令和7年度 厚生労働省 障害者等のICT機器利用支援事業 第3回 ICT利用支援会議 【テーマ: 開発企業から学ぶICT機器/地域資源の発掘】 * 日時 2025年 12月12日(金)9:30-12:00 オンライン開催(Zoom) * テーマ詳細 テーマ:開発企業から学ぶICT機器/地域資源の発掘 オブザーバー: * 日本福祉大学 工学部 教授 渡辺 崇史 様 登壇者: ・ ダブル技研株式会社 取締役/福祉機器事業部 部長 堀込 貴嗣 様 ・ テクノツール株式会社 代表取締役 島田 真太郎 様 ・ 有限会社オフィス結アジア 代表取締役 高橋 宜盟 様 グループワーク・ファシリテーター: ・ 特定非営利活動法人 滋賀県社会就労事業振興センター 平岡 章博 様 ・ 東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター先端医療情報技術研究部 高橋 宜盟 様 ・ 日本体育大学 体育学部 竹内 麻子 様 (厚生労働省) * 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 室長補佐 吉元 信治 様 * 内容 1. 開会挨拶 2. 事例共有 * 事例@ダブル技研株式会社の取組み * 事例Aテクノツール株式会社の取組み * 事例B有限会社オフィス結アジアの取組み 3. グループワーク 4. 連絡事項・閉会挨拶 * 議事概要 1. 開会挨拶 ○事務局(北野)   本日は、お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。  これより、令和7年度?厚生労働省?障害者等のICT機器利用支援事業、「第3回ICT利用支援会議」を開催いたします。本日の会議は、「開発企業から学ぶ?ICT?機器/地域資源の発掘」をテーマとさせて頂いております。  私、本日の司会進行を務めますICTサポートセンター連携事務局 NTTデータ経営研究所の北野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。 本日の資料を確認させて頂きます。 事前にメールにてお送りいたしました資料をご確認ください。 00_第3回 ICT利用支援会議 プログラム。  01_資料1_事例紹介@ ダブル技研株式会社の取組み。 02_資料2_事例紹介A テクノツール株式会社の取組み。 03_資料3_事例紹介B オフィス結アジアの取組み。 04_資料4_グループワークについて。  本日は、文字通訳と手話通訳を手配しております。 事前に表示方法のマニュアルを送付させて頂きましたが、簡単にご説明させていただきます。 文字通訳:チャットいたしましたとおり、URLをクリック頂きますと別ブラウザより文字通訳を閲覧頂くことが可能でございます。  手話通訳は、本日お二方に入っていただいています。 事前にご連絡いただいた方には、マルチピンの許可をいたしますので、手話通訳のお二人をピン留めしていただきますと常時画面上に表示されるようになります。 なお、15分ごとに交代いたしますので、手話をしていない方は画面がオフになります。  また、出席確認及び意見交換のグループ分けの為に、Zoomの表示名は、「ご所属(センター名または自治体名)+名前」として頂けますようお願いします。  本日グループに分かれて意見交換を行うため、表示名にアルファベットを追記させていただきます。 予めご了承ください。  なお、本日の会議の様子ですが、本事業の報告書作成のために録画を撮らせていただきますので、ご了承くださいませ。  続きまして、本日のオブザーバーと登壇者の方をご紹介いたします。 恐れ入りますが、ご紹介させていただいた後、一言ご挨拶いただけますでしょうか。  オブザーバー日本福祉大学?工学部?工学科?教授、渡辺?崇史(わたなべ?たかし)様。 〇渡辺  日本福祉大学工学部の渡辺です。今日は多くの事例紹介とディスカッションがありまして、楽しみにしています。よろしくお願いします。 2.事例共有 ○事務局(北野)  それではプログラムを進めさせていただきます。 本日は9:30〜10:30を事例共有、10:30〜12:00をグループワークとして2部構成で進めさせていただきます。 