令和6年度 厚生労働省 障害者等のICT機器利用支援事業 第1回 ICT利用支援会議 【テーマ: ICT機器の指導者・支援者のための育成プログラムについて】 * 日時 2024年7月8日(月)15:00〜17:00 オンライン開催(Zoom) * テーマ詳細 テーマ:ICT機器の指導者・支援者のための育成プログラムについて 発表者: * 社会福祉法人東京コロニー 職能開発室 所長 堀込 真理子様(本議事録には非掲載) * 公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター センター長 村上 博行様 オブザーバー: * 日本福祉大学 健康科学部 福祉工学科 教授 渡辺 崇史様 (氏名 五十音順) オブザーバー:(厚生労働省) * 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室 情報・意思疎通支援係係長 小畑 和博様 * 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室 今野 晴菜様 * 内容 1. 開会挨拶 2. 事業概要の紹介 3. 検討委員会・ワーキンググループの進捗報告 4. 事例共有 * 事例@パソコンボランティア指導者養成事業「障害者へのICT活用研修会」  公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会 情報センター センター長 村上 博行 様 * 事例A「地域の支援者対象 養成研修について」  東京都ICTサポートセンター 所長 堀込 真理子 様 5. 意見交換 6. 連絡事項・閉会挨拶 * 議事概要 1. 開会挨拶 ○事務局(平良) 皆様、それでは、お時間となりましたので、これより、令和6年度厚生労働省障害者等のICT機器利用支援事業第1回「ICT利用支援会議」を開催いたします。 本日の会議は、「ICT機器の指導者・支援者のための育成プログラムについて」をテーマとさせていただいております。  私、本日の司会進行を務めます、ICTサポートセンター連携事務局・NTTデータ経営研究所の平良と申します。どうぞよろしくお願いいたします。本日のオブザーバーを紹介いたします。恐れ入りますが、御紹介させていただいた後に一言いただければと思います。  初めに、日本福祉大学健康科学部福祉工学科教授、渡辺崇史様より一言いただけますでしょうか。 ○渡辺様 皆様、こんにちは。日本福祉大学の渡辺崇史と申します。今日は眼鏡をかけて、それから柄のついた白いシャツを着て参加しています。一昨年から今回のICT機器利用支援事業にいろいろな形で関わらせてもらっています。今回も検討委員会のメンバーとして当事業に関わらせていただいております。どうぞよろしくお願いします。 ○事務局(平良) ありがとうございます。続きまして、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センターセンター長、村上博行様に御参加いただいております。村上様、一言いただけますでしょうか。 ○村上様 御紹介ありがとうございます。公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会の情報センター長、村上博行です。よろしくお願いします。先ほど御紹介いただいた渡辺先生も私どもの事業にもいろいろお手伝いをいただいております。本日は障害者へのICT活用研修会の御案内をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○事務局(平良) 村上様、ありがとうございました。続きまして、社会福祉法人東京コロニー職能開発室所長、堀込真理子様より一言いただければと思います。よろしくお願いいたします。 ○堀込様 東京コロニーの堀込です。本日はオブザーバーというよりも、拙い内容にはなりますが、この後に発表のお時間をいただいております。どうぞよろしくお願いします。 ○事務局(平良) ありがとうございます。また、本日の会議にはオブザーバーとして厚生労働省様に御参加いただいております。厚生労働省からは社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室情報・意思疎通支援係係長の小畑和博様、また、同じく厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課自立支援振興室より今野晴菜様に御参加いただいております。  それでは、早速プログラムに移らせていただければと思います。初めに、本事業の概要について事務局から説明させていただきます。 2. 事業概要の紹介 (掲載対象外) 3. 検討委員会・ワーキンググループの進捗報告 (掲載対象外) 4. 