01/10/26 第2回母子健康手帳改正に関する検討会議事録 第2回 母子健康手帳改正に関する検討会議事録 厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課 第2回 母子健康手帳改正に関する検討会議事次第 日 時 平成13年10月26日(金)14:45〜17:22 場 所 厚生労働省共用第7会議室(第5合同庁舎(厚生労働省)5階 議 事   1.「平成12年乳幼児身体発育調査報告書」の公表について(報告)   2.母子健康手帳の改正について ○桑島課長補佐  それではお時間となりましたので、ただいまから、第2回母子健康手帳改正に関する 検討会を開催いたします。本日はお忙しい中、お集まりをいただきましてまことにあり がとうございます。  本日は、新井委員、長井委員、日暮委員、水野委員におかれましてはご欠席のご連絡 をいただいてございます。  本日は2回目の会合となりますが、前回は奥山委員がご欠席でございましたので、奥 山委員より一言ご挨拶をお願いしたいと存じます。 ○奥山委員  横浜から参りました奥山と申します。私どもは横浜で0から3歳までの、子どもとお 母さんのためのたまり場、ドロップインと申しましょうか、広場を運営しておりますN PO法人でございます。  私自身がここに母子健康手帳が3つあるのですけれども、子どもが3人おります。7 歳、4歳、1歳、3人とも愛育病院で出産いたしましたので、こちらに関係者がいてほ っとしているのですけれども、私自身、第1子を産んで1年間育児休暇とりまして、仕 事を1年間しました。ただ、諸般の事情があって辞めまして、地域活動をすることにな ったのですけれども、やはり今子育てをしているお母さんたち、とても育児不安も強い ですし、何か情報を求めるといっても、育児書ですとか、そういったものに頼らざるを 得ないというような状況があったり、お友達づくりが下手だったりいろんな状況があっ て、それが子どもたちの育ちにもいろんな影響を与えるのだろうなということをとても 感じております。  そこで現代の井戸端と申しましょうか、地域でみんなで揃って子育てしようよという ことでフリースペースを運営しております。やはり気になっているのが、お父さんの育 児参加です。「育児参加」という言葉さえ使いたくないですね。夫婦ともに子どもを育 てていかなくてはいけないことですから、そういった部分が、この母子健康手帳の改正 に当たって反映されるといいなと思っております。  こんな立派な会に出させていただくような立場ではございませんが、母親の立場とし て、意見言えることがあれば、発言したいと思っております。今日も含めて勉強のつも りで参加させていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。 ○桑島課長補佐  ありがとうございました。  それでは、議事に入らさせていただきたいと存じます。平山会長、どうぞ議事の方を お願いいたします。 ○平山会長  それでは議事に入ります前に、本日の資料の確認をお願いいたします。 ○桑島課長補佐  それでは、先生方のお手元にお配りをしてございます資料の確認をさせていただきた いと存じます。資料としてお配りしておりますのは1から3でございまして、1は、 「平成12年乳幼児身体発育調査報告書」でございます。2が「母子健康手帳改正」の事 務局案でございます。3が各委員からお寄せいただいたご意見を取りまとめた資料でご ざいます。併せまして、机上配付といたしまして、現在の政省令の様式と任意記載事項 を合わせた資料をおつけしてございます。それともう一つ、民間の出版社が独自にアン ケート調査を行いました結果を参考までにつけさせていただいてございます。  以上でございます。欠落等ございましたら、おっしゃっていただきたいと思います。 ○平山会長  ありがとうございました。大体揃っておりますですね。これから見ていただく間に何 か抜けがございましたらお申し出くださいませ。  それでは、お手元の議事次第に従いまして議事に入りたいと思います。まず議事の1 でございますが、母子健康手帳の乳幼児身体発育曲線等に反映されることになります 「平成12年乳幼児身体発育調査報告書」というものが10月24日に公表されたということ でございますので、これについて事務局からご説明をお願いいたします。 ○桑島課長補佐  それでは、資料1でお示ししてございますが、「平成12年乳幼児身体発育調査報告 書」をもとに、非常に分厚いものでございますが、簡単にポイントをご説明申し上げて まいります。  それでは1ページをどうぞお開き願います。「調査の概要」でございますが、この調 査、全国調査といたしましては、昭和25年からスタートしてございまして、10年ごとに この身体発育を調査をいたしてございます。  2番目の「調査の対象及び客体」でございますが、大きく2つに調査が分かれてござ います。一般調査と病院調査、この2つで構成されてございますが、一般調査の中では 3,000地区を抽出いたしまして、その中では生後14日から2歳未満の方。さらに 3,000地 区の中で 900カ所については、2歳以上から就学前の方々、こういった乳幼児を対象に して調査する一般調査、これは保健所等が中心になりまして、保健所に来ていただく、 あるいは訪問するといった形で調査をいたしてございます。  2つ目の病院調査につきましては、産科病床を有する病院のうち抽出をいたしまし て、1か月健診を受けられる方に対して乳幼児の調査をしました。これは対面でその病 院で調査をするという調査でございます。  3番目が「調査の事項」でございますが、これは後ろの3ページ、4ページに付いて ございます調査票のとおりでございます。  「調査の時期」につきましては、平成12年9月1日から30日までの間に一般調査、病 院調査ともに実施されております。  それから、1枚おめくりいただきますが、2ページ目でございます。  「計測方法」等につきましては、「乳幼児身体発育調査必携(マニュアル)」がござ いまして、それに基づいて実施をされてございます。これも47ページ以降に付けさせて いただいてございます。  「調査の対象数」でございますが、一般調査につきましては、結果だけ申し上げます が、 8,104世帯、1万21名の方が対象になってございます。  「病院調査」につきましては、協力を得られました病院 136病院で 4,094人の対象者 でございます。これらを合わせまして今回の調査が成り立ってございます。  3ページ、4ページが一般調査、病院調査の調査票でございます。  それでは「調査結果の概要」についてご説明申し上げますが、5ページ以降でござい ます。  まず体重、身長、胸囲、頭囲のそれぞれのデータでございますが、9ページから12 ページをご覧いただけますでしょうか。実際のパーセンタイルごとの数字を男子、女子 に分けて記載をしてございます。これをわかりやすくするためにそれぞれグラフをお付 けしてございますけれども、それは17ページ以降にそれぞれの対応するグラフを付けさ せていただいてございます。この説明につきましては省略をさせていただきますが、次 の昭和35年、45年、55年、平成2年とそれぞれ10年ごとの調査結果と比較をすることが 出てまいりますけれども、これにつきましては13ページからそれぞれのデータで比較を いたしてございます。  それでもう少しわかりやすくするために、平成2年との比較でございますけれども、 33ページをお開き願いますでしょうか。平成2年のデータと平成12年の今回の結果とを 比較をしたものでございます。33ページにつきましては、体重、身長で両方併せてお示 しをしてございます。このポイントを5ページの下からお書きしてございますけれど も、体重につきましては、前回と比べ、男子では出生時から5か月までと、10か月から 4歳半までやや減少している。女子では全般にやや減少しているという結果でございま す。  身長は、前回に比べ、全般にやや減少している。  胸囲は、前回(平成2年)と比べ、全般にやや減少している。  頭囲は、前回と比べ、全般にほとんど差がみられない。  こうした結果になってございます。  3番目でございますが、「一般調査による乳幼児の運動・言語機能について」という ことですが、これにつきましては35ページでございます。35ページの表9−1 一般調 査による乳幼児の運動機能通過率でございます。これにつきましては、首のすわり、ね がえり、ひとりすわり、はいはい、つかまり立ち、ひとり歩きということで今回調査を いたしました。それぞれ結果といたしましては6ページに簡単に概要をお示ししてござ いますが、90%以上の子どもさん方が通過する年月についてお書きしてございます。例 えば、「首のすわり」ですと生後4〜5か月において乳児の90%以上の方が通過をす る。表でごらんいただきますと4か月〜5か月のところ、既に96.5%という児の方が通 過をいたしてございますので、この間に90%以上の方が可能となったということでござ います。  ただ、平成2年との比較の際に若干注意が必要なのは、平成2年の場合は「はいは い」のところで、高ばい、いわゆる腹部をずらないことを条件にしてございましたけれ ども、平成12年におきましては、はって移動できるものすべて「できる」としていて若 干変わってございますので、平成2年との比較は直接的にはできないわけでございま す。次の36ページの図10−1をご覧いただけますでしょうか。平成12年が実線、平成2 年が点線でございます。それぞれの今の通過率を前の調査と比較をいたしたものでござ いますが、若干でございますが、右に平成12年の結果がずれてございます。ということ で、問題としては特にないわけでございますけれども、少し遅れぎみということが今回 の結果として出てきてございます。  その下の図10−2をごらんいただきますと、言語でございますが、一語以上の言葉を 話す乳幼児の通過を示してございます。これにつきましても、平成12年と2年とを比較 いたしますと、ご覧いただきますとおりでございます。若干の遅れがうかがえるのでは ないかということでございます。  それ以降、4番でございますが、もう一度7ページにお戻りいただきますが、「一般 調査による乳幼児の栄養法について」、お示しをしてございます。若干行ったり来たり で恐縮でございますが、37ページ、表10で月齢ごとの乳幼児の栄養の摂取の仕方につい てお示しをしてございます。その中では、平成2年と比べますが、人工栄養の割合が減 少しており、また母乳栄養については月齢が進んで、その割合が高くなっているという 結果を得ております。  39ページをお開きいただきますが、病院調査による出生時体位の数値でございます。 この中では妊娠期間別に見た出生時の体重、身長、胸囲、頭囲の平均値、標準偏差をお 示ししてございますけれども、各項目ごとそれぞれ妊娠42週までは妊娠期間が長くなる につれて大きくなる傾向が見られてございます。  次のページ、40ページでお開き願いますが、これはそれぞれ単胎と双胎を比較をした ものでございます。それぞれ体重、身長、胸囲、頭囲いずれも単胎の方が双子のお子さ んよりも大きいという傾向が見受けられます。  それから41ページでございますが、母親の喫煙等についてですが、表16−1は、母親 の妊娠中の喫煙の有無でございます。  16−2は、年齢別のそれぞれお母さん方の喫煙の状況についてでございます。  喫煙率については、表16−1をご覧いただきますとおり、平成2年の「吸う」という ところの総数のところをご覧いただきますが、 5.6%という結果でございましたが、平 成12年におきましては10.0%ということで、大きく増加をいたしてございます。 16−2 のところで、年齢別の数字でございますけれども、15〜19歳のところが、「喫 煙あり」のところをご覧いただきますが、34.2%の妊婦さんが吸っておられます。以 後、年齢が進みますごとに若干減少の傾向がございます。 16−3、16−4でございますが、これは喫煙本数別に見た出生時の体重及び身長につ いてお示しをしておるわけでございますが、喫煙本数の増加とともに出生時の体重、身 長ともに低くなっているという結果を得てございます。例えばでございますが、16−3 でごらんいただきますと、男子のところで平均値、1本も吸わない0本のお母さんが産 んだお子さんの平均でございますが、3.10キログラムでございます。それに対して11本 以上吸っておられるお母さんの子どもさんの平均が2.97ということで減っているという ことが明らかに言えるかと思います。身長についても同様でございます。 次の42ページをお開き願いますが、17−1は、父親及び同居者の同室における喫煙の 有無ということで、17−2及び17−3については、母親の喫煙なしの条件におけますそ れぞれの喫煙本数に見た出生時の体重及び身長ということでお示ししてございますが、 同室の方が喫煙をしているかということの喫煙率については、17−1の一番右側、合計 の欄でございます。「吸う」というところで、お母さんの喫煙状況は度外視をいたしま して、同居者の方が吸っているかということで見ていただきますと、45.7%の方が吸っ ているという回答をいただいてございます。  その下でございますが、男子において、同室の喫煙本数の増加とともに、仮にお父さ んだとしますと、お父さんが吸っておられれば、やはり喫煙本数が増えるほど体重、身 長ともに小さくなるという結果が出てございます。  それから43ページでございますが、妊娠中の飲酒についてでございます。実際に飲酒 をしておられる方のパーセントは、18−1でお示ししてございますが、18.1%でござい ます。  それから年齢につきましては、これは喫煙とは逆で、年齢が高くなるほど飲酒率が高 くなってございます。  18−3、18−4につきましては、それぞれお母さんの飲酒に対して、子どもさんの出 生体重を見ておりますが、これはたばこほど影響は出てございませんでした。  