 「1 目指すべき社会像」  ということで、座長がよくおっしゃっている言葉でございますが、○「いのち」との 共生に幸せを感じられる、いのちをはぐくむ家庭を支援する社会というのが一つの社会 像なのではないだろうか。  2番目に、○明日の希望である子ども、あるいは、これからの社会、時代を築いてい くものとしての子どもの歓声が聞こえ、活力が感じられる社会ではないだろうか。  そして、○子どもを持つ家庭が幸せに見える、子育てに喜びを感じられる社会。「見 える」という言葉は何人かの委員からご指摘もありまして、ここに見えるという言葉を 使わせていただいております。  ○若い世代が未来に希望を持って自立できる社会 ○子ども自身が生き生きと過ごす ことができる社会 ○多様な価値観に基づく生き方が経済・企業の成長につながる社 会、あえて名をつければ、多様選択可能型社会ということを書かせていただいておりま す。 「2 対応にあたっての基本的視点」  ○家庭を社会全体で支援し、社会的我が子観、言葉としてまだ熟してないかもしれま せんが、社会的我が子観に立った育児の社会化を  そして、2番目から5番目には、それぞれ後に括弧書きがついて矢印をつけています が、こういうことが背景として指摘されている、いわば問題点というものがあるように 思いますので、それを考えたときにどういうふうにすればそういう問題に対応していけ るだろうかということで、括弧書きを先に読めば、(結婚・育児の負担が大きい)とい う指摘が各方面からあるわけで、この負担というのは経済的負担のみならずですが、○ 子どもにやさしい企業・子どもにやさしい地域・子どもにやさしい政府をつくるため、 社会全体を巻き込む国民運動が必要なのではないか。  3番目は、(子どもを産み育てる喜びを感じられる機会が少ない)というご指摘も多 くありまして、○子どもや家庭の大切さについて若い世代の理解を求めたい。  4番目に、(職場優先の働き方で家庭生活との両立ができない)というご指摘もある わけです。○家庭生活との組み合わせが選択できる多様な働き方ができるようにならな いだろうか。  5番目に、(若い世代が結婚・出産に希望を持てない)というご指摘もあるわけでご ざいまして、○若い世代が自立でき、子育てできる暮らしの実現、と書かせていただい ています。  なお、留意点として、この場でも皆様方からご意見がありまして、3つのことを書か せていただいております。・子どもにとって何が幸せかの視点を忘れてはいけない。・ 産む産まないは個人の選択であることは当然の前提である。・就労の有無や母子家庭な ど、多様なライフスタイルに配慮しなければいけない。ということを留意点として書か せていただいております。  2ページに行って、「3 今後の取り組みの重点的方向」ということで、政府も含め てですが、企業、社会、地域社会等々に対して、幅広い政策として考えたときに、こう いうようなことが総論、大括りな方向なのではないだろうか。またに重点的方向という ことで書かせていただいております。  1番目が(社会全体を子どもや家庭にやさしいものに)していくということで、○職 場優先を変え、多様な働き方を可能にするため、事業主と職場の意識と仕組みの改革 を、ということで、ブレイクダウンすれば、男性も含めた働き方の見直し、仕事と家庭 の両立支援、ということになろうかと思います。  2番目が、地域の子育て支援機能を築いて、地域において総合的で多様な子育て支援 を、ということで、ブレイクダウンしますと、多様な主体の協働、すべての子育て家庭 を対象にいろいろなものを考えていく。  3番目に、社会保障などにおいて、次世代支援の比重を大きくしていく必要があるの ではないか。  4番目に、子育てバリアフリーのまちづくり・住宅づくり  5番目に、安心して子どもを産み育てるための妊娠・出産のあり方について考える。 これも何人かの意見が出ていました。  6番目に、都市部や農山村など、地方の特色に応じた子育て支援を、ということを、 3番目の第1パラグラフで書かせていただいております。  2番目のパラグラフでは、(子どもや家庭の大切さについて若い世代の理解を)とい うことで、○「子育ては親育て」ということも語られていまして、若い世代が子ども、 赤ちゃんとふれあって育つ環境づくり ○家族とのふれあいを通じた家庭における教育 の充実 3番目に(若い世代の自立と希望を)ということで、○若い世代が経済的基盤 を確保できる若年雇用の促進 ・若い世代が自立して教育を受けられるようにする ○ 子ども自身の能力や意欲を活かした社会参加活動  4番目のパラグラフで(少子化の経済社会的影響への対応を)ということで、これも いろいろ指摘されていますが、○女性や高齢者の雇用・就労環境の整備など老若男女共 同参画、人材育成、新規産業創出、地域振興等々があろうかと思いまして、3番目はそ れぞれ概ね先ほどの2番目の基本的視点とある程度パラレルに、もう少し重点的方向と して政策の総合的な方向を書かせていただいております。  私からは以上であります。  西村企画官  残りの資料について、私からご説明させていただきます。政策企画官の西村でござい ます。  資料2は、少子化対策推進基本方針に基づく主要施策ということで、これは前回提出 させていただいた資料でございますが、本日、中間とりまとめのために盛り込むべき事 項をご議論いただく際に、これまでの対策の評価を踏まえてご議論をいただきたいと存 じまして、前回の資料をあらためて提出させていただいているところでございます。  これをご覧いただきますと、いままで何をやってきて、ここのところが欠けているん じゃないかとか、あるいはこれの中でこういったことが今後の重点としてもっとフォ ローアップしていく必要があるだろうといったご参考になるだろうと存じます。  平成11年閣議決定でありますこの基本方針では、柱が6つほど立っております。  1番で、固定的な性別役割分業や職場優先の企業風土の是正ということで、とりわ け、男女共同参画の視点が大きく取り上げられているところです。それと同時に、ファ ミリーフレンドリー企業の表彰といった企業の取り組みについてもここに括られていま す。  2番は、仕事と子育ての両立ということで、これは平成元年に少子化対策が始まって 以来、中心的な役割を果たしてきた分野でございますけれども、育児休業の問題、短時 間勤務制度、看護休暇制度、在宅勤務といったようなものがここに掲げられています。  3番目は、家庭や地域の環境づくりということで広範な対策がこの中に入っておりま して、主要なものといたしましては、地域子育て支援センターなどの子育て家庭への支 援体制、児童虐待への対応、母子保健の関係で「健やか親子21」の策定及びそれに関 連する施策の実施、それから児童手当といったものがここに入っています。  2ページの4番目は、保育についてはこれまでの対策の中でかなり重視してきた分野 でございまして、保育所関係の各種施策、放課後児童健全育成対策なども含めまして、 ここの中に掲げております。  5番目の教育の関係では、社会体験学習、あるいは家庭や子育ての意義に関する学 習、奨学金の問題などが、これまで対応されてきたところでございます。  3ページの6番目で、住宅など生活環境ということでは、国土交通省を中心として都 市政策における住宅と保育所等子育て支援施設の一体的整備などの住環境に整備、ある いは交通バリアフリーということで、妊婦等が公共交通機関を利用しやすい環境整備と いうこと等が掲げられています。  こういった内容をこれまで推進体制としては新エンゼルプランという政府の施策、各 種各界の代表が集まった国民会議ということで対応してきたということでございます。  資料3は、折り畳んだ大きな表です。これも前回提出させていただいた資料でござい ますが、何人かの先生方から宿題を頂戴しておりましたので、その部分を網掛けした部 分、山崎座長代理ほか数名の方からいただいた宿題の部分を付け加えております。  育児休業後の復職の保障の問題、保育サービスの水準を示すために就学前児童数、つ まり分母を入れて、どれくらいの割合の子どもが保育所で保育を受けているかがわかる ようにいたしました。  それから、児童手当の水準がわかるように、平均賃金をつけ加えております。  そのほか、これも前回提出させていただいた資料ですが「少子化対策の基本的考え方 に関する論点メモ」をもう一度提出させていただいております。  資料の説明、以上でございます。  木村座長  ありがとうございました。それでは、中間とりまとめに盛り込むべき事項について、 特に資料1ですね。皆様方のご意見を頂戴いたします。よろしくお願いします。 いき なりで恐縮ですが、黒澤さん、初めてお出でになって鮮烈な印象を、いかがでしょう か。  黒澤委員  まず、金曜日が多かったものですから、授業が入っておりまして、連続して欠席させ ていただいておりました。大変申し訳ございません。そのお詫びを申し上げさせていた だきます。よろしくお願いいたします。  議論はもう出尽しておるような気がいたしますので、私は何もつけ加えるものはない という気はしますが、経済学という立場からみますと、いまご説明いただいた資料1の 盛り込むべき事項の中で、私は「多様な価値観に基づく生き方が経済・企業の成長につ ながる社会」という、多様選択可能型社会というものを、これからどうやって整備して いくかということが一番重要なのではないかと思います。2番目の「対応にあたっての 基本的視点」の4番目にも、多様な働き方を、というのがありますが、この多様な働き 方を許容するということが実は我々労働者だけでなくて、企業にもプラスになるのだと いうところが非常に重要な点だと思います。それをすることによって、労働市場へ参入 できなかった、しようとも思わなかった人たちが参入するようになりますし、また労働 市場から一度退出して育児なり出産なりして再度参入したときに、それほど労働条件の 低下が起きないような労働市場になれば、それは出産や育児に伴って失うものが少なく なるわけですから、出産・育児に伴うコストが少なくなるということで、そういう意味 でもプラスになるのではないか、と思います。