事例共有 ○事務局(平良) 続きまして、事例共有に移ります。初めに、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センターセンター長の村上博行様より、パソコンボランティア指導者養成事業、障害者へのICT活用研修会について御紹介いただきます。村上様、よろしくお願いいたします。 ○村上様 御紹介どうもありがとうございます。  それでは、今から20分間ほどお時間をいただきます。私、公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会情報センター長の村上博行です。どうぞよろしくお願いいたします。  私どもの協会は、パソコンボランティア指導者養成事業、障害者へのICT活用研修会の御紹介をさせていただきます。  初めに、全体的なお話をさせていただきます。目的、内容、対象者、概要。概要のところは通常研修と特別研修があります。続いて修了基準を御紹介いたします。次に、プログラムの内容、こちらがメインのお話になります。具体的なプログラムの内容を御紹介いたします。また、定員、研修費、申込み方法などについても触れたいと思います。また、今日の朝9時に東京と名古屋で開催するというのをホームページでアップしました。そちらの具体的な御案内をさせていただきます。最後のスライドは、参加者のデータを参考資料として共有させていただきます。また、パワーポイントのスライドが終わった後、皆様と一緒に申込みのサイトを見ていきます。このような形で御案内いたします。よろしくお願いいたします。  それでは、早速順番に行きます。目的です。障害者の情報通信技術の利用機会や活用能力の格差是正のために、障害者にパソコンの使用方法を教えることができる人材、いわゆるパソコンボランティアの確保が必要。そのために、いわゆるパソコンボランティアを指導する者の養成研修、障害者へのICT活用研修会を実施しましょう。障害者の情報バリアフリー及び社会参加の推進に資することを目的としましょうということが目的です。ちょっと古めかしい言い方もありますが、今から22年前の2002年、平成で言うと14年度から、厚生労働省から私どもの協会への補助金事業として実施しております。  内容です。今回、御案内している研修会は、障害者のICT活用を目的とした研修を障害別のカリキュラムで実施している。この障害別のカリキュラムというところがこちらの研修事業の特徴になります。ちなみに下の写真は、先生もしていただいている堀込さんが真ん中に写っている研修会の写真です。  対象の方々です。日常的にパソコンやワープロ操作、ホームページ閲覧、メール等をしている方です。この「等」の中には最近はiPadの経験者がある方を望むとしています。また、今後、指導者として障害者へのICT支援の養成に携わる意欲のある方としております。  ここで、この研修会の特徴のもう一つの特徴があります。それは障害の有無を問いませんということです。車椅子の方、大丈夫です。研修会場はバリアフリーの研修会場を設定しています。視覚障害の方、大丈夫です。テキストデータを御用意しております。聴覚障害の方、今の画面のとおり、手話通訳の方または要約筆記の方を必要に応じて手配いたします。そういったことで障害の有無を問いません。こちらが特徴の一つになっています。  次に、研修科目の概要です。2つあります。一つが通常研修です。通常研修では、東京研修と地方研修、本年度は各1回、計2回予定しています。障害全般、こちらのほうに聴覚障害も触れられております。また、マルチメディアと発達障害、視覚障害、肢体障害、このような概要になっております。  特別研修です。特別研修は、マルチメディアDAISY制作研修になります。このマルチメディアDAISYというのはデジタル図書になります。DAISYの略は「Digital Accessible Information System」の略です。日本では「アクセシブルな情報システム」と訳されております。製作ソフトウエアは2種類あります。「PLEXTALK Producer」と「ChattyInfty3」です。それぞれ2回ありますので、合計4回を予定しております。  研修の修了基準です。通常研修では、全ての科目を受講してください。特別研修では、おのおのの科目を全て受講してください。  それでは、本題に入ります。プログラムです。障害全般です。冒頭御案内いただきました、堀込真理子先生に講師をお願いしております。東京福祉法人東京コロニー職能開発室室長、東京都障害者IT地域支援センターのセンター長をされております。もう一方は、田代洋章先生です。一般社団法人日本支援技術協会(JATC)の理事・事務局長をされております。障害認知と障害特性、求められる支援、合理的配慮について講義をいただきます。