以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○平山会長  ありがとうございました。今、説明をお聞きいただいて、なぜ小さめになっているの だろうとか、細めになっているのだろうとか気になるところがいろいろございますけれ ども、そのディスカッションは時間の関係で、また別の機会にしていただくことにし て、今のご説明そのものに何かご質問ございましょうか。  この報告書の世話役をしてくださった高石委員、何か補足していただくことございま すか。 ○高石委員  特にございません。大変詳細にご報告いただきましたので。ただ、今会長もおっしゃ ったように、小さくなりつつあるということがどの辺まで続くのかということは、今後 また検討しなければいかんということと、もう一つは喫煙の問題は新聞に取り上げられ ていたように、私どもも喫煙防止教育に関連してきた人間としては少しびっくりして、 また腰を据えて、特に若い女性の喫煙率の低減に力を尽くさなければいけないなという 気持ちを持っております。  加藤先生、何かかありますか。 ○加藤委員  長い目で見てみますと、10年間の変化というのも微細なものですので、さほど気にす るものではないということを、繰り返しになりますが、つけ加えます。 ○平山会長  ありがとうございました。たばこの話などは、母子健康手帳にも一部出てくるかもし れませんが、データ、カーブについては、今ご説明いただいたとおりのものが、これか らまた載るようになっていくと思います。  ほかに何かぜひというご質問がございましたらお願いしますが、よろしゅうございま しょうか。  また、学会その他いろんな場で、理由についてはディスカッションしていただきたい と思います。よろしくお願いをいたします。  それでは、次に議題の2、今日のメインになります「母子健康手帳の改正について」 に入りたいと思います。前回は事務局から今回の改正の背景、主な改正検討項目、スケ ジュール等について、また、日暮委員から、主任研究者として担当された母子健康手帳 に関する厚生科学研究の報告書について、あるいは川井委員から、今の調査と一緒に行 われた幼児健康度調査の内容についての説明、ご報告などがございました。その後、委 員の間で自由討議を行っていただいたところでございますが、今回からいよいよ母子健 康手帳の改正についての具体的な検討に入らせていただきたいと思います。  今回は、事務局から母子健康手帳の改正についての具体的な案が提出されております のと同時に、先ほど資料点検いただいたときにお気づきのように、各委員の皆様方から さまざまな改正案を提出していただいております。  そこで、提出していただいたいろんなご意見をぱらぱら拝見しながら思うのですが、 今後の進め方についてのご提案なのでございますけれども、この検討会もきょう含めて あと2回程度で結論を出さないといけないという時間的な制限がございますは前回ご説 明いただいたとおりでございます。  そういうことがございますので、議論を整理するために、今日は各委員からいただい たご意見につきましては、これから簡単に理由をご説明いただきますけれども、これら のご意見については、この次の回までの間に、私と事務局との間で相談いたしまして、 適宜選択させていただき、それを今日これからご説明いただきます事務局案に取り込ん だ新たな改正案をつくらせていただいて、それを次回のこの委員会の前に配らせていた だいて、その案に対するご意見をファックスやメールなどでちょうだいをし、それを踏 まえまして、次回、これは日を決めていただいてあると思いましたが、11月21日の会合 には再度調整したものを提出させていただいて、11月21日の会合の席上でほぼ最終的な 意見調整をさせていただく。  こういうようなスケジュールで進めさせていただきたいと思うのでございますけれど も、よろしゅうございましょうか。時間に追われるということもございまして、少し強 引な進め方になってしまって恐縮なのですけれども、ひとつご了承いただければありが たいと思います。よろしゅうございましょうか。                (「はい」と声あり) ○平山会長  ありがとうございます。  それでは、手順としてはそういうように進めさせていただきたいと思います。今、ご 説明いただいたスケジュールで進めていくということを前提として、まず事務局、各委 員の先生方から出していただいた案等について、これから趣旨の説明をお願いしたいと 思います。  それでは、まず事務局からの事務局(案)、お手元の資料2、これの説明をお願いい たします。 ○桑島課長補佐  これは事務局独自の案でございますが、先生方からいただきましたご意見をまだ踏ま えてございません。それでは資料2に基づきましてご説明いたします。  まず1つ目でございますけれども、乳幼児身体発育曲線等についてということで、改 正の趣旨につきましては、先ほど事務局からご説明申し上げました平成12年に実施され ました乳幼児身体発育調査の直近のデータに基づきまして曲線をつくり直すということ でございます。  改正案のところでお付けしてございますが、省令様式の中の曲線を後ろの方に別添の 1から8、恐縮でございますが、10ページまでは事務局案としてページを振ってござい ますが、それ以降それぞれの身体発育のカーブをそれぞれ付けてございます。こういっ た形で今回事務局案として出させていただいてございます。  それから、2番目、母子健康手帳の大きさについてでございます。改正の趣旨といた しましては、今回、市町村が地域の実情やニーズに応じて決定できますように、現行の 省令様式で「日本工業規格のA列6番」、いわゆるA6というもので規定されてござい ますが、その手帳に関する指定を削除いたしたいということでございます。  次のページ、「葉酸の摂取」ということで、これは平成12年12月に私どもの方から通 知を出させていただいたものを踏まえて、今回のこの改正にこの記載を取り入れたいと いう趣旨でございます。改正案のところをご覧いただきたいと思いますが、現行はもち ろん書いてございません。中身についてでございますが、「神経管閉鎖障害の発症リス ク低減のために」ということで1項目欄をつくらせていただきます。かいつまんで申し 上げますと、栄養のバランスを保つことが必要ですが、二分脊椎などの神経管閉鎖障害 のリスクを低減させるためには、葉酸の摂取が重要であるということ、それはどんなも のに含まれているのかということ、さらに注意書きとして、それぞれ疾病、障害の説明 をさせていただいてございます。  次のページ、「※」の2つ目で、それぞれの摂取に当たっての留意点ということで、 ここで書かせていただいてございます。  4番でございますが、「妊娠中及び育児期間中の飲酒・禁煙について」、先ほどの調 査結果でもいろいろと出てございましたけれども、今回の改正につきましては、近年に おける妊産婦の喫煙率の増加を踏まえ、妊娠中の喫煙等について記載を充実をさせてい ただきたいということでございます。現行におきましては、わずか1行でございまし て、「酒とたばこの害から胎児を守りましょう」と。  改正案といたしましては、「酒とたばこの害から赤ちゃんを(これは胎児と乳幼児併 せた形)守りましょう。妊娠中の喫煙は、胎児の発育を遅延させ、妊婦や赤ちゃんのそ ばでの喫煙は乳幼児突然死症候群(SIDS)に関係することが知られています。妊婦 自身の禁煙はもちろんのこと、お父さんなど周囲の人も、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫 煙をやめましょう。また、アルコールも胎盤を通過しやすく、胎児の発育に影響を及ぼ します。妊娠したら、飲酒は控えましょう」ということでございます。  たばこにつきましては、先ほどの調査結果の中でもご説明をしたとおりでございま す。併せて「健やか親子21」の中でも目標値として取り上げているところでございま す。  一方、飲酒につきましては、若干表現がやわらかくなってございますが、ここはぜひ 先生方のご議論をいただきたいところと考えてございます。  それから、次、「子育て支援に関する情報について」ということでございますが、改 正の趣旨は、「近年における児童虐待事例の増加などに鑑み、子育て支援に関する情報 についての記載のさらなる充実を図る」ということでございます。  現行におきましては、子育てに関する相談機関ということで、からだに関するとこ ろ、育児上、療育上のというところで2つに分けて機関を例示をしてございます。  今回の改正におきましては、お母さんの悩みや子育てに関する相談という部分と、お 母さんの悩みや子育てに関する相談先の情報、この2つに大きく分けております。5 ページの方にお書きしてございますのは、それぞれの注意喚起という意味で、1つ目の 「◎」が、お母さんのストレスのチェックをしてくださいと。そのチェックの種々な観 点について書いてございます。  2つ目の「◎」が、そういった場合の周囲の子育ての資源について注意を促している ところ。  3つ目で、全国レベルでの子育て情報の1つの例ですが、インターネット上の子育て ネットをご紹介をしてございます。ただ、この部分につきましては、また後ほど出てま いりますが、地域の情報がそれぞれございますので、地域での情報もそれぞれ加味され ていくものと思っております。  次のページでございますが、今度はそういった情報をさらに具体的にどういったとこ ろに相談したらいいのかということをこちらの欄に書くことになるわけでございます が、前回の部分にももちろんあったわけでございますが、さらにそれを充実させてござ います。例えば1つ目の「◎」のところでは、前のお母さんの体や子どもさんたちの発 育ということで観点を置いてございましたが、お母さんの心の悩み、さらには子どもさ んの子育ての仕方、こういった部分をつけ加えさせていただいてございます。相談先の 中で、精神保健福祉センター、これは心の部分に対応するものと考えておりますが、こ の部分を追加させていただいてございます。それから、かかりつけ医療機関につきまし ても、心への対応、子育ての仕方への対応をお願いするという意味で、併せてここに書 かせていただいてございます。  それから、「◎」の2つ目でございますが、ここへ保育所、主任児童委員、こういっ た項目を追加させていただいてございます。  全体といたしまして、それぞれ名称、連絡先が記載できるように欄を設けておりま す。  次、7ページでございます。これは労働省関係のいろんな通知が変わってございまし たので、そういった改正を盛り込んだものでございますが、改正の趣旨のところでござ います。  1つ目が、女性労働者が母性健康管理指導事項連絡カードをより簡易に入手できるよ うにすることにより、母性健康管理指導事項連絡カードのより一層の利用の促進を図 り、事業主がその雇用する妊娠中及び出産後の女性労働者に対し、母性健康管理上必要 な措置をより適切に講ずることができるよう、このカードの様式を追加いたします。  2つ目が、都道府県労働局の設置に伴う都道府県女性少年室の都道府県労働局雇用均 等室への改組に合わせて、問い合わせ窓口の記載を改正をいたします。  3つ目が、雇用保険法の改正により、平成13年1月以降の育児休業について、育児休 業給付の給付率が、40%に引き上げられたことに伴う記載の改正を行います。  4つ目が、その他文言の適正化、記載内容の充実等のための改正を行うということで ございます。  それぞれの改正の中身につきましては、ご覧いただきますとおりでございます。省略 をさせていただきます。  次に9ページの方にお進みいただきますが、今度は母子健康手帳作成及び取扱いの要 領、いわゆる局長通知で書いてございます部分についての改正でございますが、改正の 趣旨は、2行目に書いてございますが、近年における児童虐待事例の増加などに鑑み、 各市町村が地域の実情に応じ、育児支援情報を盛り込むことを推進するために今回の改 正を考えてございます。  それで改正案の中でございますが、1の(1)の下線部分ですが、特に、近年におけ る児童虐待事例の増加などに鑑み、各市町村の実情に応じ、育児相談窓口の連絡先等育 児支援情報を盛り込むよう留意すること。特にきめ細かな情報を各市町村は提供してく ださいということを追加させていただいております。  それから(2)でございますけれども、現行では「利用者の携帯の利便等を考慮し、 総ページ数を極力抑制するとともに、受診券、予防摂取問診票等はとじこまないこと」 と記載いたしてございますが、その下線部分を削除するということでございます。した がいまして、「利用者の携帯の利便等を考慮すること」、これだけにさせていただきた いということでございます。  事務局からは以上でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○平山会長  ありがとうございました。それでは今のご説明についてのご質問、ディスカッション は次に回させていただいて、引き続いて、各委員の皆様方からお寄せいただいているご 意見について、各委員の方々からご説明を簡単にお願いしたいと思います。資料3とし て綴じてあるものでございまして、かなり分量が多うございますので、大変恐縮です が、お一人5分程度で、大事なところだけをご説明いただければありがたいと思いま す。細かい点は後ほど事務局と私の方で十分検討させていただきたいと思いますが、綴 じてございます順番でひとつお願いをしたいと思います。  一番最初が朝倉委員ですが、よろしくお願いします。 ○朝倉委員  それではご説明いたします。私たちは母子健康手帳の中の、特に妊娠・分娩というと ころを担当しておりますので、その部分に関して、私たちの要望をお話したいと思いま す。資料の最初の1枚、2枚、3枚というところは意見が書いておりまして、これを読 みますと6分ぐらいかかりますので、これは読みません。  その次に資料1としまして、表が載っているところ、これがサマライズした改正の要 望でございます。ここでご説明させていただきたいと思います。  