令和7年度 厚生労働省 障害者等のICT機器利用支援事業 第2回 ICT利用支援会議 【テーマ: 重複障害や重度障害のある方の対応について】 * 日時 2025年 9月 3日(水)10:00-12:00 オンライン開催(Zoom) * テーマ詳細 テーマ:重複障害や重度障害のある方の対応について 発表者: ・ 岐阜県身体障害者福祉協会福祉メディアステーション 上村 久美子 様 ・ 川崎市聴覚障害者情報文化センター 大西 真木 様 京谷 幸子 様 ・ 沖縄県障がい者ITサポートセンター 川田 潤 様 オブザーバー: * 日本福祉大学 工学部 教授 渡辺 崇史 様 オブザーバー:(厚生労働省) * 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 室長補佐 吉元 信治 様 * 内容 1. 開会挨拶 2. 事例共有 * 事例@岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーション * 事例A川崎市聴覚障害者情報文化センター * 事例B沖縄県障がい者ITサポートセンター 3. 意見交換 4. 連絡事項・閉会挨拶 * 議事概要 1. 開会挨拶 ○事務局(北野)   本日は、お忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。これより、令和7年度 厚生労働省 障害者等のICT機器利用支援事業 「第2回ICT利用支援会議」を開催いたします。本日の会議は、「重複障害や重度障害の方の対応について」をテーマとさせて頂いております。私、本日の司会進行を務めます、NTTデータ経営研究所の北野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  本日の資料を確認させていただきます。事前にメールにてお送りいたしました資料をご確認ください。 00_第2回 ICT利用支援会議 プログラム。 01_資料1_事例紹介@ 岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーションの取組。 02_資料2_事例紹介A。川崎市聴覚障害者情報文化センターの取組。 03_資料3_事例紹介B 沖縄県障がい者ITサポートセンターの取組。 04_資料4_意見交換について。  続きまして、本日のオブザーバーと登壇者をご紹介いたします。恐れ入りますが、ご紹介させていただいた後、一言ご挨拶いただけますでしょうか。(オブザーバー)日本福祉大学 工学部 工学科 教授 渡辺 崇史様。 〇渡辺  皆さん、おはようございます。紹介していただきました渡辺と申します。本日はオブザーバーで参加します。今回のテーマが、自治体の役割とか福祉制度との関係など、活発な議論になることを期待しています。よろしくお願いいたします。 ○事務局(北野)  岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーション 上村 久美子様。 〇上村  おはようございます。ただいま紹介にあずかりました上村です。事例紹介ということで、機会をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。 ○事務局(北野)  川崎市聴覚障害者情報文化センター 大西 真木様。京谷 幸子様。 〇川崎市聴覚障害者情報文化センター(大西)  おはようございます。 本日はよろしくお願いいたします。 〇川崎市聴覚障害者情報文化センター(京谷)  おはようございます。川崎市聴覚障害者情報文化センターの京谷です。よろしくお願いいたします。 ○事務局(北野)  沖縄県障がい者ITサポートセンター 川田 潤様。 〇沖縄県障がい者ITサポートセンター(川田)  おはようございます。沖縄県障がい者ITサポートセンターの川田と申します。本日はよろしくお願いいたします。 ○事務局(北野)  また、本利用支援会議にはオブザーバーとして、厚生労働省様にもご参加いただいております。厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課 自立支援振興室 室長補佐 吉元 信治様。  それではプログラムを進めさせていただきます。事例共有に移ります。まずはじめに、岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーションの上村 久美子様より、岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーションの取り組みについて、ご紹介いただきます。上村様、よろしくお願いいたします。 〇福祉メディアステーション(上村)  かしこまりました。よろしくお願いいたします。画面共有させていただいてよろしいでしょうか。 ○事務局(北野)  よろしくお願いいたします。 2.事例共有 2-1 事例@岐阜県身体障害者福祉協会 福祉メディアステーション 〇福祉メディアステーション(上村)  ありがとうございます。こちらの言語障害および、上下肢障害の例といたしまして今回ご紹介させていただきます。まず相談者様についてのご説明をさせていただきますと、70代の男性の方でALSになっておられる方の話です。  スマートフォンの操作が可能でありましてコミュニケーションを図っておられました。パソコンを仕事などで使っておりましたのでIT機器への抵抗感は少ない方でいらっしゃいます。  