02/05/27 第9回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会議事録           第9回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後              のあり方と実施に関する検討会                  議 事 録           厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課 第9回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会議事次第        日 時:平成14年5月27日(月) 13:00〜15:00        場 所:経済産業省別館10階T−28会議室                   1 開会                   2 議事        (1)小児慢性特定疾患治療研究事業の現在の課題の検討        (2)その他                   3 閉会 ○森本補佐  それでは、傍聴の皆様にお知らせいたします。  傍聴に当たりましては、既にお配りしている注意事項をお守りくださいますようお願 い申し上げます。  なお、本日の委員の出欠でございますが、山城委員が御欠席という御連絡をいただい ております。南委員と高松委員におかれましては、まだ御連絡いただいておりません。 追っていらっしゃるものと思われます。  それでは、座長、よろしくお願い申し上げます。 ○鴨下座長  委員の先生方には、お忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございま す。今日は、山城委員だけが御欠席で、久々にほとんど全員おそろいでございますが、 大事な審議がございますので、どうぞよろしくお願いいたします。  では、ただいまから第9回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関 する検討会を開かせていただきます。  最初に、資料の確認を事務局からお願いします。 ○森本補佐  表紙でございます。まず、議事次第がございまして、本日の配付資料一覧がありま す。  1ページとしまして、従来からございます設置の要綱。  3ページ目が委員の名簿でございます。  5ページ目以降が、本日の御検討いただく課題でございます検討会の報告書の案でご ざいます。これを本日、御議論いただきたいと考えております。  なお、ラストの15ページに今後の予定でございまして、これまでの経緯と今後の予 定。次回は6月21日、また詳しい日程は後ほど申し上げますが、今後の予定について書 いているところでございます。  以上でございます。 ○鴨下座長  それでは、早速議論に入りたいと思いますが、ちょっとホットな議論をするには部屋 が少し蒸し暑いですので、どうぞ上着をお取りください。  それでは、取りまとめ案につきまして、宮本補佐から御説明いただけますでしょう か。 ○宮本補佐  お配りしてあります資料の5ページから「検討会報告書(案)」ということでまとめ させていただいた資料を御説明させていただきます。  委員の皆様方には、先週末に事前に配布させていただきましたので、この場では概略 にとどめておきたいというふうに考えております。  まず、5ページ目からでありますけれども、「はじめに」に続きまして「今後の小児 慢性疾患対策の基本的考え方」ということで、2回にわたります患者団体12団体からの ヒアリングの結果などから取りまとめたものを示しております。  1番の「患児とその家族の持つ多様な課題と要望」という部分につきましては、ヒア リングにおきまして聴取しました内容を3つの項目にまとめまして、よい医療、よい医 療を受け、可能な限り治癒・回復を図ること。それから、安定した家庭、家族がまとま りながら患児を支えつつ、家族全員がそれぞれの人生を充実して送ること。2ページに 移りますが3番目、積極的な社会参加、患児の就学や就職等の社会参加を全うするこ と、こういった課題について、これらの要望の実現を目指すという方向性をまとめてお ります。  それから、2番目でありますけれども「包括的取り組みと関係者との協働による要望 の実現」ということで、こういった要望を包括的に取り組んでいくこと、それから、行 政のみならず医療機関や民間による社会支援活動、それから、患児とその家族、患者家 族会、民間支援団体等の力を合わせて協働しながら実現を図っていくといった方向性を まとめております。  続きまして、7ページ目のIII「小児慢性特定疾患治療研究事業の課題と方向性」であ りますけれども、昭和49年の事業開始以来、患児とその家族に対しまして大きな力と なったと考えられるわけですが、改めてその目的、対象疾患、対象児童の範囲を明確に し、将来にわたり安定的な制度として確立していくということが求められているという ふうにまとめております。  その中では、1番としまして「現在の支援制度の課題」ということで、対象疾患の治 療事業の変化と疾患間格差。  それから、2番目としましては「財政的な安定性」というものが課題となっていると いうところです。  8ページ目にまいりまして、以上のような課題に対応し、今後、安定的な制度として 確立していくために、検討会において論点として示された以下のような課題について更 に検討し、具体的に対応することが必要であるということで、論点のまとめを行ってお ります。「制度化にあたっての課題」ということでまとめております。  9ページにまいりまして「小児慢性疾患に関する研究の推進」ということで、患者さ んとその御家族は、病気の治癒・回復というのが一番の願いであろうかということであ りますけれども、そういったものを更に向上させるための取り組みが必要であるという ことで、現在、厚生労働省において行っております研究事業の更なる推進のほか、現 在、小児慢性特定疾患治療研究事業の中で行っておりますデータ解析の取り組みがござ いますが、そういうものの向上というものをまとめてございます。  続きまして10ページにまいります。「医療・療養に関する環境の向上」ということ で、小慢事業の安定的な推進、それから、研究の推進のほかにも医療や療養に関するさ まざまなものの向上というものが望まれるということで、そういうものを図っていく必 要があるということをまとめております。そういったものの幾つかの課題でありますけ れども、成育医療センターにおける制度的な役割もしっかり持っていただくというよう なこと。  それから、情報サービスというものを充実していくようなこと。  病棟におけますプレイルームや保育士などのそういった病院における患児の療養環境 の向上でありますとか、福祉的なサービスということで、日常生活用具など予防的に必 要とされるような方に対する対応というものが必要ではないかということ。  在宅で療養されていらっしゃる方に対しまして、短期入所事業が行われているわけで ありますけれども、更に医療的なケアも対応できるようなものが課題となっているとい うこと。  それから、遠く離れた地域で長期の療養を続けられる場合の家族に対しまして、宿泊 施設の整備というのを今後とも民間の力も活用しながら進めていくべきではないかとい うようなこと。  療養を始めるに当たって、家族の前向きな姿勢につながるような支援というものを 行っていくべきではないかというようなこと。  医療・福祉・保健といった多くの専門家によって前向きな姿勢を引き出すような、サ ポートする仕組みというものを体系的にするべきではないかということ。そういったも のをまとめております。  私からは以上です。 ○森本補佐  続きまして、11ページのVI「一人一人の状況にあった病弱教育」、就学の関係につい て御説明申し上げます。  現状は、文部科学省は近年の医学等の進歩を踏まえ、就学基準等の制度の見直しを 行ったところでございます。また、小児の慢性疾患の児童生徒についての教育は、学習 の遅れの補完等、治療上にも大きな意義を認められております。あと、慢性疾患の児童 生徒が自立し、社会参加するため経験を重ね、社会の中で自立していくために欠くこと のできないものであると位置付けられております。  課題でございますが、現在それぞれの病気と病弱の生徒を理解した専門性の高い教員 等の配置の必要性。  それから、患児について不必要な制限等が行われないように、研修等が教員に対して 行われるべきではないかということです。  次に、できるだけ健常児と同様に平等な進学・進級の機会が与えられるということが 要望されてございまして、そのための幼稚部や高等部の整備等が求められているところ でございます。  また、患児の入院のための施設、占有空間など教育の場の提供等の必要性。  また、専門家の意見を聞くとともに、保護者の意見を踏まえて就学先を決定すべきで はないか。  また、病弱養護学校と普通の小・中学校の転学の円滑化の配慮。また、運動の制限を 余儀なくされている患児の体育の授業について、柔軟な学習プログラムが提供されるこ と。  また、疾病があっても親の付き添いを必要としない環境づくりについての要望につい ての対応が必要ではないかとされているところでございます。  次に、VIIでございますが「一人一人の状況にあった就労」でございます。就労は単に 収入を得るのみならず、社会とともに生きるという意義が大きいところでございます。 これにこたえまして、次の課題に対応して就労の場を積極的に確保するよう努めること が必要であるということでございます。  まず、公共職業安定所でございますが、ここは就労機会を得るに当たって大きな役割 を果たしているところでございます。この役割を十分に果たすために、公共職業安定所 については、求人者が求人票を記入する際に仕事の内容欄を細かく記入する等の配慮か ら、病気のある人であっても個人のそれぞれの事情に応じて採用されるようにしている ところでございますが、それが更に引き続き行われることが必要ではないかとされてい るところでございます。  