まず最初、母子健康手帳では8ページになりますが、「出産時の児の状態」について というところがございます。この中で「仮死産」という言葉がありまして、死亡したか 蘇生したかマルをつけるような項目がございます。ところが「仮死産」というのは産婦 人科の用語にはないということが非常に問題でありまして、どういう意味なのかがわか らないということです。仮死というのは胎児仮死と新生児仮死という言葉が2つあるの ですが、最近では国際的に日本も含めて、学問的に見て胎児仮死という概念が非常にぐ らぐら揺れているところでありまして、直すとすれば、「新生児仮死」というふうに直 して、生まれたときの赤ちゃんの状態がどうだったかということにしていただけると明 確になると思います。それが1点でございます。これは意見書も付けてございます。  2番目の「出産後の母体の経過について」、これは1か月健診等でよく使うのです が、現行では産後日数、子宮復古の状態、悪露、乳房の状態等がございまして、そこに 「その他」という項目を付けましていろんなことを書くことができれば非常に記録とし ての役割が増すものと考えます。  3番目は「マタニティーブルー」について母子健康手帳に書いてあるところがありま すが、ただ、「いいえ」か「はい」だけで、何のために記載するかわからない部分があ りますので、医療側にも援助の手を差し延べる準備がありますよという意味でこんなふ うな言葉を付けるとどうかなと思いました。  それから、次ですけれども、「妊婦健診の回数」、これは非常にイージーなミスであ ると思いますので、健診の回数が古い記載がございますので、これは直していただきた いと思います。  それから、「酒とたばこの害から胎児を守りましょう」については、一部分事務局の 方で取り上げていただきまして、事務局の案の方がいいと思いますので、よろしくお願 いします。  次の「薬の影響」です。これは他団体からも要望がございまして、分娩時に使用して いる薬に関しての説明が母子健康手帳にないということがあります。確かにそのとおり でありまして、現行の薬の影響についてという説明を見ますと、妊娠中の薬の服用につ いては、事前にその効果と副作用などについて医師及び薬剤師に十分説明を受け、適切 な用量、用法を守りましょう、という言葉だけであります。ここに抜けているのは、先 ほどお話したように、分娩時に使う薬についての記載がないこと。この現行の文章で は、薬を使うというのは、説明と同意の下に使うものであるというような概念が全くな いように思います。そういう意味から改正案では、事前にその必要性をちゃんと説明し てもらう。必要性を説明して飲むということは、説明と同意という意味が入ると思いま す。  それから、薬については、別に分娩時に使う薬でも妊娠中に使う薬でも、避妊時に使 う薬でもすべて同じですので、ここの部分は「分娩時の薬剤についても同様です」とい う言葉をぜひつけ加えていただきたいと思います。  これで大体5分ぐらいでご説明させていただきました。  それから、1つだけ抜けておりますのは、意見書の中で書いてございますけれども、 アプガースコアを記載してほしいというご要望があったかと思うのですが、これには私 たちは反対をさせていただきます。それはアプガースコアというのは出生児の状態を知 るために非常にいい記録だと皆様方はお考えかと思いますが、アプガースコアにはいろ んな問題がありまして、必ずしも出産児の状態を反映しないということがありますの で、記録よりも子育て支援としてのマイナスイメージの方が強くなる可能性があるとい うことから反対します。アプガールは0から10点までですが、7点以上、何も問題がな いわけですが、7点と10点の差、こんなものは何もありません。でも、それは子供のス コアリングという点から差別化につながるのではないかという危惧を思いますので、反 対をさせていただきました。それに関して、詳しくは意見書をお読みいただきたいと思 います。以上でございます。 ○平山会長  ありがとうございました。大変クリアーなご説明をいただきました。 ○小林主査  すいません、ご説明なのですけど、今、朝倉先生から、妊娠週数の話で間違いがある と、古い記載があるというご指摘があったのですが、ほかにも何人かの委員から、イー ジーミスではないかというご指摘を受けてまして、実は今回資料をつくるときに、電子 媒体が残っていなくてスキャナーで取り込んで一応チェックはしたのですけれども、若 干そういう古い記載とか直し切れなかった部分があります。それで今回、机上配布資料 の1で配らせていただいているものは、そういったイージーミス等直してございますの で、その点、ご了承いただければと思います。以上でございます。 ○平山会長  ということで、当面ご了承ください。ありがとうございました。  次のページは歯科の問題で、新井先生からいただいていますが、今日はお休みです ね。かなり細かく書いていただいてありますので、皆様もお目通しのほどをお願いしま して、我々もよくチェックさせていただきます。  これを飛ばさせていただいて、次は大林先生お願いいたします。 ○大林委員  4項目挙げまして、1番が「プレネイタルビジットについて」、2番が、「乳幼児身 体発育曲線」、これは6歳までを7歳から12歳までの延長ということ。3番は「予防接 種について」、特に麻疹ワクチンについての説明を加えたいということ。4番目「睡眠 について」の項目を追加したいということを挙げました。  前回の委員会で趣旨につきましては、ご説明したとおりでございますので省かせてい ただきます。ただ、ここには挙げておりませんのですけれども、1つ前回の資料で、日 本小児科学会、日本小児保健学会、日本小児科医会の三者協から、母子健康手帳の改訂 に関するお願いというので、子育てに関する相談医療機関の各項目に、小児科医並びに 小児科医療機関の名をぜひ加えていただきたいという要望が入っておりまして、私それ を前回申し上げるのを忘れておりまして、今回それをつけ加えさせていただきたいと思 います。  以上でございます。 ○平山会長  ありがとうございました。これも理由その他、ご説明既にいただいている部分もござ いまして、わかりやすいと思います。  それでは、次は奥山委員は、この前、ご要望をいただいていたように思いますが、今 回の分はありませんので、前回分をチェックさせていただきます。  次は小野委員さんからいただいております。どうぞお願いします。 ○小野委員  資料が見にくくなっておりますけれども、まず妊娠中の経過、母子健康手帳の4ペー ジからなんですけれども、妊婦健診は病院だけではなくて、現在助産院でも行っていま す。現行の記録では、助産婦が指導した内容などを特記するところがないので、現在の 「医師の特記指示事項」を「医師・助産婦の特記、指示事項」に改正していただきたい と思います。  次に「出産後の母体の経過」ですけれども、現在は尿糖と尿蛋白も実際行っておりま すので、両方記載できるように、妊娠の経過と同じような記載でやっていただきたいと いうことと、出産した施設と1か月健診の施設が異なる場合がありますので、ここで 「施設名又は担当者名」を記入することを提案します。  あと3番として「予備欄」なんですけれども、妊産婦さんの要望の中に自由記載、超 音波写真を添付できるスペースの希望が実際にあります。また、災害時の対策として、 妊産婦のカルテ類がもし活用できない場合、唯一の情報源が母子健康手帳となるとい う、阪神大震災のときに、実際日本助産婦会が災害対策委員で検討された内容でもあり ますし、こちらの厚生労働省の方にも要望書が出ているようです。転記に関しましては 間違う可能性がありますので、予備欄のページを数ページとりまして、血液検査、超音 波検査等の検査が添付できるようにできるといいと思います。添付するので、途中の ページではなくて、母子健康手帳の最後のページに設けるというのはいかがでしょう か。  それから、予備欄の作成に当たって、妊娠中の経過の4ページから5ページのところ に、梅毒血清反応、B型肝炎抗原検査、血液型検査が2ページにわたって書いてあるの ですけれども、これを3行まとめて、血液型のところは書かずに、実施した日付だけで もよいのではないか。これは転記ミスの可能性をなくす意味で3行にまとめると見やす いのではないかということで、これは提案です。  あと最後、4番目として、同じく9ページの「出産後の母体の経過」のところですけ れども、受胎調節指導ということです。現行の母体保護法では「受胎調節実地指導」と いう言葉が実際使われていますが、産後の受胎調節指導は、多くの場合、助産婦が集団 あるいは個別で指導を行っています。その際、この言葉は余り一般的ではないので「家 族計画指導」という言葉を使っています。それでその記載を家族計画指導として、でも 受胎調節指導という言葉は実際残っているので、家族計画指導(受胎調節指導)なし・ ありとして(医師・助産婦・その他の実地指導員)としてはどうかと思って提案します。  以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。ごもっともなご意見でございます。  引き続いて加藤先生お願いします。 ○加藤委員  高石先生いかがいたしましょうか。私の方で。 ○高石委員  どうぞおっしゃってください。 ○加藤委員  身体発育曲線についてでございます。現行の身体発育曲線は、様式で言いますと38 ページから45ページまでありますけれども、そのうち、38ページから41ページまでの部 分につきましての意見です。  ご覧になりますように、曲線は3パーセンタイルと97パーセンタイルを線で、10から 90までを帯で示してあります。これは平成2年までの母子健康手帳はこの間の帯だけで した。先進諸国の母子健康手帳、WHOの基準が大体3から97を正常値としているため に、3と97を入れたのがこの手帳の様式です。  当時、3と97のみで行こうという考え方もありましたけれども、従来のものとの混乱 を避けるために10と90が残りました。しかしながら、正常値の考え方といたしまして は、3と97というのが基本でございますので、今回の改正をきっかけに、間の帯のとこ ろをとりまして、3と97にしたらいかがかと存じます。これによりまして、保護者の不 要な不安が軽減され、適切な身体発育評価がなされるように考えます。  以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。おわかりいただけたと思いますが、今のお話は、こういう グラフの真ん中の濃くなっている、いわゆる灰色ないしはほかの色になっているのもあ りますけれども、ここの部分(帯)をやめて、上と下の線だけにしようと、そういうご 意見ですね。ありがとうございました。  高石委員、どういう理由からですか。親の不安を減らすためですか。 ○高石委員  今、加藤委員が説明してくれたとおりです。当初、最初にパーセンタイル曲線を導入 したときは、10と90から外れる場合は少し経過をしっかり見ましょうと。そして、3か ら97を外れた場合は一応専門の方に見ていただきましょうという2段構えの指導という ことを考えてそのようにしていたわけですけれども、言うまでもなく発育の個人差とい うことがあり、また国際的に3と97にだんだん定着してきたということもあり、平成2 年の折に、3と97にしようかという話があったのですけれども、その前に10と90がずっ と使われて来てましたから、新しい調査値が出たときに、その説明がないままに線が変 わりますと誤解を招くということで、平成2年度調査の後の母子健康手帳の改正の折に はとりあえず、うっすらした帯に残しておきましょうということであったわけです。  ですからそういう流れからいけば、今回は帯は外してもいいのかなという提案です。 よろしゅうございましょうか。 ○平山会長  ありがとうございました。また後ほどご異議ございましたらば、ご意見をお聞かせく ださい。  それでは次に移らせていただいて、次のページは川井委員からいただいております。 よろしくお願いします。 ○川井委員  私のは、母子保健課の方から前回ご説明したものを整理をしてほしいという要望があ りましたので、改訂前のものと改訂後ということで整理をしたものです。説明は重複し てしまうので省きます。ただ、1カ所、保護者の記録の回答方式なのですが、現行は 「はい」、「いいえ」の二元方法なんですけれども、幼児健康度調査をやってみます と、「はい」、「いいえ」だけですと、項目によっては無回答あるいは不明が出てくる のですね。ですから項目によっては、「わからない」、「何ともいえない」というもの も含めて、「はい」、「いいえ」というのと、「はい」、「いいえ」、「わからない」 というのと、「はい」、「いいえ」、「何ともいえない」というような形のものにした 方がより正確な情報と、「わからない」とか「不明」というふうについてきたときに、 実際の相談の場に役に立つのではないだろうか。少し回答方式の提案です。以上です。 ○平山会長  それでよろしゅうございますか。 ○川井委員  はい。 ○平山会長  それでは少しページをめくっていただきまして、次は小林先生からいただいた分でご ざいます。よろしくお願いいたします。 ○小林委員  虐待の発生防止という視点から案をたくさん書かせていただきました。虐待の発生防 止の考え方としましては、初めの愛着形成を促進し、そして虐待が起こりやすい時期の 子どもの困難な行動に対しての理解と対応方法を伝えます。  それから、親子関係を育てていくという視点で、親子の会話、情緒交流の大切さを、 特に幼児期も含めて各時期の項目に入っていくことが大事ではないかと思いました。そ して、子育てをしている生活の中のストレスというか、家族のいろんな出来事の中で、 そこに見合った育児支援を考えていく育児ネットワークをつくっていくということに関 連する項目を各時期のところに入れこむ案を出させていただいています。  