本人の希望は、ご家族や支援者の方とのコミュニケーションが取りたい。あとご家族とLINEでやりとりをしたい、できればWindowsでネット検索などできればいいなという希望でした。  最初の相談は令和5年の5月。岐阜県難病連絡会に困っている方が来るとのご依頼をいただきました。支援制度や機器の紹介など、紹介させていただいた機械はタブレット型のもの。設置型意思伝達装置はパソコンタイプのものを紹介し、付随したスイッチ類なども紹介しました。ご本人様の希望としては、意思伝達装置、パソコン型の意思伝達装置を希望されました。腕に力が入らなくなってきているので、できれば視線制御で動かしたいとのことでした。  これを受けて、岐阜県内の意思伝達装置を扱う業者さんに相談したところ、貸し出しが順番待ちで、1か月ほどかかってしまうとの回答をいただきました。    この間、ご家族様にも動いていただいており、ご家族は日本ALS協会から借りられると連絡をいただき、とりあえずそちらから始めましょうと、お借りすることになりました。  2回目の訪問を行った時点で機械の調整をしてから3週間ほど経っていましたが、このときはナーシングホームに入所していました。ただ、スマートフォンの操作は可能で、腕は持ち上がりますが、長時間の操作は難しくなってきておりました。  貸し出していただいたのは、「伝の心」と視線制御装置。貸出期間は1か月。その間に操作の練習や感覚をつかんでもらおうということで、週に1度、練習することになりました。実際に視線制御では、使えるかテストをしたときは、練習が必要かなという状況でしたが、全く使えないことはない印象だったので、このまましばらく使って様子を見ることにしました。  基本的な操作方法を、順を追って指導申し上げました。訪問していない間も、施設の職員さんとともに空いている時間で練習を重ねられました。  練習が一通り意思伝達の文字入力がある程度できるようになった段階で、LINEを使ってみましょうという取り組みに移りました。「伝の心」のパネルの中にLINEの項目が追加されて、そこからLINEを立ち上げて操作を始めました。LINEの操作に切り替わったときに、Windowsの操作に切り替わり、LINEのアプリが起動して、そこでLINEを操作する。LINEのWindows操作になると、カーソルが動いたり、止まったり、ちょっと動いてまた止まってしまうということが繰り返されて、これによってご本人が机を叩かれて、苛立つ様子が見られました。  このままだとストレスがかかるので、使わないという選択も考えられたので、練習と並行してLINEと相性のいい機器を再検討しました。  「伝の心」は優秀な機械で、使えないということではなく、今回はLINEのWindow操作が苦手という印象。今回のケースでは、「伝の心」ではないほうが良いかなという印象でした。いろいろ検索した結果、Windowsを使うとき、最近の一般的使い方は、インターネットに接続するケースが多いうようです。YouTubeを観たり、ネットサーフィンなどで使われることが多いので、できるだけ今どきの使い方に特化したものがいいと思いました。  できるだけ、後発の新しく開発されたシステムを使ったらどうかと、判断をして、「オリヒメアイ」か「イーアイズ」がいいかと思いました。  まず、オリィ研究所に「オリヒメアイ」を使わせてほしいと相談しました。そのときはLINEと相性のいい機器を探していました。LINEに関しては言及されませんでしたが貸し出しは可能ということで、県内業者を紹介いただき、体験していただく流れを作れました。  業者さんに、施設まで機器を持ってきていただき、その場で体験をしていただきました。ストレスなく視線制御も使え、Windowsの使い方、移行もできたので、そのまま実行させていただきました。  本人の希望で、ちょっと購入前に練習したいとおっしゃられて、ただ、基本的に業者の方は、本来の練習としては、購入後に練習してもらうのがベストだと。購入前の体験は、視線制御、スイッチが使えるかとか、使えそうなら購入してから、本来、練習してもらうほうがいいという考え方で基本的に長期貸し出しをしていないとのことでした。業者さんがメーカーに掛け合ってくれて、有料であれば、1か月程度、貸し出しできるというご配慮いただきました。  有料になりましたが、1か月程度、練習のために貸し出ししていただきました。35,000円、1か月程度、あと送料がかかりました。週1回の練習を実施して、実際に操作を体験する流れになりました。  実際、操作してみて課題が少しありました。視線操作のみでは、目的の項目の選択が不安定になる。少し画面上を拡大してもらいましたが、それでも不安定になって、うまく確定できず、スイッチを併用し、導入をさせていただきました。  「伝の心」についてきたシンプルスイッチのような軽く押せるタイプを併用することで、操作は安定し、ストレスなく使える環境になりましたが、自然制御等のスイッチと併用という使い方は、制御上、特殊な例となる可能性が多く、業者さんに確認したことはあるが、まずはどこか動くのであればスイッチを使って操作していただきたい。操作ができないくらい病状が進行しスイッチが使えなくなったら視線制御を使うというのが業者の考え方で基本的にスイッチが押せれば、視線制御はいらないでしょというのが一般的な考え方のようです。  相談したところ、行政さんではとりあえず、どうしてもであれば、医者の意見書等が欲しいけれども、そういうものを揃えてもらえれば、一応審査はいたしますということを言っていただきました。  