ですから、その部分における政府の役割 というものが何であるべきかという点について、例えば、今回の報告書で突っ込んだ指 摘ができればよろしいのではないかと思います。  その件に関連して、次のページになりますが、「今後の取り組みの重点的方向」(社 会全体を子どもや家庭にやさしいものに)ということで、職場において事業主と職場の 意識と仕組みの改革を、とありますが、実は、職場において、家庭と子どもにやさしい というだけではなくて、少し飛び越えて、個人の生活というか、私生活にやさしいとい うふうに、理想としては言っていただきたいなと思いました。もちろん、諸外国の例、 特に米国の例を見ましても、まずはファミリーフレンドリー、すなわち育児を担ってい るのが女性であるという慣行がある、そういった条件の中ではやはり女性にしわ寄せが きますので、家事・育児をしなければいけない女性への福利厚生的な面からサポートが 始まったわけですけれども、そればかりを前面に出すと、女性の中でも子どものいない 方とか、シングルの方とか、いろいろいらっしゃるわけで、そういった方々の同意、コ ンセンサスを得にくいという部分がございます。ですから、家庭だけではなくて、個人 生活にやさしいというような観点から、そうった社会を推進するというような考え方を も盛り込んでいただければと思います。  最後に一点、2ページの3の「今後の取り組みの重点的方向」の2番目に(子どもや 家庭の大切さについて若い世代の理解を)とあるのですけれど、子育ては親育て、これ はほんとにそう思いますが、あまり強調しすぎると、子どもを育てないと一人前ではな い、というような風潮が強まってしまうような懸念があるのではないかなと思いまし た。すみません、ざっとの印象でございます。  大越委員  育時連の大越です。資料1の「目指すべき社会像」のところですが、事前にいただき ましたので、目を通して思ったことを述べさせていただきます。個人的にはこういった 懇談会の一番の意味は、こういった理念を示すことだと思うんですね。理念は明確な メッセージ性とインパクトがあるほうがいいと思います。第一印象、目指すべき社会 像、これが理念にあたると思うんですが、いかにもインパクトが弱いと思います。私は この懇談会は「少子化社会を考える懇談会」ということで、もう少子化は絶対に避けら れない。絶対していくということで、少子化になった社会のあり方に対する理念という 意味では男女ともに働くということをもっと前面に打ち出すべきじゃないかと思いま す。その理由としては、就労人口が減るわけですから、男女ともに働く、これはごく自 然なシナリオだと思います。それと、共に働かずに、片働きの収入で生きていくという ことは今後は右肩上がりの経済じゃないですし、グローバル化して不安定になれば、そ ういったリスクは非常に大きくなるということで、これもごく自然なシナリオだと思い ます。  それと、働くことにこだわるんですが、例えば、働きながら送る質の高い暮らしの社 会、ということも是非理念の中に入れていただきたいと思います。  木村座長  ありがとうございました。働くことを大前提とした社会ですね。  柏女委員  いくつか感じたことをお話させていただきたいと思います。  1ページ目の「目指すべき社会像」のところで、いま大越委員もおっしゃいました が、インパクトというか、子どもが少ない社会って一体どんな社会なんだろうかという ことを考えていかなければならないと思っています。  私自身は少子社会というのは、子どもの存在を許さない社会だろうと思っています。 高齢者、障害者の方々とのノーマライゼーションが進んできたわけですが、それに至る プロセスの中では、高齢者の姥捨て、あるいは障害者の隔離といったような問題があっ たわけです。障害を持った方や高齢者の方は隔離をしなければならないわけですけれど も、子どもは産まなければいい。子どもを産まなければ、子どもの存在を許さない社会 はつくっていけるわけで、それを大人が選んできている。このことについては、最初の ところで少子社会というのはどういう社会なのかということを訴えていかなければなら ないのではないかと思っています。これが1点目です。  2点目は、子ども自身が生き生きと過ごすことができる社会、というところですが、 これはそのとおりなんですが、子ども自身が生き生きと過ごすことができる社会は一体 どんな社会なんだろうかということですが、それはおそらく子どもの生活リズムを大切 にする社会なんじゃないかと思っています。あるいは子育てのリズムを大切にする社会 といってもいいのかもしれません。例えば、道端にタンポポの綿毛があれば、仕事に行 くために急いでいるときには、はやく、はやくと子どもをせき立てるわけですが、子ど ものリズムは、タンポポの綿毛があれば、それに注目して、つかまえて吹いてみる。そ のリズムが大切にできるような、そんな社会にしていく必要があるのではないかと思っ ています。  3点目は、実は私、今日これのあと、県の少子化懇に行くことになっているわけです が、都道府県でも、あるいは場合によって区市町村でも、こうした少子化問題の検討が 行われているわけですが、県の少子化懇の報告書にあって、国の報告書にないものが一 つあるわけです。それは、国への要望という項目です。県や区市町村で少子化への対応 について議論をしていますと、どうしても国のほうで動いてくれないとできないもの、 あるいは国から権限を渡していただかないとできないものがあるわけです。そこのとこ ろを、これは国の懇談会でありますので、先ほど黒澤委員も政府の役割、とおっしゃい ましたが、国の役割ということを是非中心的に起草委員の方、申し訳ございませんが、 お願いできればと思っています。  具体的にいえば、財政に関することですね。子育て支援のためのお金をどうやって捻 出するのかという議論、それから、分権の問題です。特に国から都道府県、あるいは地 方間分権のこと。例えば、前回申し上げましたが、子育て支援サービスを区市町村レベ ルで幅広く広げていこうと思っても、なかなかそれが区市町村の役割として認識されて いないというような問題があるわけですが、こういうことを視点としておいていただけ るといいかなと思っています。  玄田委員  「目指すべき社会像」のところ、インパクトがないというのは同感で、加えて、前回 欠席しましたが、それまでは議論の中で比較的あったように記憶しているのは、子ども を持つ人と持たない人の対立が生じない社会をつくるというのもたしかメッセージとし て非常にあったような記憶があります。子どもを持つこと、持たないことにはいろんな 理由があるわけで、目指すべき社会像として、持つ家庭と持たない家庭の間になんらか の対立が生まれる、ないしはどちらかの世帯を優遇するような状況をつくることがか えって子どもを持つことの不幸を生み出す可能性があって、そういう意味では、持つ、 持たないの対立を避けるという点があってもいいのではないか、というのが1点目で す。  2点目は、「対応にあたっての基本的視点」の2つ目の○、これは感覚なので申し訳 ないんですけど、「やさしい」という表現に非常に説得性を持つ人と違和感を持つ人が あるのではないかという気がします。女性にやさしい企業に入りたい、という女性はど のくらいいるのか。私の知る限りではほんとに女性にやさしい企業は結構女性に厳しい といってるような記憶があります。そういう意味では、やさしいという言葉の持ってい るニュアンスに果たしてどのくらいの人が説得されているか。  そして、もっと違和感があったのが「国民運動」という言葉であります。非常に大時 代的な感覚で、一体私はいまいつの時代を生きているのか、という気がしました。加え てもう少し具体的なことを言いますと、本当に訴えかけるのは、もちろん最終的には国 民運動だと思うんですが、働き方を変えるためには、会社のトップ、経営層になんらか の意識改革なり、具体的な行動をとってもらわなければ、働き方を変えるというのは、 戦略として極めて難しくなるのではないかと思います。ですから、実質的に働きかける のは、会社の経営層、リーダーシップを発揮するほうだろう。ただ、ここで一番難しい のは、会社の経営層に間違ったメッセージを出されると非常に混乱します。つまり、子 どもを生まない女性はけしからん、といったようなメッセージを出されてしまうと、 さっき言ったような望ましくない対立が生まれる可能性があって、そういう意味では、 経営トップに正しい理解をしていただいて、正しいメッセージを出してもらうことは極 めて大事である。  そうなると、中間とりまとめにもっと新しくて大事な情報をもっと具体的に盛り込め ないか。例えば、この間、あるところで聞いた話ですけど、子どもを産んだ女性の5人 に1人弱は産後うつ病にかかると。これは単なる育児ノイローゼとか、育児ストレスで はなくて、産後うつ病という明確な病気であって、それを避けるためには家族やコミュ ニティのサポートが必要である。子育てをしない父親はだめだと理念に訴えるのもいい んですが、産後うつ病になっても平気で働ける男性は、スーパーマンかよほど鈍感な男 であるというふうに理解すると、そういう情報を経営者に提供することが大事なのでは ないか。加えて、経営者がメッセージを出すときには新しいワードも必要で、おそらく 資料の2ページ目の、仕事と家庭の両立支援、ワーク ライフ バランスという言葉で たぶん厚生労働省は意識していると思うんですが、私が読んだ本ではアメリカではワー ク ライフ バランスはある意味で過去のものになってきていて、いまはワーク ライ フ ブレンド、仕事と家庭をどう融合してやっていくかということを望むべき方向とし ているというふうなこともあって、たぶん、こういうメッセージを出すときには、ある 種の新しくて重要な、かつわかりやすい情報と、それに伴う新しいワードを考えていか ないと、新鮮味や説得性に欠けるのではないかと思います。  木村座長  ありがとうございました。