資料 訓練基準の見直しの方向性について スライド1 訓練基準の見直しの方向性(案) ・介助犬・聴導犬の訓練基準の見直しについては、身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会において議論を行ってきたところであり、さらに検討会の下にワーキンググループを設置して具体的な検討を行うこととした。 ・前回のワーキンググループにおいては、介助犬・聴導犬の訓練基準の主な論点について幅広くご意見を伺ったところ。 ・これまでのあり方検討会やワーキンググループにおける議論を踏まえると、介助犬・聴導犬の訓練基準の見直しについては、次の事項について具体的な検討を進めていくことが適当と考えられる。 <具体的な検討事項(案)> 1使用者のニーズの把握について 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む) 3訓練日数について ・これらについて、以下のような方向性が考えられるが、どうか。 スライド2 1使用者のニーズの把握について① <主なご意見> ○使用希望者は補助犬によりどのような生活、社会参加をするかという視点が不足。 ○使用者と事業所の連携が不十分。使用側のニーズが伝わらないと、実働数も増えない。 ○使用者のニーズを捉え、どのような生活を構築するか等、目的を明確にしたアプローチが必要ではないか。 ○アセスメントに関する研修やアセスメントシートの活用など、使用者のニーズを把握できる体制の構築が必要ではないか。 ○使用者が補助犬を使用することによる自立や社会参加に関する達成目標の基準は、明確にする必要がある。加えて、犬と暮らすことによる心理的効果などをどの程度加味すべきか議論してはどうか。 ○最初の段階でその人が何を求めているのか見極める必要があるので、インテークできる専門職が関わっていく必要がある。 ○ニーズを適切に把握できるよう、補助犬希望者と面接する際は、訓練士だけでなく専門職も同席することにしてはどうか。 ○その人に寄り添った支援を行うためには、チームとして支援していくことが適当であり、指定法人にも相談に入ってもらってはどうか。 <現状> ○訓練事業者は、介助動作・聴導動作訓練については、使用者の障害とニーズについての正しい評価に基づいて行うこととされ、合同訓練についても、使用者の障害やニーズに合わせた訓練を行うこととされている。 また、使用者のニーズ評価や犬の適性評価等は、育成団体のみで行うのではなく、内容に応じて専門的知識を有する者とともに行うこととされている。 ○これに関し、使用者の障害やニーズ等の把握は各訓練事業者で行われており、適性評価については、過半数の事業者で利用相談時に行われている一方、候補犬とのマッチングの際に行われている場合もある。 ※身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会及び訓練基準の見直しに係るワーキンググループにおける意見をとりまとめたもの。(訓練事業者・指定法人へのヒアリング(R3.1実施)結果を含む) ※下線部は、第1回訓練基準の見直しに係るワーキンググループから追加した内容。 スライド3 1使用者のニーズの把握について② グラフ 利用者の適性評価について 介助犬使用希望者について把握する内容(N=11) 基本属性 あり91% 無回答9% ※基本属性とは年齢、性別、家族構成等 障害の内容・程度 あり91% 無回答9% 生活環境 あり91% 無回答9% 身体障害者補助犬に対する理解 あり91% 無回答9% 身体障害者補助犬に対するニーズ あり91% 無回答9% グラフ 聴導犬使用希望者について把握する内容(N=10) 基本属性 あり100% ※基本属性とは年齢、性別、家族構成等 障害の内容・程度 あり100% 生活環境 あり100% 身体障害者補助犬に対する理解 あり100% 身体障害者補助犬に対するニーズ あり100% 【出典】身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方に関する調査研究(令和3年度障害者総合福祉推進事業:社会システム株式会社)<速報> グラフ 適正評価を行うタイミング(介助犬・聴導犬共通)(N=22)(複数回答) 利用の相談があった際64% 候補犬とマッチングを行う際32% その他14% 無回答23% 【出典】身体障害者補助犬の訓練・認定の実態に関する調査研究(平成30年度障害者総合福祉推進事業:みずほ情報総研株式会社) スライド4 1使用者のニーズの把握について③ <方向性(案)> ○その人が目指す生活を実現するために、よりその人に寄り添った支援を行っていく観点や、補助犬を希望している場合であっても補助犬以外の方法も含めた多様な支援を検討していくことが重要と考えられること等を踏まえ、利用相談時に使用者のニーズを適切に把握することが適当であることを明確化してはどうか。 ○また、専門職が関与することで、その人の潜在的なニーズを適切に引き出し、目指す生活の実現に資すると考えられるが、必ずしも訓練事業者には専門的知識を有する者が網羅的に配置されていないことや、訓練終了後の認定申請手続きに円滑につなげていくことによって早期の社会参加に資すると考えられることに鑑みると、認定申請予定の指定法人も必要に応じて関わっていくことが望ましいと考えられるが、どうか。 