実際に、補装具として申請したのはオリヒメアイ、スイッチ本体、シンプルスイッチ、PCスタンドの4点です。年末に業者さんに申請を依頼して、実際、納品されたのは4月でした。自治体さんにとって初めての制度利用で、勝手がわかりづらかったことと、初めての利用ということで、登録業者に相談、メーカーさんから相談されたところは未登録でしたので、登録も同時進行と、少し時間がかかる結果となりました。  時間がかかったことにより、注文していたスイッチでは押すという操作が少し難しくなっておりました。指でスイッチを押すことがしんどいという相談を受けまして、施設のリハビリ担当に確認してもらって動くところを確認し、スイッチを選定しました。  ちょっと指先で手全体に力を入れるのは難しいが、握りこむということは比較的悪い印象はなく、小さなスイッチを握り込むことで、振動がいくことは確認できたので、小型のスペックスイッチを導入しました。こちらでうまくいったのでしばらくこれで様子を見てくださいということでした。 しばらくしてできればテレビの番組を自分で操作したい、空調の管理を自分で操作したいという希望がありましたので「なんでもIR」を導入しました。業者さんに相談したところ、制度を使えるということだったので、こちらを申請させていただきました。テレビの方は通常のリモコンのボタンを登録していきます。  エアコン等は複雑な信号が1つのボタンから出ています。ただ、「なんでもIR」学習リモコンにそれを覚えさせるのは難しいです。エアコンが25℃でついているときに、そこから1度上げるとか、下げるとかそういったボタンがついていいますが、24℃から1℃ずつ温度を上げることはできますが、学習リモコンの信号は、指定の温度から1度だけ上がる信号しか学習できないみたいで、ちょっと難しく単純な信号しか設定できません。  例えば、微調整をしたいときは、27℃の冷房、数℃下なら数℃下という細かい設定をしながら、1つずつボタンを登録していく必要があります。そういう工夫をしながらエアコンのリモコンを作成しました。  この方の場合は、施設の職員さんとは別に、個人で介護サービス業者を専属で入れています。24時間体制でその方の支援体制をしています。同じお部屋にずっといるので、コミュニケーション機器「オリヒメアイ」の使い方も、最低限の操作方法、電源のON・OFF、学習リモコンの登録方法も覚えていただきたい。例えば学習リモコンの登録方法、「オリヒメアイ」の設置位置、「オリヒメアイ」の位置等ですね。それから、「オリヒメアイ」にトラブルが起きたときの連絡先をスタッフさんで共有していただき、今後の支援に協力してもらう形にしました。  これを行ったところ、少し大きいトラブル事例は2件ほどでしたが、1点目はスイッチの反応がしなくなった。お邪魔したところ、信号が行くことがあったり行かないことがあったりコードを触ったときに行く行かないが多かったということもあって、断線ではないかというので、メーカーさんに相談しました。保証期間内だったので、今回は交換させていただくというそういう対応をしてもらいました。  2例目。パソコンが起動したときに、「オリヒメアイ」の画面が動かず、画面が表示されないということで相談いただきました。再起動しても直らなかったので、私たちの対応出来るレベルを超えていて、メーカーさんに相談を申し上げました。メーカーさんでも初めての現象ということで、メーカーさんから遠隔操作をしていただきシステムを確認していただきました。今確認できるものではどうしようもないということで、原因究明には時間がかかるので、こちらのシステムが使えず、ストレスを感じておられたので、リカバリーを送っていただき、メーカーさんに送っていただいて、初期化と再インストールをして戻していただきました。この間1週間くらい使えなかったのが、そういったことがありました。  今でも時々、こういったこれ以外の小さなトラブルやリモコン調整などで、相談するとき、ご訪問をさせていただいています。  以上が今回のご相談の紹介です。今回は、大変本人様にマッチした、相性のいい例としての紹介でした。 ○事務局(北野)  上村様、ありがとうございました。  続きまして、川崎市聴覚障害者情報文化センターの大西 真紀様、京谷 幸子様より、川崎市聴覚障害者情報文化センターの取り組みについて、ご紹介いただきます。大西様、京谷様、よろしくお願いいたします。 画面共有します、少々お待ちください。 2-2 事例A川崎市聴覚障害者情報文化センター 〇川崎市聴覚障害者情報文化センター(京谷)  川崎市聴覚障害者文化情報センターの京谷です。私は耳が聞こえないろう者です。手話で話します。手話通訳が読み取っています。手話を見る、声を聴くということで、よろしくお願いいたします。京谷幸子と、「幸せな子ども」と書いてあります。きょうたに ゆきこと申します。よろしくお願いします。  当センターでは、令和3年度からICT支援をしています。ICT講座を年4回、その他個別支援も行っています。ICT講座では、「電話リレーサービス」の使い方、またはスマートフォンの詳しい使い方を説明、支援しています。詳細は後程説明します。  ICT講座は年に4回だけなので、そこに参加しただけでは覚えきれない面があります。もう1度、教えてほしい場合などは個別支援も行っています。個別支援を行ったあと、実際に分からなかったのはどんなところなのかを持ち寄って、実際に当センターのICTチームで今後どのようなことを支援するか、相談して決めていきます。  