私はいま自殺防止のほうの座長もしていますが、自殺する 人の共通性は、多かれ少なかれみなうつ病だということと、もう一つ大きいのは、職場 や家族のケアがまったくないということです。これは共通しているんですね。いま産後 うつ病の話をされましたけど、ほかの人が、亭主であれなんであれ、無関心というのは 具合が悪いということは、私の経験からもそう思います。  佐藤委員  今回の盛り込むべき事項を拝見して、僕は大きな点が抜けているんじゃないかと思う んです。1つは、少子化を考えるときに、出生率の低下で一番大きいのは未婚率の上昇 ですよね。これを見ると、結婚したい人は結婚できているけれども、その中で子どもを 持ちたくても持てないような職場の状況とか、社会の状況がある。それを取り除けば出 生率は上がるというロジック。これは大きな要因だと思いますが、もう一つ、結婚した いけどなかなか結婚できないというところについての議論は全然ないんですけれども、 これをどうするか。もちろん、個人の選択って大事ですから、玄田さんが言うように、 結婚する人、しない人の間での利害対立が出てくるような社会は望ましくないわけです けれども、結婚したいけれども結婚できないというところについては何の施策がなくて いいのかどうかを検討しる必要があるかなあと。  一つは、これまでの議論ですと、男女で結婚なりライフスタイルについての価値観が 違う。つまり、男性の考え方はまだ固定的な男女役割分業に基づいたライフスタイルを 求める人が結構多くて、女性はそうじゃない。価値観が違うからマッチングが難しいと いうことがいろんな研究で出ています。ただ、そうはいっても、結婚について同じよう な考え方を持っている男女がいながら、マッチングの機会がないために結婚できないと いうこともあるわけですよね。例えば、企業の中で見ると、一般職はどんどん減ってい る。従来的な結婚観でもいいという女性が減ってきて、男性は変わってないとすると、 企業の中にマッチングの機会がないとか、あるいは、30代、40代でも労働時間が長 くなっていますから結婚相手を探す時間もないとか、そういうことがあるとすれば、そ れを放っておいていいのか。  あともう一つは、価値観が違うからカップルがうまく合わないというときに、自分た ちは価値観が違うから結婚できないということを知らない人もたくさんいる。それは 放っておいていいのかどうか。例えば、失業者について言うと、職業紹介サービスをし たり、カウンセリングをしたり、転職するために職業能力をつけたりというサービス提 供をしているわけですけれども、結婚ということについても、例えば、結婚観について のカウンセリングをしてあげるとか、マッチングの機会を社会的に提供するような仕組 みはなくていいのかどうか。ちょっと極端ですけれども、そういうような議論を少しに する必要があるかなあという印象を持っています。ただ、結婚しろ、という意味ではな いですよ。結婚したいという人がいるとすれば、それを阻害する要因がないのかどう か。子どもを持ちたいけれども持てないということと同じように、議論しなくていいの かどうかということです。  津谷委員  前回欠席しまして、出ておればよかったなあと。別にさぼったわけではございません が。  ただ、先ほどから聞いておりますと、特に目指すべき社会像のところでインパクトが ないと。インパクトがないというか、私が思ったのは具体性に欠ける、印象に残らな い。同じような感じで、なぜかというと、ちょっと総花的な気がするんですね。掛け声 に終わってしまうと、おそらく実効性はあまり望めないのではないかなあと思いまし た。  これはちょっと私の深読みかもしれませんが、全体をざっと拝見して、非常にプロネ イタルというんですか、出生促進的な意識が見え隠れするんですね。もちろん、私も人 口学者ですから、そういうところで決して人を責めることはできないんですか、ただ、 これは政策としてマクロの家族政策、特に児童家庭政策としては、そういう意識はある 意味で、政策側が捨てるべきではないかな。じゃあ、具体的にどうすればいいのか。先 ほどからお話聞いていますと、私はいつも思うんですが、仕事と家庭の両立というのは もうずうっと長いこと、厚生省の育休のこととかいろんなことがいわれているんです が、そこに、両親のと、先ほどから出ています、父親、母親ではなく、私も言っていた ので、あまり人のことは言えないんですけど、なんとなく、母親の仕事と家庭の両立と いう意識で動いていると思うんですけど、もうこうなったら、父親もと。スウェーデン のことが資料3に出ていまして、私、前回いなかったのでまことに申し訳なかったんで すが、取得者の約3割が男性という、これは人間で見るとそうです。日数で見るともう 少し低く、下にありますね、約10%。この3割というのは、もちろん平等ではありま せんけど、これは非常に高いです。日本なんかと比べたら抜群に高いわけですが、理由 があります。まず、出産後10日間は、普通はどちらかしか取れないんですけど、両方 が非常に高い所得保障で、お父さんも受けられるんですて、テンワーキングデーですか ら2週間。それから、95年からは、12ヵ月間、所得保障8割の有給休業のうちの 1ヵ月は必ず父親が取らないといけない。父親か母親か。それをどちらかに回すことが できない。もし、取らなければその分パーです。何を言いたいかというと、理念だけで はおそらくだめで、もしやるとなれば、そういうことでもやらない限りは政策はなかな かその効果として出てこないと思うんです。  もっと言うと、これは財務省に関係するので、厚生労働省が財務省を掛けあえるかど うかわかりませんが、ずっと見ていまして、落ちているなと思ったのは、例えば、児童 扶養控除制度なし、という、これはその裏があるんです。日本と違いまして、スウェー デンとかの場合、個人が単位になっていますので、当然、児童もへったくれも控除はな いわけです。ただし、親の所得にかかわらず、ユニバーサルに子どもに児童手当を出し て非課税です。ですから、そういうことを言い出すと、おそらく、先ほどから補助金と いう話も出ておりますけれども、補助金の悪用がいろいろ報道されていますけど、その ことを言えば、ほんとのファミリーフレンドリーな政策支援に参加する企業に対しては タックスインセンティブを与えるぐらいの気持ちでないと、なかなか日本のような社会 ではできないのではないかなと。ここには、総務省は出ていますが、財務省のことは出 ていない。金の話が大切じゃないかというのがまず第1点です。  もう一つは、ここで両親の仕事と家庭の両立、それから、子どもの視点で子どもにや さしいという、やさしいというのは私も違和感があります。変にやさしくし過ぎた結 果、とんでもない大学生を毎日見ておりまして、大丈夫かいなと。ゆとり教育の成果が いま大学に出てきているわけで、大変苦労をしております。子ども中心とか、子どもに やさしいという語感に私は非常にひっかかりがありますが、子どものウエルビーイング とウエルフェアというのは当然促進されなければならないし、守らなければならないと 思うんですが、子育ての社会化ということが書いてありますけど、私が基本的に思うの は、子育ては母親が家庭でするのがベストだ、特に子どもが小さいうちは、という意識 が非常にあると思うんですね。これがもう少し弱くならないとなかなか難しい。これは どうしたらいいのかということがあるわけですけど、私は一番いいのは、子どもが保育 所に行くということが子どもにとっていいことだということを実際のデータも含めて社 会に知らしめる必要があると思うんですね。子どもの社会化、子どもの発育にとてもい い。友だちもできますし、例えば、年齢統合型の保育施設のように、保育制度も保育 サービスも改めて、違う年齢の子が一緒に保育されますと、ある意味で疑似きょうだい ができるわけです。年上になると下の子の面倒をみる。クラス替えもそんなにたくさん ないといった、これは一つの例ですが、そういうことを通じて、保育所に行くことは子 どもにとってもいいことだと。  そうすると、先ほど、出産うつ病の話もそうですけど、子育ての不安、負担が軽減さ れる。そして、それは子どもにとってもいいことだとみなが理解していくことが私は大 切だと思います。  ですから、そういうふうに、もう少し具体的にここでお話をしていただければよかっ たかなというふうに思います。  木村座長  ありがとうございました。具体的なご提言、参考になりました。どうぞ。  安達委員  いまのお話とちょっと視点が変わってしまうんですが、私は目指すべき社会像という ところに、いのちとの共生に幸せを感じられる。いのちをはぐくむ家庭を支援する社 会、ということで、いのちの芽生えてくるということに皆さん喜びを感じるというよう なキャッチフレーズというのは非常に大切なのではないかと思います。もう一つは、個 人の選択を重視しますので、子どもを持ちたいと思ったときに、それを目指すことがで きる社会とか、あるいはそれを実行することができる社会というのが大切だと思いま す。場合により、「子ども」が「結婚」になったり、いろんなバリエーションがあるか とも思います。  私は産婦人科医で、すみません、今日もちょっと遅れてきたんですが、朝から2つ仕 事をしまして、1つ目は体外受精で、そのあと緊急手術をして、ここに来たところで す。体外受精はまさに不妊症の治療です。いま私は大学の教官もしていますので、学生 さんともお話をすることが多いんですが、若い世代のときには漠然とでしょうけれど も、子どもを持ちたいと思っている方が大半なんですね。ですが、社会に出たり、いろ んな中で、価値観が変わったり、いろいろな選択があって、子どもは特に要らないと思 う人もいるかもしれませんし、やはり欲しいと思っても、近い将来と考えるか、少し遠 い将来と考えるか、いろんな方がいらっしゃると思います。  私は不妊症が特に専門でありますが、実際にお子さんを欲しいと思って不妊症の治療 に通って来られたときに、原因の半分は男性です。ところが、男性のほうの検査をしま しょう、と言いましても、勤めの関係で全然来れないとか、欲しいと思って焦ってはい るんだけど来れないというようなことが大変多いんですね。