スライド5 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)① <主なご意見> ○希望者のケースによっては、実際の使用に至るまで一定の時間を要するケースもあることから、円滑に利用できるようにするため、マッチングや利用期間等に関する一人一人の長期的な計画書を策定すべき。 ○育成の段階で長期的計画を提示し、認定後のフォローアップでも長期計画を使用者と共有するなど、引退の時期を認識できるようにしてはどうか。個別ケースについてきめ細かなマッチングや利用期間等、長期的な計画書の策定が重要ではないか。 ○生命倫理の観点からも使用期間や引退の時期等について適切なルールを定めることが必要ではないか。 ○獣医師等専門家を含めて、補助犬関係団体で引退時期等について検討してはどうか。 ○犬やユーザーの状況などに応じてケースバイケースなので、明確にする必要はない。 ○ある程度の基準を設けておかないと、犬が高齢になっても同伴することになりかねない。 ○フォローアップがどのように行われているか、実態把握が必要ではないか。 ○フォローアップの内容や頻度等、ガイドラインやマニュアルで定めるべきか。 ○家族や地域住民、学校や職場からの情報も必要ではないか。 ○利用者の動作能力や補助犬の使用状況等について、訓練士だけではなく、リハビリテーション専門職の参加ができればより効果的なフォローアップにつながるのではないか。 ○フォローアップの中で、ユーザーの生活状況の変化等と合わせて犬の健康状態等も確認して交替時期を見極めていく必要がある。 ※身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会及び訓練基準の見直しに係るワーキンググループにおける意見をとりまとめたもの。(訓練事業者・指定法人へのヒアリング(R3.1実施)結果を含む) ※下線部は、第1回訓練基準の見直しに係るワーキンググループから追加した内容。 スライド6 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)② <現状> ○補助犬の引き渡し後は、使用者の障害やニーズの変化等に応じた継続的な訓練のほか、リタイア時期に関する相談・指導を行うこととされ、最低1年に1回(最初の1年目は2から3ヶ月毎)、利用者に状況報告を求めることとされている。 ○フォローアップの多くは、訓練士が書面や電話等で補助犬の健康状態や動作の状態、追加訓練の必要性などのほか、使用者のニーズの変化等を中心に確認が行われており、使用者から相談等があったときに行われることもある。 ○補助犬のリタイア時期については、基本的には、フォローアップや使用者から相談を受けた際に判断しているが、10才を目安としている訓練事業者が一定程度ある。 ○フォローアップの頻度は、2年目以降は減少するものの、必要に応じて柔軟に行われている。 スライド7 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)③ グラフ フォローアップの実施者 介助犬 フォローアップに携わる人(N=11) 補助犬の訓練士73% 訓練士以外に補助犬育成に携わった人45% 特に決まっていない18% その他18% 聴導犬 フォローアップに携わる人(N=10) 補助犬の訓練士90% 訓練士以外に補助犬育成に携わった人50% 特に決まっていない10% その他0% 【出典】身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方に関する調査研究(令和3年度障害者総合福祉推進事業:社会システム株式会社)<速報> グラフ フォローアップの方法、内容 フォローアップの方法(介助犬・聴導犬共通)(N=22)(複数回答) 書面や電話、面談等により確認73% 使用者からの相談・報告があった場合に確認55% 確認していない0% 無回答14% フォローアップをしている場合の確認内容(介助犬・聴導犬共通)(N=19)(複数回答) 使用者の障害やニーズの変化79% 環境の変化74% 犬の基礎動作や介助動作の状況84% 犬の健康状態、作業状況95% 補充訓練や追加訓練、再訓練に対するニーズ95% 使用者の社会参加の状況74% その他5% 無回答0% 【出典】身体障害者補助犬の訓練・認定の実態に関する調査研究(平成30年度障害者総合福祉推進事業:みずほ情報総研株式会社) スライド8 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)④ グラフ 補助犬のリタイア(引退)の時期について 介助犬(N= 11) 引退時期の目安 年齢の上限を設定73%→年齢の上限 10才75% 10才から11才25% 使用者から相談を受けたときに判断55% フォローアップで確認して判断73% 特に決めていない9% 無回答9% 聴導犬(N= 10) 引退時期の目安 年齢の上限を設定70%→年齢の上限 10才57% 10才から12才43%      使用者から相談を受けたときに判断80% フォローアップで確認して判断90% 特に決めていない10% 無回答0% 【出典】身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方に関する調査研究(令和3年度障害者総合福祉推進事業:社会システム株式会社)<速報> スライド9 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)⑤ グラフ フォローアップの頻度 介助犬(N=11) 1年目 1ヶ月に1回実施9% 2ヶ月に1回程度18% 3ヶ月に1回程度27% 半年に1回程度9% その他27% 未回答9% 2年目以降 3ヶ月に1回程度9% 半年に1回程度18% その他55% 未回答18% ※2年目以降の「その他」は、年1回+必要(要望)に応じて又は半年から1年に1回。 