次に会場予約をして、チラシを作成します。ろう者協会、難聴者協会がありますので、そちらの協会にチラシを配布します。その他、LINE、当センターのホームページでも配信します。  先ほど話しました、ろう者協会、難聴者協会ですが、聴覚障害といってもコミュニケーション方法はさまざまです。ろう者は手話を使ってコミュニケーションをとっています。中途失聴難聴者はある程度聞こえる方もいますが、聞こえ方はさまざまです。要約筆記というものを使って文字をスクリーンに映し出す、または手で書いてそれを見せてコミュニケーションをとることがあります。  そして、盲ろう者についてですが、盲ろう者といっても、見える範囲はさまざまです。盲ろう通訳介助員という派遣制度がありますので、1人につき、2名の方が介助します。  先ほどお話したICT講座の内容です。資料にも書いてありますが、「電話リレーサービス」「ヨメテル」については日本財団電話リレーサービスというところが担っています。  「ネット119」(緊急通報システム)ですが、例えば火事が起きた場合に、スマートフォンに登録しているところを押すと、消防の方が来てくれます。それについて、川崎市消防局の方に来ていただいて、詳しくお話をしていただきました。  そして「110番アプリシステム」は、事故とか、なにか問題が起きた時にスマートフォンにあるアプリにより警察官が来てくれるシステムです。こちらは神奈川県、川崎市は神奈川にあるので、神奈川県警の方に来ていただき、話していただきました。  そして、「遠隔手話通訳」「遠隔要約筆記」。これは、当センターで行っています。例えば区役所に聞こえない人が行った場合、区役所の職員と筆談でコミュニケーションをとるのは大変なので、区役所にあるQRコードをタブレットで読み取ってもらいます。そうすると、当センターにいる手話通訳者とつながります。それを聞こえない人が、手話でお話をし、通訳のできる職員が読み取ってオペレーターを介して区役所での用を済ませることができます。「遠隔要約筆記」も同様です。その使い方についても支援しています。  それからスマートフォンの使い方についてですが、位置情報についての使い方、どこかに行きたいけれども、インターネットで調べ方が分からない、そのような場合にも支援を行っています。  またアプリのダウンロードについて使い方がわからない、または、アプリの削除の仕方が分からない場合にも支援をしています。それから皆さんもWi-Fiを使っていると思いますが、その設定方法についても支援をしています。またQRコードの読み取り、カメラを起動して読み取ることも支援しています。  単語登録ですが、例えば、「川崎市」と打たなくても、「かわ」と登録しておけば、「川崎市」と出てくるような単語登録が便利ということで、そのような支援もしています。また、コピーアンドペーストが分からないという方もいらっしゃるので、それも支援しています。  「電話リレーサービス」と「ヨメテル」と資料にあると思いますが皆さんはご存じですか。ご説明したいと思います。  「電話リレーサービス」は、聞こえない人が電話をしたくても、以前はできませんでした。知り合いの聞こえる方にお願いして代わりに電話してもらってそれを伝えてもらうという方法だったので、遠慮してなかなか電話ができないこともありましたが、いまは「電話リレーサービス」があるので、自分で直接電話ができるようになりました。「電話リレーサービス」は手話又は文字の2つから、どちらかを選択できます。オペレーターを介して電話をすることができます。  「ヨメテル」の場合には、難聴者が使うことが多いです。自分の声で発声し、その声が相手にそのまま届きます。相手が言っていることは文字に変換されて伝わります。このようなものが普及しています。皆さんにどんどん使っていただきたいので、当センターで支援をしています。相談の件数は資料の通りです。こちらの件数の相談についてですが、当センターのほうに来て相談を受けるというのが、なかなか難しい場合があります。センターまで来れないという方の場合、支援員が自宅に訪問してICTの支援を行っています。また、オンラインで支援することもしています。  私の発表は以上となります。続きまして大西にバトンタッチします。 〇川崎市聴覚障害者情報文化センター(大西)  よろしくお願いいたします。私からは重複障害の事例2つをお話します。スライドをご覧ください。  まず、1人目の事例です。この方は聴覚障害2級と、視覚障害2級、2つの障害を併せ持つ20代の方です。先天性の聴覚障害がありコミュニケーション方法は手話です。後天性の視覚障害は網膜色素変性症で視力および視野に障害があります。私とこの方が話すときは、視野に収まるように手話を小さくして、通常の手話よりも狭い範囲に収まるように工夫して、近づいた状態でお話しするようにしています。  この方のニーズは、とにかく小さな文字を読むのが困難。紙に書かれている文字もそうですし、画面上に出てくる文字もそうです。とにかく小さくなると見えづらい。これまではご自身で持っているスマートフォンの拡大機能を使っているということで、どうしても見落としも発生してしまっている状況でした。  私から、ここは聴覚のセンターだけど、視覚障害者情報文化センターもあるとお伝えし、ぜひ一緒に行きませんかとお誘いしました。一緒に行ったときに私が通訳するので、コミュニケーションも大丈夫だと日程調整して、同行させてもらいました。  