今回は3つの事例についてお話いただき、最後にまとめて質疑の時間をとっております。 2-1 事例@ダブル技研株式会社の取組み  まず初めに、ダブル技研株式会社?堀込?貴嗣様より、ダブル技研株式会社の取組みについてご紹介頂きます。 堀込様、よろしくお願い致します。 〇堀込?  おはようございます。ただいま紹介にあずかりましたダブル技研株式会社の堀込です。どうぞよろしくお願いします。  弊社は、重度障害者用意思伝達装置を約30年にわたって取り扱っています。国内で唯一全製品、全メーカーの取り扱いの導入支援を行っております。  我々は神奈川の座間市に事業所を構えていますが全国に約30社程度の協力会社ネットワークを有していますので、行政の運用、支援の体制、情報量の地域差を把握できる状況にあります。  本日は全国で実践を通じて見えてきた確かな傾向と、なぜ地域差が生まれるのか、そしてそれがどういう課題になっているかをお話しさせていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。  1番目、今回の目的として、重度障害者用意思伝達装置の導入で、支援のプロセスが大変重要だということになります。 2番目として、支援者および自治体の情報がしっかりしているかどうか把握すること。 3番目に、利用者側が納得して選択できる仕組みを考えることが目的としました。  そもそもですが、重度障害者用意思伝達装置というのは、2種類あります。1番目として文字等走査入力方式、2番目として、生体現象方式というものになります。1番目は文字を起こしてコミュニケーションをとる。2番目は、YES、NOそれだけをコミュニケーションツールとするもの。  この2種類に分かれています。  文字等走査入力方式の代表的な機種として、、唯一の専用機で取り扱いが比較的簡単な機種。主に会話のみでご利用される方、パソコンが不慣れな方で選ぶ場合や。外出先での使用を優先される方などに選ばれています。  次にこちらがパソコンベースの機種になります。  視線入力装置に対応が可能で。主に重度障害者用意思伝達装置を導入される方は、ALSというご病気の方が多いです。  最後まで動くのが視線になるので、視線入力を視野に入れている方はこちらを選ばれる方が多いです。パソコンベースなので、メール等のコミュニケーションを望む方。文字盤などのカスタマイズもできるようになっています。  こちらが生体現象方式の装置の意思伝達装置です。  先ほどご案内、ご紹介させていただいたものが、いよいよ使えなくなってしまった、完全閉じ込め状態の方がこちらの機種を選定されます。 YES、NOのみでコミュニケーションをとる機器になります。  利用者のニーズの把握。今ご紹介させていただいた機種の選定にあたって、チェック項目、要はヒアリングを重要視します。  チェック項目とその順番、利用者本人ができる動作は何か。 随意的に動かせる部位でなおかつ耐久的に操作できる部位はどこか、要は疲れない部分はどこなのか、 利用者本人や支援者のパソコンのスキルはどうなのか。 導入したのはいいですが、支援者のスキルが低いことで使えないことも多々あります。 本人がしたいことはなんなのか、メールなどの希望はあるのか、会話のみをしたいのか、そのような形で先程の機種選定を行います。  本人へのヒアリングと、実機の確認がきわめて重要になります。 そこで、一番重要になるのは、入力装置の選定、つまりスイッチの選定ならびにフィッティングが一番重要になります。 入力スイッチの設定がうまくいかないと、意思伝達装置を操作することができません。 意思伝達装置の選定もできません。  新しい機種が出たからうまくいくのではないかという要望はあります。 可能性としてゼロではないですが、そもそも入力装置の選定がうまくいかないと動きません。 ・確実に使用できる部位はどこなのか ・設置が簡単か ・環境に変化対応できるか ・誤動作に対する配慮はあるか ・使用感はよいか ・本人が動作の確認ができるか ・症状の変化に素早く対応できるか  そもそもスイッチのフィッティングを知らないと、意思伝達装置は動かすことができない事をご理解ください。 現場で起きていることとして、有名な機器だけが「選ばれてしまう」。  ICTサポートセンターの活用に地域差、情報が届かず体験の機会もない。 