それと同時に、虐待問題の発生予防ということでは、虐待がなぜ起こるか、そういう ときにどうしたらいいのかということを親自身が理解されることによって虐待を自ら防 止できていく部分もありますので、ページを改めての説明を設けることを提案をさせて いただいています。  次のページから、それぞれの時期のところに書かせていただいていますが、川井先生 とかなり重なる可能性もありますけれども、説明させていただきます。  一番初めのところは、妊娠中のところに出産前後の育児援助の予定者の欄を設けたら どうか。といいますのは、出産前後のおばあちゃんの育児支援が、仕事をされているお ばあちゃんも多くなってきて、なかなか難しいことも増えているのではないかと感じて います。でも一番初めの育児支援の態勢を、家族の中、親族の中でつくっていくという 作業でもありますので、こういう項目はどうだろうかと思いました。  それから、生後4週間までのところに、家族全体の、特に上の子たちの名前と年齢を 書く項目を設け、家族の中で子育てをしていくという視点を入れます。揺さぶられっ子 症候群は、退院後4か月ぐらいまでにほとんどが起きます。ここに具体的に書いておく 必要があるだろうと思います。  大阪のホットラインでは相談の15%ぐらいが2人目が生まれる前後の育児の混乱の中 でおきています。複数の育児、赤ちゃんが生まれた前後の上の子の反応に対する理解と 対応を具体的に書くことも大事ではないかと思います。  各時期の項目といたしまして、それぞれの時期に母親の健康状態がわかるような項目 が大事だろうと思いました。子育ての経過の中でのいろんな出来事、例えば下の子ども の出生とか転居とかの生活の出来事といいますか、家族の出来事ということの記録の欄 があれば、それをめぐってのいろんな相談・援助につなげることができます。  3〜4か月のころに上の子の反応、そしてお父さんの育児参加の様子を入れること で、家族の中の動きを視野に入れていきます。  そして、9か月、10か月のころ、この辺から体罰が増えていきます。9割近い人が体 罰が出てくる時期ですので、体罰についての具体的なことを入れ込むことで、激しい体 罰へ発展していくことを予防したいと思います。  1歳前後の後追いの時期、母親から離れた分離不安の反応に対して、母親が戸惑って 厳しく対応してしまって悪循環になって虐待をしていく時期があります。これは子ども の情緒発達からも大事な時期でもあり、その対応について具体的に少し助言があればい いかもしれないと思いました。  その後は、子どもを褒めることの大事さとか、子ども同士が外で遊ぶことの大事さ、 会話をしていくことの大事さを各時期に出させていただきました。  その次のページには、文章がまだ練れていないのですが、「児童虐待の予防」につい て書かせていただいています。まずは法律で禁じられているということ。そして親は子 どもを傷つけようとしてしまっているのではありませんけれども、子どもが結果として 思ったより傷つくということをはっきりと伝えること。  そして虐待への対応方法はSOSを出して、だれかに相談する、社会的孤立をなくす ということが大事であるということを伝えることなどをポイントとしました。川井先生 の報告でも十数%の親が自分は虐待しているのではないかと考えておられるということ からしますと、自分が子どもを傷つけているのではないかと思ったとき、それをどうい うふうにとらえて対処していくのかが大切だと思います。 ○平山会長  虐待の予防を中心にいろいろご指摘をいただいております。ありがとうございまし た。  その次のページは水野委員さんからのご意見です。水野委員さんは栄養がご専門でご ざいますが、今日お休みです。いろいろ細かい字の部分もございます。お目通しをお願 いをいたします。  それでは、その次は雪下先生からいただいております。赤字で変えるところを印刷し てわかりやすくつくっていただいてございます。先生お願いいたします。 ○雪下委員  日本医師会の中に乳幼児保健対策委員会というのが常設してありまして、そこには各 々の専門家の先生に全国から集まっていただいて、その対策について検討しているわけ ですが、その委員会に母子健康手帳の改正についての要望を出していただくということ で、個人からの意見をいただきまして、それをまとめて、ほぼ重複しているもの以外は 列記させていただいたということであります。その各々の説明につきましては、その都 度そこにもほとんど書いてございますが、また恐らく各ページごとの検討があると思い ますので、その都度言わせていただきます。5分間でということでありますので、大体 基本的な考え方について、今5分の残った時間を話しさせていただきたいというふにう に思います。  これは第1回目にも申し上げましたように、乳幼児保健というのが、その後、学校保 健、労働者の保健、老人保健とか、生涯を通じての健康の保健ということでそれが有効 につながっていけることが一番大事ではないかということで、その細かいところを指摘 させていただいておりますが、特に発育の経過というものが、小学校、中学までつなが って経過を見れるような形にしていただければというようなこと。あるいは予防接種の 実施状態といいますか、そのチェックが各々例えば1歳半、3歳、就学時等においての 健診等で簡単に担当の医者からチェックできるような形にしていただきたい。もう一つ は、主な既往歴、特に感染症を主体にしました既往歴等についてのチェックも簡単にで きるような項目にしてほしい。それが1つ目でございます。  それから、先ほどから皆さん委員からのご意見もございますが、出産、育児環境の整 備というところで、地域の産婦人科の先生と小児科医の先生が連携を保ちながら、出 産、育児環境をつくっていただきたいということで、先ほどからも出ておりますプレネ イタルビジットについて力を入れてやっているわけですが、それについての項目を設け ていただきたいということと、もう一つは、子どもの虐待防止、これも今小林委員さん からも大変詳しく説明がありました。そのような問題も考えていただければということ であります。  3つ目は、子どもを産み、育てる環境のチェックということで、これも内容を見てい ただくと、各年齢層に希望を入れさせていただいておりますが、育児不安のチェック、 それによる育児支援をどうするかというものが検討できるような形でその情報を知れる ようなことを考えてほしいということ。それから、いわゆる虐待の防止、早期発見もこ の中に入るかと思いますが、もう一つは、情報の十分な提供による育児支援組織といい ますか、そういうもののPRを十分にしていただきたい。それにはまた抜けておりま す。例えば乳幼児の病後の一時預かりの制度、地域の育児支援センターの制度もありま すので、そういう情報を提供していただけたらというふうに思います。それから、疾病 の早期発見あるいは予防という意味での育児指導といいますか、それを早期にチェック できるようなこと、例えば生活習慣病、先ほどもお話ありました揺さぶられっ子症候 群、同じように生命にも関係するもやもや病とか、そういうものの取り上げもしていた だければと思います。  しかし、いずれにしろ、何とか医療と産む方、産んでから育てる妊婦さんとの信頼関 係というものが大事であって、不安をいたずらにあおるようなものであってはいけない と思いますし、また医療側、出産、育児に関係する外側のお互いの職務分担をしっかり やって、お互いに尊重し合ってつくっていくことが大事かと思います。  最後ですが、やはり本人のプライバシーの問題があるわけで、これはカルテと違いま して、それほど保護されているものでもなくて、公の場に出たり人の目に触れることも あるわけで、それが何年もそういうことになるわけなので、本人の知られたくない項目 は当然保護されるべきではないか。  先ほども委員の方から指摘があったかと思いますが、生まれたときのいろいろ問題と いうものが、それがその妊婦にとって誇るべきもので、公にしてほしいと本人の意思な らいいのですが、余りそういうことは人に知らせたくないということまで、いつまでも そういうものが残るということはやはり問題ではないか。なるべく本人が出産、育児に 関して誇れるような、そういう記録のものとして残されたらいいのではないか、そんな ふうに思います。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。これは先生のところの委員会でいろんなご意見をいただい たのを整理していただいてあるということですね。 ○雪下委員  重複は避けまして、それをまとめてそこに主な理由は列記しておきました。 ○平山会長  ありがとうございました。  それでは最後になりましたが、吉岡委員さんお願いいたします。 ○吉岡委員  きょう資料でお示しした内容なのですが、改正の趣旨としましては、前回の会議でも 申し上げたのですが、3点ほど少し重複いたしますけれども、もう一回お願いします。  内容を指導や発達チェックから育児支援に転換し、育児のつらさや不安をサポートで きる内容にするということが1点です。  次に、自由記載欄を増やすことで、育児記録、親から子どもへのメッセージ、専門家 とのコミュニケーション等の充実を図る。この手帳を子どもに渡すことで、思春期の心 の問題まで飛んでしまうのですけれども、そのときに、親が子どもをどのように育てて きたかというふうなよい記録として渡せればというふうに考えています。  3番目に、手帳を母と父の育児のコミュニケーションのツールにする。  主な趣旨が3点です。  改正案のところ、私も職場やら所属しています区の保健婦等に意見を聞いて網羅して いますので、細かいことからずっと載っていますので、主なところだけお伝えしたいと 思います。手帳の名称につきましては、「子ども健康手帳」ですとか「親子手帳」とい った名前でもそろそろいいのではないかというふうな意見もありました。  それから、少し飛びまして、P5の下から2段目のところでは、妊娠中のところに、 「両親学級で友達づくりをお手伝いしています。保健所や市町村にご連絡ください」と いうふうな文章を入れていただけたら。両親学級の説明とお誘いがこの前段に入れた方 がいいかとも思います。  次のページに行きまして、13ページのところの予備欄を、私、ここには「母から父へ のメッセージ」、「父から母へのメッセージ」と書いたのですが、母子世帯とか父子世 帯もありますので、これ以後、ずっとこの文言が出てくるのですが、全部「親からのメ ッセージ」ということで訂正をお願いしたいと思います。親からのメッセージというこ とで記載する欄があったらどうかということです。  あとは細かいことですが、16ページは1か月のところかと思うのですが、きょう資料 でお付けしたのですけれども、私どもの区で4か月前のお子さん八百余名に、いつ育児 不安の時期がピークかとか、どんなことでということでアンケート調査をいたしました らば、ちょうど私どもの区だけなのですが、後段の方にアンケートが付いているかと思 うのですが、1か月のときに育児不安がピークといった結果が出ていましたので、ずっ とこれから以後そうなのですけれども、P16からずっと6歳くらいまでなんですけれど も、「はい」、「いいえ」というふうに、その時期時期の発達の設問を、その言葉をい ただいて、例えば2枚目のP18のところを見ていただきますと、「この時期は首がすわ り、あやすと笑うようになります」というふうな表現で、「はい」、「いいえ」のチェ ックではなくて、このような表現にしてはどうかということです。  それでこのP18のところに、「泣いて怒ってよく育つ」というような表現を、前に厚 生省の方から、「それでいいよ、だいじょうぶ」という冊子をいただきまして、保健所 の健診でお配りしてて大変好評だったものですから、サポートということでその本から いただいて入れさせていただきました。  ということで、これ以後、ずっと「はい」、「いいえ」ではなく、この時期はこんな ことができますといった表現でいかがでしょうかということで書かせていただいており ます。  それから、少し飛び飛びになりますが、25ページ、29ページ、35ページ、4歳もです けれども、6歳ですとか、「健康診査記録」となっておりまして、よく電話で私どもの ところに行政でそういった健診をしないのですか、といった問い合わせがあるものです から、自治体によって健診の体制は違うと思うのですけれども、表現を健康診査から、 例えば1歳でしたら「1歳の健康の記録」というふうな表現にしますと誤解が少なくな るかと考えました。  少し大胆な提案になるかと思うのですけれども、まだ育児のつらさや不安をサポート できる内容というところでは大変不十分なので、小林先生がおっしゃったようなことで すとか、諸先生がおっしゃったような表現をおかりしながら、もっと充実するといいか なというふうに考えております。  それとすいません、追加で、資料のほかの最後のページのところに、P38、P39のと ころで、「学童期へつながる健康の記録」というところでは、現行は「なし」なんです けれども、挿入していただいて、「6歳すぎの健康記録」の欄を設けていただくとか、 あるいは予防接種を学童まで記載できるようにするとわりかし、なかなか学童までつな がるようにといいましても、実際には書かないでしまっておくといったことになるかと 思いますので、予防接種を記入するようなことを入れますと活用あるいは記入が図れる かというふうに考えたりいたしました。  以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。委員の皆様方、時間を守っていただいたおかげで、残り時 間を十分残していただきました。これからいろいろディスカッションしていただきたい と思いますが、最初に申し上げましたように、まず資料2の事務局案の改正項目として 挙げられている部分の文言等について最初にお気づきの点、ご意見をちょうだいできれ ばと思います。何でも結構です。高石委員。 ○高石委員  さっき加藤委員と私から申し上げた乳幼児身体発育曲線にかかわることでございます けれども、先ほど申し上げましたのは、あくまでこの委員会としての、つまり母子健康 手帳にどの曲線を採用するかという話でありまして、誤解のないようにあえて申し上げ ておきたいと思いますが、あくまでも保健指導用と申しますか、保健指導に使うものと しては、3、10、25、50、75、90、97の7本の曲線というのは非常に重要なのだという ことだけつけ加えさせていただきます。以上です。 ○平山会長  この曲線のあらわし方は委員の皆様はご存じでしょうが、パーセンタイルを採用する 前は、平均値±1/2Σの線で示してあったものですから、真ん中のところに入るのが 大体全部の赤ちゃんの1/3ぐらいしか入らなかった時代がございました。それではは み出る子が多いもので心配の種というのでパーセンタイルを採用し、さらに3、97%タ イルが入り、そして今度は真ん中を消そうかという話に今なってきていると、こういう ことでございます。  この改正案では、前のとおりの4本線になっていますが、これは事務局では既にある お考えがありますか。これから検討でよろしいのでしょうか。 ○桑島課長補佐  はい。 ○平山会長  これは今のご意見を参考にして検討させていただくということで、この曲線はご了承 ください。ほかの部分、表現その他、いかがでしょうか。 ○朝倉委員  2ページの一番最初ですけれども、葉酸に関する文章がございます。これは母子健康 手帳に載せることは賛成であるのですが、これは非常にデータに忠実に書き過ぎてい て、妊婦さんがこれを読んだら何をしていいかが全くわからない文章になっているよう に思います。葉酸はこういう食事に含まれている。葉酸を食べると神経管閉鎖障害がな くなることが報告されている。「1日 0.4mgの葉酸を栄養補助食品から摂取すれば、神 経管閉鎖障害の発症のリスクが集団としてみた場合に低減されることが期待できること が報告されています」。しかも、その下には、「ただし、神経管閉鎖障害の発症は、遺 伝的要因などを含めた多因子による複合的なものであり、その発症は葉酸摂取のみによ り、予防できるものではありません」と非常に忠実に書いているので、この辺、もう少 しこなれた格好で書いていただきたいと思います。 ○平山会長 ありがとうございます。おっしゃるとおりでございます。 ○雪下委員 今、朝倉委員が言われたところ、私もその中で、これは平山会長が委員長でやられた 葉酸の研究会の結果がこのまま出ているのだと思うのですが、ここで、これは妊娠1か 月前からの投与で、少なくとも母子健康手帳をもらうのは、2か月か3か月ということ になるのだと思いますので、このもらった段階では既にこれは遅いわけで、かえって不 安を持たせるのではないかという感じがいたしますけど、これはいかがでしょうか。 ○平山会長  雪下先生のご指摘のとおりたと思いますが、今のことですからまるっきり情報として 書かないわけにはいかないと思うのですが、書き方、今、朝倉委員おっしゃったよう に、これはあのときのかなり気を遣ってつくった報告書の文章を引用していらっしゃい ますので、プロでないとわからない部分がございますですね。この辺はまた検討させて いただきましょう。ありがとうございました。ほかにございましょうか。 ○雪下委員  もう一つ、よろしいでしょうか。 ○平山会長  どうぞ。 ○雪下委員  7ページのところで「働く女性のための出産、育児」のところですが、(1)の(1)、 (2)の辺ですが、都道府県の女性少年室というところからの今指導、あるいはモデル事業 を含めまして、この事業というのが産業医の中の、特に産婦人科の先生で産業医を持っ ておられる方が地域産業保健センターでこのモデル事業を今しておられるので、これが 全体的に普及は今してないわけですけれども、実際問題としては、大企業での専任の産 業医のいるところはそこで指導されるのですが、一番の問題は40名以下でしたか、中小 企業の中での妊婦の処遇というのが一番問題だと思うので、その辺のところ、地域産業 保健センターの存在のようなものを入れていただくことの方がいいかと思うのですが、 いかがでしょうか。 ○平山会長  いかがでしょうか。きょうは産業医であって産婦人科でいらっしゃる長井先生がお休 みなのでございますけれども。 ○雪下委員  ただ、現実問題としては、産婦人科の産業医の先生、大変少ないので、そこに相談に 来られると、そこから産婦人科の先生を紹介して、その先生に書いていただくというこ とを今とっていると思うのです。そういう窓口もあるということを情報提供していただ ければと将来的には思うのですけれども。 ○谷口母子保健課長  検討させていただきます。 ○平山会長  いかがですか。相談先のリストの部分がありましたし、ああいうところへ今のお話の 部分が入ればいいかなという気がいたしますが、また検討いたしましょう。ありがとう ございました。ほかにございましょうか。 ○奥山委員  5ページのところの「お母さんの悩みや子育てに関する相談」というところなんです けれども、まずいろんな周りに相談する前に夫婦での視点というのでしょうか、ご主 人・パートナーとの関係というのがまず必要ではないかということを感じました。  それから、その後で家族以外の支援ということになると思うのですが、それとあと 「母親学級、これは「両親学級(母親学級)」という書き方が今母子健康手帳の中でも そのようになっているかと思うのですが、「両親学級」という書き方がよろしいかと思 いました。  それから、文章の3行目ぐらいに「母子グループ」という表現があるのですが、「育 児サークル」というような言い方の方が一般的なのでしょうか。横浜のあたりだと「赤 ちゃん会」とかそういったものがあるのですけれども、サークルなのかなということ。  インターネットの情報がこういった形で出すのが適切なのかどうかという部分も少し 感じました。  あと6ページですけれども、生まれてすぐは母親がということになると思うのですけ れども、父子家庭ということも考えますと、ここにすぐに「お母さんの悩み」というふ うに出しちゃっていいのかなと。「子育てに関する悩み」というふうにして、父親でも 母親でも相談できるし、特定の「お母さん」という言葉が出てこなくてもいいのではな いかと感じました。  以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。ほかにございましょうか。 ○桑島課長補佐  妊娠したらたばこについてはかなりきつめに書いたつもりなのですが、お酒について は若干飲む方もいらっしゃいますでしょうけれども、緩く書いてございますが、いかが でございましょうか。 ○平山会長  この点はいかがでしょうか。まず朝倉委員。 ○朝倉委員  これは理想としては書いてもらった方がいいと思います。というのは、どこまで大丈 夫だとか、ドーズ・リスポンス的なものというのは全くありませんし、ただ、過料に飲 めば必ず害が出るというのもはっきりしているので、飲んでもいいですよというような ニュアンスは書くべきではないのではないかと思いますが、私の意見はそういうことで す。 ○桑島課長補佐  事務局としては、最初「禁酒」という言葉を使うか使うまいかいろいろと迷ったわけ ですが、ここは飲酒は控えましょうぐらいに若干緩くしております。「禁酒」という言 葉を使った方がよろしゅうございましょうか。「禁煙・禁酒」、いかがでございましょ う。事務局の中でも、そこは意見が割れまして、先生方にぜひご議論いただきたいと思 っておりましたが、お願いいたします。 ○朝倉委員  私は目標として書くのであれば、「禁酒・禁煙」だと思いますが、皆さんのご意見を お伺いください。 ○平山会長  ほかのご意見ありますか。小野委員さんいかがですか。 ○小野委員  理想的にはそうなんですけれども、妊婦さんの中に、外来で、どうしても結婚式など に出なくてはいけなくて、最初の乾杯の1杯目だけは口をつけてもいいでしょうかと か、そういう相談を受けるので、禁酒とは保健指導上では使ってないのですけれども、 本当は禁酒した方がいいと思いますけれども、難しいところです。 ○平山会長  渋谷先生いかがですか。 ○渋谷委員  私は「控えましょう」でいいと思います。それは表現は主観が入ると思うんですね。 行政で文書を出すときに、たばこは明らかなのだと思うのですが、お酒の場合に禁酒と いうことを表現として書いていいかどうか、「控えましょう」の表現の方がいいのかな という気はします。  ただ、実際保健指導するときには、飲まないようにね、ということは恐らく言われる のではないかと思います。 ○平山会長  吉岡委員さん、どうですか、実際の場では。 ○吉岡委員  4か月の健診のときに、アルコールもお尋ねしているのですけど、週に1〜2回程度 とか統計は今持っていませんが、量も少なめにという方が多いようで、週末にだんなさ んとリラックスというふうな効果はあるかなと思うのですが。 ○平山会長  「妊娠したら飲酒は控えましょう」という表現だと、なるべくやめておこうというこ とで受け取り方としては禁酒に近い受け取り方を一般の方はなさるのではないかという 気はするのですけれども、いかがでしょうか。  赤ちゃん生まれてからも、母乳のお母さんがお酒飲むとお乳に出てくるのではないか という心配は結構なさいますね。お乳をやっている間はお酒飲まない方がいいのかしら ということもよく聞かれますが、そんなことも含めて、これは先生、母乳の話はどうで すか。 ○朝倉委員  データがないのであれですけれども、「控えましょう」というお言葉というと、実は 禁酒に近い言葉だとは思っていますので、別にこれでも構わないと思っています。 ○平山会長  ありがとうございます。大林委員、いかがでしょう。 ○大林委員  今赤ちゃん連れてくるお母さんでお酒飲んでいる方もおられますけれども、そのため に赤ちゃんが酔っぱらって真っ赤な顔になったりというのは余り経験がありませんの で、妊娠中は控えた方がいいでしょうけれども、生まれた後は息抜きが必要になると思 いますので、生まれてからも禁酒というのはどうかなという気はいたします。 ○平山会長  ありがとうございました。小林委員。 ○小林委員  文章につきましては、「控えましょう」か「禁酒」かというのは、意見を持たないの ですが、たばこのことで、「若い方の問題が特別」というのがありましたけれども、お 酒の問題につきましても、10代からアルコール依存に近いような方たちがおられます。 そういう方たちはお酒は飲んでいるということを健診の場ではおっしゃらないかもしれ ませんけど、虐待ケースなどですと、結構おられます。だからそういう場合には本当は 胎児アルコール症候群などがおきているのではないかと思うこともあります。妊娠中の アルコールの実態とそのことに対してどう保健指導していくのかという母子保健の指針 をぜひ検討していただきたいと思っております。 ○平山会長  ありがとうございました。酒、たばこ以外のところで結構でございますが、ほかにご 意見何かございましょうか。もしほかに、今気になる点ございませんでしたならば、先 ほど時間を限って先生方にお願いをしました、それぞれの委員の方々からのご意見につ いてですけれども、これ全体で、どなたのどこの部分が気になるというようなことがも しありましたら、ご遠慮なくご討議をいただければありがたいと思います。こちらでメ モをとりまして、後ほど事務局と十分打ち合わせるようにいたします。お願いをいたし ます。 ○高石委員  今の趣旨から戻るようなことになるかもしれませんが、事務局案の1ページ目のサイ ズの問題は、私は削除に賛成という個人的な意見を持っておりますけれども、割と大き な変更だと思いますので、皆さん方のご意見を私自身も伺っておきたいと思うのです が。 ○平山会長  いかがでしょうか。これはこの前の改正のときに、サイズをどうしようというとき に、もうひと回り大きい方が十分書き込めていいのではないかという議論かなりあった のです。ただ、いろいろなアンケートを小児科、産科関係とか一部利用している方々と か、アンケートをあっちこっちからいただいたところ、我々の予想以上に、今の大きさ の方がいいというご意見が多かったものですから、この前のときは大きさを大きくする のを見送ったということがございました。 ○桑島課長補佐  私、7月まで大分におりましたけれども、現場のものを持ってまいりましたけれど も、既に各地で省令違反が続出してございまして、A6でございます。これは既に大き いものが大分で出回ってございまして、こういう状況でございます。参考まででござい ます。あちらにも(奥山委員、小野委員母子健康手帳掲げる)大きなものがございま す。 ○小林主査  あともう一点、補足なのですけれども、省令様式から大きさの指定を消すというのは A6にしてはいけないという意味ではなくて、それも市町村の裁量で、A6であっても いいし、ほかのサイズであってもいいということです。 ○高石委員  人から聞かれたときに、私自身うまく説明ができてうれしいと思います。ありがとう ございました。 ○平山会長  ほかにございましょうか。この前のときにもう一つ議論になったのは、せっかくいい もの、母子健康手帳というのがある。だけど学校へ入るところで切れてしまうのはまこ とにもったいないので、何とか学校保健につなげられないかというご意見、これは小児 科医会あたりからも強いご意向として出たのですけれども、今の母子健康手帳、特に妊 娠中の記録の部分あたりがかなりプライバシーに関係がありそうだということで、これ を学校の場にそのまま持ち込むというのはいかがということがございまして、それなら ばということで考えた次の手が、学校へ持ち込んだ方が便利な体重曲線と予防接種の記 録の部分、学校へ入る前にかかった病気の記録の部分、これだけをぽんと外せるような 格好の本のスタイルにした方がいいのではないかという案も出まして、これもアンケー トでとったのですけれども、これも外せるとなくしちゃうのではないかというご意見 で、外せるようなものの方がいいというご意見が思ったよりなかったものですから、こ れも見送りになったままになっております。  