視覚障害者情報文化センターにはさまざまな拡大読書器があるので、いくつか試して、その中から1つ選んでいただいたものを、1週間メーカーからレンタルされました。この方は視覚障害の手帳は取っていましたが白杖は申請しておらず、お使いでなかったので、このときについでにと言ったらあれですが、白杖の申請もしました。  拡大読書機の1週間レンタル後の感想はとてもよく見えるとのことでよかったのですが、残念ながら自己負担額が、7、8万円かかるというところから、導入は断念されました。  日常生活用具の枠の中で、拡大読書器は申請可能ですが、19万8千円という金額を大きく越えているので、ちょっと残念ながら使えず、私もお勧めした立場で導入できないという結果は非常に残念で申し訳なかったと反省しました。そこまでの自己負担額になると予想できていなかったのが良くなかったと思います。  この方の網膜色素変性症は、眼科で今の視力が保てるかどうかちょっとわからず、視力低下の可能性もあると指摘されていて、視覚障がい者情報文化センターのほうで、点字の訓練に通われることになり、今も通っています。  2人目の事例です。聴覚障害2級と、知的障害?と資料には書いています。診断は受けていないと思いますが本人と手話で話していると、おそらく知的障害をお持ちかなと思います。年齢は50代の方です。先天性の聴覚障害の方ですので、やはりコミュニケーションは手話で行います。親御様とご本人様との2人暮らし。いわゆる8050問題の典型的な事例だと思います。  親御様が在宅生活が厳しくなったことがきっかけで、私どものセンターにつながってきた方です。私は、ろうあ者相談員という立場で日頃業務に当たっているので、この方のご自宅にお伺いし親御様が自宅を離れて、この方がおひとりで暮らすという支援をしていたところ、自宅にルーターがあるがスマートフォンはデータ通信になっていると気付きました。いろいろと生活が整ったらスマートフォンを接続しようとこちらからお声がけし、後日ICT支援員と訪問することをしました。  接続を試みましたが、そもそもSSIDも表示されない、本人も何がなんだか分からない。どのくらいスマートフォンでデータを使っているか把握できておらず、マイページを表示する支援を行って、月に151ギガ使っていることが分かりました。その後、ICT支援員、手話通訳とでショップに出向き、プランを適切なものに見直す、また使っていないモバイルルーターは解約、いろんなオプションも解約と整理をしていきました。  ほぼ、自宅で過ごしているので、ご自宅でWi-Fiを使いましょうと最終的には無料レンタルできるものを接続しました。  この事例からは、お1人でショップに行きますと、店員さんはいろいろお客様にお勧めするということになり、勧められたものが分からなくても、どんどん契約するというのがあったのかなと想像できます。このような場合に支援に入らせてもらい適切な使用に調整するのも、もしかしたら私たちの役割ではとこの事例から感じました。  以上で私からの発表を終わります。 ○事務局(北野)  大西様・京谷様、ありがとうございました。  続きまして、沖縄県障がい者ITサポートセンターの川田 潤(かわた じゅん)様より、沖縄県障がい者ITサポートセンターの取り組みについて、ご紹介いただきます。川田様、よろしくお願いいたします。 2-3 事例B沖縄県障がい者ITサポートセンター ○沖縄県障がい者ITサポートセンター(川田)  よろしくお願いします。少々お待ちください。見えていますでしょうか。では、沖縄県ITサポートセンターの地域連携を活かした取り組みの紹介をします。  まず地域連携の原点ですが、実務人員が私1人ということで、いろんな課題がありました。人員、予算、経験値などそういった課題がある中で、私が2020年に沖縄県ITサポートセンターに入って来たのですが何をすればいいのか、多様な障害がある中で求められているのは何なのか、まずは整理をさせていただきました。  主にやることは、やはり相談が多い案件、内容は積極的に取り組まないといけないものであって、その他の需要が低いものはまず分けて、その中でも私たちの中でノウハウがないものを1つ1つ分類分けしました。  その中で積極的に取り組む事業は重度障害者のコミュニケーション支援、パソコンのネットワークがつながらないとか、パソコンが起動しないとかの相談だったり、視覚障がい者向けの支援。支援者サポートが主に需要があるなということで、こちらの内容を積極的に行っていく必要があるなと考えました。逆に優先度の低い事業では、事業内容の見直しをしました。  運営母体が、沖縄県脊髄損傷協会の当事者協会で、ITサポートセンターとB型就労支援事業所を持っていて、その関係があってテレワーク支援事業を実施していたのですが、テレワーク先を紹介してくださいといった要望が1年間で数件あって主に対応する内容は、テレワークの環境整備だったので、打ち出し方を「テレワーク支援をやっていますよ」ではなく、「テレワークの環境整備をしていますよ」というものへ。  あとはパソコンボランティアさんの事業について、こちらも障がい者にパソコンを教えるのはいろいろな機関があったりします。最近はパソコンじゃなくてタブレットの使い方を知りたいという要望も多かったので、パソコンボランティアだけではなく、ITサポーター、情報通信機器全般にわたる悩み事の支援を行うという事業展開をさせていただきました。  あとは聴覚、発達など、相談案件自体が少ないものは、優先度が低いものになっていますが、これはあくまでも沖縄のセンターに寄せられるものであって、本当は潜在的に相談はあるが、うちに上がってこないこともあると思います。