そういう意味で、お子さん を欲しいと思ったときに不妊症の検査や治療などを行う時間的なものを支援するような 企業やシステムがあってもいいのではないかと思っております。  また逆に、子宮内膜症という病気で痛みがあり社会生活がうまくできないような方が いらっしゃいます。そういう方がいらしたときに医師が安易に、いろんな薬を使うより も早く妊娠したら、というような言葉をかけることがあって、患者本人は妊娠したくも ないし、子どもも欲しくないのに、そういうことを言われるのは非常に心外であるとい うこともあります。痛みを自分は克服したい、上手にコントロールしたいだけなのに。 そういうようなことがありますので、個人の気持ち、選択性を大事にしたいですし、あ るいは、子どもが欲しいとほんとに思っていても、できない方もいらっしゃるわけで す。これは前にも申し上げておりますが。そういう方たちに対する配慮を入れた社会を つくらないといけないと思っております。  奥山委員  いくつかお話がありましたが、この中で、子どもにやさしいという表現については、 私も、お子様天国という感じがして違和感があるんですが、ただ、子どもたちは社会に 向かって意見を言えない。特に0〜3歳の子どもなんてそうですよね。高齢者の方とか は声は出せるというか、意見は言えると思うんですけど、小さい子たちは意見を言えな いし、それを代弁する術がないということから、子どもたちの権利とか、柏女先生が おっしゃられた子どものリズムとか、そういったことに配慮していける社会の実現とい うことを考えていきたいたと私も思っております。  また、働く、働かないという対立する社会にも配慮しながら、安達先生がおっしゃら れた、子どもを持ちたいと思ったときにきちんと支援ができるバックアップ体制がある ということが、これから子どもを持とうと思っている人たちの励みになる。それが見え なければずっと平行線でいく、対立していくということではないかなと感じています。  それから、資料2ですが、これだけやっているようでありながら、自分の地元に帰っ たときにこれがどれだけあるんだろうかということを考えると、やっぱりないんですよ ね。ですから、総花的なものではなくて、今回はそれぞれの立場とは関係なく、あらゆ る子どもに同じように保障があるというような、こういう条件だからもらえるというも のではないものを是非実現させたい。それがないとアピール性に欠けてしまうのではな いかと思います。前回ありました、社会保障費の中で子どもに対する給付がたった3% だということをもう一度考えて、子育て支援の財源をどう確保するのかというところが 重要になってくるんじゃないかと思いました。  それと、男女とも働く社会というのは大切だとは思います。働きたい人が働けるよう にしていくことが大切だとは思うんですけれども、家庭だけでなくて、地域で子どもた ちを見ていく、見守っていくという視点を掲げていきたいと思うんですね。あと5年も すれば団塊の世代の方たちがどんどん地域に戻ってきますよね。いままで日本を支えて きた人たちが地域に戻ってどんな活動をするんだろうかということに非常に興味があり ます。30代、40代の若い時期は一生懸命働かなければならない時期だと思います。 それを支えるために地域は何ができるのか、というところをうまく盛り込んでいければ いいなと、NPO法人としては思います。  木村座長  ありがとうございました。こちら側がまだ残っていますね。  白石委員  ちょっと視点をかえまして、私は労働組合の役員という立場でここにおりますので、 どちらかというと、働く側の立場でこのペーパーを見せていただきました。で、私たち のメンバーがこれを見たら、どういうふうに思うかと考えてみたんですが、自分が働き ながら子育てをするという観点から見ると、一体何をしてくれるのかなという、具体的 なものが少し見えないかなと思いました。  2ページの重点的方向では、多様な働き方を可能にするために、とありますが、ここ の文章の意味は、子育てをするために多様な働き方を選びましょう、ということです が、逆に企業としては、正社員で就職をしたいんだけれどもできないという現状がいま あるわけです。その中で1年契約の有期雇用社員として就職をしたりとか、それから、 パートタイマーで就職をしたりとかという若い方もほんとにたくさんいらっしゃいま す。私どもの企業もなんと3分の1がそういった方たちになっています。そういうこと を考えたときに、法整備ということが非常に大事で、私も組合の役員でございますの で、毎年交渉をする中で、労働協約等々の改定をしていくわけですが、法整備がきちん とできていないとなかなか盛り込めないという部分があります。  具体的な例を一つあげますと、1年契約雇用の社員が契約期間中に妊娠をしますと、 出産休暇に入って、出産休暇中に契約が満了になりますと、そこで雇用が切れるわけで す。そうしますと、私どもの会社では、再雇用制度という抑えはありますけれども、な かなか再就職をしようということはできませんし、正社員のように育児休職をとって、 同じ職場に戻って働くという部分が抜け落ちているかなと思いますので、そういった部 分の法整備を、この中ではどこにそれが入っているのかなと思ってしまったので、そこ の部分を加えていただければと思っております。  木村座長  ありがとうございました。法律上の整備が必要だということですね。  山田委員  私も、やさしい、というのに結構ひっかかっていまして、やさしいというのは日本語 の語感でいうと、楽をさせるとか、甘えを許すというように聞こえがちである。中を ちゃんと読めばそうではないということはわかるのかもしれませんが、それを前面に出 してしまうと、少子化対策をやりさえすれば、とにかく子どもを産みさえすれば、喜び を感じられて、パラダイスが来るような状況ができるんじゃないか、などという幻想を 与えてしまうのではないかというのが、私にとっては不安なところでございます。  むしろ、子育てのやる気を出させることのほうが必要なのではないか。つまり、負担 を軽減することはもちろん必要ですが、むしろ、負担を公平にしておけば、やる気が出 るようになるのではないかとか、子育てという努力や苦労や負担をすれば、一体どうい ういいことが将来起こってくるのだろうかというような見通しを示すというようなこと が理念として前面に出てくればいいな、と思います。前々回にも発言したことですが。  あと、そのやる気を出させることを具体的にしていくためには、インセンティブが何 かというのをこれからはっきりさせていく必要があるのではないかと思っています。  私は社会学とか意識論、心理学をやっていますので、いいこととわかっていてもなか なかできない。悪いこととわかっていても、わかっちゃいるけど、やめられないという ようなことがありますから、例えば、玄田さんが言うような、男性が産後をケアすると いったら、ケアすることによる男性のメリットは何かというのを示してあげるとか、黒 澤先生が言ったように、女性をファミリーフレンドリー企業が雇うとその企業には優秀 な女性が集まるといったようなインセンティブをはっきりさせるとか、佐藤先生が言っ た結婚観のことでいえば、ミスマッチが起こっているといったときに、先日、中国の留 学生にいろいろ話をしたら、中国では稼ぐ女性がもてるんだとはっきり言うんですね。 つまり、共働きが保障されていますので、男性がどっちと結婚したいかといえば、稼ぐ 女性を選ぶようになっているんだという話を聞きました。そういう形でのいろんなイン センティブを明らかにすると同時につくっていくというような取り組みが必要ではない かと思っております。  水戸川委員  皆さんのご意見を伺って、いろんな観点からいろんな考え方があるんだと思うんです けれども、その観点をいかに整理をし、その情報をどんなところにどう出していって有 効な意識を国民が持てるかということも、広報的な立場からというか、マスコミ系の仕 事をしていますので、そのへん、せっかく国で決められた情報も国民に伝わらなければ 何も意味がないんじゃないかなというところで、より有効にその情報が伝わるような方 法も今後少し考えていく必要があるんじゃないかなというふうに感じております。  それから、県の検討から国への要望が、という話がありまきしたが、そこは私もよく 感じていまして、もっとこういうふうになればいいのにね、ということが、でもやっぱ り国がね、ということでつまずくことが多々あると思うので、そのへんのところ、都道 府県や区市町村は少子化についてどんなことを考えているのかということも吸い上げ て、それで国民とつなげていくということも必要かなと思います。  清水委員  最後になりました。うまく言えるかちょっと不安なんですが、まず、目指すべき社会 像のところからいくと、最後のところで、多様な価値観に基づく生き方が企業の成長に つながる、ということで、企業の上の方にわかっていただくことはとてもいいことだと 思うんですけれども、それはなかなかすぐにはいかないだろうと思いまして、だとした ら、私たちは企業が変わったり、国が変わったりする間に子どもを産めない年齢になっ てしまいますので、企業に入らずに、個人の裁量でなんとか働けるような自由な場がも う少しあればいいなと思います。  多様な選択が可能な産業なり経済なりということはどういう形になるのかわからない んですけど、先日私、区役所へ行って、農業がやりたいと言いましたら、なんにもわか らずに行ったんですけど、結局、何がわかったかというと、農家に生まれるか、農家に 嫁ぐかしないと農業はできないということがわかった次第で、そのへんもう少しなんと かならないかなと思います。  2番目にいきますと、やさしい、という言葉は私もどうかなと思います。で、もう一 つ、気にかかったキーワードは、若い世代の理解を、とあるんですが、若い世代の理解 はもちろんなんですが、若くない世代の理解がほしいというふうに思います。例えば子 どもにとって何が幸せか、というのもありますけど、生まれてきただけで、高齢者の介 護なり、年金その他の財源の負担なりがもう決まっているというのは、子どもにとって 幸せなのかどうか。