また、患者が就労の機会を得ることが困難な理由として、十分な理解がなされていな いという点が挙げられております。安定的に勤務、雇用されるために、雇用主が疾病、 疾患についての理解をされるよう情報提供等がなされることが必要ではないかというこ とでございます。  あと「おわりに」ですが、以上の検討会の検討に基づきまして在り方を論ずる際の視 点を取りまとめたところでございます。今後、多くの人々が患児とその家族の存在を正 しく認知することが、あらゆる取り組みとなるということでございます。患者団体等に よる取り組みが一定の成果を上げているところでございますが、今後、多くの関係者が 更に多くの機会・媒体で取り組みを続け、社会の連帯感の醸成、知識の不足に基づく不 適切な対応の減少を図る必要があるということでございます。  以上でございます。 ○鴨下座長  どうもありがとうございました。  それでは、御議論をお願いしたいと思いますが、一応順番に案のI、IIということで御 意見を伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ御自由にお願いしたいと思い ます。 ○加藤委員  全体的なことなんですが、よくわからないんですけれども、報告書に前回まであった 対象疾患の今後の考え方などははっきりと書かれていないんですが、それは除くという ことなんでしょうか。 ○宮本補佐  基本的な考え方はこの中に示しておりますけれども、そういった取りまとめの中に医 学的知見に基づいて考えなければならないというようなこと、それから、専門家の意見 も含めるとともに検討の機会を定常的に求めることが必要ではないかという部分がござ いますけれども、ここで表しておりますことは、先生方に御検討いただいております専 門家によります医学的知見による検討というのを引き続き行っていくこと、それから、 定常的に疾患を見直していくような機会ということがございましたので、そういったも のをこの中で表現しております。 ○鴨下座長  よろしいですか。細かい語句よりも、まずは今、御指摘いただいたような全体の枠組 みで何か、特に問題がございましたら。 ○柳田委員  5ページ目でございますが、「良い医療」と書いてございますが、これは、これまで 小慢事業は厚生労働省がなされて、しかも、先生方も御協力されて、すごくうまくいっ た行政の事業であろうと思います。今までもそのように協力してよい医療をやってこら れたわけでございまして、「よりよい医療」というような文言がいいのではないかとい うふうに思います。  それから、8ページの「制度化にあたっての課題」ということで、6つ目の○でござ います。「対象となっている疾患の診療を行う希望する医療機関が対象となっている が、この方式で治療の成果を十分期待できるか」と。これはそういうことではなくて、 やはり今から病診連携を、より充実して図っていくということで、今後も引き続き今の 医療を維持すべきではないかと思います。  次の○のところでございますが、「新たな制度整備を行い、公費により患者、家庭の 医療費用の軽減を図る場合、限りある財源を効率的に活用するとともに、受益するサー ビスに対する適正な認識を求めていかなければならないのではないか」と書いてござい ます。そうでしょうけれども、この件はサービスに対する適正な認識を今後検討すべき であって、これが家族に負担が掛かるものであってはならないというふうに私は思って おります。  以上でございます。 ○鴨下座長  今の点はよろしいでしょうか。最初に御指摘のあった「よりよい」とか「より適切」 とか「より」を入れた方がいいところはほかにもたくさんあるような気がしますけれど も、今までも決して悪いことをやっていたわけではない、努力はしてきたのだろうと思 いますので、それは言葉の問題ですので、もう一回後で整理をさせていただきたいと思 います。 ○柳澤委員  言葉の使い方の問題なのですけれども、「必要である」というように書いてある部分 と「必要ではないか」というのがあるわけですが、これは意味の上で程度の差をつけて いるとかそういうことがあるのでしょうか。 ○宮本補佐  文章の構造の仕方なんですが、それぞれのところの冒頭に総じたことを具体化してい くことが必要であるという文章にしておりまして、その中でそれぞれの課題としてどう いうものがあるのかという形で整理しているものであります。 ○鴨下座長  よろしいですか。この「必要ではないか」というのは、ほとんど○がついた文章です ね。ですから、提言というのか問題提起で、「必要である」と結んであるのは、むしろ はっきりした○のついていないところで、この辺は論点整理ということでそうされので はないかと思うんですけれども。ほとんど後段の○のついているところは、みんなそう いう問い掛けの形になっていますね。その点はどうですか。柳澤委員は、もう少し積極 的に書き換える方がいいということでしょうか。 ○柳澤委員  「必要ではないか」と疑問形で書くというのが、こういう報告書の一般的なやり方な のかどうかということを確認したかったのです。実際上は必要であるということをずっ と並べているのだろうと思うのですけれども。 ○鴨下座長  事務局はいいですか。 ○母子保健課長  別に報告書のスタイルに決まったものがあるわけではございませんけれども、先ほど 宮本補佐の方から申しましたように、前回まで御議論いただいた中でさまざまな課題等 が出てまいりまして、その辺のところを前回の論点整理という形でまとめさせていただ きました。そういったものをすべて事務局として受けまして、そういったものすべてに ついて少なくとも検討することが必要であると。決まり切ったものついては当然、今回 のたたき台の前の方で「必要である」と断定的に書いてございます。 問題の今後どうするかというところにつきましては、例えば、極めて行政的な判断を要 するところにつきましては、今まで論点整理の中で我々行政としては受けて、今後どう するんだということをしっかり定めなければいけませんので、そういったものを羅列し た上で、そういったものについて全体的に1つのくくりの一番最初のところに、先ほど 座長もおっしゃいましたように「以下のような事項について更に検討し、具体的に対応 することが必要である」というふうな総体的な形の文章を置いて、今後必要であるとい う形にまとめたところであるわけでございます。わかりにくければ直すことも検討いた しますけれども、基本的には行政に対する宿題という形で我々は受け取っておりまし て、こういう形がいかがかなと思ってこのようにまとめたところでございます。 ○鴨下座長  よろしいですか。特にI「はじめに」とII「今後の小児慢性疾患対策の基本的考え方」 辺りについては、よろしいでしょうか。 ○永井委員  6ページなんですけれども、(3)と2のところで、(3)の方では「病気のない子どもと その家族の持つもの以上に強いものがある」と。それから、2の方では「慢性疾患のな い子どもとその家族が同質のものである」という表現なんですけれども、これは特に表 現の上での問題だと思うんですが。 ○宮本補佐  そうしましたら、先ほども御指摘を踏まえまして、確認させていただきたいと思いま す。 ○加藤委員  よくわからないんですが、6ページの一番下のところの民間企業等の社会支援活動が 大きな役割を今果たしているんでしょうか。確かに、役割を果たしているというのはわ かりますけれども、ここまで言ってもいいのかなと。もっと役割を果たしてほしいと か、患児支援にも大きな役割を担ってほしいぐらいの方がいいかなと思ったんですが。 ○宮本補佐  御指摘を踏まえて検討したいと思います。 ○母子保健課長  ちょっと受け取り方に確かに温度差があるかもしれません。昔と比べますと、我々の レベルではかなりやってくださっている部分があるだろうということで、ちょっとよい しょしているところもあるんですけれども、先生方の方でまだまだそんなレベルではな いということで、ここまで書くのは書き過ぎであるということであれば、また、その辺 は御指示いただけましたら修正もいたします。 ○及川委員  6ページ目の3行目から4行目に掛けて「その他の子ども」という表現があるんです けれども、これは多分きょうだいのことを意味しているのだと思うんですが、「その他 の子ども」という表現は余りぴんと来ない表現なのではないかということが1つありま す。  それから、2番目の包括的取り組みのところに、最後の方で「社会からの脱落を防止 する」という書き方があるんですけれども、「脱落する」という表現は適当なのでしょ うかというのがちょっとよくわからないんです。  それから、(2)の医療機関のところに、先ほどの民間機関の支援と同じようにメディカ ルソーシャルワーカーによる役割というのは、確かに役割は大きく担ってはいると思う んですけれども、これも病院によって非常に格差があるであろうというところで、あえ てソーシャルワーカーだけを出しているという意味合いは適当なのかどうかというとこ ろがちょっと。 ○鴨下座長  今のは御指摘で、特に文言の問題だろうと思いますが、例えば「脱落」というのは先 生はどういう言葉にした方がいいと思われますか。 ○及川委員  そう言われると困るんですが。 ○鴨下座長  ついでですけれども、今の脱落の行の「重要な成員」というのは「構成員」なので しょうか、それとも「成員」でよろしいんですか。法律用語というほどでもないので しょうけれども、「構成員」の方がわかりいいように一般には響くんですが。  「その他の子ども」の「その他」というのはどういたしましょうか。はっきり「きょ うだい」とか。これは事務局で後で考えていただけますか。変えるということで。 ○加藤委員  「その他の子ども」は「きょうだいのサポート」でいいのではないかと思いますし、 「脱落を防止」と否定を2つつなげないで「社会参加を目指すことが望まれている」の 方が簡単でいいのではないかと思います。 ○鴨下座長  よろしいですね。 ○神谷委員  私はちょっと病気で何回か休みまして、報告書で審議の経過を読ませていただいたん ですが、それでも多少申し上げることがちんぷんかんかもしれませんけれども、お許し 下さい。今の「行政」のところですが、この小児慢性疾患制度というのは行政では特に 保健所の保健婦さんがしっかりやらなければいけないということに本来なっているわけ で、この事業に関係しているのはソーシャルワーカーだけではないんですよね。ところ が、各保健所にはそういう保健婦さんはほとんどいないというか、小児を担当する保健 婦などというのはどこの保健所でもちょっとしか配られていない。それで、その人が転 勤すると、一遍でまたゼロレベルに落ちるというような地域での実態があるわけです ね。そういうことをもう少し、この「行政」というところで保健所がしっかりしなけれ ばいけないということを書いてほしいと思うんですけれども。 ○鴨下座長  今のところはよろしいですか。6ページの2の(1)「行政」。 ○母子保健課長  御質問が出ましたので、先を走って恐縮でございますが10ページの3 つ目の○、「また」から始まるパラグラフでございます。この最後の方ですけれども 「地域の保健機関は、このネットワーク機能を」云々かんぬんという形で、保健婦、今 は保健師ですけれども、そういった自治体に所属する保健師という形での書き込みはこ こにはしておいたんですが、むしろ神谷先生の御意見ですと、最初の方でしっかりと位 置付けておくようにという御趣旨でございますか。 ○神谷委員  はい。要するに、現場ではすぐ減らされてしまうんですよね。だから、こういうとこ ろでしっかりうたっておいていただかないと、今御指摘の文章は「調整しつつ提供して いる」とありますが、私は全然調整しつつ提供しているとは思っていないんです。それ は、こちらからかなり要望してもなかなかうまくいかないというのが現場の実態だと思 うんです。 ○母子保健課長  この書きぶりといいますか、色のつけ方だろうと思うんですけれども、6ページのと ころは行政ですから医療機関、民間といった形でごくあっさり実は総論的に書き込んで しまいました。各論は、ごらんのように実は余りここに書いていないんです。ですか ら、各論というのはみんな後ろに送ってしまって、10ページ辺りでわいわい書いている んですが、そういう意味からしますと、行政で保健所という一般名詞を出しまして幾つ も書きますと、実は医療機関のところも民間のところも、かなりそれに合わせたレベル で書き込みが必要になってくるものですから、もしお許しいただければ10ページの方で 書けという御指示でございましたら、その辺で対応させていただくことでいかがでしょ うか。 ○神谷委員  はい、結構です。 ○鴨下座長  ついでに、今、課長御指摘の保健所の10ページの真ん中は、括弧を逆にするという か、むしろ保健所に主役を持たせるわけにはいかないのでしょうか。「地域の保健所 (その他の保健機関)」とか。その他の保健機関というのはどんなものがありますか。 保健機関という形でくくった場合、保健所以外に。 ○母子保健課長  ここでは保健所と書いていますけれども、例えば、保健所というのは県、それから、 政令市のものでございますので、市レベルですと保健センターというのがございます し、そういったものを想定して「等」のほかにひっくるめた形での保健機関というふう に書いたわけでございますが、わかりにくければ直します。 ○鴨下座長  わかりました。  ほかにいかがでしょうか。 ○柳田委員  今のお話がございましたが、今後の難病もいわゆる在宅医療になっていきますし、そ れを支援する体制が整ってこなければならないわけですから、訪問看護婦さんの役割で あるとか保健婦さん、ヘルパーさんとかやはり老人医療と同じようにチーム医療という ものが必要になってくるのだろうと思います。その観点からの見方も必要でしょうし、 それから、少子化対策の一環でもあると思います。また、いわゆる子どもの心と体を トータルに見ていくという観点からは、やはり小児精神保健対策という面からも見てい かなければならない分野ではないかと思います。  それと、文部科学省もかかわっておられるわけでしょうが、厚生労働省の精神保健福 祉課と文部科学省とが別々で縦割り行政で難しいかのもしれませんが、もう少し教育関 係者との係わり合いというものを密にしてやっていただけたらいいなというふうに希望 いたします。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  何か事務局でお答えはございますか。特に、小慢の子どもたちあるいは家族にとって の精神保健とかそういうことが大事だと思いますけれども。 ○宮本補佐  幾つか御指摘をいただきましたけれども、特に一番最後の文部科学省との連携という 部分でございますが、実際に課題があるという御指摘はあるかと思うんですが、そう いった内容もこの中に盛り込んでございまして、むしろダブった形で12ページの11ペー ジから続くものの一番最後でありますけれども、「医療・教育・福祉等の関係機関が十 分に連携を図りながら検討を行う必要があるのではないか」というところでまとめてお りますし、また、10ページの先ほど課長からお話しいたしました、いろいろな専門家、 関係者で協働していかなければいけないという3つ目の○でございますが、この中にも 学校関係等」というふうに入れておりますし、かなり重なっている部分がございますけ れども、そういった意味でこの中に盛り込んでおるところでございます。 ○及川委員  これは多分、枠組みの問題かなというふうに思ってはいるんですけれども、この2番 目が、今後の小慢の基本的な考え方として課題になった幾つかの点が出てきているわけ ですけれども、それと、この事業そのものが具体的に何をするかという部分との関係性 というのでしょうか、その辺をもしかするすと「はじめに」の辺りにきちんと出された 方がいいのかなと。多分、小慢事業で行う範囲と、それから、福祉とかほかのサービス で補っていく部分とが多少混同しているような感じを受けるんですが、それは考え方な んでしょうか。基本的な考え方は2番目にあって、それはそれでいいのですが、それと この後に続く事業、次は制度になるわけですね。ですから、その辺が読んでいくとき に、具体的に考え方の基本がどこにあって、そこから具体的に制度として何を考えたの かということと、それから、制度の中に入らないところで、きっとほかの福祉とか教育 とかいろいろなところと連携しながらやることという辺りが、どこかにきちんと明記さ れている方がいいのではないかというふうに、読み進めていて思ったんです。 ○宮本補佐  十分にわかりやすくなっていないとしますと、それは直していかなければならないわ けですが、こちらでまとめました際の意識といたしましては、いろいろな課題と取り組 みというのを全体として進めていかなければいけないと。そのうちの1つとして、小児 慢性特定疾患治療研究事業があって、その部分の方向性についてはIIIでまとめておきま して、ほかのものについては行政で対応できる部分もございますし、そのほかいろいろ な方が取り組んでおる部分もありますので、そういうものも合わせて全体像をつくって いかなければいけないかなというような意図でまとめておりました。もし、わかりにく いということでしたら、最初の基本的な考え方のところに、もう少しそういった説明を 掲げていくことになろうかと思いますので、もう少し検討させていただきたいと思いま す。 ○鴨下座長  IとIIは大体よろしいでしょうか。  次は、IIIの「小児慢性特定疾患治療研究事業の課題と方向性」を少し御議論いただき たいと思います。 ○小林委員  IIIの「課題と方向性」のところなんですけれども、「将来にわたり安定的な制度とし て確立していくことが求められている」ということが7ページの最初の段落に出ていま して、一番下の方に、これまでの小慢の制度の性格があいまいなことから削減の対象と なる奨励的な補助金であったというふうなことだと思うんですけれども、次のページで 「今後安定的な制度として確立していくために、他の施策との整合性を図りつつ、検討 会において論点として示された以下のような事項についてさらに検討し、具体的に対応 することが必要である」というふうに書いてあるんです。当初、この制度の安定化を図 るためにどうするかということだったんですけれども、ここで書いてあることは、この 制度を安定化するためのことはこれから考えるということなんでしょうか。○母子保健 課長  検討会の報告書の取りまとめとしてはそういうことでございます。ですから、行政に 責任を持ってちゃんとしっかりしろと言うことになるのかという理解なんですけれど も。 ○小林委員  それは、行政が責任を持って安定化させると。 ○母子保健課長  制度をつくり上げるのに責任を持つのは行政でございますので、これは行政が責任を 持ってやるんだということに論理的にはなるかと思います。 ○小林委員  そのやり方はいろいろな話がこれまでありましたけれども、そういうやり方は別にし て、安定的にずっと御家族や子どもさんたちにこれまでの小慢、名前は変わるかもしれ ませんが、そういうメリットが十分受けられるような形にするんだという理解をしてお いてよろしいということなんですね。 ○総務課長  いろいろなやり方があると思います。省庁再編以来、国なり国会なりが責任を持って 政策を考えてやることとなりました。ただ、その責任を持って政策を考えるときに、い ろいろな専門的な御意見、御指摘を踏まえてやると。ただ、制度の構築の責任は我々に あるし、その責任を予算なり法律でやるときには国会でまた議論すると思います。この 検討会は当然、現状ある問題点、それから、今後よりよい仕組みにするために更に専門 家の方々の御意見を聞く。御意見の中で必要であると言っていただいた。その必要であ るという御意見を伺って、今度は私どもが所管として責任ある立場としてどういう制度 をつくるか、これはまた別のところで説明責任を果たしながら制度をつくっていくとい うことであります。