今回は特に今問題になっておりませんけれども、そんなことも含めて、もし何かご意 見ありましたらお聞かせをいただきたいと思います。渋谷委員。 ○渋谷委員  愛知県の中でも、小学校から中学校の欄をつくりまして、使える形で工夫をした市の 母子健康手帳が実はあるのですけれども、それほど前半の乳幼児のところほどのスペー スはとっていないのですが、一応これはそれぞれ一人ひとりのお母さんと子どもの手元 に置く、学校に提出するとかそういうことではなくて、手元に置いて発育の記録、齲 蝕・視力、学校保健で特に自身で記録をしておいた方がいいような部分の欄を学年ごと に設けまして、そこの下に少し短いコメントを付けてということを工夫して書いていら っしゃる市もありますので、ある程度任意の事項の中で、それぞれの市町村が工夫をし て、地域の教育委員会の実情もあるでしょうから、そういう調整はむしろ国の方で一 括、こういうふうでというよりも、そういう方法もあるよということを任意の事項の中 で示唆すれば、それぞれの地域で考えていただくという方がずっと動きやすいのではな いかという気がしています。 ○平山会長  ありがとうございました。 ○桑島課長補佐  今、渋谷委員からのご指摘に少し補足をさせていただきますが、机上配布資料1の任 意記載事項の51ページのところでございます、7歳以降の「保護者の記録」ということ でお示しをしてございますけれども、恐らく前回の改正のときにここの部分が追加され たものと思われますが、7歳以降、こういう欄をつくらせていただいた経緯がございま す。 ○平山会長  これをまた充実するかどうかということも考えていただきましょう。雪下委員。 ○雪下委員  今、10ページのところで、受診券、予防接種問診票、そういうものを入れるなという ことが書いてありまして、それで予防接種、健康記録みたいなものが外せるようになっ てというのは、そういうところからもだめなのかなというふうに思っていたわけです が、それが例えばコピー様式みたいな二重にできるようなのにして、これは今度削除さ れていますので、そういうものが学校側にいけたらというような、それができなくて も、例えば就学時健診、養護教諭が1年生に入ってきたときに、簡単に見れて、それを メモできる、記録できるような項目、今の国からの説明にもありましたが、そんなよう なところができればまだいいかなと思いますけど、いずれにしろ、学校保健の中へ何と かつながるようにと。  この発育曲線のところも、この中で提案してございますが、15歳まで記録できるよう にしたらどうかというような提案をさせていただいております。そんなふうなところで つなげるように検討していただければと思います。 ○平山会長  ありがとうございました。高石委員。 ○高石委員  私も学校保健につながるということについては昔から賛成の意向でございましたが、 今、雪下先生のお話にございました発育曲線については、文部科学省のほうの統計は パーセンタイルになっておりませんで、小児科関係でつくっておられるのも、あれは平 均値と標準偏差で計算をしているものが一般によく使われております。2000年時のパー センタイル値というのは、研究の段階でつくっていらっしゃる方もおいでになるかもし れませんが、その辺が気になります。本当は先生おっしゃるとおり、つながるといいと は思っているのですけれど、そのバリアーがあるということだけ申し述べておきます。 ○平山会長  ありがとうございました。奥山委員さん。 ○奥山委員  今の高石先生のお話につけ加えるのですけど、私の長男が幼稚園に入って、幼稚園で も健康診断で体重、身長をはかります。そうしますと幼稚園の手帳にその数字ととも に、その学年の平均体重と身長というのが出てくるのですね。それはパーセンタイルに なってないわけですね。幼稚園というのは学校教育ということで管轄が違うということ もあるのでしょうが、それと母子健康手帳の発達曲線との連動性がないというのが非常 に問題ではないかと、私幼稚園に通わせているときに思いました。  それと長男がことし小学校1年生に入りましたけれども、小学校に上がったときに、 どういう予防接種を受けていなければいけないかというチェックがあるわけですね。小 学校からこういうものを受けているのかというようなことでチェックが来ます。それが 例えば母子健康手帳に、小学校に入るまでにこういうのが終わっていた方がいいよと か、中学校に上がるまでにこういうことを踏んでおくべきだというような多少の目安が 入ってくれば、お母さんたちも母子健康手帳を小学校に入るとき、また中学校に上がる ときというふうにまた振り返ってみるというような機会があるのではないかと思いまし た。以上です。 ○平山会長  ありがとうございました。細かく見れば、そのように書いてはあるのですが、学校へ 入る前にここのところをチェックしようとかというようなわかりやすい注意書きがある とさらにわかりやすいなと、こういうことでございますね。  ほかにございましょうか。渋谷委員。 ○渋谷委員  先ほどの何人かの委員の、雪下委員とか小林委員の質問の中に、「子育てが楽しいで すか」というのを加えたらというのがありました。それから、川井委員の中には、「育 児に困難を感じますか」という、少し似たニュアンスだとは思うのですが、実際に我々 の立場で言いますと、「子育ては楽しいですか」と聞いてもらった方がいいように思う のですね。これは「健やか親子21」をこれから推進していく上で、子育てが健やかなと いうイメージがあるということが非常に重要ではないか。病気の話ばかりになってしま うよりは、発達の遅れの話ばっかりになってしまうよりは、「楽しいですか」と聞いた 中で、そしてそこで何か困難を感じている人、援助の必要な人をそこから拾ってくると いう、そういう切り方の方がいいのではないかというように少し思いました。それがま ず1点です。 ○平山会長  ありがとうございます。全くそのとおりだと私も思いました。ほかにございましょう か。どうぞ。 ○大林委員  実際に乳児健診をやっておりますと、乳児健診を受けるお母さんというのは安心を求 めて来るお母さんがほとんどなわけですね。余り心配なことを次から次へ言われると、 それで育児ノイローゼが始まらないか、そういう心配があります。ですから母子健康手 帳も安心の材料、子育ては安心してできる、そういう基本姿勢でないと、余りこと細か に心配事が載ると弊害が出てこないかと思います。以上でございます。 ○平山会長  ありがとうございます。気をつけるようにいたしましょう。川井委員。 ○川井委員  私も「困難に感じますか」というところを変えてもいいと思います。切り口なので。 それから、吉岡委員の「はい」、「いいえ」方式をやめようと。このことも一度議論を しなくてはいけないのかなと。せっかくのご提案で、実はこの前の平成2年のときも、 私も「はい」、「いいえ」方式ではない形をとれないかと思って考えたことがありまし た。結局は「はい」、「いいえ」の方になったのですけれども、その意味はこんなふう に理解されていたと思うのです。発達のチェックということは全くないわけではないけ れども、ただ、それだけではなくて、お母さんたちに子どもの様子や行動や発達等々を よく見て理解してもらおう。ただ、よく見て、理解してといっても手がかりがないとい けないので、その時期の大事なことについて挙げておこうというようなことの説明をそ のときの委員会のご説明だったように思うのですね。  発達については、乳幼児健診や発達の相談のときに、お母さんに母子健康手帳を持っ てきてもらって、一緒に見直したりするときに、項目があった方がいいようにも思うの ですね。余計にいろんな心配をさせないようにというところからすれば、多少「は い」、「いいえ」方式についてどうしようかなということもなくはないんだけれども、 前回のときは、「育児のしおり」のようなものが一番初版のときは各保護者の記録の方 に入っていたのを、これは育児についてのお母さんたちへのメッセージなので、しおり というような形にしようというような、そのときの委員会のご趣旨だったように思いま した。 ○高石委員  よろしゅうございますか。 ○平山会長  高石委員。 ○高石委員  今の川井先生の話に関連して、原点に立ち返るようでございますけど、この「は い」、「いいえ」方式が初めて入ってからずっとこのかた大体発達関係の項目は何% の、できる、できないのパーセンテージをもとに項目が選ばれてきたのでしたかしら。 ○川井委員  恐らく85から90ぐらいは当然超えているものということで、今度の健康度でやってみ たものが少しパーセントが入っていますけれども、ほぼ90近いものを入れよう。あれに よっては85ぐらいもありますけれども、なるべく多く、例えば1歳半健診のとき、なぜ 1歳半かといったときに、1歳半ではほとんど歩いている、歩行が完成しているから だ。それは90%超えているわけですね。  ですから趣旨とすれば、できるだけ90に近いところで選ぼうとしたはずだと思いま す。ただ、中によっては少し下がっているものもあると思います。 ○高石委員  私が質問した理由は、これはさっき加藤委員もおっしゃってくださって、大きさの方 は3と97というふうに広げた方がという論理になっているものですから、それでお尋ね しただけです。 ○平山会長  ありがとうございます。この「はい」、「いいえ」方式を左側のページに採用したと きは、結局それぞれの節目の月齢、年齢のとき、あるいは健診の前に親が赤ちゃんをも う一回見てもらって、こういうことできるか、ここに書いてあるから、実際にそれがで きるかどうか、その場でまた確かめてみてもらうという1つのきっかけにしたいという 希望があって、この「はい」、「いいえ」方式の質問形式をとったという記憶がござい ます。  通過率は大体90%をねらっておりまして、1歳半健診の場合、1歳半にセットをした 理由は、ひとり歩きにしても言葉にしても、大体95%ぐらいをねらって決めたような記 憶があります。 ○吉岡委員  私は東京を基準に考えてしまうところがあるのですが、4か月、6か月、9か月、1 歳半、3歳でそれぞれ健診をしてまして、そのときにまたお母さんに問診票を書いてい ただいているのですね。現場でも重なって伺うことがあったりするものですから、それ と趣旨のところにも申し述べたのですけれども、なるたけ親が書く余白を設けたいと思 うと、どこを減らそうかなというところもありまして、「はい」、「いいえ」を削った ようなところもあるのですけれども、確かにこれをなくしてしまうと、先生がおっしゃ ったような、その時期どんなことができるかなというところをお母さんが知るというと ころが減ってしまうので、別に冊子を設けるなり、ほかの先生にも伺ったんですけれど も、記載のページを各自治体でもう1ページそこで設けるという方法もあるのではない かというようなご意見もいただいたりしたのですが、そんなことで余白を設けたいとい うことと、各健診と重複するということで、こんなふうな案を考えてみました。 ○平山会長  ありがとうございました。 ○朝倉委員  「はい」、「いいえ」のところですが、例えば16ページなどで見ますと、「はい」、 「いいえ」にもいろんな意味があるような気がします。例えばここでは便の色を聞いて いますけれども、「うすい黄色、クリーム色、灰白色の便が続いていますか」、「は い」、「いいえ」。「はい」という方は、胆道閉鎖とかを疑って病院に行きなさいとい うことでしょうし、そのほかの「はい」、「いいえ」というのは、正常な発育を記載し ているもので、それを確認するという意味で「はい」、「いいえ」が多いかと思いま す。  ただ、さっきのこの項の中の胆道閉鎖での症状としての症状を見なさいということと 2つが一緒になっているので、そこら辺を少し整理されて、発育だけを観察して安心で きるものは「はい」、「いいえ」をなくすとかというようなこともできるのではないか と思うのですが、いかがでしょうか。 ○平山会長  これは病気の早期発見をねらって質問している項目というのは、胆道閉鎖と網膜芽細 胞腫の部分とこの2つだけだったと思うのですけれども、これだけは入れておいてくれ というご要望がそれぞれの学会からありまして入っております。  ほかにお願いいたします。何でも結構でございます。渋谷委員。 ○渋谷委員  事務局に質問なのですが、考える上で、プレネイタルビジットの事業なのですが、こ れは予算の事業だと思いますので、今市町村が全部やっているわけではないと思うので す。例えば、ここにそういう言葉として任意のところにも書きますと、そこの市町村は それをやっている市町村でないといけないわけですね。事務局の方に、プレネイタルビ ジットのような、例えば予算で市町村でやるかやらないかを決められるような事業の場 合、載せるということがどうかということと、今後プレネイタルビジットの事業が、こ れは非常にいい事業だとは思うのですけれども、今の見通しとしてどんなふうに考えて いらっしゃるのかということでお聞かせいただけたらと。 ○谷口課長  よろしゅうございますか。 ○平山会長  お願いします、課長さん。 ○谷口課長  まず任意的記載事項の性格の方からご理解をいただいた方がいいのかと思いますけれ ども、省令事項というのは一応国で決めるものでございまして、全国どこの市町村にお きましても最低限これぐらい長くやってほしいということで、一応従来からは少し緩ん ではいるかもしれませんが、規制的色彩の強いものであるという認識を私どもは持って おります。  一方、任意的記載事項と申しますのは、これは本当に任意でございまして、国は例え ば例示としてこういうことを市町村でお書きいただくのがいいのではないかとは言いま すけれども、別にこのとおりやってもらう必要は全くないというのは少し言い過ぎかも しれませんけれども、この例示のとおり手帳に書いていただく必要も正直言ってない し、取捨選択していただいて、これは要らないとご判断していただければ、市町村で落 としていただいてもいいし、それ以外のものを市町村でつけ加えていただいても全然構 わないという性格のものなのですが、市町村の方々にとりましては、どうも国から出さ れたものについては、任意的記載事項と言いながらも、何かこのまま書かなければいけ ないように思っておられまして、どうもそういうふうにとられているところがございま した。  