どうも、自分のことを自分でやるという視点が私より上の年齢の人 にあまりないように見受けられて、例えば、お金を稼ぐなり、身のまわりのことを自分 でやり、自分で料理をつくるということができるようになるというのが、高齢者を含め て、大人の自立なのではないかと思いますので、そこらへんも少し考えていただいても いいんじゃないかなと思います。  それから、保育所の話が津谷先生からありましたが、家庭ではないところで、子ども がまとまって、きょうだいのように育つというのは、子どもの発育発達のためにとても よいだろうなと思いながら毎日過ごしています。できれば、働かない女性の子どもも入 れたらいいのになと思っているんですけれども、例えばですが、私はいま武蔵野市の住 民ですが、武蔵野市は地域の専業主婦の方が子どもを預けにいく場所として有名なとこ ろがありまして、先駆けでつくったので評判がいいです。どういうことになっているか というと、そっちばかりにお金が注ぎ込まれ、保育所がなかなかつくれない。なので、 そこらへんでもちょっと取り合いのようなことになってしまっているということがあり ます。  それと、最後に、これはすごくいいことばかり書いてあって、こうなったらいいなと 思うんですけど、あまり国がいろいろやると、私たちのように働く女性は疎外感を持っ ていて、ひねくれてもいますので、どうせ年金の財源がほしいんじゃないか、というふ うに感じでしまうのではないかなという不安が少しあります。なので、私ほんとに素人 なので大胆な意見かもしれないんですが、年金というのがねずみ講とどう違うのかがよ くわからなくて、最初に年金、ねずみ講をした人たちはとてもいい思いをしたのではな いかと思うんですけど、途中で子どもが植えないからといって、子どもを増やせ、増や せと言われるのは、少しいやだな、という気がしますので、お金の問題と切り離したと ころで少子化というのはとても重大な問題を持っているはずですので。つまり、社会や 国や、自分の前の世代に対する否定感のようなものが子どもを産みたくないという気持 ちにつながっていう部分も少なからずありますので、お金の問題を抜きにして、少子化 を考えるということもひとつ大事なのではないかなと思います。聞きづらくてすみませ んでした。  木村座長  いや、よくわかりました。ここは農水省ではないんですが、ちょっとひとこと言いま すと、5アール以下の土地ならば、購入できます。5アールというのは500平米でお 一人で耕すには十分だと思います。(笑) これは農地法にはひっかからない単位で す。それから、もし就農されたければ、就農準備校というのがいま北海道から九州まで 10ヵ所ありますので、まずそこで初期的な体験をなさって、それから判断されたらい いと思います。(笑) ほんとに農業ができるかどうかですね。その上で、日本全国、 どこでもいま耕作放置地がたくさんありますので、あとは個人的に相談して、土地を相 談して土地を借りることはできます。ただ、それはまわりの人を、あの人はできるなと 思わせなければだめなので、全くの素人じゃ地元としては受け入れないですね。まあ、 そういうことでございます。(笑) もし、これ以上は私に言ってくだされば、(笑)  私は農業のほうが専門ですから。  山崎委員  先ほどから「やさしい」という言葉はどうか、というご意見がだいぶありましたが、 かつて、学生時代に障害者関係のボランティアをされていた方が、福祉の心というのは さり気ない思いやりだ、とおっしゃって、ああ、いい言葉だなあと思って福祉がわかっ たような気がしたんですが、それをおっしゃった方は河参事官でございます。なんとな く「思いやり」という言葉のほうがいいのではないか。おそらくそういう意味でお書き になっているじゃないかなという気がするんですが、いかがでしょうか。  それから、非常に立派なことが書いてありまして。昔、戦後間もない頃、児童憲章が できましたけれでも、そんな印象を受けました。逆にいうと、具体性がなくて、インパ クトがないという、皆さんとほぼ同じ意見なんですが、しかし、それは我々の責任で、 今後どう、インパクトのある骨太な方針を出せるかどうかということだと思います。  それで、インパクトがあるのか、ないのか、皆さんにご判断いただきたいんですが、 私10年ぐらい前から、育児の社会化、育児支援ということで、社会保険の仕組みが使 えないかということを考えてきましたが、ここ数ヵ月で非常に関心を持ってくださる方 が多くなってきたと思います。最近、ここ数年の社会保障をめぐる動きを見ておりまし て、一番参考になるのは介護保険です。いろいろの問題を抱えているけれども、しか し、国民的な盛り上がりを見せたと思うんですね。これをサポートしたのは、厚生労働 省もよく頑張られたけれども、実際に市民運動のサポートがとても大きかったんだろう と思います。国会でも与野党の垣根もなかった、むしろ民主党が積極的であったという ことであります。  この介護保険を推進したものは、介護の社会化、高齢者のケアを国民みんなで支え る。そして、支えるときに、国がやれというのではなくて、みんなで会費を払って、地 域を主体に考える。それに対して国も応分の財政等を含めて支援をする。こういう仕組 みだったと思うんですね。地域を主体に、応分の会費を納めるということが参加意識を 生み出し、地域でお年寄りのケアを考える。そして、自分の老後を考えるということに 結びついたのだろうと思います。それが非常に参考になると思います。  それからもう一つ、女性と年金をめぐる議論の不幸な結末も反省しなければいけない と思います。先程来いろいろご意見がありますように、働く女性と働かない女性、専業 主婦との間で大きな対立をみて、ちょっと修復不可能なような状態でございます。アン ケート調査にもそのような結果が出ているということで、事実のようでございますが、 なんとかこれを乗り越えたい。つまり、専業主婦の子であろうと、共働きの子であろう と、区別なく、子どもに着目して支援をしたいということだと思います。  それで、具体的にということですが、実は育児の社会化を社会保険で、といったとき に、すぐ来る反論は、社会保険の専門家がそんなことを言っていいんですか。子どもを 持つというのは偶発的な事故ではないんですよ。病気や怪我や寝たきり、痴呆、あるい は、長寿。そういったリスクではないんですよ。生もうとして生むんですから保険の対 象になりません、という批判です。それは十分承知しております。ただ、事実として は、健康保険法は大正11年にできまして、そのときから子どもを産んだ人には分娩費 が出ているわけです。いまでいえば、出産育児一時金が30万円出ております。それか ら、出産に伴って産休があります。その期間、出産手当金が賃金の6割出ます。これも 当初、戦前から国民の合意を得ているわけです。そして、最近では、子どもを産んで育 児休業をとった人に雇用保険という保険から賃金の4割が出ているわけです。これは子 どもを産む、産まないに関係なく皆さん健康保険料、雇用保険料を払っていて、そして 子どもを産んだ人が所得に関係なくいただいている給付ということです。これをいまま で誰も疑問に思っていませんでしたよね。結構なことだと思ってきたわけで、私はこれ でいいんじゃないかという気がするんです。  ということで、そういう社会保険による子育て支援の一方で、多くの方がいままで考 えてきたのは、税を使った社会福祉による支援であります。児童手当は所得制限があっ て、なかなか改善されない。就学前まで延びましたけど、これは暫定措置ということ で、いつどうなるかわからない。それから、保育サービスはどうしても、残念ながら保 育に欠けるということをなかなか越えられない。先程来お話がありますように、おそら く専業主婦家庭の子どもも同じように保育サービスを必要としていて、その親が保育園 に預けているお母さんよりももっといろんなアドバイスを必要としているということだ と思うんですね。それから、親の所得に応じて保育料を負担することになっています。 これが、日本では少なくとも、税を主要な財源にした福祉サービスの宿命だろうと思う んです。それを越えようとしたのが介護保険だったと思います。医療で介護を抱えてい る。そして、一人ぐらし、低所得の方を中心に福祉サービスで介護を提供していた。そ れをを一つ保険という仕組みで括ったわけです。  そこで具体的にどのようなことを私が考えているかということを申し上げますと、2 つイメージがあるんです。一つは、介護保険のような保険をつくるということです。介 護保険のような保険というのは、サービスが大事だということ、しかも、そのサービス というのは地域地域でいろんな形の取り組みが行われているということで、サービスを 中心に、しかも地域の特性を十分発揮しつつ育児支援をするということになると、市町 村を単位の育児保険というふうなものが考えられると思います。現役世代の皆で、保険 料というか、そういうものを納めつつ、国も自治体も支援をする。企業にも支援をして いただくということもあると思うんですが、そういうことが考えられると思います。  それからもう一つ、出産の費用や育児費用を軽減するための、現金給付を中心に考え て育児支援を進めるという観点からしますと、年金保険のような国を保険者とする育児 保険制度というものが考えられるのかなと思います。  おそらく、お金とサービスがそれぞれ必要なんだろうと思います。それをうまく組み 合わせたような一元的な、あるいは総合的なサービスを提供できる育児保険制度という ものも考えられるのかなというふうなことを考えております。  ご意見があればいただきたいと思いますが、いままでの皆さん方のご意見のかなりの ものを取り込める仕掛けができるんじゃないかなと。それが育児保険でありまして、そ のイメージのようなものを申し上げました。  木村座長  ありがとうございました。きわめて説得力のあるお話を諄々としていただきして、心 にしみる思いがいたしました。後で申し上げようと思っていたんですが、起草委員を何 人かの方にお願いいたしますが、そのキャップに山崎さんをと考えておりまして、山崎 さんにキャップを務めていただければ間違いないと思いました。  