そういう意味で、全体がこういう必要があるといって、かつ、いろ いろな御指摘をいただいていますので、その御指摘に基づいて、私どもが私どもの責任 の範囲できちんとやるし、あるいは文部科学省あるいはその他労働行政含めて御指摘い ただいたものを真摯に受け止めてやるということで、予算が必要であれば予算要求をす るし、法律改正が必要であれば法律改正をするということでございます。 ○鴨下座長  よろしいでしょうか。 ○住友委員  まず1点は、III以降のつくりの問題で、多分先ほどの及川先生の御発言にも通じるの だと思うんですが、恐らくこの小児慢性疾患の事業としての結論はIII、IVにほとんど書 いてあって、Vぐらいまで少し入っているのかなと思うんですが、その後大事なことでは あるんですけれども、教育のことですとか就労のことまで同列に出てきてしまいます と、慢性疾患の内容を検討する検討会なのかなと思っていたんですが、その他に近いと ころまで同じ重みでずっとIII、IV、V、VIと並んでいるのは、逆にわかりが悪くなるの かなというふうに正直感想として持ちましたので、レベルを落とせという意味ではない んですけれども、慢性疾患の在り方としてはここが結論だというのがわかりやすいとこ ろに、順番なり何なり御工夫いただいてはめていただくのがよろしいのではないかとい う感想を持ちました。  それから、続けてもよろしいですか。もう一点、8ページでございますが、まず1点 目といたしましては、上から2つ目の○のところに対象疾患について「対象となる病状 や治療法を明確にする」ということなんですけれども、この治療法を明確にするという のは、例えば同じ病気であっても、この治療までは助成の対象にするけれどもここはし ないよと。もし、そういう決めをこれからしていこうというのであれば、それは診療報 酬の方と連動していませんと非常にわかりにくい話になると思いますので、そちらとの 整合性についてはどのようにお考えなのかということを、これは事務局の方にお伺いし たいと思っております。  それから、3つ下の「現在、地域によって小児人口あたりの患者数に格差」というと ころがありますけれども、このいわゆる審査機関の問題で違いがあるというふうな読み 方に見えるんですが、やはりそれだけではなくて、ほかに地域で独自の医療費助成制度 があるかとか、あるいは大きな病院が集中しているとか、それぞれその地域の特性に よっても差が出てくる、勿論、審査の厳しさというのは当然反映されると思いますけれ ども、そのようなことも当然含まれてくるのではないかというふうに考えておりますの で、その点、御考慮いただければと思っております。 ○鴨下座長  何かお答えはございますか。 ○宮本補佐  一番最初にいただきました治療法といったくだりなんですけれども、これは前回まで の検討会の今後の考え方の中で示しておりますが、そういった選択されている治療法と いうのが病気の重症度でありますとか、それから、日常生活の障害度でありますとか、 そういうものを示すものがございますので、そういったものも考慮してというつもり で、これまで検討されたものを1つの言葉として抜き出してきたものであります。  それから、すみません、2つ目りの審査のくだりがちょっとよくわからなかったんで すが。 ○住友委員  審査が厳しいか厳しくないか以前に、やはり患者さんが集中する地域というのがある のではないかということです。大きな病院があると、みんなそこに集まってくるという ようなことも、県単位ではどうかわかりませんけれども地域的にはありますし、あるい は、そのほかの医療費助成制度があればこちらを使わないという方も当然出てくると思 いますので、その辺はどうでしょうか。 ○宮本補佐  そもそも小慢以前に、診療の状況が全国に地域差があるというのは承知しております し、そういったものを考慮していかなければいけませんし、そういったものを無視する ということではありませんので、わかりやすい表現を検討していきたいと思います。 ○小林委員  先ほど総務課長から大変心強いお話がありまして、ありがとうございます。患者たち が一番気にしているのは、制度がだんだん消えていって気が付いたらなくなってしまう のではないかということをとても気にしているわけです。今のお話のように、安定的な 制度としてやっていくんだと、行政が責任を持ってやるんだということですから、そう しますと、ここに書いてあることは非常にあいまいで、そんなふうにはちょっと受け取 れないんですが、それはそのようにはっきり書けないことなのでしょうか。 ○総務課長  ちょっと理解できないんですが。 ○小林委員  何かよくわからない感じに見えるんです。 ○総務課長  役所の仕事のやり方を変えましょうということで、中央省庁の再編が行われたわけで す。その際に、審議会の役割などもきちんと法律で付議して検討して制度づくりまで やってもらう審議会と、いろいろな専門家の御意見を伺いながら、今度は役所が責任を 持ってその中で事業を立てて、審議会を隠れみのにするなという御意見が強いわけで す。そのときに、ただ、我々としてはいろいろな専門家の意見も聞かないとできないこ とも多数ありますから、こうして皆様方にお集まりいただいて専門的な意見を聞く、あ るいは患者さんの実態の話を聞くということを受けて、必要ないろいろなことを網羅的 に言っていただく。その中で、今現在どの程度のことができるか、あるいは将来どの程 度のことをやるかということを含めて、今度私どもが御意見を踏まえて、これはいろい ろな議論の中でまた決めていくと。  それで、今回の御報告の中では、少なくとも何回かやってきた中で、さまざまな御議 論をいただいたものをフォーマットできるか、それを私どもなりに解釈してどういうふ うにするか、これは今後の話なんだけれども、少なくともこういうふうに必要だと言わ れる。それから、こういうものを検討すべきではないかと言われたら、これは当然受け 止めて検討し、それぞれ必要な措置を講じるということ。勿論、不必要な部分があると は言いませんが、ただ、この段階でどこまでできるかということを含めて、今度は私ど もがボールを受け止めてやるんだということを申し上げておるわけでございまして、そ の中で、今おっしゃった指示がちょっとわかりにくいなということだけです。 ○神谷委員  課長のお話を聞いていると、なるほどそうかなという意気はよくわかるんですけれど も、私も小林委員と同じように、この文章、先ほど柳田先生も言われたんですが、「で はないか」というのが、今後これを具体的に検討するときには「必要である」とやるの と「ないか」というのとでは随分重みが違うといいますか、相手に与える影響が違うよ うに思うので、今おっしゃった理由なら、この「ないか」というものを全部「である」 とか「でない」というふうに文章上できませんか。 ○総務課長  そこは母子保健課長が御説明したように、この委員会として必要であるというふうに まず冒頭に書いてあるんですね。恐らくいろいろな要素がこのほかにもあるかもしれま せん。いろいろなことの中でこういうことを御検討いただいてここに提示している。そ れに対して、今度は私どもが検討しましょうということで、ここで断定的に必要であ る、是非やれということもあるかもしれませんが、今度私どもとしてどう受け止める か。私どもというのは、勿論私ども役所の中の話ではなくて、国会に説明する、あるい は予算を決める、国民の税金をどう使うあるいはそれを法律化する、こういうことをす べて検討しなくてはいけない。そこの前提でこうすべきだということをどういうレベル でどう決めるかというレベルの話だと思って、私どもとしては御専門の方々あるいは現 場の方々、それから、患者・家族の方のお話をよく聞きました。そして、私どもとして 決断をし、検討しましょうと。ですから、この表現でも問題ないのかなという気はいた しますが。 ○柳田委員  今、医療費は小児・成人・老人、この3つの年齢区分では小児が患者負担が大きいわ けで、少子化対策の点から非常に重要であると言えると思いますが、慢性事業給付の経 過がどういうものであったのか、あるいは予算を配分する積算根拠がどういうふうに行 われてきたのか。その都度、その都度やってこられたのか、あるいは例えば、スモンの 原因がキノホルムであるということがわかって以来、例えば、そこに予算がまだ集中し ているということが今まで続いているのかとか、そういう適正な配分によって整理する ことによって、今までの制度もそのままで続けられるのではないかという気もするんで すが、その辺はいかがでしょうか。 ○鴨下座長  まず、先ほど小林委員、神谷委員が御指摘になった点は、この表現はこれでもそれな りに重みがあると、実際に行政が考えてやっていただくという理解に立たないとこれは 成立しないと思うんですけれども、その点はいかがでしょう。必要であるとしたところ でやれないものやれない、むしろ、こういう含みを持たせた方がいいというお考えがあ るのではないかと思いますけれども、小林委員いかがですか。ほかの委員もいかがで しょうか。 ○及川委員  よろしいですか。ちょっと文言のことは私もよくわからないので、実際問題、具体的 に内容として検討されることが多分大事であるというふうには思っているんですが、例 えば、先ほどのように、それをどういうふうに受け止めて制度化の方に持っていくかど うかは、そちらの問題であるというふうにおっしゃっていましたけれども、例えば、こ の最初の○と2番目の○とでは、例えば「療養にかかる費用に注目して」というところ の費用のことが、○の1つ目は非常に漠然とした内容になっているわけですよね。それ で、2番目は比較的具体的なところまで書かれているといった場合に、例えば、そちら で受け止めてそれをどう考えるかというようなときに、例えば、1つ目の○のところで すと、療養にかかる費用と言いますといろいろな側面からの費用のことが含まれてくる であろう。そうしたときに、ここの事業として考えているのはあくまでも医療費のこと だというふうなことをおっしゃっていたと思うんです。そうしますと、その最初の○は どういうふうに解釈されるのかというふうなこととか、それから、2番目は、非常に具 体的に「長期的な医療費」という表現をされて対象疾患を考えようというふうになって いますよね。