聴導犬(N=10) 1年目 1ヶ月に1回実施10% 2ヶ月に1回程度20% 3ヶ月に1回程度20% 半年に1回程度10% その他40% 2年目以降 3ヶ月に1回程度10% 半年に1回程度20% その他60% 未回答10% ※2年目以降の「その他」は、年1回+必要(要望)に応じて又は半年から1年に1回。 【出典】身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方に関する調査研究(令和3年度障害者総合福祉推進事業:社会システム株式会社)<速報> スライド10 2利用者毎の長期計画の策定、補助犬のリタイア時期について(フォローアップ方法を含む)⑥ <方向性(案)> ○補助犬のリタイア時期については、補助犬や使用者の健康状態等に応じて判断されることになるため、一律の基準を設定することは困難と考えられる。 ○一方で、使用者は現在使用している補助犬が引退した後も、新たな補助犬の貸与を受けて補助犬との生活を継続していくことになるため、訓練事業者は、使用者の生活を長期的な視点で支援していく必要があると考えられることから、こうした視点を明確化してはどうか。 スライド11 3訓練日数について① <主なご意見> ○介助犬の訓練時間が長くかかるのではなく、聴導犬も同期間でよいのではないか。 ○介助犬は合同訓練の日数40日以上)が長すぎ、聴導犬(10日以上)は短すぎる。日数ではなく1日の上限を決めた時間数としてはどうか。 ○合同訓練の目安(現行:介助犬40日/聴導犬10日)について、期間の設定は問題ないという意見もあれば、聴導犬も同じ期間設定が必要と考える意見がある。 ○2頭目以降の合同訓練期間の短縮が可能ではないか。 ○合同訓練日数について、2頭目以降の場合は補助犬のことを理解しているので、使用者の負担軽減の観点から短縮してよいのではないか。 ○求める補助犬の姿が決まれば、どのような訓練をすればよいか自ずと決まってくるのではないか。 <現状> ○訓練日数については、訓練事業者が良質な補助犬を育成するために実施する最低の基準として、補助犬の種類(介助犬、聴導犬)ごと、訓練の段階(基礎、介助/聴導動作、合同)ごとに設定されている。 ○訓練事業者における平均的な訓練日数を見ると、多くの事業者で基準を上回る日数の訓練が行われている。 ○また、補助犬を初めて利用する場合(1頭目)と2頭目以降の合同訓練日数を見ると、2頭目以降は1頭目より少なくなっている。 ※身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方検討会及び訓練基準の見直しに係るワーキンググループにおける意見をとりまとめたもの。(訓練事業者・指定法人へのヒアリング(R3.1実施)結果を含む) ※下線部は、第1回訓練基準の見直しに係るワーキンググループから追加した内容 スライド12 3訓練日数について② グラフ 平均的な訓練日数 介助犬  基礎訓練(N=11)60日以内18% 61日から90日9% 91日から180日18% 180日超36% 無回答18% 介助動作訓練(N=11) 120日以内27% 121日から180日18% 180日超36% 無回答18% 合同訓練(N=11) 40日以内36% 41日から50日36% 50日超18% 無回答9% 聴導犬 基礎訓練(N=10)60日以内20% 61日から90日20% 91日から180日20% 180日超30% 無回答10% 介助動作訓練(N=10) 100日以内40% 101日から150日20% 150日超30% 無回答10% 合同訓練(N=10) 10日以内10% 11日から20日10% 20日超80% 無回答0% 【出典】身体障害者補助犬の訓練及び認定等のあり方に関する調査研究(令和3年度障害者総合福祉推進事業:社会システム株式会社)<速報> スライド13 3訓練日数について③ 平均的な訓練日数 基礎訓練117.2日 介助動作訓練158.9日 聴導動作訓練135.9日 合同訓練(1頭目)74.1日 合同訓練(2頭目以降)63.8日 ※回答のあった22事業者のうち無回答を除く17事業者の平均。 【出典】身体障害者補助犬の訓練・認定の実態に関する調査研究(平成30年度障害者総合福祉推進事業:みずほ情報総研株式会社) スライド14 3訓練日数について④ <方向性(案)> ○2頭目以降の場合、それまでの経験の蓄積により、初めて補助犬を使用する場合に比べて補助犬に対する理解が深いと考えられることから、使用者の負担軽減も考慮し、2頭目以降の合同訓練日数を訓練事業者の判断で短縮することを可能にしてはどうか。