また、非常に具体的なICT支援機器活用事例も御紹介いただきます。また、パソコンを使ったアクセシビリティ体験も行います。具体的に言いますと、Windowsにはアクセシビリティ機能が搭載されています。田代先生の研修ではこれを皆さんに体験していただきます。  次のプログラムです。マルチメディアと発達障害です。講師の先生です。河村宏先生です。特定非営利活動法人支援技術開発機構の副理事長をされております。野村美佐子先生です。同じ支援技術開発機構の事務局長です。御予定によって河村先生、野村先生のどちらかにお願いする予定でおります。  発達障害の講師は、井上芳郎先生です。埼玉県立所沢高等学校の講師を務めておられます。DAISYの紹介、求められる支援、合理的配慮を講義いただきます。また、発達障害の心理的疑似体験も体験していただきます。また、ICT支援機器活用事例についても講義いただきます。  次のプログラムです。視覚障害です。講師は杉田正幸先生です。国立国会図書館関西館図書館協力課障害者図書館協力係に所属しております。杉田先生は視覚障害の当事者です。杉田先生には障害特性、求められる支援、合理的配慮、ICT支援機器活用事例について講義をいただきます。また、iPad、パソコンを使ったワークショップも体験いただきます。  こちらは杉田先生のテキストの抜粋になります。視覚障害者が用いるソフトウエアの(1)がスクリーンリーダー(画面読み上げソフト)、(2)が音声ブラウザ、(3)が画面拡大ソフト、(4)活字OCRソフト、(5)点訳ソフト、(6)自動点訳ソフトなどなどの豊富な事例紹介がございます。  次のプログラムです。肢体障害です。冒頭も御案内いただきました渡辺崇史先生にお願いしております。日本福祉大学健康科学部の教授をされております。障害特性、求められる支援、合理的配慮、ICT支援機器活用事例について講義をいただきます。また、グループ分けをして皆様にワークショップを体験いただく予定でおります。  次に、特別研修のプログラムです。御紹介したとおり、2つのプログラムで実施いたします。「PLEXTALK Producer」のほうは特定非営利活動法人DAISY TOKYOさんにお願いする予定でおります。「ChattyInfty3」は認定NPOサイエンス・アクセシビリティ・ネットさんにお願いする予定でおります。概要に続き、2日間で実際のマルチメディアDAISYの制作を研修いただく予定でおります。  次に、定員です。原則20名を予定しております。ただし、会場によって増減がある場合があります。御了解いただきたいと思います。  研修費です。資料代として通常研修は4,000円、特別研修は2,000円です。開催日の2週間前までにお支払いをお願いいたします。2週間前でしたら、キャンセルは全額返金いたします。手数料は、受講者の皆様に負担をお願いいたします。ただし、2週間を過ぎると返金はできませんので、御注意ください。交通費、宿泊費などは受講者の皆様に御負担をお願いします。宿泊先の手配もお願いいたします。  申込み方法について説明させていただきます。パソコンボランティア指導者養成研修事業の研修申込みフォームのページ、下に書いてあるURLのところから必要事項を入力して申し込んでください。定員に達した研修は随時ウェブ上で周知します。また、こちらのサイトはこのパワーポイントの画面が終わった後に皆様と一緒に見ていきたいと思っております。  受講決定です。原則、先着順です。研修費の入金確認で受講決定といたします。また、参加者が多数の場合は一団体1名となる場合もございますので御注意ください。入金確認後、5営業日以内にメールで受講の可否を通知いたします。  それでは、冒頭申し上げましたとおり、具体的な日程を紹介いたします。  東京は、今、私がおります新宿区早稲田、早稲田大学の近くの戸山サンライズという建物になります。日時は10月19日・20日の土曜日・日曜日です。1日目、9時半から12時半、障害全般です。休憩時間を1時間取ります。その後、1時半から4時半、マルチメディアと発達障害を行います。2日目です。9時半から12時半、肢体障害です。同じく休憩時間を取りまして、1時半から4時半、視覚障害の講座になります。  また、地方研修は、今年は名古屋になります。名古屋は中区栄のクラウンホテルになります。日時は11月9日・10日の土曜日・日曜日です。1日目は9時半から12時半、マルチメディアと発達障害です。同じく1時間休憩を取ります。1時半から4時半、視覚障害です。2日目です。9時半から12時半、障害全般です。1時間休憩を取ります。1時半から4時半、肢体障害になります。  参考までに過去の参加者のデータを見ていきます。通常研修です。東京のほかには札幌、仙台、金沢、名古屋、京都、大阪、福岡、大分、沖縄などで開催をしております。  特別研修です。