我々は決してそう言っているつもりはないのですけれども、そこのところが若干我々 の思いと齟齬を来しているところがありますので、我々は仮のこのプレネイタルビジッ トのことを任意的記載事項に書きましても、市町村でそれはうちでやってないから、正 直言って書かないでもいいやというご判断があるなら、それは全然うちとしては何らペ ナルティーを課すわけでもありませんし、そういうつもりはないのですけれども、実際 のところは書かなくてはいけないのかという危惧を持たれると先生のご心配のような話 が出てくるのかなという気はしております。  プレネイタルビジットそのものの将来につきましてですけれども、これはなかなか難 しい話でございまして、いい事業であるというふうに我々は認識を持っておりまして、 お願いはしつつも市町村の財政問題等もございまして、なかなか進んでないというのは 一面で事実でございます。ただ、医師会の先生方の方ともお話しをさせていただけれ ば、これはやった方がいいのではないかということで、今モデル的に事業の方とは違え ながら、研究モデル的なものとして今別のルートでやっておるところでございまして、 その辺の成果を踏まえまして、もっと市町村に訴え、アピールすることができれば、も う少し市町村の方でもその辺のご理解をいただきながら広がっていくのではないかとい う期待を持っているところでございます。  答えになったかどうかわかりませんけれども。 ○平山会長  ありがとうございました。 ○渋谷委員  そうしますと、先ほどの女性の労働に関するカードのようなものとは少し意味合いが 違うわけですよね。ほかにもいろいろな母子保健のいい事業というのはたくさんあるわ けですし、任意の記載事項の中にどういうものを入れるかというのは、基準がないと難 しいのかなと。確かにいい事業なのですが、ここに事業の言葉そのものを入れてしまう のは、どうなのかという気がしたものですから、その辺のご判断を聞きたかったという ことです。 ○平山会長  ありがとうございました。委員の皆様ご存じだと思いますが、今の手帳の49ページま でが省令といいましょうか、官報告示で全国みんな同じでなければだめよという部分。 そこから後ろの部分は、各市町村ごとにご自由に何でも書いてくださいというはずなの ですが、実際には各市町村ごとに何書いていいか困るからというので、厚生労働省が見 本をお示しする。それをそのまま使っていらっしゃるところが大部分というのが実態で すね。  各市町村ごとにするといっても、実際には何人も生まれないところも多いものですか ら、実際にはまとめて刷ってらっしゃる幾つかの出版元みたいなところへ頼んで買い上 げているという市町村が大部分だと思います。そういう意味でなかなか市町村ごとにオ リジナリティーを出すというのが現実には難しいのですけれど、確かにプレネータルビ ジットという言葉がそのまま出てもわかりにくい部分も確かにありますし、この辺の表 現なり何なりは、見本とはいいながら気をつけて書くようにしたいと思います。  さっき雪下先生がお示しになったのだと、例えば妊婦の部分だと産科医に質問したい こと、それから小児科医に質問したいことと分け方がしてありましたけど、1つの例と して、ああいうような書き方をしておけば、大丈夫なのかと思いますので、またご意見 をさらにいただいておいて、まとめのときにさらに知恵を絞りたいと思います。よろし くお願いします。  ほかにございましょうか、加藤委員。 ○加藤委員  発育の関係ではないのですけれども、先ほど「はい」、「いいえ」の議論にも絡むと ころですけれども、乳幼児健診が市町村に移譲になってからいろいろな形での健診が増 えてきたと思います。大変財源が豊富でマンパワーの豊かなところでは毎回手厚くいろ いろ問診とかもできるかもしれませんけれども、中には小児科医のいない市町村も多 く、小児科ではない診療科で乳健をすることになった場合に頼りになるのは母子健康手 帳だと思うのですね、その医療機関にとって。ですから「はい」、「いいえ」が事細か に書いてあるのは不安の原因にもなるかとは思いますが、一方で医療機関で見て何か話 題の頼りになるような知識といいますか、情報が任意記載の部分でも結構ですけれど も、何か入っていた方が健診の質が少しはよくなるのではないかという観点もご配慮い ただけたらと思いました。 ○平山会長  ありがとうございました。高石委員。 ○高石委員  今のことに絡むかもしれませんが、細かいことになって恐縮です。机上資料1の先ほ どの母子健康手帳の18ページ、3〜4カ月ごろの「はい」、「いいえ」にかかわること です。先般小児保健協会の役員会で、雑談ではあったのですが、お名前申し上げてもも ちろんいいと思うのですけど、会長の前川先生が、母子健康手帳の3〜4カ月のところ の4番目に、「見えない方向から声をかけてみると、そちらの方へ顔を向けますか」と いう項目が入っているんですよ。これがいいえ、つまりできない、これができないもの だからということで相談に来るお母さんが大変多いのだけれども、どうして、こういう 項目が入ったのか、と私聞かれまして、返答に窮して、今度聞いておきましょうなんて 言って終わってしまったのですが、公式にこの変更についてのお申し出は別に来てない かもしれませんが、そんな話が出ましたのでご紹介だけしておきますが、この項目、川 井先生覚えていませんか。 ○川井委員  これは恐らく聞こえについてでしょうね。 ○平山会長  これは発達ではなくて、耳鼻科からのご希望です。聴力テストの目的で入っているの です。 ○高石委員  前回。 ○平山会長  前回、「はい」、「いいえ」方式を採用したときは、耳鼻科の先生、眼科の先生、歯 科の先生、いろんな分野の専門家がおられて、それぞれのご注文で入っているものです から、発達だけではないのです。 ○高石委員  ではないのですね。 ○平山会長  ですから「はい」、「いいえ」だけでは確かに困る場合があるので、「何ともいえな い」とか「まだ、わからない」というのが現実にありますね。  同じような意味で言えば、3〜4カ月健診のところで、「首がすわりましたか」とい う質問がありますけど、3カ月だとまだすわってなくても当たり前という部分があっ て、なろうことなら、健診セットするなら4カ月にした方がいいですよというのは聞か れれば返事どなたでもなさるのでしょうけど、その辺が複数になっているので少し困っ ている部分もあります。 ○高石委員  ありがとうございました。 ○雪下委員  今の問題で、前川先生から、日本医師会で意見をいただいておりまして。 ○高石委員  先生の方に出ておりましたか。 ○雪下委員  ええ、ここに出ておりまして。 ○高石委員  失礼いたしました。 ○雪下委員  「見えない方向から声をかけてみると、そちらの方へ顔を向けますか」、「はい」、 「いいえ」のところを、「そちらの方へよく顔を向けますか」と、この説明として、こ れに反応しない赤ちゃんが相当いると。健診でこの項目が「いいえ」で精検に来る子ど もがいるが、大部分は正常であるということで、「そちらの方へよく顔を向けますか」 というふうに訂正したらどうかという意見をいただいております。 ○高石委員  私見過ごして失礼いたしました。このことでございます。これは前川先生からです ね。 ○雪下委員  前川先生です。 ○高石委員  ありがとうございました。 ○平山会長  本当はもっと細かく言えれば、例えば耳鼻科の方で言うのは、赤ちゃんを前向きにだ っこさせて、赤ちゃんの見えない方で、何か気になるような音をさせたときにそちらに 向くか、寝ててだとわかりにくいけど、そういうふうにやるとわかりやすいというよう なことも聞いてはいるのですが、そこまでなかなかこの中には盛り込めないということ でございますね。 ○川井委員  少し文言を変えたりということと、「はい」、「いいえ」、最初に申し上げたように 二元方法が親が困っちゃうことがあるのだと思うのですね。例えば、ここで「わからな い」とちゃんとつけられたり、「何ともいえない」とか、そうしたらば、それを持って 小児科の先生なりにご相談できるし、あるいは「わからない」とか「何ともいえない」 とついてきから、それについて話が聞ける、この二元方法が縛ってしまったのではない かと私は思います。 ○平山会長  ありがとうございました。さっき加藤先生と高石先生から出た発育曲線を今4本の線 であらわしているのを、一番上と一番下の3パーセンタイルと97パーセンタイル2本だ けでもいいだろうというご意見をいただいているのですが、これについていかがでしょ うか。お使いになる立場で4本あった方が説明しやすい、あるいは2本の方がいい。何 かご意見ございましょうか。大林委員何かございますか。 ○大林委員  私は特に4本ないと不便というふうには余り感じておりません。といいますのが、安 心の材料に使いたいというのを第一に考えますので、ない方がかえっていいかなと思い ます。 ○平山会長  ほかには特に、高石委員。 ○高石委員  もう一つは、平成2年のときに頭囲の曲線を入れましたが、これはもう既に3パーセ ンタイルと97パーセンタイルの2本だけなんですよね。ですからそれとの整合性という ことは、さっき申し上げませんでしたけれども、それも本当は整合性があった方がいい のかなということでございます。  新しく入れたものですから、特に帯はつくらずに2本入れたのですが、どうして帯が 入ってないのかというような質問はお受けになることはありませんでしたか、現場でお 使いになっていらっしゃる方。なかったのでしょうね。大林先生おっしゃるように、不 安材料を減らすという意味では広い方がいいには決まってますから。 ○平山会長  ほかにどうでしょうか。この発育曲線などの使い方どうでしょう、渋谷委員。 ○渋谷委員  実は愛知県ではかなり前から健診をするときの基準・マニュアルをつくり、それで全 部の市町村にデータを出してもらったものを県で集計をして、またフィードバックする ということをやっているのですね。その基準書では従来どおり、10パーセンタイルだと 気をつけて少し問診を余分にとったり経過を見たりと指導の形になって、3パーセンタ イルでは必要に応じて精密検査の判断をしてくださいという基準でやっているのです。  ずっとここやってまして、10%から3パーセンタイルのところというのは、確かに医 学的に全く問題がないかということは言えないかもしれないのですけれども、むしろ育 児的な問題、個人差、そういうものの影響なのかなと。しかし、3パーセンタイル、こ れを見落としてしまっては医学的にも問題だろうと思います。ですので、実際現場で保 健指導するとき、あるいはフォローアップの基準を決めるときには、3パーセンタイル があればそんなに混乱は起きないのかなと、そういう印象を持っています。 ○平山会長  ありがとうございました。ほかにございましょうか。 ○吉岡委員  「はい」、「いいえ」のところなんですけれども、そういうふうな「はい」、「いい え」が入るようでしたら、少し経験不足ですとか環境などでその枠にはまらなくても大 丈夫だよ、といった言葉をぜひ添えるような表現ができるといいなと1つ思います。  それと予防接種のところなのですが、46ページ、例えばDPTとか日本脳炎のとこ ろ、学童にいきましてのDPTは2期とか、日本脳炎は2期、3期もページ替えをして でも記載ができるようにもしなれば、学童期に広げる機会が増えるかなというふうに思 うのですが。 ○平山会長  念のために事務局へお伺いしたいのですけど、健康局の予防接種の担当の方で、結核 感染症対策課、あちらの方でやっている委員会の中で、予防接種の記録を母子健康手帳 から抜いて、別の接種カードをつくるという案が議論されたことがあるという情報があ るのですけど、そういう話は中では全然伝わってきておりませんですね。 ○桑島課長補佐  具体的にはその話はいただいてございませんけれども、先生、いつごろのお話でござ いましょうか。最近のお話でございますか。 ○平山会長  恐らく予防接種の記録を、あれはどういう理由か私も直接出てないのでわからないの ですけど、議論としてそういう希望が出ているという話がかなり前にありました。小林 委員。 ○小林委員 先ほどの発育曲線についてですけれども、母子健康手帳に入る分につきま しては、3%、97%でいいのではないかという気がします。ただ現場で保健センターや 保健所で、この母子健康手帳の発育曲線を頼りに発育の相談、指導、判断をされている のではないかという気がします。そのときに、この3%、10%、25%の表が手元にあっ て、特に要フォローの場合にきっちりとその経過を記入していくということはとても大 事で、母子保健スタッフがこの3%、97%の中に入っていたら大丈夫というふうにもし 思ってしまうと心配です。きっちりと評価していくための、4本線の表を保健従事者側 は手元に置いて使っていくということが、必要ではないかなという気がいたします。 ○平山会長  ありがとうございます。下敷きみたいなものをつくってあって利用してくださいとい うようなものを見たことがありますが、私自身は体重、必ず母子健康手帳に書き込んじ ゃうようにしてますものですから、書き込めるという意味でこの手帳のカーブは大変説 明しやすくて便利させてもらっています。そういう意味から言うと、私は4本線があっ てじゃまには全く思わないのですが、発育の専門家の高石先生が要らないとおっしゃれ ば反対はいたしません。 ○高石委員  私自身ももちろん、先生、今おっしゃってくださったことと同じなのですけれども、 要は母子健康手帳の発育曲線の線が育児不安につながるという声が非常に前から高いよ うに伺っていたものですから、言ってみればかなり後退して物を申し上げているわけで ありまして、そこのところの綱引きみたいなものかという感じはするのです。  