その結果、本人に合わない機器が導入されることも多々あります。 情報が届かず、体験の機会もない。全国の支援の経験から情報量の差を感じています。 行政判断の違いとか、支援体制の格差が、利用者の選択肢を狭めてしまう現状があると感じています。 利用者に問題があるのではなく、支援の仕組み側に課題が残っている地域差、状況があるんではないかとあらためて私も思っています。  そもそも知らないのでは選べない。 本人や支援者が「知らない」ことで選択肢が狭まる。 知るすべがないのも、私が全国の販売会社、協力会社を通じて感じているところです。 知らなかったではなく選べた、を大切にしています。 情報と体験の格差をなくす、誰もが"知る"ことができる仕組みを構築すべきと思います。  私たちが30社のネットワークを持っていることによって、地域の行政の動き、支援の経験値の差、体験を日々共有しています。 地域差への対応もしていますし、各行政からの相談、全国でリアルなお声もうかがっていますし、差も感じています。 支援環境を構築できる体制が、一番望ましいと日々思っています。  大切な機器の選定について。 1つの機器のみでの検討をしない。必ず比較検討をする。5、6機種あり、全て試す必要はないが、機器の特徴を理解し、その方のニーズにあったものを比較検討すべきと思います。 1つの機器の情報しかなく導入を進めると、後に他の機種の情報が入り、なぜ教えてくれなかったのか、あっちのほうが良かったというトラブルが起こります。 多様な機種をしっかり使用し、利用者さまから選んでもらうことがベストなことと考えます。 利用者のニーズ、それに寄り添った提案を心がけています。 そのため、多様な機種を利用者に比較してもらうことが重要です。 SNSがしたい、もっと簡単なものがいい。 この機種でどのようなことをしたいかで、機器選定の重要課題にしています。 複数機種による比較検討 ・1つの機器だけで決定しない。 導入後に他製品の情報が入り、トラブルになる可能性あり、先ほど述べた理由になります。 ・多様な機種の情報を提供し、使用者に選んでもらう。 実際に触れてもらうことで、納得感と満足度がアップします。情報の強化、利用者の声をしっかりヒアリング実際に操作してもらい、比較検討をサポートできる動き・重視する機能を把握、いろいろなスイッチも含め選んでもらう。 行政や医療、支援センターの連携の強化も大切だと思っています。  利用者の声をしっかりヒアリング 実際に操作してもらい、比較検討をサポート できる動き・重視する機能を把握、ニーズに合った製品を複数提案。  メールやSNSを重視する場合 ・各機種での操作性を試してもらい、最も効率的で使いやすいものを選定。  寄り添う提案が、安心と信頼につながる提案をさせていただいております。 まとめです。  制度の目的を達成するために、現場では以下の課題解消が必要です。 ・情報提供の強化 利用者・家族・支援者が適切な情報にアクセスできる仕組みづくり。 ・多機種比較体験の標準化 比較機会の不足をなくし、最適な機器選定を可能にする。 ・スイッチ選定スキル向上の必要性 支援者のスキル差を是正し、導入後の継続利用率を向上。 スイッチ操作が上手くいかないと、意思伝達装置は動かすことができません。そもそも使用する方が原因ではなく、支援者の情報量の少なさが原因ということが多々あります。 ・医療・在宅・支援センターの連携強化 情報の途切れを防ぎ、一貫した支援体制を構築する。  利用者さまのニーズは全国共通。 使える、使えない、違いを生んでしまうのは支援者側の環境、情報量が問題になるケースが多い。 丁寧なヒアリングと比較体験、そして大切なスイッチ選定を行うことで、利用者の希望とニーズ、そして生活関係の向上につながります。  国内で多種多様な機種を扱っている弊社及び協力会社は日々このようなことに直面しています。 行政様のいろんな違いを我々にご相談いただきますが、やはり行政の考えはなかなか変えることができません。スキルの向上も変えることができません。  引き続き皆様にこのような現場をご理解いただき、活かしていただければと思っています。 もし、今後何かお困りごと、もしくはご相談ごとがありましたらご連絡ください。 ご清聴ありがとうございました。 ○事務局(北野) 堀込様ありがとうございます。 2-2 事例Aテクノツール株式会社の取組み ○事務局(北野)  続いて、テクノツール株式会社 島田 真太郎 様より、テクノツール株式会社の取組みについてご紹介頂きます。 島田さま、よろしくお願いいたします。 ○島田  テクノツール株式会社の島田です。 本当の可能性にアクセスするということで、重度の肢体不自由のある方にむけて、コンピューターへの入力デバイスや、アームサポートを使用し、実際にそれを使って働く場を作ろうと、就労支援事業を行っています。機器選定のポイントや課題は、今堀込様の話にあったことと近しいところがあります。  私からは具体的な事例と、その事例がどういう連携で生まれたか、情報を共有させていただきます。 ちなみに、これから事例としてお話する方は、皆さん、許可をいただいています。 われわれが提供しているのは、意思伝達装置とは違って、制度でいうと日常生活用具の情報支援用具で給付されるものになっています。  パソコンから始まり、スマホ、タブレットを多様な体の状態にある方達が、いかに効率よく目的を達成する為に操作するか、そういう操作デバイス、意思伝達装置までは必要ない方、発語はできるが、身体的に重度で特殊なデバイスが必要な方が対象になったり、意思伝達装置を使っている方でも、それを組み合わせて使うこともあります。  シーンが変われば、意思伝達装置がいいところもあれば、そうじゃない支援もあり、目的のためには意思伝達装置を使うが、違うやり方もあるよねというふうに、柔軟に選んで使ってもらう。 実際の給付のあり方は置いておきますが、本当に多様な身体状況の方がいますので、そういった幅広いニーズにこたえるため、多種多様なラインナップを揃えることを意識して事業展開しています。  彼はうちの社員でもありますが、SMAという神経疾患があり、全身の筋力が弱いです。 首周りは安定してできるので、あごの動き、顔の筋肉を使って操作できるのではないかということでやっているシーンです。 押しボタンやジョイスティック、スイッチなどの補助デバイスを使って、ゲームコントローラーも作っています。5本の指が動く人だけがゲームができるのはおかしいので、体の状態に合わせてゲームができる装置も提供しています。  先ほどの男性は筋力低下の例でしたが、脳性まひ等で付随運動がある人たちに対しては、穴が空いて指を滑り落とすとボタンが押せる、ボタン型のマウスも提供しています。 写真でいうと青いボタンが並んでいますが、これを押すと8方向にマウスカーソルが動かせ、クリック操作ができるということになっています。  これは川崎市の在宅支援の例ですが、我々としてはいろんなデバイスを提供をしています。 それらに対して押しやすい位置や高さに調整するのを在宅支援室の方々主導のもと、地域の工房さんに作ってもらいました。操作するデイバスも大事ですが、今回だとiPadをどの位置に置くかも大事になります。   これは我々が直接導入まで支援したケースですけど、都内で一人暮らしの筋ジストロフィーの方のケースです。 この方は身体的には重度ですが、とても多才な方で、ゲームも得意で、色々なことをやられている方です。 どうやって操作しているかというと、ほっぺを使っています。このケースでは両頬を膨らませてスイッチ入力できるように我々の方で作りました。左手でエアバックセンサーを使って操作しています。 足の親指、これも数ミリ動くので、センサー式のスイッチをおいています。あとは視線入力もすごく上手に使われています。こういった環境を使って先ほど申し上げたゲームをしたり、色々複雑な操作、判断を伴う操作を行っています。  次は我々で行っている就労支援事業所のケースです。 これも我々のほうで環境づくりまでしたケースです。  脳脊損の方かなと思いますが、手に麻痺があります。マウス操作は、カーソル移動は普通のがやりやすいと言っていますが、クリックは難しいとのことだったので、あいている左手でボタンを押してクリックできる環境を作りました。デモしたときはこのようにやりました。 それから右ひじ、マウスを動かす右手の置き場があったほうが楽とのことでしたので、こちらも置き場所を作って安定させることでやりやすくなりました。そういうケースもあります。 