ところで、私からも一言なんですが、皆様方から、インパクトがない、というお話が ありました。いままで少子化対策とどこが違うんだということです。これは、ざっと見 るとそんな感じがするんですが、1の目指すべき社会像の第一番目に、いのちとの共生 に幸せを感じられる、いのちをはぐくむ家庭を支援する社会 というここに実は万感の 思いが籠っているわけで、ここのところを少し力を入れて書く必要があるのではないか と思っております。  明治以降ずうっと、金が幸せを与えるという感覚が日本は特に強い、非常に強いもの があって、いまでもカネに執着している人が日本人の大半ではないか。カネがあれば幸 せ、カネがないと不幸せという感じで、先ほど清水さんから、カネ、カネというなとい う話、だったかどうかわかりませんが、そんなような話がありましたが、いまカネが あっても幸せになれない時代がやってきているのではないか。つまり、新しいものを 買ったり、大きな家を建てたりして幸せを感じた時代は既に過ぎてしまって、モノを 買って幸せになれるということはいまほとんどありませんし、大きな家を建てても、ひ とりでそこに住んでいれば限りなくさびしい時代が来ているんじゃないかと思うわけで す。友だちと一緒に過ごす、自分の好きな人と一緒に過ごすということが、結婚しなく ても同棲でもいいと思いますが、いまどんなに大事になってきたか。親子の場合もそう だし、ペットの場合もそうだし、花と一緒に過ごすガーデニングの場合もそうだと思い ますが、いのちのあるものと共に生きて、お互いに元気をいただく、励まし合う。いの ちのあるものは育ちますので、これが機械とは違う大きな喜びが、全世界的にこの技術 文明の成熟の中で広まりつつあるのではないかと思っています。まさにカネよりいのち の時代がいま始まっているように思うので、カネだけあれば幸せということではないの ははっきりした。  それからちょっと申しましたが、1998年から自殺する人は40代、50代、60 代前半の、一番働き盛りで、お金にもそんなに不自由しない世代の人、所得もあり、税 金を納めている人がいま自らいのちを絶つわけで、それも家族とか職場のケアが全くな い。ひとりぼっち、という人たちですね。それがどんなにつらいことか、不幸なこと か。もちろん育児は大変ですが、でも、一人で生きるよりは、自分が生きていく上での 保障みたいなものがこれから大事になってきていて、それがヨーロッパ、特にフランス では1.9という出生率をうんでいるのではないかと思います。  大きな転換期にあって、技術文明の成熟がなくならない。あと30年ぐらい続くので はないかと思っています。そうすると、ちょっと株が上がったり、下がったりするよう な状況がたぶんこれからしばらく、当分の間続くのではないかと思っているわけで、大 きな時代の転換期の中でいのちある者とともに生きる、家庭でも地域でも、これはどん なに大切なことだろうと思っております。  カネよりいのちへ、というのを是非前面に出していければなと思います。いのちあっ てのものだねですが、キーワードが変わったということで、20世紀はカネとか技術が キーワードでしたが、21世紀のキーワードはいのち、あるいは愛というと、また反発 されますが、とにかくそういうことではないかと思っています。ご理解いただけると私 としては大変にうれしいところです。私が言いたいのはそういうことです。  それから、子どもにやさしいっていうのは、たしかにおっしゃるような感じで、先ほ ど山崎さんおっしゃったように、子どもを思いやる、という、そういう意味だと思いま す。そういうふうい訂正したほうがいいと思いますね。やさしいっていうと、子どもは 注射は嫌いだし、学校に行くのも嫌いだから、ちょっと具合が悪いんじゃないかと思い ますね。  安達委員  いま座長先生おっしゃったように、私も、目指すべき社会像は、さっきも申し上げま したが、いのちが一番ポイントになるところだと思います。  私は産婦人科医で、先ほどもお話しましたように、お子さんを持ちたいと思ってい らっしゃる方を日常的に見ている者なので、今日こういう委員の方たちがお集まりのと きにふだん思っていることをお話してご理解いただきたいと思います。  いまから20年ぐらい前には不妊症の治療はほとんど、検査を含めて保険適用はなく て自費でした。それがいまは一部分には保険が効くようになってきたんですが、しか し、まだまだ保険が効かないものが多いです。例えば、不妊症の検査をしたあと治療を していきますと、だんだん治療法がステップアップしていくわけですが、排卵誘発剤な んかを使いますと、本人に排卵がある場合には保険適用になりません。排卵誘発剤の注 射をすると全部自費になってしまう。排卵誘発剤というのは何日も連続して注射に通っ たり、本人の負担も大変なんですが、自費になってしまうと金銭的な負担も大きくなり ます。体外受精・胚移植、これには全然保険が効きません。排卵誘発やその他を抜かし ても、ただ卵をとって受精卵を子宮に戻すという手技だけで、私の病院は30万円です が、よその施設は大体倍の60万とか70万とっている施設もあります。私の病院で は、現在、体外受精・胚移植を受けている方の50%は40代の方です。つまり、お金 が問題で、現実問題として経済的なバックアップがないために不妊治療が、ある程度ま でいっては中断し、ということを繰り返している方が多いのです。2年間一生懸命働い て貯金して体外受精・胚移植をして、実際に成功するのは15〜20%ですから、妊娠 できなかった。先生見捨てないでくださいね、また一生懸命貯金しますからとか、親戚 からもこれ以上は借りられないとか。そういう状況を聞いていると、もう少しなんとか してあげられないのかなという思いがあります。  もう一つ、不育症という病気もありますが、これは妊娠なさるんですけれども出産に 至らない。流産を繰り返したり、死産になったり、不妊症よりも、ある意味でもっとつ らいところがあるんじゃないかと思うんですが、これもほとんど保険が効きません。3 8歳を越えると、お子さんをほしいなと思っていても、妊孕性が下がってくる。これは 医学的にしかたがないことなんですけれども。しかし、それがわかっていても、不妊治 療をステップアップすることが経済的になかなか無理である。ということで、本人も悩 んでしまうし、いっそのこと全部投げ出してしまおうかと思ったり、いろいろ悩んでい らっしゃる方が多いです。  そういうことが、現場の私はわかっているんですが、私としては先ほども言いました ように、子どもを持ちたいと思った方には是非持っていただきたいなと思うのです。そ れが一番基本なんですね。是非、出産していただき、子育てをしていただいて、と思う わけですが、そういうことがなかなかままならないことの一つにいま言いましたように 経済的な問題もありますので、不妊症・不育症に保険適用とかそういうことも含めてお 考えになっていただきたいなと思います。  木村座長  ありがとうございました。ちょっと一言、さっき言ったことにつけ加えるべきことが あって、ペットとかガーデニングもいのちと一緒に生きるということの表れだと申しま したが、子どもとペットやガーデニングと違うのは、子どもというのは、自分の所有物 ではないんですね。自分は先に知んで、子どもがあと社会を担っていくわけで、自分の 子であれ、他人の子であれ、子どもは未来からの預かりものなので、だから、家庭も地 域も、企業も国も、みんなで育てなければいけない。それが先ほどの山崎さんの育児保 険につながっていくんじゃないかと思います。そこのところはペットやなんかとは違う ので、自分の楽しみのためだけのものではないはずだと思います。  大越委員  先ほど津谷先生が言われたことに全面的に賛成でして、育時連として十何年言ってき たことをかなり言っていただきました。個人を主体にした制度とか、育休の父親割当 制、こういった具体的なものを是非実現したいと思います。  3番目の今後の取り組みの重点的方向の一番上に、職場優先を変え、多様な働き方を 可能にするため……とありますが、資料2の最初に、固定的な性別役割分業や、という 言葉があって、ここには入れてない。意図的に性別役割分業とか、そういった単語を抜 いているように思えるので、是非これを入れていただきたい。その下に→で、男性も含 めた働き方とあるんですが、男性も含めた、を削除するかわりにそれを入れる。何を言 いたいかといいますと、いままで世帯を中心として男女の役割分担を前提にした社会制 度があったものを、今後は個人をベースに性別を問わずに働くことを前提にした社会と いうものに明確に変えていこうという意思を表示できないものかあと。それを前提とす れば、山崎さんが言われたような介護保険なり年金制度といった保険制度と一緒にする ということは非常に説得力があって、全面的に大賛成です。  木村座長  いまおっしゃった働くということは、お金を儲けるということですか。家事は入れな いんですか。  大越委員  私がいま言った中には入れてません。それはまた別のとらえ方で整理できるんじゃな いかと思います。  山田委員  木村先生に一点と山崎先生に一点、私の意見を言わせていただきたいと思います。カ ネがあったも幸せではない時代というのは、木村先生がおっしゃったとおりだと思いま すし、人間関係の喜びなりというのを重視するというのもそうだと思うんですけれど も、でも、逆は必ずしも真ならず、というのがあると思いまして、やはりカネがある程 度なければ、幸せにはなれないのではないか。安達先生がおっしゃったように、お金が ありさえすればリスクを回避できるということは十分にあるわけですよね。つまり、自 分だけお金がなくて、ほかの人がお金を持っている場合に、それを喜びだと感じられる かどうかといったら、人間の性質上、それは無理ではないかなという気がいたします。  2つ目に、山崎先生の意見に対しては、私も子育てというのは社会的なリスクである というような考え方をもう少し普及するなり、啓蒙するなりしたほうがいいのではない かと常日頃思っておりました。