東京、大阪のほか、コロナの時代はオンラインでの参加もございました。  所属先になります。ボランティア団体さん、障害者団体、また、企業さんからの参加もございます。  特別研修です。特別研修は、ボランティア団体さんがほとんどになります。  それでは、冒頭申し上げましたとおり、実際の申込みのサイトを御案内して、私の御案内を終わりたいと思います。こちらは私どもの協会のホームページのトップ画面になります。日本障害者リハビリテーション協会と検索すると、このトップ画面が出てきます。ここのニュースのところです。「『障害者へのICT活用研修会』の御案内」というのをクリックしてください。そうすると、今、私が紹介した内容が出てきます。この中で「通常研修の内容・お申し込み」というところをクリックしてください。そうすると、先ほど申し上げた東京研修、名古屋研修の御案内が出てきます。この中の「メニュー」の中で「お申し込み」というのがございます。ここをクリックしてください。そうすると、注意事項の下のところに専用のお申込みフォームがございます。ここをクリックしてください。そうすると、東京研修、もしくは名古屋研修を選ぶ欄があります。そのほかに入力必須事項、メールアドレス、お名前等を入力してください。そうしますと入力が完成して、事務局のほうに申込みが完了となります。私からの御案内は以上になります。どうもありがとうございました。 ○事務局(平良) 村上様、ありがとうございました。御質問等のある方がいらっしゃいましたら、チャットにて御投稿いただければと思います。  それでは続きまして、次の事例共有に移ります。社会福祉法人東京コロニー職能開発室室長の堀込真理子様より、デジタル技術活用支援者養成研修について御紹介いただきます。堀込様、よろしくお願いいたします。 (非掲載) 5. 意見交換 ○事務局(平良) それでは、皆様、お時間となりましたので、これより後半の「ICT利用支援会議」を再開させていただきます。  続きまして、意見交換に移ります。今回のテーマは「ICT機器の指導者・支援者のための育成プログラムについて」です。皆様の課題が少しでも解決できればと思いますので、各自治体やセンター様で実践している事例や取組、活用している地域資源について意見交換をいただきたいと思います。内部の職員の方々や外部の指導者・支援者の養成についても課題が多くあるかと思います。職員以外の方々をどのように仲間にしていくか、また、その育成・養成・活用についてお話しいただきたくお願いいたします。  今回は計3グループに分けております。各グループにはセンターの方々と自治体の方々が混在しておりますので、ぜひセンターとしての観点、また、自治体としての観点をお話しいただければと思います。  また、Aグループにはオブザーバーの渡辺様、Bグループには先ほど御発表いただきました村上様に御参加いただいておりますので、ぜひ御意見をいただければ幸いです。  まず、1つ目のテーマを御紹介いたします。今、チャットにも投稿させていただいておりますが、指導者・支援者の養成・育成・活用の課題でございます。現在、なかなかうまく取り組めていないセンター様がいらっしゃいましたら、ぜひ課題を御提供いただき、ほかのセンター様が実際に取り組んでいる事例や取り組みたいことなどをアドバイスいただけますと幸いです。  テーマの2つ目は、指導者・支援者を養成・育成・活用する際の注意点です。外部人材を養成・育成・活用するに当たってはどこまでの専門性を有していただくか、また、どこまで依頼するべきか、また、個人情報はどのように取り扱うかなど、懸念事項をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。そういった懸念事項を共有いただきながら、ぜひ皆様で解決手段について意見交換できればと思います。  それでは、これから3つのグループに分けてブレークアウトルームを行いますので、各グループにて意見交換をいただければと思います。16時45分頃にブレークアウトルームを解除いたしますので、またメインルームにお戻りいただきまして、最後に村上様、渡辺様から一言いただければと思っております。  それでは、これよりブレークアウトルームをスタートいたします。事務局のお二方、お願いいたします。 ※3グループに分かれて意見交換を実施 ※各グループからの主な意見は次の通り テーマ1つ目:「指導者・支援者の養成・育成・活用の課題」 * 講習会や研修の動画を作るのは大変なため、共有で使えるような動画があると役に立つという意見があった。また、研修会の実施方法として、障害種別を分けるか、一体として実施するか、講習会の目的をスキルアップに置くか、交流やネットワークに置くかなど様々な形での実施が考えられる点が共有された。 * ICTサポートの技術的な点については、利用者の日々の支援をするヘルパーや家族を巻き込んで支援をすることが本人のICT活用の定着につながるため、家族等の身近な支援者に対するICT活用の支援の重要性が共有された。また、家族によるICTのサポートには様々なスケールがあるため、小さな支援(例えば、スイッチや機器の配線の配慮をお願いする等)も重要であるという意見があった。 * また、家族等が支援をする場合、障害者の代わりに支援者がすべて実施してしまうと自立する機会を損なうことになるため、ICTのサポートは根気のいる支援であることを認識してもらうことや、障害者の自立を支援するという視点が重要であるという意見があった。 * 家族等の支援者養成については、支援者のみの講習会の実施はハードルが高いと思われるが、講習会に家族も参加できるような設計にすることや、訪問相談の際には家族も一緒に職員からの話を聞くようにすること等が考えられるという意見があった。 * 専門職で障害分野に関わっていた方を対象に、指導を行って人材を増やしたいと考えているが、自治体予算との調整が必要であるとの意見があった。 * 外部の企業やメーカーとの繋がりを広げて、スマホ教室などを開催したいがどのようにネットワークを広げるべきか分からないという課題も共有された。 * 指導者・支援者の養成・育成プログラムの周知について、ホームページやチラシでの周知に加え、どのように周知すれば広げることができるか検討する必要があるとの意見があった。 テーマ2つ目:「指導者・支援者を養成・育成・活用する際の注意点」 * 講習会を実施する際には、講習会に参加した方をどうネットワーキングしていくかという点が重要であり、講習会の後に、地域でボランティアとして活動するための説明会を実施していく等で、地域に支援の土壌ができていくという意見があった。 * 相談対応を行う際のポイントを育成プログラムに含めるようにしているとの事例紹介があった(例:ICT機器を利用する方の障害の種別、身体や疾患の状態、現在利用している機器に関する情報は、情報を連携する。事前に許可を頂いた上で、機器利用の様子(どのような機器を、どのように利用し辛いのか)を動画撮影・共有する。など) * パソコンボランティアについては、ボランティアの高齢化、パソコンボランティアの養成に係る都道府県の事業がないまたは終了している等の理由からボランティアがいないという課題が挙げられた。また、民間の団体が任意でパソコン操作を支援しているケースがみられた。 * 指導者・支援者の養成・育成にあたって、多方面の情報を自分たちで集めないといけないことに負担があるとの意見があった。 * その他育成の課題として、特定の障害種別の機器利用支援のノウハウがないこと、iPhoneやAndoroidの操作を独自に調べて支援をしている状況であること、指導すべき内容をマニュアル等で標準化できていないこと、担当者が少ないため育成に対応できないといった意見があった。 * 特別支援学校の教員に講師いただくケース、地方のセンターが東京の団体にて視覚障害者の方への支援を学んだケース、コミュニケーションに特化した団体や地元の卸業者、マイクロソフトのアクセシビリティガイドブックから学んだケースがみられた。自分たちの経験値に照らして、インターネットで収集した情報を加工した上で、月1回の小研修会を行うケースもみられた。 * 障害者団体に協力いただくことを検討したものの、機器利用支援のノウハウがないため支援が難しいケースがあることが確認された。 * ICT機器の使い方や、障害種別への支援内容について他のセンターの経験や情報の共有があればノウハウの蓄積に役立つとの意見が複数みられた * 講師を招へいする場合、講師の高齢化、人気のある講師の日程調整への苦慮、予算が厳しいといった意見がみられた。 * 指導者の確保や指導者の養成を進めても、実際に利用者の支援につなげることまではできていないケースがみられた。また、講習会をうまく行うことができないとの意見もみられた。 * お金・人・つながりが課題。民間との連携、障害種別が母体の民間組織との連携等が重要との意見が挙げられた。 (注意点) * 研修会に障害者の方が参加される場合、守秘義務の徹底を行うこと、自己紹介の場でご自身が情報の公開を拒否された場合は、障害名は聞かないようにしているとの意見がみられた。 * 上記を踏まえ、障害別・機器別、ネットワークに関する参考事例の紹介、標準的な勉強の機会を提供する仕組みがあると良いのではないかとの提案意見が出た。 ※各グループからの主な意見は以上 ○事務局(平良) 短いお時間でしたけれども、皆様、活発な御意見をいただきまして誠にありがとうございました。最後に、今日はオブザーバーの渡辺様と村上様にも意見交換に御参加いただきましたので、皆様からの御意見に対する御感想を一言ずついただければと思います。渡辺様、よろしければ御発言いただいてもよろしいでしょうか。 ○渡辺様 渡辺です。短い時間でしたが、いろいろとお話ができました。  今日は東京都のセンターから話があったので、講習会の持ち方やどんな方を対象にしたらいいかなという話があったのですけれども、今回、多くのICTサポートセンター、それから行政の方が参加されていますが、東京都ほど豊富な講習会をやるというのは難しいなと思った方がすごくいたのではないかなと思います。とは言うものの、講習会をやる目的が、例えばICTスキルを学ぶ場として講習会を提供しても、興味がある人はもちろん来ますが、その来た人をどうやって地域の中で活動していただく人としてネットワーキングしていくかというのが重要なところだと思うので、障害別にやるか、あるいは意思伝達装置やスマートフォンを使うというように機器別にやるかというのはいろいろなやり方があるからそれは別として、参加された方が知識を学ぶだけではなくて、参加者の方々が地域の中で、あるいは施設の中で活動できるようにつながりをつくるようなネットワーキングをつくる仕組みとして講習会をやるという目的もあるだろう。なので、講習会をやった後に、最後に地域で活動してもらうためのオルグ活動ということもきちんとやって、さらにコミュニティーの場を提供していくということをできる範囲でいいので繰り返し繰り返しやっていくことで地域のICTサポートの土壌ができていくのかなと思います。  なので、めちゃくちゃ難しいことをやるというよりも、やれる範囲の中で何度もやっていくということが定着支援として大切なところかなと思いました。以上です。 ○事務局(平良) ありがとうございます。続きまして、村上先生、お一言いただいてよろしいでしょうか。 ○村上様 Bグループの報告です。  感想です。先ほど渡辺先生もおっしゃったとおり、連携が非常に重要なのかなと感じました。具体的には、例えば県のICTサポートセンターの方は民間の方と連携していく必要があるとか、あとはそれぞれ身体が母体であったとか、視覚障害が母体であるといった民間の組織もあるので、そういうところと連携して支援をしていくといったことも重要かなと思っております。  また、具体的なテキストの話で言うと、Microsoftの「アクセシビリティガイドブック」というのを参考にして毎月研修会をやっている、非常に地道にいろいろ積み上がった研修会をやっているとか、特にネットワークを利用して研修会に生かしているといった団体さんもございましたので、それぞれいろいろなところの強みを出してやっていらっしゃるところも多いかなと感じました。  あと、最後に時間が迫っていたのですが、注意点としては参加していただいている方の守秘義務というのは大切になってくるのではないかということも触れられておりました。また、これからまだ全然手探り状態なので、研修会を持つかどうか、どういうふうにしていくかというのをいろいろ考えていらっしゃる団体さんもいたので、今回の機会が参考に、または出発点になればいいかなと思います。  私もやる側の悩みというのは全く同じように感じておりますので、身にしみて感じております。具体的に言うとお金と人とつながりというのはどこでも同じかなと思っております。  私のほうのBのグループは以上になります。 ○事務局(平良) 渡辺様、村上様、ありがとうございます。  お二人からも一言御感想がございましたけれども、最初からハードルの高いところを目指すのではなくて、まさに皆様ができるところから、外部の力も借りながら、参考にしながら、育成の基盤等を築いていただければと思っております。  それでは、お時間となりましたので、意見交換はこちらで終了とさせていただきます。 6. 連絡事項・閉会挨拶 ○事務局(平良) 最後に、事務局より連絡事項の御案内をさせていただきます。(一部省略)  続きまして、こちらはインクルサポーターの御紹介でございます。インクルサポーターは、ICT機器の利用に関する情報を調べたい場合であったり、障害のある方やその家族、支援者と情報発信をしたいセンターの方々やメーカーの方々などの支援者をつなぐポータルサイトでございます。こちらは令和4年度の厚生労働省委託事業でございます「障害者等のICT機器利用支援事業」で開発されたサイトになっております。利用者の会員の方々は、支援者会員が提供するICT機器利用に関する様々な情報を効率的に入手できるとともに、レビュー投稿等を通じて支援者の会員の皆様にフィードバックすることもできますので、ICT機器に関わる皆様はぜひお気軽に御感想をいただければと思っております。    皆様、長時間にわたり御参加いただきましてありがとうございました。また、事例共有いただきましたオブザーバーの先生方もありがとうございました。  これにて第1回「ICT利用支援会議」を終了とさせていただきます。本日はありがとうございました。 以上 17