やりとりを通じて、こういう方法がいいかなと試行錯誤しながら環境を作っていきました。  彼も、うちの事業所の利用者です。彼の場合は学校側との連携をやりました。特別支援学校在籍時に入力デバイス、その先の就労についてその先の相談を受けて、こういう風にすればiPad、パソコンを使えるのではないか、という提案から入りました。   今、右手、手前にあるジョイスティックを動かしてマウス操作を行っているのと、左手の方は学校の先生がそのあたりを勉強されていて、彼に合うスイッチを作ってくれました。2つボタンがついていて、左手でクリック、もう一つで右クリックできるものを作っています。 我々としてはこういう環境にすれば彼でも、当事はiPad、今ではパソコンも操作できます。 具体的にこういう仕事ができると思うと提案しました。 細かい調整は先生がやってくださったり、ご家族も色々協力して、今は弊社の事業所で仕事をしています。  次は、民間企業同士ではありますが、作業療法士さんと連携して、重度の肢体不自由のある人たちが就労できるモデルケースを作ろうという事業を行っています。  左の方は、SMAの患者の方で、どちらかというと細かい小さな動き、すごく正確な動きをされます。 これをいかにして具体的な作業につなげていくか。今はHPを作ったり、代表者のプレゼン資料を直したり、結構高度な仕事を未経験ですが、この2か月でガシガシこなしている方です。  右の方は脳性麻痺の方で、この方も多才でIllustrator(イラストレーター)を使ったり、同じくHPを作ったり、色んなことをしていますが、ショートカットキーが使いづらいということで、ワンボタンにおきかえて、それを彼の押しやすいところに置いています。  コントロール+Cはここにあったほうがいいとか、ペーストはここがいいとか、押し続けることが難しいので、それを彼のやりやすい方法に置き換えることをやっています。 これも民間の作業療法士の方との連携で行っています。 最後スライドです。  どういうところと連携がしやすいかですが、立場によって色んな意見があると思いますが、その材料の1つとして、我々の目線からどう見えているかをお話します。  まずは適合できる人は組みやすい。 販売事業者とかメーカーが適合をやるべきではないと思っています。 専門性の問題、身体のこと、認知のこと、病気のこと、それをわかっていない人間、その専門性を持っていない人が本来適合をすべきではない。  あとはコスト負担の問題です。 我々の立場の人がものを売ってその差益でしか生活ができないので、そこに対して適合を求められると非常に苦しいというのが金銭的にもあります。  専門性の問題、コスト負担の問題、いずれにせよ最終的に被害者は本人と家族になるので、東京都のIT地域支援センターさんがまさに作業療法士さんを募集していますけど、まさにそういうことだと思います。自分たちで専門性のある適合ができるということを、制度がどうあるか関係なくやろうとしています。とはいえ、適合できる人材を確保するのは難しいということがあります。情報提供とか、いかにいい機器とつなげるかが役割になるかと思います。  そのときに予算がある、我々を呼ぶなら費用を払っていただくとか、展示なら、予算をとって買っていただくことをしてくれるとありがたい。もしくは、人を集めるということです。  何かイベントをやったりだとか、展示会をやるから来てくれとお声かけいただけますが、ちゃんと我々の機器に適した人を集めてもらえるのかが重要です。 コスト持ち出しになるので、その分を回収できないとお付き合いするのは難しいというのがあります。 全部一足飛びに解決するのは難しいと思いますが、少なくとも我々側はこういう事情で動きづらいってことをご理解いただけたらと思っています。 裏を返すと、今見せた成功事例はすごくクリアになっていて、いい関係性を築けたから今に至るということです。 以上です。 ありがとうございました。 ○事務局(北野) 島田様、ありがとうございました。 2-3 事例B有限会社オフィス結アジアの取組み ○事務局(北野) 続きまして有限会社オフィス結アジアの高橋宜盟様から取組み事例についてご紹介いただきたいと思います。 ○高橋 オフィス結アジアの高橋です。  iPadで使うコミュニケーションアプリ「指伝話」についてご説明します。