つまり、子どもは好きで産むものだから、勝手にしろ、 というような意見に対抗するためには、子どもが生まれるというのはリスクであると。 ちなみに先日の厚生労働省のデータにおいても、いわゆるできちゃった婚が第1子の4 分の1を占めているというのもあります。それに、若い人に調査をしても、子どもはつ くるものか、できるものか、授かるものか、という調査を私は社会学ですからいろいろ やるんですけれども、若い人でも、つくるという人はあまり多くない、せいぜい1、2 割でして、多くは授かる、もしくは学生などに調査すると、できる、というのが多いん ですか、授かるとかできるものであって、好きでつくるものでない。逆に、好きでつく るということを前提にして政策を組み立てるべきではない。山崎先生がおっしゃるよう に、子どもが生まれるという自体は、生活上のリスクであるという考え方をいろんな人 たちに広めていく、子どもを持たない人たちにも広めていく必要があるのではないかと 思っております。  木村座長  ありがとうございます。リスクというのは、日本語で何ですか。  山田委員  リスクは、一応危険は危険なんですけども、人並みの生活ができなくなるのではない かという危機意識というふうに私は訳しております。  木村座長  ありがとうございました。  津谷委員  最初に機会を与えていただいたときに言おうかなと思ったんですけど、あんまりしゃ べり過ぎてはいかんと思って、柄にもなくちょっと控えましたら、そのあといろんなこ とが出てきたので、2つ申し上げたいと思います。  まず最初は、ちょっと戻ってしまうんですが、山田先生、佐藤先生がおっしゃったこ とですが、結婚しないから、晩婚化、シングル化が進んでいるので少子化が進んでい る。これは人口学者で、そのとおりなんですけども、なぜかというと、日本の場合は、 先進国としては例外的に結婚しなければ子どもを産まないからなんですね。でも、それ を要因分解してそういうふうに出しているわけですが、私自身、データでそれを確証し ろといわれると大変困るんですけど、結婚という状態はパッケージであって、そこには 出産も子育てを入っていると思うんですね。で、むしろ、因果関係は逆で、なぜ結婚し ないのかというと、子どもは欲しくない。あと、産んでもいいけど、そのあといろいろ 大変だ。だから結婚しない。いろんなコストとベネフィットを人間はジャンブルするわ けですけど、ですから、結婚するかしないかというのは、経済的、社会的な必然ではな くなってしまった。となったときにやはり結婚しない。子どもは欲しくないし、子育て 大変だから結婚しないというところがあるのではないか。むしろ、逆ではないか。とい うことは、出産や子育てというものの、コストを軽減してあげる。安達先生おっしゃっ てますけど、子どもを産みたい人が産める。産みたくない人に無理やり産んでいただく 必要はないわけですけれども、そういうにしてあげることが、私は最終的に出生率を上 げていくであろうと。ただ、それを政策が目指すということとは別の話だと思いまし た。これが第1点です。  2点目は、山崎先生がおっしゃった育児保険ですが、スウェーデンの休業中の所得保 障のところに、親保険により、ということがあるんですけど、この親保険というのは1 974年にスウェーデンが健康保険を抜本的に改正したときにこれを導入いたしまし た。健康保険とは別ですが、同じような制度なんです。ですから、全国民が対象になり ます。そして、その人たちがお金を払うわけですが、ここには書いてないんですけど、 健康保険のようなものですので、働いてない人も貰えます。いくらかというと、最低保 障額は1日60クローネですけど、それを15ヵ月間貰います。日本の場合は雇用保険 です。山崎先生、先ほど雇用保険のことをおっしゃいましたが、これがある意味で一番 育児休業制度のネックになっている。つまり、雇用保険の受益者、それに加入している 女性は、全女性労働者の中で、日本の場合非常に限られているわけです。ちなみにデン マークも、北欧で唯一雇用保険です。ほかは全員が対象になっている制度です。ただ、 日本よりも効力があるかというと、女性の8割から8割5分が働いていますので、その 人たちほとんどが日本のようにパートという制度はなくて、全員が対象者です。ですか ら、雇用保険でもある程度やっていられる。でも、それにしても制限があるわけで、日 本の雇用保険が適用される女性を考えたときに、私はそこらへんで限界がある。ですか ら、先ほどおっしゃった育児保険というのは基本的に正しいと思います。ただし、家族 政策の3つの柱として、児童手当をはじめとする各種手当、カネですね。すみません、 カネの話ばっかりで。2つ目が、出産、育児休業制度、3番目がそのあとの保育サービ ス。これはセットになっています、特にあとの2つは。雇用保険とか親保険とか、いろ いろ申しましたが、それは出産・育児休業制度の部分です。私、ちょっとわからなかっ たんですが、山崎先生は児童手当や保育サービスも全部育児保険でやろうと。保育サー ビスは実施主体が市町村で、ほかは国単位だと思うので、ちょっと難しいかなあと。こ れはちなみに大体どこでも受益者負担です、保育料は基本的に。ただし、それはすごい 補助が出ておりまして、おそらく、高いところで30%、低いところで1割ぐらいが親 の負担になっておりまして、それは親の所得によります。ただし、キャップがあるとこ ろが多いので、すごい多大な負担はあまりないということと、あと兄弟割引といって、 兄弟が同じ保育所に通っていると安くなる。そうすると、親も楽です、送り迎えも。そ して、保育する側も親御さんが1人ですから楽だと。いろんなことがありまして、親御 さんとの連絡というのも、保育する側、そして、される側からみたとき大変大切です。 産んで1年なら1年育休する。そのあとがまた長いわけですから、そういう意味で包括 的に、うまくいろんなサービスがインテグレートして無駄がないように、そこまでの決 意を示さないと、なかなか実効力はない。それから、働き方も男性が無理やりという か、取らなければパーになるよという、所得保障が高ければ高いほどパーになるカネは 大きいですから、カネがすべてではもちろんない。幸せではありませんけれども、やは り働いている一つの目的は収入が必要、そのことを思うと、そういうふうにいろいろ考 えてやっていく。ただし、これには非常な高負担が必ずついてくる。ですから、国民的 な合意も必要ですし、おそらく、さっきから財務省のお役人にすり寄るわけではないん ですけど、そちらのほう、税金のことも考えて、今回厚生省と労働省が一緒になったの は非常によかったと思うんですけれども、もう少し政府間での連絡も含めての努力が必 要ではないかなと思います。  柏女委員  前回、岩田局長がおっしゃっていたことで気になっていることがあるんですけれど も、政策はあるんだけれども、その政策が社会の慣行になってない、ということがあっ て、それらをきちんを見直すことが必要なのではないかと思っています。  具体的には、少子化対策についての政策評価を考えていかなければいけないのではな いか。私は3つの方法を考えています。  1つは、現在、厚生労働省がやってらっしゃる21世紀の結婚、出生、子育てについ ての縦断調査がとても大事だと思っています。私は一部かかわらせていただいているん ですが、それをしていくことで、保育政策の効用などが見えてくるのではないか。これ が一つ、政策評価の方法として大事かなと思っています。  2つ目は、先ほど申し上げたように、政策がまだらになっているわけです。区市町村 で行われているところと行われていないところがあるわけで、例えば、学童保育にして も、3分の1以上の区市町村では実施されていないということですが、実施されてない ところではどのような代替政策があるのか、そうしたことを見ていくことが必要なので はないかと思います。  3つ目が、政策間相互のつながりです。いま学童保育の話を出しましたので言うと、 子育てをしているお母さんたちが一番困るのが、保育所の延長保育を使っていて、学校 に入った。ここで仕事を辞めざるをえないということになるわけで、政策がつながって ないという問題。これはいろんなところで起こっているんだと思うんですが、政策のつ ながりを見ていくこともとても大事なのではないかなと思っています。  この懇談会の中間とりまとめで是非、政策の少子化対策の評価を入れていただいて、 そういう国家プロジェクトを、これは国じゃないとなかなかできないものですので、縦 断その他の国家プロジェクトを立ち上げていただくことをお願いしたいと思っていま す。  玄田委員  先ほど、木村先生が、リスクとは何か、と山田さんに聞かれて、私が理解するリスク というのは、発生可能性をある程度客観化、確率化できる不確定な要因のことをリスク というのだと思います。たぶん、保育がリスクであるというのは、私はリスクになって ないことが問題で、保育は不確定なものであって、まだリスクにすらもなっていないと いうことが問題だと思います。例えば、アンサーティンとリスクの違いがあるとすれ ば、保育はアンサーティンなものであって、どこにどういう不確定なものがあるかが明 確でなく、もやもやしていることが子どもを持つことを躊躇させる要因になっていて、 保育をリスク化するということが一番大事なんだろうなということをまず思いました。  もう一つ、政策評価との関連で、資料1の一番最後に書いてある、新規産業創出、こ れもカネに関係するかもしれませんが、保育産業が大々的に創出されることは一石二鳥 なことであって、雇用機会もつくり出されるし、保育サービスの受け皿ができる。たぶ ん、保険化するときに問題になるのは、誰が保育サービスの担い手になるのかというこ とについて、もう少し現状理解があってもいいんじゃないか。私の感じるところでは、 大きく二極化していて、地域に非常に密接に保育サービスをしているんだけれども、も しかしたらリスクマネージメント等に関しては非常に危なっかしい保育サービスを提供 しているところと、全国展開していて規模の経済を生かせるんだけれども、なんとなく 保育サービスの受け手としては、コストベネフィットで考えてすぐに撤退してしまうん じゃないか、というある種の怖さを感じている。