そうすると、こういう表現でいきますと、表現の中身のレベルによって具 体的にどういうふうに受け止められるかというところで、かなり内容の格差が違ったこ とが出てくるのではないかというふうに思うんですけれども。 ○鴨下座長  これは多少、論点整理の上で並列的になっているということだと思いますけれども、 事務局で何かお答えがありますでしょうか。 ○母子保健課長  これまでの議論の中で、確かに医療費を中心に議論がされてきたというふうに私も理 解しておりますけれども、ただ、ヒアリングといった中でも医療費以外にもお金が掛か るという御指摘も確かにございました。委員の中にもそういう御意見も確かにあったと 思うんですけれども、そういうことも含めまして、1つ目の○については必ずしも医療 費に限定せずに、長期的な観点から「療養にかかる費用」という書きぶりを我々として はしたつもりでして、その次は、まさに医療費の話に限定しておりまして、そういう意 味からすると下記ぶりが不親切なんですけれども、そこはニュアンスが違うのかなとい う気はいたします。 ○及川委員  だとしますと、やはり最初の○は、その辺をもう少しきちんと明確にしておいた方が 誤解はないと思います。 ○母子保健課長  わかりました。 ○鴨下座長  ほかにどうですか。 ○加藤委員  細かいことで申し訳ないんですが、8ページの上から6つ目の内容ですが、これは 「小児慢性特定疾患治療研究事業」の「特定」が抜けています。  それから、2行目は「疾患の治療を行うことを希望する医療機関」でしょうか。「診 療を行う希望する」というのはちょっと意味がわかりにくいですので。  それから、7番目の○の上から2行目の後ろの方も「いかなければならない」の 「れ」が抜けているのかなと思ったんですが、すみません。 ○鴨下座長  最後はどこですか。 ○加藤委員  8ページの下から2つ目の○の上から2行目の一番右側の方「認識を求めていかなけ ればならない」の「れ」を入れてもらえたらと思います。 ○鴨下座長  ありがとうございます。よろしいですか。  先ほどの柳田委員が御指摘になった、成人あるいは高齢者等のところも総体的ないろ いろな意味での、特に医療費での不公平といいますか、これは是非、事務局として頑 張っていただきたいと。この報告書と必ずしもかかわりなく、そういう言外の意味がお ありになるのではないかと思います。  ほかにいかがでしょうか。では、時間の関係もありますので、次のIV「小児慢性疾患 に関する研究の推進」ということで、何か御意見ございませんでしょうか。  ここで問題になるとすれば、登録データの解析。データが十分集まらないと、結局解 析しても非常に不正確なものになるということで、いわゆるインフォームド・コンセン トといいますか、患者さんの方々に御協力いただくというところが1つ大きな問題にな ると思いますけれども。大体ここに書かれてあることでよろしいでしょうか。 ○加藤委員  これもよくわからないんですけれども、9ページの最初の○ですが、特定疾患は118も あったんですか。 ○宮本補佐  これは、医療費助成の対象になっている疾患と、それから、研究の対象になっており ます疾患と別の枠組みになっておりまして、この118の中で先生が今御指摘なのは、恐ら く医療費助成になっているものだと思います。この文脈の中では、研究の推進のことを 言っておりますので、その全体がこの数であるということです。 ○小林委員  この118というのは対策研究事業ではなくて、たしか調査研究事業だったのではないで しょうか。 ○母子母権課長  すみません、そうかもしれないです。 ○小林委員  前にも質問させていただいたことがあるんですけれども、やはり治療成績の向上とい うのは非常に重要なことだと思いますので、初期の登録ということだけに終わらない で、後を追えるような治療結果を追っていけるような研究を積極的に進めていけるとい いなというふうに思っておるんですけれども。 ○鴨下座長  今の御意見は当然のことだと思います。  ほかはよろしいでしょうか。それでは、次のV「医療・療養に関する環境の向上」、10 ページから11ページの上の方に掛けていかがでしょうか。言葉の問題でも、お気付きの 点は御指摘いただければと思います。 ○小林委員  よろしいですか。もう報告書の段階に入ってしまったんですけれども、先ほど神谷先 生もおっしゃっておられたんですが、病気をして子どもが入院して、在宅に移行しよう にもなかなか行ききれない家族があるんです。やはり何か月か経っていくと出ていって くれと。つい最近、私たちに相談を寄せられているケースでも、もう病院では面倒を見 切れないので出ていってもらいたい、ついては、病院は自分で探してこいというふうに お母さんが言われて、必死になってどこか行けるところはないでしょうかと相談を寄せ てくるケースはそんなに珍しくないんです、年に何回かあるんです。神谷委員がさっき おっしゃいましたけれども、本当に地域の保健所がそういったケースに積極的に手を出 してケアできるような、そういう具体的な行動が移せるような仕組みや何かがこの小慢 に合わせてやっていけるといいなというふうに思うんですけれども、立て続けに最近そ ういうケースが2〜3起きたものですから、ちょっとそういうことを気が付いて今日お 話ししたいなと思いました。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  御意見だろうと思いますが、ほかにございますか。 ○及川委員  今の小林委員のことに関連していると思うんですけれども、2つ目の○のところで す。そこの中には医療機関が入っていないんですけれども、それは意図的に入っていな いということなんでしょうか。今言ったサービスとかそういうことは、医療機関から受 けられて当然だと思うんですけれども、内容的には入っていないんですが。 ○宮本補佐  その次もかなり共通している部分がございますけれども、おっしゃるとおり当然そう いった役割も果たしているかと思いますので、含めて整理していきたいと思います。 ○永井委員  今、小林委員がおっしゃった地域でのサポート体制ということの中で、1つ私のとこ ろが活用しているのは、国の制度ですけれども障害児の地域療育支援事業ですか、障害 の関係で地域でのネットワーク、和歌山県でしたら8つの支援事業があるわけですね。 コーディネーターが中心になって、非常に濃くサポートしていただけるので、病気の子 どもには何もありませんので、私のところはそれを今活用させていただいて進んでいる んですけれども、そういう制度的なものがあればいいなというふうに感じます。 ○鴨下座長  よろしいですか。ほかに。 ○柳田委員  先ほども御意見が出ましたように、これからやはり在宅で果たしてできるかという問 題もあると思うんです。人工呼吸器をつけてもすぐ悪くなって、また入院するとか。で すから、そういう体制は今後どう対応されていくのか、訪問看護婦さんがどれくらい体 制としてできていくのか、あるいはホームヘルパーさんとかいろいろあると思うんです けれども、それと専門医と、いわゆる地域のかかりつけ医の連携というのを十分今から 図っていかなければならないだろうと思いますし、そういう急変した場合の病棟という のは、国立病院系でも1病床位と聞いたような気もします。その辺の体制とか、あるい はショートステイができるところとか、そういう連携を今から図っていく必要があるの ではないかというような感じがいたしました。  以上です。 ○鴨下座長  そのことは、このVで具体的にどこかに入っておりますか。高齢者の介護や医療の経験 から、子どもの慢性疾患についてもそういうことが必要だということだと思います。よ ろしいですか。  私から質問ですが、最後の○の一番最後のところ、この○は大変大事なことなんです が、具体的に何かそういう仕組みというのがイメージできるんですか。「子どもの病気 を家族が受け入れて前向きに取り組む姿勢ができるようサポートする仕組みを体系的な もの」と、何かただ言葉を並べただけであれば非常に空虚な感じになってしまうと思う んですが。 ○総務課長  これは、先ほど申し上げましたように、ここで必要だというふうに御指摘があるわけ ですから、我々が今度、既存の仕組みの中あるいは新しい仕組みとして何かできるのか ということを当然これを受け止めて真剣に考えていくことになります。今あるかと言わ れれば、先ほど言った障害者の療育事業などに、もし、地域で入っているところがあれ ば活用していただきたいと思いますし、今後そういうものを全国的にすべきだというふ うな御示唆と受け止めて、我々の児童福祉の方で何ができるかということを検討しろと いうことですから、今出せという意味ではないということだと思うんです。 ○鴨下座長  わかりました。では、是非やっていただきたいということをこの検討会としてよろし くお願いします。 ○住友委員  10ページの下から2つ目の○で、慢性疾患のお子さんをお持ちの御家庭のレスパイト ケアというような表現になっているんですけれども、これは、具体的に今何かそういう ふうにしているのでしょうか。多分、小児慢性疾患のお子さん独特のレスパイトという のはないかと思うんですが、「短期入所事業が行われているところであるが」というの は、具体的に何をしているものを指されているのかということと、それから、同じ○の ところに「派遣型のケア」というのがあるんですが、これはいわゆる訪問看護とは違う ケアをお考えなのか、そこを教えていただければと思います。 ○宮本補佐  これは、それぞれ通常として行われているものをまとめているところでありまして、 検討会の中でも若干紹介したかと思うんですけれども、例えば、自治体によりましては 訪問看護婦さんではなくて介護人としての看護職を持っておられる方を派遣して、一定 の時間ケアをするというようなことが行われているところがございますし、それから、 短期入所事業は、かなりの施設では医療的な部分というのが対応できないことが課題に なっているというふうに聞いておりますので、そういった部分を今後の課題であるとい うふうにまとめたということでございます。 ○住友委員  短期入所事業と言っているのは、いわゆる障害児のお子さんのための短期入所事業で すとか、あるいは乳児院ですとか児童養護施設という、いわゆる福祉施設でのレスパイ トというのをここではイメージしているのでしょうか。 ○宮本補佐  ここで言っておりますのは、そのことを指摘しておりますが、それではそこが持って おります課題についても並べているということです。 ○住友委員  非常に数が少ない話だと思うんですけれども、おうちに帰れる方はいいんですが、中 には御家庭の事情でどうしても帰れない慢性疾患をお持ちのお子さん、医療的ケアがか なり濃く必要だというお子さんが少なからずはいらっしゃいまして、そういう方の受入 先というのはほとんどないような状況なんですね。おっしゃるように、児童養護施設で は無理で、かといって病院もそう長くいられるような環境ではないところが多いもので すから、そういう意味では、家庭に帰れないお子さん方というのもいて、在宅支援だけ では進まないところもあるというところはお含み置きいただければと思いますが。 ○鴨下座長  よろしいですか。 ○神谷委員  今のVの最初の○ですけれども、これは柳澤先生がおられますが、いわゆる国立成育医 療センターができて、このネットワークでやるというようなことが書いてありますが、 ここで「全国の水準を引き上げる働きを持つことが必要ではないか」というと、雇用均 等・児童家庭局の方ではそういうふうに考えておられる。では、国立病院部はどうなっ ているのか。そういうことの実際、体制支援というものが、厚生労働省の中でのいわゆ る縦割りではなくて横のコミュニケーションが、この文章だけで図れるのかなというこ とをちょっと心配するんですが、その辺は大丈夫ですか。 ○母子保健課長  この検討会の御議論につきましても国立病院部の方とも話し合いもしております。た だ、残念ながら、先生がイメージされるような具体的な成果まで勿論至ってはいないこ とも事実でございます。しかも、成育医療センターはこれからまだ研究所もおつくりに なりますし、これからの部分が若干あります。そういったことを踏まえまして、柳澤先 生がいらっしゃいますので、こちらの期待も込めてでございますけれども、成育医療セ ンターの運営部等ともしっかり話をしていこうということになっておりますし、それを 通じまして、一緒になって病院部の方にそういう要求をしていくという形で、今話を進 めているところでございます。 ○神谷委員  確かに、成育医療センターはできたばかりで、これからの課題と言えばそうなんです が、小児慢性疾患のケアというのは、全国的には国立療養所が中心になって今までやっ てきたと思うんです。勿論、がん重症の心疾患などは大学とかがんセンターですが、そ ういう国立病院の中ではネットワークを結んでやるということによって、小児慢性特定 疾患の医療のレベルというのは、いわゆる医者の方の医療連携でかなりレベルアップと いうか統一化ができるということもあると思いますし、今後、柳澤先生の成育医療セン ターの指導力にも期待がされるわけだとは確かにおっしゃるとおりですが、そういうも のがきちんと上がってくることによって、小慢の今回検討した意味がかなり上がってく るのではないかと。そういう意味では、病院部などがこれにしっかりコミットしてもら いませんと、アイデアはいいけれどもちっとも動かないというようなことになるのでは ないかと思いますので、是非、課長の方からもプッシュをしていただくようにお願いし たいと思います。 ○母子保健課長  療養所の先生の方から、その御発言というのは大変私どもにとってはうれしい発言で ございまして、この報告書の段階では、まだ実は療養所の全体のネットワークにつきま して書き込むまで詳しく検討もいたしておりませんでしたし、この段階ではさすがに書 けないのだろうなと思っておりました。まさに、先生からそういうサジェスチョンをい ただきましたら、我々も力こぶが入りますので、是非そのようなことを検討しつつ、成 育の中で御検討いただいたものを踏まえながら、全国キンテンをどのように療養所の先 生方にもお願いできるのかという視点で、御示唆を踏まえながら考えてまいりたいと 思っております。 ○鴨下座長  ちょっと私は余計なことを申し上げるようですけれども、国立病院部にいろいろな政 策医療ネットワークがありますよね。その中で成育医療のネットワークも当然あって、 あるのはいいんですけれども、それが全国的にかなり広く張り巡らされていることが大 事だと思うんです。要するに、がんなどは国立がんセンターを中心に、国立のがんセン ターはほかにはないわけですけれども、県立のがんセンターと手を結んでいるわけです ね。ですから、いわゆる小児総合医療施設は県立のものもたくさんありますから、国立 病院だけではなくてそういうところともネットを結べるようにされたらいいのではない かと思うのです。それはこの報告書とは直接かかわらないことですが。 ○及川委員  4番目の病棟保育士の4行目に「病児訪問」というのが書いてありますが、これは入 院でしょうか、それとも家庭に対する病児訪問という意味でしょうか。 ○宮本補佐  ここで取り上げましたのは、医療機関に対して訪問するような格好があるということ を聞いておりますので、そういったことを盛り込んだのですが。 ○及川委員  家庭の方に行かれるようなサービスもあるかと思いますので、その辺の点も含めてい ただきたいということが1点。  それから、もう一つ、この「患児のサポート体制」という言葉ですが、やはりこれも サポート体制と言うと非常に大きいような気がして、むしろ成長・発達を維持するとい うか向上させる働きという意味合いが強いのかなというふうに思っているんです。  それともう一つは、どうしても入院が長くなるお子さんがいらっしゃるということを 考えますと、その子どもたちへの入院環境の整備というのは当然出てくるわけなのです が、具体的なところはここで今回は検討していませんので出てこないと思うんですけれ ども、教育の方に多少病弱教育というふうなことも含まれていますので、できればその 辺のところで一度、学齢児に関してはそういう教育と連携をした上で、そういう入院環 境を整えていくというのでしょうか、成長・発達を助けていくというふうなことが一文 でも入っていると、乳幼児だけではなくて学童も含めた形でのサポートという意味合い が出てくるのかなと思うんですけれども。 ○鴨下座長  では、大体この項はよろしいでしょうか。  それでは、VIの教育の問題ですね。これもまた大変大事です。「一人一人の状況に あった病弱教育」。12ページの中ごろまでですが、これについて御意見ございますか。 ○山本委員  11ページから12ページの内容に具体的に触れる前に、まず全体的なことなんですが、 先ほどまとめ方のことで教育と就労が同じ並びになっていますが、これについて何か御 意見がありましたけれども、私はこの並びでお願いしたいと思います。というのは、第 1回から教育や就労問題も関連重要事項として審議されてきておりますし、患者さんの 団体などからのいろいろな御意見、御要望の中でも医療と関連して福祉、教育、就労の 問題が出ておりますので、付録的な扱いではなくて、このような同列な並びで念を押し ていただきたいというふうに思います。  2点目に、表現の問題ですが、例えば、子どもに関連しては「小児」「児童」「児童 生徒」「患児」「子ども」というようなさまざまな言葉が使われております。それか ら、病気に関連しては「病気」「疾患」「慢性疾患」「疾病」「病弱」というように多 様な言葉が同じ報告書の中に出てきております。恐らく文章の意味内容に応じたり、文 章表現上言葉の使い分けをする必要があると思いますが、非常に意味の似通った言葉を 使い分けておりますので、この使い分けとか定義をあらかじめ明確に整理していただい た方がよろしいかと思います。  それから、気になったのは「大きな」とか「十分」「十分に」というのが随所に出て きますが、この辺も必要最小限にした方がいいのかなとちょっと気になったので、その 辺も最終的な文章をまとめられるときに、もう一回検討をしていただきたいと思いま す。  内容に入りますが、この中身については、もう既に文部科学省との意見調整もされて いるというふうに伺っておりますし、私が拝見しても、内容的にはこのような課題の提 言でよろしいと思います。私の意見はメモをお配りしておりますが、文章表現上の問題 だけでございます。  現状の2つ目の○ですが、内容にダブりがあったりしていましたので「慢性疾患の児 童生徒にとって教育は、学習の遅れの補完、学力の向上、積極性・自主性・社会性の涵 養、心理的安定、病気の自己管理能力の育成などの意義があり、また、治療上にも意義 が認められてきている。このように教育は、慢性疾患の児童生徒が自立し、社会参加す るために欠くことのできないものである」という表現で意味が通じるのかなと思いま す。  課題の方ですが、2つ目の○です。「学校において、患児に対し不必要な制限を行っ たり、無理な活動を強いたりするなどの不適切な対応を避け、疾病の状態に応じた適切 な支援を行うために、小・中学校等の通常の学級担任も含め、教育関係者に患児の実態 が理解されるよう研修等がなされることが必要ではないか」。  次の11ページの一番下ですが、これは一部なので文章化しませんが、2行目の「これ を実現容易に」というところは「この実現を容易にするために」の方が文章としては通 じやすいと思います。  それから、最後のところですが、最後は「整備が必要ではないか」となっています が、「整備」と言うと前に「幼稚部や高等部の整備及び配置等について検討を行い」と なっていますので、ここに「整備」と書くと「配置等」が抜けるような感じがしますの で、「地域の実態に応じた対応が必要ではないか」ということで、整備、配置等をすべ て含めた表現の方がいいと思います。  