普段私はアクセシビリティ・コーディネーターとして、アクセシビリティという「考え方」の教育・啓発活動も行っています。今日は「指伝話」の話を中心にお伝えします。 1. コミュニケーション支援ツール「指伝話」の概要  指伝話は、神経難病、失語症、先天性障害、重度心身障害児、緘黙、自閉症など、コミュニケーションに課題を抱える人々が、「楽しく解決できる」という動機で利用しています。  厚生労働省の担当者に確認したところ、「日常生活用具」に分類されますが、機能的には意思伝達装置と重なる部分が多くあります。制度利用という理由よりも、「やりたいことができるから」という動機で選ばれることが多いのが特徴です。  製品はアプリ単体での販売も行っており、「指伝話メモリ」は最も人気のあるカード型アプリです。ユーザー自身がコンテンツを自由に作成できます。  また、「指伝話コミュニケーションパック」という、複数のアプリとコンテンツをまとめたパッケージもあります。価格は121,000円(iPad本体別売)で、自治体の給付制度にも対応可能です。  決まったインターフェースがなく、ユーザーの能力に合わせて画面をカスタマイズできる点も特徴です。「カードを一枚選ぶ」という基本操作で、テレビ操作や会話文の再生など、さまざまな機能を実現します。  iPadの操作方法には、指でのタップ操作のほか、スイッチコントロール、音声コントロール、視線トラッキングなどがあり、これらを組み合わせて使うこともできます。  まずはスイッチ操作で自己紹介をするなど、簡単なことから始め、「触ると反応がある」という体験を通じて、絵本を読んだり、他のことに挑戦したりする意欲を引き出します。利用者の状況に応じてコンテンツを変えられることが大きな強みです。 2. アクセシビリティ支援の理念と多様な活用事例  私はアクセシビリティを次のように定義しています。  「複数の選択肢から自分の意思で選ぶことができる自由、そして、選ばなくてもよいという選択肢があることを知っている自由」。  支援者は、本人が「使いたくなる」環境を用意する役割を担います。スローガンは「大切なことは機械ではなく機会」です。  使い方にはさまざまな場面が考えられます。例えば、今日の天気を知りたい場合でも、目の前にいる人に話しかけて聞く、OK Googleに呼びかける、インターネットで調べるなど、状況や目的によって方法は異なります。これが正解という一つのやり方に決めるのではなく、いろいろな方法を選べることが大切です。  くも膜下出血後遺症の男性の例では、妻とのテレビ電話をきっかけに身体の動きが改善しました。練習を重ねることで、スイッチ操作によって妻にLINEを送れるようになりました。  また、視覚・身体障害のある少年は、聴覚を活かし、iPadが読み上げる指伝話メモリのカードによる選択肢をスイッチで選ぶことで意思を伝えたり、家電の操作ができるようになりました。 3. 支援技術の選択と支援体制の課題  意思伝達装置とiPadのような一般製品には、それぞれ長所があります。利用者の状況によって最適な選択は異なりますが、メーカーや販売事業者による情報提供にはバイアスがかかりがちです。そのため、中立的な第三者機関(例:ICTサポートセンター)による情報提供や、情報提供そのものに報酬が発生する仕組みが必要だと考えています。  特定の製品やアプリではなく、利用者と他者とのコミュニケーションを可能にする「インターフェース」そのものが本質です。それを支える人的サポートが重要になります。  アクセシビリティ機器の導入には、作業療法士などの専門家との共同作業が不可欠ですが、診療報酬制度上、時間を要する支援は評価されにくく、連携が難しい場合があります。一方で、行政が配置する専門家や、独立・起業している作業療法士とは連携しやすい傾向があります。しかし、専門資格を持たないものの、アクセシビリティ導入において重要な役割を果たすアクセシビリティ・コーディネーターのような仕事に対する報酬制度が確立していないことは、大きな課題です。  iPadのような汎用製品が普及する中で、企業は専用機でしか実現できない価値を訴求しています。支援ビジネスは、アプリ単体ではなく、周辺機器やコンサルティングを含めたパッケージ提供や、利用者の満足を短期間で実現することに価値を見出すことで成立し得ると考えられます。  