たぶん、うまく行くのは保育サービス を利用する側としては両方二強というのがいいわけで、たぶんそこに棲み分けがうまく いってない状況があって、もし保育サービスがもう少しコンバインできるような状況に なっていけば、状況はずいぶん変わると思うんですけど、新規産業としての保育サービ スがなぜうまく育成されないかというふうな政策評価が当然あってもいいのではないか ということを思います。  水戸川委員  先ほどお伝えし忘れたんですが、いのちということで考えていく必要があるのではな いかということでは、出発点である、妊娠からお産、そして子育てへというところで、 私はお産という観点から言わせていただくと、家族がどうお産を迎えるか、そういう時 期がどういう時期か。子どもを持つということがどういうことかということは、妊娠、 出産ということで、お産という部分で産む側が主体的になるということも必要ではない かと思います。もちろん、不妊の方々の問題もあるかと思いますが、産みたいと思う人 たちをどう支援し、ケアしていくか。うつ病もそこにつながっていくと思います。前に もお分させていただきましたが、家庭における継続的なケアが必要だと思います。  もう一つ、やさしいという言葉ですが、甘やかすことがやさしいということだとは言 えないと思います。お産についても、やさしいお産ということもありますが、いろんな 意味のやさしいということがあると思いますので、使い方にも配慮しながら、今後の子 育てにつなげていくことも入れていけたらと思っております。  佐藤委員  1回目で議論があったのか、わからないんですけど、中間とりまとめということです が、この懇談会はどのぐらいのタイムスパンで議論したらいいのかなといま思ってまし て、先ほど、山崎先生の育児保険ということだとかなり中長期に考えていくということ だと思うんですね。それと、いますぐやらなければいけないことがあって、僕も中長期 的にどうするかということがすごく大事だと思ってまして、例えば、子育て支援につい ても、お金とサービス、両方あるわけですが、先ほどあった雇用者だけが該当する仕組 みとか、つまり、働いている、働いていないことによって、働いてないと保育サービス を使いにくい、働いている場合でも、働き方で、雇用者として働いていると育児休業が あるとか、こういうことは中長期的には、子どもという視点から、どういう働き方をし てるとか、あるいは働き方もいろいろあるわけですが、そういうものに関係なく一定の 保育サービスが得られるというような仕組みに変えていくことが望ましいと思うんです ね。これはかなり中長期的な方向として、こういうことを打ち出す。  もう一方で、それに向かっていま何をやるのかということがありますね。このへんを たぶん書き分けていくんだと思いますが、どのぐらいのスパンを念頭におきながら、か つ、中期だけじゃなくて、短期もかなり重点を置いて書く必要があるのか、そのへんは 1回目で説明があったのか、1回目に出なかったもので、わからないので教えてくださ い。  木村座長  一応、2025年となっております、事務局の原案では。ただ、2025年という年 は、農水省のほうでは食糧危機がやってくるんじゃないかということで、いまの延長線 上で考えることは必ずしもできない。なかなか見通しが難しいという点は正直いってあ ると私は思っていますけど。  山崎委員  2025年と座長がおっしゃたので、ちょっとまずいと思っているんですが、いろん な方とお話をしていて、例えば、育児保険のようなものができるといいね、是非つくっ てください、こういう会話になるんですが、どれぐらいかかるでしょうか、と聞かれ て、そうねえ、10年くらいかかるかねえ、と申し上げますと、そのときにはもう子ど も産めません、とおっしゃるんですよね。早くしてくださいという声もありますので。  それから、佐藤先生おっしゃいましたが、保険のよさというのは、会費を払う者はみ な同じ条件で受けられるということです。それは就業形態、所得関係なくということだ と思います。  木村座長  ありがとうございました。5年、10年、25年と3つぐらいあるでしょう。  奥山委員  いま時間の話がありましたが、ビジョンとして2025年、こういう社会であってほ しいというのがまず大前提としては必要だと思います。例えば、それが男女ともに同じ ように働ける社会という目標かもしれません。しかし、現実は、いま横浜で0歳から3 歳の小さいお子さんを抱えている方の8割は在宅保育なんですね。そうすると、今現 在、または5年後、在宅で保育所に入らないで子どもを育てている親子をどうするの、 という問題も出てくるわけで、2025年、男女とも働いているという社会を目指しな がらも、いま現状在宅保育をどう支援していくのかという視点がほしいなと思っていま す。  あと、働いている、いないにかかわらず、保険を適用していくというふうになります と、例えば、前回も言いましたが、公立の保育所に1人お子さんを預けると0歳児で5 0万ぐらいかかるというわけですが、在宅で子どもを育てているとそれがないわけで す。どちらにも保育バウチャー、クーポンみたいなのがあって、働いてないお母さんで も保育所が利用できるとか、そういった可能性が広がってくるんだろうなと期待してい ます。  もう一つ、お金をこと以外に、社会にアピールする一つの方法として、ここにもあり ますが、子育てバリアフリーのまちづくり、が大切だと思います。いまはまだ「まちづ くり」といったときに、障害者や高齢者への配慮が重要視されておりまして、子育てに ついて、例えば、電車に乗るときのベビーカーの問題とか、いろんなことが指摘されて いて、肩身の狭い思いをしています。そういった子育てのバリアフリーの部分も盛り込 んでいただきたいと思っております。  それと、人間関係づくりというんでしょうか、先ほど、うつ病の話がありましたが、 病気としてとらえる以前に、なぜそういう状態に陥るんだろうか。小さい頃から人間関 係づくりがうまくできていない。横の世界でしか育ってきていない、親も子も、という 部分を、病気だからその対応をということだけではなくて、人間関係づくりということ を考えていかなければいけない。若い世代が子ども、赤ちゃんとふれあって育つ環境づ くり、という言葉がありますが、もうちょっと深くこのへんを考えていきたい。私自 身、親になったときに赤ちゃんを育てるときに非常に躊躇しました。もっといろんな意 味でいろんな世代がかかわれる社会を実現できるようなものも盛り込んでいきたいなと 思っております。  木村座長  ありがとうございました。少子化対策も、短期、中期、長期、3つぐらい視点を設け たほうがいいんじゃないかと思いますね、5年、10年、25年。  子育てのバリアフリーはほんとに日本はなってないなと思うんですが、羽田の空港な んてひどいもんで、どこでも低床式のバスになっているのに、そうじゃなくて、子ども なんか大変ですよね、ひどいですね、ほんとに遅れてますね。  いかがでしょうか、そろそろよろしいでしょうか。  大越委員  すみません。先ほど木村座長から、家事は働くことに入るのかと突然聞かれて答えら れませんでしたので。私は9時−6時で働いていますけど、家事を朝1時間半、帰って 1時間、毎日2時間やっています。食事をつくって、掃除をして。ですから、私の意識 の中では働くことと家事というのは対立してませんで、働きながら家事をすればいい、 という発想なものですから、すみません、うまく答えられませんでした。  木村座長  わかりました。もしよろしければ、そろそろ時間でございますので、今日のところは これにて議論は終了とさせていただきます。  先ほどちょっと申しましたように、中間とりまとめの起草委員を選定する必要があり まして、本日のご議論も含めまして、次の方々にお願いしたいと存じております。ま ず、山崎座長代理さん、青木さん、佐藤さん、今日ご欠席ですが、残間さん、水戸川さ ん、山田さんの6人にお願いしたいと思っておりますが、よろしゅうございましょう か。では、ご苦労様でございますが、起草委員の皆様方、よろしくお願い申し上げま す。  では、今後の段取りについて、事務局から説明をお願いいたします。  西村企画官  今後の段取りでございますが、まず、次回の懇談会は9月13日、金曜日の午前10 時から12時までということで、起草委員の方々により起草された懇談会の中間とりま とめ案についてご議論をいただきたいと思っております。場所については追ってご連絡 をさせていただきたいと思います。  次に、中間とりまとめ案の作成スケジュールでございますが、まず、ただいま選任さ れました起草委員の皆様に座長ともご相談いただきながら8月中ぐらいを目途に中間と りまとめ案の起草をお願いしたいと思っております。その上でできれば、9月上旬、1 3日の懇談会の前にメンバーの皆様にお配りし、事前のご相談をさせていただきたいと 考えております。  それから一つお願いでございますが、9月の中間とりまとめには、第2回の懇談会の 際に皆様からご提出いただきましたレポートを添付したいと考えております。そこで、 以前提出していただいたレポートの中でまだ未完成の方とか、あるいは直されたいと おっしゃる方につきましては、7月中に修正をいただければ幸いでございます。7月中 に修正をしていただいて、事務局まで提出していただければ、それを中間とりまとめに 添付するレーポートとさせていただければと考えております。以上でございます。  木村座長  ありがとうございました。次回は13日の金曜日という大変めでたい日でありますの で、何卒ふるってご出席いただけますようお願いいたします。  これをもちまして本日の懇談会を終了いたします。ありがとうございました。                                      以上  (照会先) 厚生労働省政策統括官付社会保障担当参事官室  政策第一係長 野村  政策第一係  木寺 電話:03−5253−1111(内7692)