現時点では優先度の低い事業と、積極的に取り組んでいく事業で分けて、まずは事業内容の見直しをしてきました。  ある程度、何をするか明確に決めたあとはどうやってそれを行っていこうか、私1人の人員、経験もあって、限界もあるので、それを補う方法を模索する意味でも、関係団体への挨拶回りをさせていただきました。  その中で、関係するところが持っている強み、持っている弱み、私たちが持っている強み、持っている弱みを補いあえるか。  ここからは事例発表になります。重度障がい者のコミュニケーション支援について私たちのノウハウは元々持っていましたが、広域、沖縄県全域を見るということでは不十分なところがありました。  沖縄県で持っている課題は支援スキルや支援機器、情報が少ないということもあったので、この課題をどう解決するか連携先を沖縄県難病支援センターアンビシャスさんで検討しました。連携し、挨拶をして、情報共有しながら、それぞれが動いて情報共有、支援機器の問題、そういったところで、より支援ができるということがわかりましたので、アンビシャスさんに声掛けしました。  事例@、支援機器の調整ですね。私たちが持っている支援機器とアンビシャスさんの機器は同じ支援機器を持っていることがあります。今まではなかったら待ってくださいと対応していましたが、つながることによって、アンビシャスさんが持っていたら、そこから機器を貸し出しして、対応する方に使っていただく。逆もあります。私たちが持っている機器で空いているものがあれば、アンビシャスさんを通して使ってもらうという、機器の調整ができるようになりました。セミナー、講習も、そこも協働で主催することで、支援者支援で必要な方を育てる。支援する方を育てるとき、それぞれがやるのではなく協働でやって、広くセミナーや講習会ができるようにさせていただいております。  情報共有、広報が1番大きく、アンビシャスさんは沖縄県でも保健医療、地域保健課で、私たちは障害福祉課で別々の課で異なっています。私たちは病院さんとかから相談がよくきます。アンビシャスさんは保健所さん経由で患者さんの情報が届きます。全く違うルートで来るので、対応が別々でしたが、情報を共有することで、より動きやすい、時には一緒に訪問して、今後どういう対応をしようか話をすることで、役割分担もできるようになりました。  成果としては患者さんの情報共有、あとはネットワークですね。支援機器の共有が大きかったです。センターは1か所ですが、保健所と連携しているアンビシャスさんとつながることで、地域、北部、石垣、宮古の情報も入るようになった。  事例Aです。重複障害者の支援で地域連携した内容になります。相談内容です。M.Tさんは、視覚障害と身体、感覚障害を重複したものをもっていらっしゃいます。ピアカウンセラーの仕事をしていて、もっとパソコンを活用したいという相談が入ってきました。  そこで沖縄県の連携先と動きましたのが、沖縄県の視覚障害者福祉協会さんとお話をしたところ、私たちのセンターは視覚障害の方に対しての支援のノウハウが少なく、視覚障害者福祉協会さんは逆に身体的な支援が分からないという、お互いに課題が見えましたので、それぞれの強みとしている支援の情報などに取り組みました。  まずは、パソコンを使いたいということで、PCトーカー、視覚障がい者がパソコンを操作する上で必要なものを使ってみようということで、ただ、PCトーカーはキーボードをベースにしてパソコンを操作するので、キーボード操作がなかなか難しいということがあったので、弱視の方が使うFLOWYを一緒に合わせて操作する訓練をして取り組みました。  キーボード操作が苦手なので、キーボード操作をどう解決するかというところでは、プログラムキーボードがあり、特定の機能を、役割分担させて、ショートカットして使うのを用い、実際にこれを併用して、この方がお仕事での使いやすさをどうするか、まだまだ試行錯誤中と伺っています。  次に事例Bです。今度は、視覚障害者支援となりますが、やはり困り度の高い方が、どうしても視覚障害者の方は多くて、沖縄視協さんでも、なかなか対応ができないということで、視覚障がい者サポートセンターさんという当事者団体が立ち上げた団体があり、この団体と協力して、iPadとか、ヴォイスワン勉強会を定期的にやろうと、去年3月に1回、今年は5月と、9月は地域をずらして、勉強会を行っていきましょうと協力して、勉強会を企画しています。  当事者支援は私ひとりだけだと支援者支援としてのセミナー対応はできますが、当事者支援だと1対1の対応が必要になります。サポートセンターのメンバーさんが講師になって多くの当事者に対して、1対1でやり方を説明して行うという勉強会を行っています。  その他、地域連携事例。医療機関との連携。こちらは、沖縄病院さんと連携したり、肢体不自由児協会は県内に3カ所ありますが、南部、中部医療センターと定期訪問して、対応しています。勉強会もこちらで行ったりもしています。  特別支援学校との連携もあります。AT-Okinawaという先生で結成した団体があり、そこで、いろんな支援機器の使い方やこういう事例発表をお聞きしたりしています。  その他、連携です。遠隔地支援は地域協力員によって沖縄県内で行っています。これが出来た問題は、パソコンボランティアの運営がうまくいっていないというのがあり、ボランティアを養成、派遣するというところで、かなり難しい課題として実際持っていました。