12ページですが、4番目の○ですからちょうど12ページの最初の部分ですが、ここに ついては「患児は、たとえ入院中であっても成長・発達途上にあるという特性を踏ま え、生活環境の整備を行うという面から、病院は、市町村教育委員会との連携のもと、 入院している児童生徒のQOLの向上のため、院内学級等に必要な専有空間の確保など 教育の場の提供等の取組が必要ではないか」というような表現の方が理解しやすいので はないかと思いました。  以上です。 ○鴨下座長  事務局はよろしゅうございますか。 ○森本補佐  病弱教育でございますが、今、山本先生から御指摘がございました言葉は「患児」 「患者」「児童」等いろいろ使っているがどうなっているのか。明け透けに申します と、別の行政機関と使われている用語が少しずれておりまして、そこをお互いに正確に しようとするために、似たような言葉が多数、同じ報告書の中で存在しているという事 態が起きております。それは、きちんと一義的な明確な文章にして、また、今、山本委 員から御指摘いただいたような文章も含めて明確にしたいと考えております。 ○鴨下座長  ほかにいかがでしょうか。  私は、仕事としてはいわゆる形態学をやってきたものですから、形が少し気になるん ですね。教育と就労をこういうふうに大きく取り上げることは、むしろ包括的な意味で 私は山本委員に賛成なんですが、ただ、「病弱」という言葉はここに要りますか。次の は「就労」となっていますので、ここはただ「教育」でも、中身は小慢の患者さんのこ とですからいいのではないかと思います。 ○山本委員  今の点です。私はさっき言わなかったんですけれども、小児慢性特定疾患の報告書に なっていますから、私もここはあえて「病弱」と入れなくて「教育」でいいと思いま す。というのは、病弱教育は1つの概念がありますので、知らない方は「病弱教育」と いう言葉がいきなり出たときに、あるいは「病弱の児童生徒」という言葉を見たときに どういう意味なんだということで、わかりにくいかもしれません。そういう意味も含め て先ほど申し上げました。具体的に、今、座長がおっしゃったように「一人一人の状況 にあった教育」というタイトルで十分だと思いますし、あえて「病弱」という言葉をこ こで使わなくても、もう内容的にこういうことだとわかると思いますので、そういう意 味でも言葉をできるだけ整理された方がいいのではないかということで申し上げまし た。 ○鴨下座長  これはよろしいですか。検討してください。  それと、ついでですけれども、ローマ数字の後に必ず何か短い文章が入っているんで すね。ところが、教育のところだけはいきなり各論で○が始まっていますので、恐縮で すけれども、何か枕詞を1〜2行書いていただくと、形としてそろうのではないかと思 います。 ○神谷委員  さっきの「病弱教育」という言葉の意味ですけれども、養護教育を受けている子ども たちによっては「病弱」という言葉は非常に嫌な言葉なんですね。また、社会からも非 常に誤解を受けるということがあって、我々もなるべくそういうことを言わないで「養 護教育」ということを言っているわけですが、是非とも今回ここは「病弱」という言葉 は外していただいた方がいい。  それから、もう一つよろしいですか。教育をやっていく上で、私は急性期の疾患と か、例えば、がんの子どもさんのように、非常に治療が込み入った場合には院内学級と いうものでいいというふうに思っております。しかし、本当に社会へつなぐ教育を子ど もたちにするには、やはり養護学校が非常に大事なんですね。養護学校で1つ超えて、 それから出ていくと強い子どもができ上がっていくということで、養護学校の教育を見 ておりますと、随分養護学校も進歩してきて変わってきて、今、一般学校よりもむしろ かなりハイレベルのことがやられております。人数も少ないし、日本で理想だと言われ ているような教育が行われていますので、やはり養護学校をしっかりして、例えば、こ この中で下から3番目のところで、「病弱養護学校と小・中学校間の転学が円滑に行わ れるよう配慮することが必要ではないか」とありますが、これは本来は、授業の進め方 というのがそれぞれでみんな違うので、やはり学期単位というか1学期とか2学期とい う単位でないとなかなか変われない。そういう子を一般学校に無理やり戻しますと、親 が希望されても実際は子どもが脱落するというようなことがあって、現場では余りうま くいかないと思いますので、こういう答申がいいのかどうかというのはちょっと私は疑 問に思うんです。やはりその辺のところは文部科学省で、今日は横田先生もおられます が、そちらで整理をしていただいて、院内学級が非常にこのごろ叫ばれて、一時期養護 学校ができたときのことがちょっと忘れられているというようなことがあるのではない かという気がしますので、小児慢性疾患の教育をやって、子どもたちが成育医療といい ますか立派に育っていくためには、養護学校の発展が働く役目は非常に大きいというこ とは、この中でしっかりうたっておかなければいけないというふうに私は思います。  以上です。 ○鴨下座長  ありがとうございました。 ○小林委員  神谷委員のおっしゃったように、養護学校の重要性というのは私も本当によく理解し ています。ただ、やはり学籍をどう選択するかという部分においては、選択の仕方とい うのは保護者の側がすべきではないかというふうに思っています。余り障害児を普通学 級へという考え方がどんどん進んでしまうと、養護学校無用論みたいなことになって、 それは私はとても反対なんですけれども、どんな学校でどんな種類の教育を受けさせた いのかというのは、あくまでも保護者が選ぶべきだというふうに思っておりますので、 そういう意味から言いますと、やはり転学、病院に入っていて、また地域に帰った場合 は、地域の小・中学校に戻れるようなそういうことがスムーズに行われるというのがい いだろうということと、一方で、まだ養護学校に対する誤解というのが非常に根強く一 般の中にあると思いますので、是非これはこういう報告書の中がいいのかどうかわかり ませんけれども、PRもしていっていただきたいなというふうに思っています。 ○鴨下座長  ありがとうございました。それぞれ御意見ですが、ほかにいかがでしょうか。  それでは、時間の関係もございますので、最後の就労のところでいかがでしょうか。 あるいは「おわりに」も含めてよろしゅうございますね。最後の結論まで含めまして、 何か御指摘、御意見がございましたらどうぞ。特に御意見ございませんか。就労の問題 は、幸い厚生省と労働省と一緒になっていただいたので、どちらの内容も書いていただ いているのだろうと思いますけれども。  それから、「おわりに」の最後の2行は大変いい言葉ですね。うまく言っていただい ていると思います。  もし、ございましたら、また後で言っていただいてもよろしいと思いますが、もう一 度全体を振り返りまして、特に御意見はございませんでしょうか。 ○高松委員  遅れて参りまして大変申し訳ありません。であるのに発言させていただいて申し訳な いと思いますが、個人的な意見として申しますと、○で書かれているもののほとんどす べての終わりの言葉が「必要があるのではないか」というふうな疑問句で終わっている んですね。これは私、メンバーとしてはちょっと不満に感じます。もう少し普通の言葉 でまとめたらいかがだろうかというふうに思います。  もう一つは、問題点が指摘されているにとどまっていることが多くて、しからば、い かなる目標を設定するのか、しからば、その目標に向かっていかなる方法論を設定する のかということ、これこそが実は大変難しかったわけで、これは難しいとは言いながら 何らかのサジェスチョンがあるといいと思ったんですが、無理でしょうか。 ○鴨下座長  まず、最初の方の「必要ではないか」という言葉の問題ですね。先生がいらっしゃる 前に大分議論がございまして、一応、皆さん納得したというか、これは論点整理をなさ るときにこういう使い方をしていただくようなんですが、これは私の個人的な理解です が、大変これは重い意味を持っておりまして、行政はそれなりに非常に責任を持ってそ のことを受け止めてやっていただけるのではないかと思っておりますが、高松委員に納 得いただくように、もう一回事務局で一言でも二言でも言っていただけますでしょう か。 ○高松委員  事務局が、この表現がいいと思われているならいいですけれども。 ○総務課長  繰り返しになりますが、省庁再編以来、国の組織、仕事のやり方が変わっているのだ と我々は思っています。従来いろいろな審議会を使って審議会の御意見ということでこ うだということで、いいにつけ悪しきつけ、悪しきにつけというのはどちらかというと 隠れみのにするということです。勿論法律で定める必要的付議事項、こういう審議会に はこういうことを諮問しなさいという審議会もありますが、旧厚生省はそれを基本的に やめた訳です。それは我々が責任を持って専門家の御意見とか患者さんとか地域の方々 に聞いて、責任を持って政策を立案し、国会あるいは民主主義の手続で選ばれた人たち と相談する。必要な予算があれば予算を計上する、法律改正があれば法律改正をする。 議院内閣制の下では、私どもが法律を提出するあるいは予算を提出する権限と義務があ るわけですから、その責任に基づいてやる。ただ、我々の知識は余りにも浅い。そうい う意味で、深い知識を持つ皆さん方あるいは現場の方々に対して、こういう意見を求め たいということでこういう検討会を開いていただいています。我々には責任がある。 今、座長がおっしゃったように、こういう御意見を承って私どもなりに現時点で、それ から、先ほど柳田先生もおっしゃいましたけれども、特に医療費という大きな資源配分 の問題として将来何ができるか、これはよく考えさせていただいて、そして、先生方と して今の時点であるいは来年度の予算になるか、その次の予算になるかわかりませんけ れども、私どもなりに考えてこういう検討会をつくっていただいたものですから、御指 摘いただいた点は十分に踏まえていきたいということでございます。先生は多分たくさ んの審議会に出られているかと思います。いろいろなやり方があると思うんですが、こ れは児童部会という別な審議会もありますが、我が局としては、これからの時代はこう したやり方を取りたいというふうに思っているわけです。 ○鴨下座長  よろしいでしょうか。高松委員の第2の論点も今の課長のお話につながると思います が、結局、この検討会では検討するだけで、具体的な提言はできても責任は持てないわ けです。責任は、やはり行政に持っていただくわけですから。 ○高松委員  要するに、問題点の指摘委員会ということですね。 ○鴨下座長  検討というのは言葉の解釈でそうなるのかと思いますが、非常に皆さん積極的に御意 見をいただいて、更に今回は、患者団体の方々のヒアリングも随分時間を掛けてさせて いただきました。しかも、お忙しい局長には毎回皆勤で出ていただいておりますので、 事務局としてはしっかり受け止めていただいたのではないかというふうに思いますが。 ○山本委員  先ほど座長の方からVIの「一人一人の状況にあった教育」のところに前書きがないと いうお話があったんですが、私の意見では「現状」と「課題」を分けないで、「現状」 の2つ目の○は現状というよりも1つの考え方を示していますので、この2つ目の○を 「課題」の1行目も含めて前置きとし、そして、次のような課題があるというふうにす れば、就労のところと同じような形式になるのではないかと思います。その辺は、また 検討していただければと思います。  それから、「現状」の最初の○ですが、これは御存じのとおり政令改正等を行ってい ますけれども、この2行がこの報告の中で必要かどうかということも検討していただい て、これは非常に重要なことなんですが、この報告書の中であえてこういう改正を行っ たということをここに入れる必要性があるかどうかについても検討していただければと 思いますので、意見としては「現状」の2つ目の○と「課題」の1行目を前書きにし て、そして、「現状」と「課題」と分けないで、あとは○を課題として記述していただ くと、VもVIも同じ並びになるのではないかと思います。 ○鴨下座長  よろしいですか。今のは事務局を助ける御発言だと思います。そういうふうにすれ ば、確かにすっきりいたしますね。  ほかに、あと全体的に何かお気付きの点はございませんでしょうか。  6ページの「その他の子ども」も「きょうだい」というのは漢字でどう書くかはジェ ンダーの問題と絡んで注意を要すると思いますが、兄と弟だけだと問題ですね。 ○加藤委員  平仮名で書くのが一応標準になっています。 ○鴨下座長  そうですか。それで姉妹も含むということですね。  ほかはよろしいでしょうか。  今日はひととおり報告書につきましてサーベイをさせていただきましたけれども、も し特段御意見がないようでしたら、神谷委員、久しぶりにおいでになって何か御意見が あるのではないですか。 ○神谷委員  今日の大体の流れで事務局の御意向もわかりましたけれども、最初のスタートのとき には、今後小慢の治療研究費が10%削減していくということについて、これを法制化し てきちんとしようということでしたが、しかし、それは私もすごく難しいことだなと思 いました。今までいただいておられる患者さんたち、あるいはもっとこれから欲しいと いう方もいろいろありますから、それを一遍で決めるというのは、この会で本当に決ま るのかなと思いましたけれども、今日の報告書で先ほど総務課長がおっしゃいましたよ うに、ここから先は行政と国会の仕事だというふうにおっしゃると、我々はいわゆる意 見としてお手伝いをしたということでしようがないのかなと思います。でも、もう一つ 先ほど高松委員もおっしゃいましたけれども、せっかく委員会をやってその討議の中 で、また、患者さんの御意見もいろいろお聞きしているわけですから、調査としてこう いうことをきちんと調べて、こういうふうな方向でやりなさいというようなことは、今 後もまたこれに基づいて委員会ができて検討されるのかもしれませんが、せっかくこう いう専門の先生方もお集まりになったところで、もうちょっと前向きにいかないかなと いうことは私の感想としては持っているんです。しかし、そういうことがこの委員会の 役目でないというお話であれば、やむを得ないなと思います。 ○鴨下座長  役目かどうかは別として、意見は大いに言っていただきたかったわけです。でも、大 体言われたのではないですか。  小林委員は何かないですか。 ○小林委員  全く神谷委員のおっしゃるとおりだと思います。私自身はちょっと欲求不満でおりま して、もうちょっと最初の成り立ちの動きの中から見ていくと、何かしらの示唆という ようなものが、今後こうすることが必要だとかというものになっていくと、もっといい なというふうな感じはあります。 ○鴨下座長  それは否定されたわけでは多分ないだろうと思いますので、あとはお任せするという ことでしょうか。  柳田先生には、途中からいろいろ御意見をいただきましたけれども何かございます か。 ○柳田委員  できれば関連情報の収集と開示ということで、もう少しはっきりしてもらえればと思 います。  それから、いろいろな課題がまだこの小慢に関しては出てくるわけですから、私とし ては、予算配分について十分整理をしていただいた上で、もう少し議論を深めていただ きたいと思います。 ○鴨下座長  柳澤委員は、成育医療センターは何か責任が重そうですけれども。 ○柳澤委員  先ほど鴨下座長が言われたネットワークですけれども、政策医療としての国立病院・ 療養所を結ぶ成育医療の狭い意味のネットワークのほかに、全国の小児病院ですとか自 治体、それから、大学病院や地域の医療機関も全部含めた非常に広範な成育医療にかか わるネットワークを構築しなければいけないというのは、成育医療センターの情報発信 の機能としてうたわれておりますし、それを今進めていこうとしております。  それと、この取りまとめですけれども、今までの検討会で出た非常に多様な意見をよ くこれだけ網羅的にまとめてくださったという点は、感心しております。神谷先生、小 林先生、高松先生などのおっしゃった意見については、確かにそういう思いが全然ない わけではないですが、これから特に小児医療の専門の人たちが、疾患とその適用の基準 というようなことを、もう少し突っ込んで議論されていくのではないかと思います。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  南委員は何かございますか。 ○南委員  遅れて参りまして申し訳ございません。  私も、もうちょっと具体的に踏み込んだものが出るのかなという印象は持っていたん ですが、今までの議論を振り返りまして、また、患者団体の方々の声などを全部踏まえ て、結果をまとめようと思うと、具体的な目標設定が非常に難しいことだと思います。 その意味では、これだけのものにまとめていただいたことは評価すべきであり、1項目 ずつが非常に重いことと受け止められるわけです。 最後に書かれた「慢性疾患を抱える子どもとその家族の幸せのために尽くすことを期待 する」という言葉にこの報告書の精神は尽くされていると思います。もし、できること であれば、よくこういう報告書には継続して審議していくとか、いついつ見直しをする というようなことが盛り込まれますので、そういう言葉が入ればよろしいのかと思いま す。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  最後の言葉はたしか途中にどこか入っていたような気がしますが、違いましたか。事 務局の補佐は、土曜、日曜返上で夜中まで掛かっていろいろまとめていただいたようで すから、本当に大変な作業だったのではないかと思います。でも、これも最後の案とい うかたたき台で、もう少し手を入れさせていただくことになると思いますが、そろそろ 時間もまいりましたので、今後のスケジュールについて、事務局から御報告いただけま すでしょうか。最終的なまとめは座長と事務局で、課長と相談させていただいて、また 是非、皆様方にあらかじめ見ていただくようにしたいと思っております。事務局から今 後の予定をお願いできますか。 ○森本補佐  報告書の確定に向けてのスケジュールを御説明申し上げます。  本日、御意見をいただいたところでございますが、まだ各委員におかれましては追加 の御意見等があるかと思いますので、その場合は事務局までお願い申し上げます。  今後、本日の御意見、御議論と追加でいただいた御意見を踏まえまして、更に熟度を 高めました報告書案を作成しつつ、事務局と委員との一対一のやりとりで報告書の最終 案を作成して、それを基に次回の検討会で報告書を確定したいと考えておる次第でござ います。詳しくは後で申し上げますが、できるだけ次回として予定しております6月21 日金曜日に報告書確定をしたいと考えておりますが、意見調整、その他の事情によりま して時間が掛かる等の場合は、次回の日程を延ばすこともあるかもしれないと考えてい る次第でございます。  それから、今、御要望がございまして、必要な資料等がある場合は事務局の方に御遠 慮なく御連絡くださいませ。お送りいたします。 ○鴨下座長  それでは、今後のスケジュールにつきまして、何か御意見ございますか。特になけれ ば、これをもちまして本日の検討会は閉会にさせていただきます。  事務局から更に何か通知がございますか。 ○森本補佐  次回の第10回の日程と場所でございますが、一応6月21日の金曜日、15時30分から17 時30分。場所は、厚生労働省17階専用第21会議室を予定しております。 なお、これにつきましては、先ほども申しましたように、変更がある可能性がございま すので、その場合は追って至急連絡申し上げます。  以上でございます。 ○鴨下座長  どうもありがとうございました。                    照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課                    03−5253−1111(代)                         森本(内線:7941)                         宮本(内線:7940)                         桑島(内線:7933)