アクセシビリティという「考え方」は、平たく言えば「こっちがダメなら、あっちがあるさ」ということですが、さらに「こっちができたら、あっちもできるかもしれない」というように、ポジティブに進化していきます。さまざまなケースがあるからこそ、「一緒に考える」ことが大切だと考えています。  ありがとうございました。 3.グループワーク ○事務局(北野)  続きましてグループワークに移りたいと思います。  テーマは、「地域資源の発掘」です。 テーマ:「地域資源の発掘」 ※4グループに分かれて意見交換を実施 ※主な意見は次の通り * 企業やメーカーに直接対応を依頼するのではなく、ICTサポートセンター等が事前にアセスメントや情報整理を行い、そのうえで連携することが重要であるとの意見があった。これにより、連携の質が高まり、企業側の負担軽減にもつながるとの指摘があった。 *  視覚・聴覚・肢体不自由などの当事者団体や、医療・リハビリ職、自治体・県との連携により、意思伝達や情報保障、ICT活用といった多様なニーズに対応しているとの意見があった。一方で、ICTに強い専門人材が地域に十分いないことが課題であるとの声もあった。 * ICTやアクセシビリティ機能に関する基礎知識や、必要な情報を調べて提案できる力が人材に求められるとの意見があった。また、専門職や企業が関わる際の謝金・交通費など、連携に伴う費用をどのように扱うかについて、予算化を含めた整理が必要との意見があった。 * 県域が広い地域では、訪問型支援やアウトリーチに限界があり、市町村レベルまで関係性を広げることが難しいという意見があった。そのため、地域で活動できるICTサポーターの養成や、地元人材との連携が重要であるという意見があった。 * ICT支援だけでなく、生活課題や医療・就労まで含めて対応できる連携先が不足しているという意見があった。障害の多様化・重複化が進む中で、単一分野では対応しきれないケースが増えているという指摘があった。 * センターの機能を維持・強化するためには、行政による情報提供や関係者が集まる会議体の設置、分野横断的な内部連携が必要であるという意見があった。あわせて、人材育成やアウトリーチに必要な予算を安定的に確保する仕組みが求められるという意見があった。 グループディスカッションについての主な意見は以上。 4.事務連絡・閉会 ○事務局(北野)  皆さん、本日長い時間で意見交換をしていただきましたが、活発な意見交換、ありがとうございました。最後に渡辺先生から一言いただきたく思います。 ○渡辺  今日半日、企業さんの話、意見交換ができたと思います。 感想になりますが、ICTサポートの支援の普及と教育というか、学習はセットかなと思っています。  アクセシビリティ機能に関しては、本当に必要なスキルだと思いますが、毎回同じ話をしていますが普及しません。 意思伝達装置でも素晴らしい機器がありますが、いまだに知らない人もいらっしゃる。 それを嘆くのではなくて、何度も教育や研修の機会を持つことで、機器が普及したり、利用者に届く。 普及と教育はセットだと考えていくべきです。文化にしていくというのが、ICTサポートに関わる人の勤めかなと思います。  支援の濃い、薄いはあるが、提案したいことは2つの軸で考えること、1つは、福祉制度に乗るか乗らないか。 縦軸と、専用品か一般品かの2軸で考えたときに、手薄なところがどこか考える必要があります。 おそらく制度にのって、かなり手厚く専門職や企業も関わってくるでしょうが、制度にのらない一般品は、ニーズはたくさんあるが、支援する人が少なかったりするということがあると。  ICTサポートセンターが担うのは、そこも担わなければいけないので、人作りや地域づくりを考えないといけません。  なので連携という話をグループワークであったが、連携する人も、生涯にわたる連携というか、伴奏支援的な役割も担うし、どういう専門職で関わってもらうか。あるいは支援をする人がスキルセットをもつべきか。そんな議論が次に出来たらいいと思いました。 ○事務局(北野)  渡辺先生ありがとうございました。以上で会議を修了します。  皆様、本日は、長時間のご参加、ありがとうございました。 以上 17