IT相談はあるので、ボランティアさんを育てて派遣するということではなくて、それに特化した人を1本釣りでスカウトして、協力をお願いして、地域協力員と名前をつけ対応していいただいています。  基本的に私がIT相談に対応しますが、私が対応出来ない分野もやはりあるので、それに関して中部の地域協力員さんはハード系に強い地域協力員さんなので、パソコン本体の不具合には、中部ではあるが南部に行ってもらったり、あとは南部の地域協力員さんはソフトも強いので、よりシステムの情報を取り扱ってもらうなど、その方が得意とするところを補い合うよう協力員さんと連携して行っていいます。  あとは、北部、石垣においては、重度訪問介護を行っている合同会社たいたいさんがあります。地域情報を収集したり、そこを拠点に北部や石垣の勉強会を企画して行うというところで、地域協力員さんも地域ネットワークをいかして、今やっています。これからどういった形で連携していきたいか、私1人では運営できないですが、1つ1つの相談に対して、いかに多くの人を巻き込んで執り行えるか、サポートできるかが、重要かと考えています。  まずはいろんな団体さんとつながりができたので、次に、つながりたいのは、県内企業さん。具体的には地域密着型の業者ですね。iPadとかの情報通信機器は、手離せないものになっているので、勉強会を行う。どんどん機種が新しくなっているので、そこを追っていく。そういった面で連携していきたいですが、行えていないところです。次に今日やっているICT利用支援会議のように全国にあるICTセンターと連携したいと考えています。  滋賀県のセンターはモデルセンターと思います。LINEグループにも入っていますが、いろんな多くの情報が飛び交っています。そこに入っているだけで情報が取れるのは魅力的です。  本日、川崎の聴覚障害センターさんが事例紹介をされていましたが、明日聴覚の方のサポートに入る予定です。聴覚障害のサポートに「電話リレーサービス」の使い方とか一緒にやってきましたが1人だと難しいところもあり、1度、沖縄の聴覚協会に挨拶に行きました。そちらは、ICTの分野が分からない、逆に教えてくれと言うのがあって、お互いどう対応していいか分からない、動けない分野ではしたが、川崎さんが行っている勉強会とか、そういうところで情報をいただいて、実際どのように行っているかを勉強させてもらい、情報、聴覚者への支援も幅を広げられるかと思い、聴いていました。  長くなりましたが、沖縄県の事例紹介をおわります。ありがとうございました。 ○事務局(北野)  川田様、ありがとうございました。 3.意見交換 ○事務局(北野)  続きまして、意見交換に移ります。お待ちください。  意見交換ですが、今回のテーマは、「重複障害や重度障害のある方の対応について」です。この意見交換もそちらの観点で、皆さんの課題とか、少しでも解決できればと思いますので、少しでも解決できればと思いますので、意見交換いただければと思います。  センターのみで対応することが困難なものは、どのような場合で、どのように対応しているか。どのような関係機関と連携しているかを中心にお話しいただければと思います。  地域内での連携で対応しているのか、地域外での連携で対応することもあるのか、そのような観点からお話しいただければと思います。  課題については、他のセンター様で取り組んでいる内容がありましたら、アドバイスをいただけますと幸いです。  グループ分けをこのあと行います。A,B,C、Dと4つのグループにわけます。それぞれのグループに、センターの方などいます。それぞれの観点からお話いただければと思います。ご登壇いただいた方もいらっしゃいますので、意見をお聞きしたいことがあれば意見交換してもらえればと思います。  意見交換の場合、グループで挙手ボタンを押して、ご発言ください。なるべく多くの方が発言できるように、意見交換をしていただきたいと思います。      各グループに事務局メンバーもいます。事務局に連絡ください。よろしくお願いいたします。これから、グループ分けをしますので、少々お待ちください。 テーマ:「重複障害や重度障害のある方の対応について」 ※4グループに分かれて意見交換を実施 ※各グループからの主な意見は次の通り * 重複障害への対応事例は各センターにおいて多くはないが、個別ケースに応じて、知的・発達・肢体・視覚・聴覚などが組み合わさった多様なニーズがあることが分かった。支援に際しては、ヘルパーや相談支援員、聴覚・視覚の専門センターなどとの多機関連携が不可欠であり、日頃から顔の見える関係を築くことで重複事例にも対応できるチーム支援を整えることが重要との認識が共有された。また、ICT機器の活用方法についても工夫が重ねられており、利用者特性に応じて、分かりやすい呼称や手話表現を取り入れたり、フリガナを用いて丁寧に説明したりするなど、柔軟な対応が行われていることが分かった。たとえば、東京都では発達障害との重複に対し地域のヘルパーと連携し、佐賀県ではICT教室で耳サポ(聴覚障害者支援センター)の協力を得て支援を実施し、徳島県では盲ろうに近い事例に触手話で対応していた。香川県では重度障害の支援が多く、福祉と介護の両制度を併用するケースに対応するため相談員との情報連携体制を構築している。重度の聴覚障害や視覚障害に特化したセンターはあるが、重複障害や難病支援のノウハウが不足しており、他機関や業者につなぐ対応が多いという議論があった。 * ICT支援における連携や交流の必要性が共通して示された。