参考資料3 「障害者による文化芸術活動の推進に関する基本的な計画(第2期)」の概要 第1 はじめに 基本計画の位置付け ・障害者文化芸術推進法第7条に基づき、障害者基本法及び文化芸術基本法の理念や方針を踏まえ策定 ※第2期基本計画期間:令和5から9年度 ・障害者による文化芸術活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図る ・基本計画の実現に向けた取組は、合理的配慮の提供を義務づける改正障害者差別解消法や障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法にも適う 意義と課題 ・障害者による文化芸術活動の推進は、文化芸術活動への参加や創造における物理的・心理的障壁を取り除き、誰もが多様な選択肢を持ち得る社会を構築する ・文化芸術活動全般の推進や向上に貢献し、我が国に新しい価値の提案をもたらす ・共生社会の実現に寄与する 第1期計画期間の取組状況 ・東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催や多様な主体の積極的な参画により各地域において様々な形で広がりを見せ、各分野において障害者の文化芸術活動は着実に進捗 ・第1期計画期間の後半は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により大きな影響を受け、文化芸術を鑑賞した障害者の割合も減少 第2 基本的な方針 ○障害者文化芸術推進法に規定する3つの基本理念を基本的な視点とし、具体的な施策に取り組む 視点1)障害者による文化芸術活動の幅広い促進 芸術家を目指す人から日常の楽しみとして行う人まで、いかなる障害者でも、地域の様々な場で幼少期から生涯にわたり、多様な文化芸術活動に全国津々浦々で参加できることが重要 視点2)障害者による芸術上価値が高い作品等の創造に対する支援の強化 新たな価値観や文化創造に寄与する作品・活動も多く生まれており、文化芸術が有する多様な価値を幅広く考慮し、その評価のあり方を固定せずに議論を続けていくことが必要 視点3)地域における、障害者の作品等の発表、交流の促進による、心豊かに暮らすことのできる住みよい地域社会の実現 地域の様々な領域で、多様な主体が円滑に活動できる環境や関係者の連携体制を整備し、地域に新たな活力を生み出し、障害への理解を深め、障害の有無にかかわらず誰もがお互いの価値を認め尊重し合う地域共生社会を構築することが必要 第3 第2期の基本計画期間において目指す姿 ○東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーを受け継ぎ、2025年の大阪・関西万博やその後の更なる発展も見通して取組を推進 ○「第2 基本的な方針」を踏まえ、合理的配慮の提供とそのための情報保障や環境整備に留意しつつ、活動の裾野を広げ、地域における基盤づくりを進める観点から、第2期の計画期間において念頭に置くべき目標を設定(進捗を把握する指標も設定) 目標1)障害者による幅広い文化芸術活動の更なる促進や展開 障害者による文化芸術活動の裾野を更に広げるとともに、障害者が活動しやすい環境づくりを進めることにより、活動状況の更なる向上を目指す ※進捗指標:文化芸術を鑑賞した障害者の割合 等 目標2)文化施設及び福祉施設等をはじめとした関係団体・機関等の連携等による、障害者が文化芸術に親しみ、参加する機会等の充実 障害者文化芸術推進法等の周知に取り組むとともに、人材確保やノウハウの共有等に課題を抱える文化施設等における、関係団体・機関等との連携による取組を推進 ※進捗指標:障害者文化芸術推進法・基本計画の認知状況 文化施設・文化芸術活動を行う福祉施設における取組状況 等 目標3)地域における障害者による文化芸術活動の推進体制の構築 地方公共団体における障害者の文化芸術活動の推進に係る計画等の策定や、障害者文化芸術活動支援センターの更なる設置の促進等を図る ※進捗指標:地方公共団体における計画等の策定状況 等 (2ページ目) 第4 施策の方向性 ○障害者文化芸術推進法に定められた鑑賞・創造・発表等の11の施策について、施策間の連携を取りながら、総合的・複合的に施策を推進 (図表) 障害者文化芸術推進法に定める11の施策 1 鑑賞の機会の拡大 2 創造の機会の拡大 3 作品等の発表の機会の確保 4 芸術上価値が高い作品等の評価等 5 権利保護の推進 6 芸術上価値が高い作品等の販売等に係る支援 7 文化芸術活動を通じた交流の促進 8 相談体制の整備等 9 人材の育成等 10 情報の収集等 11 関係者の連携協力 これら11の施策の総合的・複合的な施策の推進 第2期基本計画の主な施策項目 ○障害者による幅広い文化芸術活動の推進 ○文化施設における障害者に配慮した利用しやすい環境整備の推進 ○障害者の文化芸術に対するアクセシビリティの向上等 ○あらゆる地域で文化芸術活動に触れる機会の創出・確保 ○文化施設・社会教育施設における利用しやすい運営の促進 ○権利保護に関する知識の普及と意識の向上 ○企業等を含むアートの需要の裾野の拡大 ○情報共有・意見交換の促進に向けた広域的・全国的なネットワークづくり ○文化芸術による子供の育成 ○地域における相談体制の整備 ○文化施設において専門的な対応ができる人材の育成・確保 ○教育機関等との連携 ○学校卒業後における生涯を通じた障害者の学びの支援の推進 ○国民文化祭と全国障害者芸術・文化祭の一体的な実施 ○大阪・関西万博における共生社会の実現に向けた取組の発信等 ○障害者の文化芸術活動に関する多様な情報の収集・発信・活用 ○客観的根拠に基づいた政策立案・評価機能の強化 等 (図表、終わり) 第5 おわりに ○第2期の基本計画期間においては、障害者文化芸術活動推進有識者会議の意見を聴きつつ、中長期的に施策の実行及び検証、新たな課題や視点への柔軟な対応に取り組み、社会全体で障害者の文化芸術活動を支える基盤づくりを進める必要がある ○障害者による文化芸術活動の推進は未来への投資であり、全ての国民が相互に尊重し合いながら共生する、誰一人孤立させない豊かな社会の実現に資する