資料1?1 障害者による文化芸術活動の推進状況等について 令和8年2月 文化庁 (1ページ目) 令和7年度「障害者の文化芸術活動の実施状況調査」 〇概要 ・調査目的:全国の障害児・者の文化芸術活動(鑑賞及び鑑賞以外)の実施状況やニーズを把握し、今後の施策の検討のための 基礎情報を得ることを目的とする。 ・調査対象:男女7歳以上(※7歳から15歳は代理回答)、障害者自身、または家族に障害者がいる人 ・実施期間:令和7年9月4日から9日 ・調査方法:インターネット調査 ・対象人数:2072人 ・調査項目:1 障害者の基本情報(障害の種類、障害福祉サービスの利用状況など) 2 文化芸術活動(直接鑑賞)の実施状況 3 文化芸術活動(鑑賞以外:創造・発表等)の実施状況 4 障害者文化芸術推進法及び基本計画の認知状況 ・その他:本調査は「障害者の文化芸術活動の実施状況調査」(令和3年度、文化庁)を参照し、一部調査項目を修正のうえ 調査を行ったものである。 ※本資料は、令和7年度「障害者の文化芸術活動の実施状況調査」の速報値に基づき作成しているため、今後修正の可能性あり。 (2ページ目) 文化芸術活動(直接鑑賞)の実施状況 〇文化芸術の直接鑑賞経験 ・2024年に文化芸術を直接鑑賞した割合は50.6%。 ・2020年のコロナ禍における割合(26.4%)からは回復している状況。 Q:2024年の1年間に、コンサートや美術展、映画、歴史的な文化財の鑑賞、アートや音楽のフェスティバル等の文化芸術を直接鑑賞したことはありますか。該当するものをすべて選んでください。 (棒グラフ) (全体 n=2072) 映画、アニメ映画、コンピュータや映像を活用したアート 29.7% 歴史的な建物や遺跡、名勝地、歴史系の博物館、民族系の博物館、資料館など 19.8% 美術 18.4% 音楽 16.7% 地域の伝統的な芸能や祭り(民俗文化財) 7.7% 生活文化 6.3% 演劇 6.2% 芸能 5.9% 舞踊 3.8% 伝統芸能 3.5% その他 0.3% 鑑賞したものはない 48.9% 本人ではないためわからない 0.5% 今回実施率 ※わからないを除く 50.6% 前回実施率(2020) ※コロナ後 26.4% 実施率(2018) ※コロナ前 42.6% (グラフ、終わり) 〇文化芸術を直接鑑賞しなかった理由 ・主な理由は、「近くで実施していない(19.7%)」、「費用がかかる(19.3%)」、「関心がない(18.9%)」。 Q:文化芸術活動を鑑賞しなかった理由はどのようなものですか。該当するものをすべて選んでください。 (棒グラフ) (全体 n=1013) 近くで公演や展覧会などをやっていないから 19.7% 入場料・交通費など費用がかかり過ぎるから 19.3% 文化芸術に関心がないから 18.9% 一緒に行く仲間がいないから 12.2% テレビ、ラジオ、CD、DVD、インターネットなどにより鑑賞できるから 10.8% 魅力ある公演や展覧会などが少ないから 10.7% バリアフリー対策がされているかどうかの情報が入手できないから 7.3% 周りに迷惑がかかるから 6.1% エレベータやスロープの設置、車いす席の確保等、バリアフリー対策が不十分だから 5.2% 送迎サポートがないから 4.7% 文化芸術を鑑賞する時間がなかなかとれないから 4.3% 公演や展覧会などの情報が入手できないから 2.5% 公演や展覧会などが人気で、チケットの入手が困難だから 1.7% 字幕表示等の鑑賞サポートが不十分だから 0.8% 夜間に公演や展覧会などが行われないから 0.7% その他 6.6% 特に理由はない34.4% 本人ではないためわからない 0.1% (グラフ、終わり) (3ページ目) 文化芸術活動(直接鑑賞)の実施状況 〇直接鑑賞のしやすさ ・4年前(2021年頃)と比較して、「以前より直接鑑賞しやすくなった」人は全体で24.1%。「あまり変わらない」が36.4%。 