あるセンターは肢体不自由や難病の相談対応を多く行い、過去には視覚や聴覚の専門センターと協力した事例があるものの、現在は交流が少なく、今後は定期的な意見交換の場を望んでいた。当事者が職員として就労するセンターでは、当事者職員を通して団体とのつながりを持つことで、支援に活かせているとの話があった。また、自治体は、地域内で団体を超えたICT支援の仕組みづくりはまだ構築できておらず、現状はICTサポートセンターを通じた連携にとどまっていることが課題として挙げられた。今後、団体間の勉強会などの開催を検討したいとの意見があがった。全体として、センター機能の充実と団体間のネットワーク形成が今後の課題として浮かび上がった。 * あるセンターが位置する自治体では、福祉機器に関する展示会を実施しており、セラピストやドクターなどの専門家が集まり、コミュニケーション機器や視線入力装置などが紹介されている。長年の活動を通じて人脈が形成されており、相談や連携の場として機能しているとの意見があった。一方で、地方の特性として県内が広く移動が難しいため、連携先があっても利用者がそこまで行けず、結果的につながらないケースがあるという課題が指摘された。また、視覚障害者支援を中心とするセンターでは、点字図書館時代からの活動が継続しているが、県内に歩行訓練士が不在であるため、自宅訪問による支援体制が整っておらず、利用者の多くは視覚障害者であるが、難病や重度障害を併せ持つ人への支援は困難であり、特に対応の難しさが大きいとされた。さらに、センターの役割については、すべてを包括的に担うのか、あるいは役割を切り分けて整理するのかという点で悩ましさがあるとの議論があった。加えて、連携事例の紹介や情報共有だけでは不十分であり、具体的にどのように対応すべきか、その方法論が求められているとの意見が出された。 * 重度障害者への対応事例はまだ限定的で、多くの地域でパソコンボランティアや個人相談への対応が中心となっている。支援機器については一定の設備は整っているものの、高価格による導入の困難さや、全ての機器を完備することの難しさが共通の課題として挙げられている。メーカーとの連携については、機器の借用や使用方法の相談対応など、販売後のアフターサポートの重要性が認識されている。また、オーダーメイドの支援機器製作については、以前は協力団体が存在していたものの現在は数が減少しており、自助具製作団体との新たな連携の必要性を感じているセンターもある。新設されたセンターでは具体的な対応方針の検討段階にあり、スマートフォン相談などの身近な課題への対応を行っているが、機種により操作が異なるため、解決に時間がかかることもある。センター間では連携を図り、良好な関係を築いている場合もあり、活動内容を共有して対応を進めることがある。 グループディスカッションについての主な意見は以上。 4.事務連絡・閉会 ○事務局(北野)  グループに分かれて、活発なご意見いただき、誠にありがとうございました最後に渡辺先生から1言いただきたく思います。渡辺先生宜しくお願いいたします。 〇渡辺  貴重な事例発表、ディスカッションをありがとうございました。今回のテーマが重複障害の支援ですが、いくつか気付いたことがあります。  1番目の発表の中からは、岐阜県のALSの方の発表でした。ICTサポートセンターの役割として、いろいろな地域の社会資源とつなげていくということ、地域リソースの繋ぎ役を求められることがわかりました。気になったのは、今回聴き逃したかもしれませんが、岐阜県は地域も広く、南部は名古屋にも近くて、人口も地域資源も多いと思いますが、地域資源が限られてきたり、利用者にリーチするのは難しい地域もあるので、このような難病の方、重複障害の方の支援は、どうやって広域で支援をしていくかは、我々の抱えている課題だと思いました。  2つめの発表の川崎の発表では、ICTサポートをするなかで、重複する障害への対応や、生活支援に関わることが見え隠れしていると思いました。スマートフォンが上手く使えないなどのICT機器の使い方支援は、あくまでも見えているニーズであり、本当は生活支援に関わる個別ニーズに対処する必要があると思いました。  そうなるとICTサポートセンターが生活支援のマネジメントやコーディネート役を担うには、非常に荷が重かったり、難しかったりします。やはり地域生活支援センターなどのソーシャルワーク的な役割を担う地域資源と繋がるのが、多分、不可欠だと思います。ICTサポートセンターは単なるICTサポートだけでなく、地域の大切な相談窓口にもなると思いました。  3つめの沖縄の発表として、地理的に難しかったり、利用者も支援者も点在している中で、サポートしようとなると、川田さんの話のように、中間ユーザーというか、ITサポーターを育成し、顔の見える環境を作ることが、非常に重要と思いました。    以上、まとめの言葉とさせていただきます。 ○事務局(北野)  渡辺先生、ありがとうございました。これで本日のプログラムは全て終了となります。  ここで事務連絡です。アンケートをお願いします。チャットに貼りつけます。そちらから回答をお願いします。次回の第3回ICT利用支援会議は、日程が決まり次第、お申し込みフォームのURLを、送らせていただきたいと思います。本日は、長時間にわたりご参加いただきまして、ありがとうございます。事例共有いただきました上村様、大西様、京谷様、川田様、そして渡辺先生、ありがとうございました。それでは、これにて「第2回ICT利用支援会議」を、終了とさせていただきます。本日はありがとうございました。 以上