私はさっき念のために誤解を招かないためにと言って申し上げたのはそういう意味で ありますし、小林先生が今おっしゃってくださったのもそういう意味だと思うのですけ れども。 ○渋谷委員  先ほどの愛知県のマニュアルですけれども、マニュアルの中にはこのグラフと一緒に 細かい全部の数字も、実際には指導者用にあるのですね。その上で使っているという形 なので、小林先生のおっしゃるように、手帳の印刷と実際の資料は別に考えればいいこ とかなという気はしています。 ○朝倉委員  発育の曲線のことなのですが、わからないので教えていただきたいのは、0カ月の出 生児体重でございますね。このデータはどういうデータなのでしょうか。 ○加藤委員  出生児の体重に関しましては、病院調査の方の値をもとに作成しております。したが いまして、病院調査 4,000例の新生児、出生児から1カ月健診までのデータがございま す。それを集計したものです。 ○朝倉委員  もちろん妊娠に関して言うと、満期産という部分だけとられたのでしょうか。 ○加藤委員  いいえ、これは全国調査ですので除外はいたしておりません。 ○朝倉委員  ともかく生まれた赤ん坊を全部使ったということですか。 ○加藤委員  本来は事務局からの発言内容でしょうけれども、国の調査ですので、特に除外とかし ないで、対象としたものを載せております。 ○朝倉委員  先ほどからこの曲線が随分育児不安というのを増すというお話があったので、そうで すと、みんな0のところへ自分の赤ん坊の体重を置くわけですよね。それが随分狂って きちゃうと困ると思うのです。そのためには正確な妊娠週数に対しての体重というのが 本来こないと、例えば9か月で生まれた、8か月で生まれても、こっちへずれるわけで すから、そこら辺は、これで問題ないのかもしれませんけれども、そういう意味で不安 ということをお話しになるのであれば、少し配慮が足らないデータだったのかもしれな いという気もします。 ○加藤委員  確かにその点に関しまして、母子健康手帳のどこにも記載がないので不便しているの ですけれども、早く生まれた場合には修正の月齢でプロットしてもよいのだとか、そう いうことはどこにも実は現在のところ書いてありませんで、これは専ら保健指導者向け のいろんな読み物ですとかそういうところに頻繁に書くようにして努力したりなどして 対応していますが、現在確かにおっしゃるとおりの問題が出ていると思います。 ○朝倉委員  ですから、もし可能であれば、この0のところは妊娠何週から何週までのデータをつ くっているというような言葉が書ければ救いにもなるかなと思うのですが。 ○平山会長  大変ごもっともご質問なんですけど、この厚生労働省の調査は生まれたときもそうで すけど、それ以後も、極端なこと言えば、ダウン症候群の子が調査対象の中にいても、 その子を省くことなしに全部計算の中へ入っているのですね。そういうとり方をすると いう前提でこの調査が始まっていたのだと思います。その辺説明していただけますか。 ○高石委員  まさにおっしゃるとおりでありまして、もしダウンのお話が出ましたので、専門家が きょうお休みでございますけれども、いらっしゃれば、多分こういうことをおっしゃっ たと思うのですが、たしか前回もご自分で日暮先生言っておられたと思うのですが、ダ ウンのお子さんだけを集めたダウン症児対象の母子健康手帳をつくっていらっしゃる と。私も見せてもらったことがございますけれども、それっっっっっWを使わないとダ ウンのお子さんに対しては大変ぐあいが悪いのでということをおっしゃっていました。  今の話は、本来ご承知のように、日本全国北から南まで全く一緒にしているわけです けれども、このごろ地域性の問題が余り議論されなくなりましたが、地域によって違う ので、それこそ何県の母子健康手帳とか何県の発育曲線とか、本当はそこまでいかなけ ればいけないのでしょうけど、それはサンプリングの問題とか財政の問題とかに絡んで とても無理でしょうから、国のグロースモニタリングとして行政調査としては35年か ら、その前の研究版のを含めれば事務局がおっしゃってくださったように25年から10年 ごとに行われているわけでございますので、今議論になりましたような、妊娠週数に関 しては、これは指導のお立場でまた別個のものを材料にしていただかないとどうにもな らないかと思っております。  当初、今は生後の体重減少のことが入っておりますけど、そもそも最初のころの母子 健康手帳は、それもなくてぴゅっと、材料がなかったものですから、病院調査をしてお らなかった当時は、0からぽーんと上がった曲線が母子健康手帳にも使われていたこと がございました。そんなことでございます。 ○平山会長  ありがとうございました。例えば、私自身はこういうカーブを使って、小さく生まれ たお子さんの親御さんに話をするときは、お宅は生まれたとき小さかったけど、一番下 の線に沿って大きくなってきているから、この子にとってはこれでいいんですよ、心配 ありませんよ、という言い方をして、その辺カバーしているつもりでございます。  大林委員、その点、どうしていらっしゃいますか。 ○大林委員  全くそのとおりで、生まれたときが小さかったのですから、その分差し引いてという ような説明をしております。 ○平山会長  ありがとうございました。いいですか、先生。 ○朝倉委員  ただ、私がそうやってこのデータがつくられたということを知らなかったのは少し問 題だろうと思いますので、どこかこれを使う我々が知れるような方策があればすっきり すると思うんですけど。 ○平山会長  それは手帳と別に必要な方がわかるような解説を小児保健協会でもどこでも結構です けれども、お考えいただいてディストリビュートしていただきましょう。 ○高石委員  小児保健協会では10年前もそうでございますけれども、この身体発育値にかかわるこ とと川井先生の関係の幼児健康度調査にかかわるもので、『小児保健シリーズ』という 小さいな冊子を10年前もつくった覚えがありますし、今回も小児保健研究の編集委員会 の方ではそういうことを考えておられるようでございます。 ○平山会長  ありがとうございます。その点はよろしくお願いをいたします。ほかに何かございま しょうか。何でも結構です。雪下委員。 ○雪下委員  46ページ、47ページから51ページまでが、これが恐らく学校保健につながるものとし て最後に情報として後からまとめて見てもらえばということで設けられているのだと思 いますが、それについても細かく、なるべくそれを見やすいように、例えば実施年月日 といっても何歳のときやったかわからないので、そういう年齢を入れるとか、どういう 判定でどうしたかというのを、そんなので後から見たときに簡単にわかりやすいように ということだと思うのですが、51ページのところの「保護者の記録」というのは、これ は7歳以降ということになっているのですが、6歳まではここに記載されているので、 その後、ここに記載してということがわからないわけではありませんが、この51ページ も今までの6歳までの記録、身長、体重についての実数は出ているわけですが、実数の グラフだけでも、それが学校保健の方へつながってグラフが書けるような、6歳までの 発育についての記録もわかるような形にしてもらったらどうかと思うのですが、いかが でしょうか。○平山会長 また工夫させていただきましょう。それから、ここのところ がこういうページだよというのがわかりやすいようなのは、このごろの母子健康手帳 は、各印刷を担当していらっしゃる会社でも全部色をつけるようになっていますので、 印刷所のいろいろな工夫で、その辺がわかりやすいようなふうにしてくださると、使う 方が使いやすくなると思いますので、これは事務局というよりも、それができ上がった ときに、印刷してくださるところへまた別にお願いをしてわかりやすいものをつくって いただくようにしましょう。  ほかにございましょうか。 ○奥山委員  余り大事なことではないかもしれないのですけれども、雪下先生のところの20ページ のところに、多分これも耳鼻科の関係なのだと思うのですけれども、音がすると、そっ ちを見ますか、「テレビやラジオの音がしはじめると」というふうになっているのです けど、やはりテレビ、ラジオということをわざわざ出す必要もないのかなと。「音が」 とか、「呼ぶと振り向く」ということでいいのではないか。わざわざここでテレビ、今 余りラジオというのはどうなんでしょう。時代にマッチしているのかなという部分。  それから、24ページも同じなんですけれども、「テレビなどの音楽に合わせて」とい う表現があります。これも何となくテレビを見せましょうということではないと思うの ですが、わざわざテレビを出す必要もないような気がしまして、「音楽に合わせて楽し そうに動かしていますか」でいいのかなということで、少し気になったものですから指 摘させていただきました。 ○平山会長  逆にご質問ですが、今テレビを気にしていらっしゃいますが、テレビを余り子どもに 見せるなという前提でおっしゃっているのです。 ○奥山委員  そういうわけでもないのですが、皆さんの意見書の中にも、深夜遅くまで子どもさん が起きているとか、ここで気にしていることが耳鼻科的なことということであれば、あ えてここでテレビを出さなくても、音楽もいろいろあるでしょうしというふうに思った だけなんですけれど。 ○平山会長  わかりました。ラジオは確かに今余り、10年前の文章なものですから。 ○川井委員  これは音に反応しているのを聞いているのではないのです。聞いてみて、それに合わ せて模倣まで入っているのですね。ですから前回のときも、今高石先生言われましたけ れども、母子健康手帳についてもそれぞれについての解説を小児保健協会でつくって出 しています。結局、最善は聞こえだよとか、使う方が、使う方がというか、健診に当た ったり相談に当たったり診察に当たる我々の方がその項目の意味するところを理解して ないと、私どもの方で伝える努力をしないといけないというようなことです。 ○平山会長  ありがとうございました。いただいた時間に大体近づいてまいりました。まだいろい ろご意見あるかもしれませんけれども、先ほどこれからのやり方ということでお願いし ましたように、きょういただいた資料に書かれている内容、きょうご発言いただいたい ろんな内容等を踏まえまして、私と事務局とでこれから作業を始めて一応全部の改正に ついての案を取りまとめたものをつくってみたいと思います。それぞれのご意見すべて ごもっともなのですけれども、ただ、ページによっては官報に載りますし、そういう意 味で今までとの連続性やら行政的配慮やらいろんな面でそのままの表現ないしは項目を 取り上げきれないかもしれませんけれども、この辺はぜひご容赦願いながら、とにかく 頑張ってつくってみたいと思います。  それができましたらお送りをいたしますので、それをさらにごらんになった上で、1 週間ぐらいのうちにお返事をいただいて、それをまたもとに手直しをして、次回の委員 会に持ち出すという形で整理をさせていただきたいと思います。何分にも来年の4月に は法改正というのでしょうか、省令の改正をしなければいけないという時間的な制限が あるものですから、その辺でご勘弁をいただきながら準備を進めていきたいと思いま す。  あと事務局から、今後の予定等についてよろしくお願いします。 ○桑島課長補佐  ありがとうございました。それでは、次回の検討会でございますが、11月21日(水曜 日)の14時30分からでございます。場所につきましては、今回と同じ場所でございまし て、厚生労働省5階の共用第7会議室となってございますのでどうぞよろしくお願い申 し上げます。 ○小林主査  あと事務局からお願いなのですけれども、きょう事務局の原案について幾つかご意見 いただいたかと思うのですけれども、できましたら、具体的に事務局の原案をこういう ふうに直したらいいのではないかという形で具体的な文言をいただければと思います。  それで来週事務局と会長でご相談させていただこうと考えていますので、できました ら、来週の月曜日か火曜日ぐらいまでにそれをお送りいただけると誠にお願いばかりし て恐縮なのですが、ありがたいということでよろしくお願いいたします。 ○平山会長  その点もぜひよろしくご協力のほどお願い申し上げます。 ○桑島課長補佐  先生、もう一つよろしいですか。 ○平山会長  はい、どうぞ。 ○桑島課長補佐  今、机上配布をさせていただきました省令様式等につきましては、次回の会議でも使 わせていただきたいと思ってございますので、どうぞ机の上にお残しいただきたいと思 います。お願いいたします。 ○平山会長  どの部分ですか。 ○桑島課長補佐  省令様式で机上配布で配らせていただいた分であります。 ○谷口課長  机上配布資料1というのと資料2ということです。 ○桑島課長補佐  資料2の方は結構でございます。資料1の方を。 ○平山会長  今の手帳のコピーですね。 ○桑島課長補佐  そうです。今の手帳の様式そのものでございます。次回も使わせていただきますので お願いいたします。 ○平山会長  これを残しておいていただきます。ありがとうございました。  それでは、課長さんにご挨拶をいただいて終わらせていただきます。 ○谷口課長  毎回、先生方には大変ご熱心なご討議を賜りましてありがとうございます。事がかな り専門的な話題でございますので、なかなか事務局だけではどのように改正をしたらい いのか悩んでいるところがございまして、先生方に大変ご迷惑ばかりおかけいたしてお ります。ハードな日程で大変ご迷惑かと存じますけれども、今後ともよろしくどうぞお 願い申し上げます。  本日、大変どうもありがとうございました。 ○平山会長  どうもありがとうございました。また、次よろしくお願いいたします。                                      以 上 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 03−5253−1111(代) 桑島(内線:7933) 小林(内線:7939)