Q:4年前(2021年頃)と比較して、障害のある方にとって文化芸術を直接鑑賞することは、以前よりもしやすくなったと感じますか。 (棒グラフ) (全体 n=2072) 以前より、直接鑑賞しやすくなった 10.0% 以前より、ややしやすくなった 14.1% (「しやすくなった」は合わせて24.1%) あまり変わらない 36.4% 以前より、ややしにくくなった 3.7% 以前より、直接鑑賞しにくくなった 2.5% よくわからない 31.9% 本人ではないため、判断できない 1.2% 鑑賞しやすくなった・計 24.1% 鑑賞しにくくなった・計 6.2% (グラフ、終わり) 〇直接鑑賞がしやすくなった要因 ・「車椅子席や多目的トイレなど、障害に配慮した設備が整っていた(50.9%)」、「出入口や館内の段差がなく、スロープやエレベーターなどでスムーズに移動できた(39.5%)」、「スタッフの方の配慮が行き届いていて、安心して快適に鑑賞できた(34.7%)」 Q:前問で「以前より、直接鑑賞しやすくなった」「ややしやすくなった」とお答えの方にお伺いします。障害のある方が文化芸術を直接鑑賞しやすくなったのは、どのような点によると思いますか。該当するものをすべて選んでください。 (棒グラフ) (全体 n=500) 施設のハード整備 車椅子席や多目的トイレなど、障害に配慮した設備が整っていた 50.9% 施設のハード整備 出入口や館内の段差がなく、スロープやエレベーターなどでスムーズに移動できた 39.5% 人的・心理的バリアフリー スタッフの方の配慮が行き届いていて、安心して快適に鑑賞できた 34.7% 鑑賞サポート 鑑賞しやすい時間帯や座席への配慮がなされていた 30.9% 情報発信 施設や公共交通機関から発信される情報がよく配慮されたものだった 27.5% 鑑賞サポート 介助者の同伴や移動支援のサービスがあった 26.4% 障害者作品の発表機会 障害のある方による作品の展示・公演などを目にする機会が増えた 24.8% 情報保障 日本語字幕、手話通訳、音声ガイド、ヒアリングループなどが利用できた 21.2% 情報保障 内容理解を助けるための事前説明会や資料などが提供されていた 19.2% 活動内容の充実 障害のある方向けの鑑賞プログラム(ワークショップ付き、少人数制など)が用意されていた 16.4% 学校での鑑賞機会 小・中学校や特別支援学校などで、鑑賞機会が提供されることが増えた 15.3% 地域ネットワーク 地域の文化芸術団体や福祉施設、行政などで、鑑賞に関する相談やアドバイスを受けられた 13.7% その他 0.5% あてはまるものはない 3.5% (グラフ、終わり) (4ページ目) 文化芸術活動(鑑賞以外)の実施状況 〇鑑賞以外の文化芸術活動の実施経験 ・2024年に鑑賞以外(創作・発表等)の文化芸術活動を行った割合は15.3%。 ・2020年のコロナ禍における割合(11.2%)からは回復している状況。 Q:2024年の1年間に、鑑賞以外に、下記のような文化芸術活動を実践したり参加されたことはありますか。行ったものをすべて選んでください。 Q:前問でお答えいただいた、鑑賞以外の文化芸術活動について、どのように実践・参加されましたか。それぞれ該当するものをすべて選んでください (棒グラフ) (全体 n=2072) 創作活動をした 11.9% 発表をした 4.6% その他の活動をした(ボランティア・支援活動など)1.0% 特に行っていない 84.8% 本人ではないためわからない 0.6% 今回実施率 ※わからないを除く 15.3% 前回実施率(2020) ※コロナ後 11.2% 実施率(2018) ※コロナ前 16.3% (グラフ、終わり) 〇鑑賞以外の文化芸術活動を実施しなかった理由 ・主な理由は、「経済的な余裕がないから(18.5%)」、「文化芸術活動に関心がないから(16.4%)」、「時間がないから(11.5%)」 Q:2024年に鑑賞以外の文化芸術活動を行わなかった理由はどのようなものですか。理由となるものをすべて選んでください。 (棒グラフ) (全体 n=748) 経済的な余裕がないから 18.5% 文化芸術活動に関心がないから 16.4% 時間がないから 11.5% 一緒に活動する仲間がいないから 8.5% 関心がある文化芸術活動が身近な場所で行われていないから 7.9% 他の活動で充実しているから 6.8% バリアフリー対策がされているか否かの情報が入手できないから 6.1% 活動のためのスキル・技能を習得するのが困難だから 6.0% 情報が入手できないから 5.3% エレベータやスロープの設置、車いす席の確保等、バリアフリー対策が不十分だから 3.3% 送迎サポート、手話通訳、音声ガイド、点字による資料提供などのサポートが不十分だから 0.9% その他 0.6% 特に理由はない 45.9% 本人ではないためわからない 0.2% (グラフ、終わり) (5ページ目) 文化芸術活動(鑑賞以外)の実施状況 〇鑑賞以外の活動のしやすさ ・4年前(2021年頃)と比較して、「以前より実践・参加しやすくなった」人は全体で22.3%。「あまり変わらない」が36.0%。 Q:4年前(2021年頃)と比較して、障害のある方にとって鑑賞以外の文化芸術活動(創作・発表・交流など)の実践や参加することは、以前よりもしやすくなったと感じますか。 (棒グラフ) (全体 n=2072) 以前より、実践・参加しやすくなった 8.4% 以前より、ややしやすくなった 13.9% (「しやすくなった」は合わせて22.3%) あまり変わらない 36.0% 以前より、ややしにくくなった 2.9% 以前より、実践・参加しにくくなった 3.3% よくわからない 34.1% 本人ではないため、判断できない 1.5% 実践・参加しやすくなった・計 22.3% 実践・参加しにくくなった・計 6.2% (グラフ、終わり) 〇鑑賞以外の活動がしやすくなった要因 ・「福祉施設で、作品をつくったり発表する場があった(22.1%)」、「自分の作品を、くわしい人に見てもらって、しっかり評価してもらえた(20.9%)」、「地域の施設や団体に、創作や発表のことを相談できる場所があった(20.7%)」 Q:問で「以前より、実践・参加しやすくなった」「ややしやすくなった」とお答えの方にお伺いします。障害のある方が、鑑賞以外の文化芸術活動(創作・発表・販売・交流など)について、実践、参加しやすくなったと感じた理由をすべて選んでください。 (棒グラフ) (全体 n=461) 活動機会の拡大 福祉施設で、作品をつくったり発表する場があった 22.1% 支援・ネットワーク体制 自分の作品を、くわしい人に見てもらって、しっかり評価してもらえた 20.9% 支援・ネットワーク体制 地域の施設や団体に、創作や発表のことを相談できる場所があった 20.7% 活動機会の拡大 地域の文化芸術団体などで作品をつくったり発表することができた 20.0% 活動機会の拡大 美術館や劇場などで、作品をつくったり発表できる場があった 17.2% 活動の成果に関する支援 自分の作品のルールや権利(著作権など)が守られていると感じた 17.0% 活動の成果に関する支援 作品を売ったり、管理してもらえるサポートがあった 16.9% 活動機会の拡大 学校で作品をつくったり発表する機会があった 14.3% その他 0.9% あてはまるものはない 36.1% (グラフ、終わり) (6ページ目) 合理的配慮の状況/法律・計画の認知状況 〇合理的配慮を求めた経験 ・直接鑑賞における合理的配慮を求めた割合は32.8%。 Q:文化芸術活動を直接鑑賞するにあたり、文化施設等に対して、いわゆる「合理的配慮※」を求めたことはありますか。※「合理的配慮」とは、障害のある方から、社会的障壁(社会の中にあるバリア)を取り除いてほしいという意思が示されたときに、行政機関等や事業者がその人の特性や状況に合わせて調整したり変更したりする対応のことを指します。 (帯グラフ) (全体 n=1048) ある 32.8% ない 67.2% (グラフ、終わり) 〇適切な合理的配慮の経験 ・求めた合理的配慮について、適切な対応がとられた割合は87.1%。 Q:前問で「ある」と答えた方にお伺いします。求めた合理的配慮について、適切な対応がとられましたか。 (帯グラフ) (全体 n=344) ある 87.1% ない 12.9% (グラフ、終わり) 〇法律の認知状況 ・障害者文化芸術推進法の認知率は16.9%。 Q:文化芸術活動を通じた障害者の個性と能力の発揮及び社会参加の促進を図ることを目的とする、「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律(障害者文化芸術推進法)」について知っていますか。 (帯グラフ) (全体 n=2072) ある 16.9% ない 83.1% (グラフ、終わり) 〇計画の認知状況 ・障害者文化芸術活動推進基本計画の認知率は15.4%。 Q:障害者文化芸術推進法に基づき、関係する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定された「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画」について知っていますか。 (帯グラフ) (全体 n=2072) ある 15.4% ない 84.6% (グラフ、終わり) (7ページ目) (参考)地方公共団体における計画策定状況 ○地方公共団体における「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」に基づく計画の策定状況 (表) 以下、数値は策定済団体数、パーセントは策定率 令和6年10月1日時点 都道府県 41 策定率87.2% 政令指定都市 13 策定率65.0% 中核市 30 策定率48.3% その他市町村 157 策定率9.4% (参考)令和5年10月1日時点 都道府県 36 策定率76.6% 政令指定都市 12 策定率60.0% 中核市 26 策定率41.9% その他市町村 125 策定率7.5% (表、終わり) (表)(参考)都道府県、政令指定都市における計画の位置づけ ・単独の計画として策定:千葉県、滋賀県 ・文化政策の計画の一部に位置付け:岩手県、宮城県、山形県、茨城県、静岡県、京都府、島根県、福岡県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県、仙台市、川崎市、堺市、神戸市 ・障害者施策の計画の一部に位置付け:青森県、秋田県、福島県、群馬県、富山県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県、奈良県、鳥取県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、熊本県、大分県、千葉市、横浜市、名古屋市、岡山市 ・文化政策と障害者施策の両方の計画に位置付け:北海道、栃木県、埼玉県、神奈川県、高知県、札幌市、相模原市、静岡市、京都市、福岡市 (表、終わり) 出所:文化庁「令和6年度地方における文化行政及び令和5年度文化関係経費の状況について(令和7年5月)」に基づき作成 (8ページ目) まとめ 1.調査結果について ・全国の障害者の文化芸術活動(鑑賞及び鑑賞以外)は、概ねコロナ禍以前の状況に回復している。(特に鑑賞についてはコロナ禍以前より多くの方が行っている) ・鑑賞に関しては、文化施設における設備が整っていることや、スタッフの配慮が行き届いていることなどを理由として直接鑑賞を行う方が増え、 昨今のバリアフリー推進や改正障害者差別解消法の施行に伴う合理的配慮の義務化などにより、社会全体として環境整備が進んでいることが伺える。 2.今後の課題 ・一方で、文化芸術活動の実施にあたっては、関心の低さや近くで実施していないなど、環境的ハードルや経済的ハードルが課題として挙げられていることから、これらに対する支援策の在り方について、今後の検討課題と考えられる。