01/10/11 第8回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会(議事録)        厚生労働省医薬局審査管理課化学物質安全対策室    第8回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会 議事次第              時間:平成13年10月11日(木)13時30分〜15時00分              場所:中央合同庁舎5号館18階 専用第22会議室 次第  1.開会  2.前回議事録の確認  3.議 題   (1)室内空気汚染に係るガイドライン案について   (2)測定法について   (3)その他  4.その他  5.閉会 ○吉田補佐  それでは、定刻となりましたので、ただいまから「第8回シックハウス(室内空気汚 染)問題に関する検討会」を開催させていただきます。  本日は、ご多忙中のところ、お集まりいただきましてまことにありがとうございます 。本日、内山先生がご欠席ということで、合計9名の先生方で進めさせていただきます 。  林先生、よろしくお願いいたします。 ○林座長  ただいまから「第8回シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」を開会い たします。  まず、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。 ○吉田補佐  それでは、きょうお配りしております配付資料一覧に沿って説明させていただきます 。  まず、本日の検討会の議事次第であります。  検討会の席次表でございます。  資料1ですけれども、「第7回 シックハウス問題に関する検討会の議事録(案)」、 これは委員限りでございます。  資料2「室内空気汚染に係るガイドライン案」でございます。  資料3「測定法について」でございます。  資料4「相談マニュアル作成の手引きの追補」でございます。  参考資料といたしまして、室内空気汚染にガイドライン案の参考文献集、これも委員 限りで配らせていただいております。不備等ありましたら、挙手をお願いいたします。  よろしいでしょうか。 ○林座長  資料はよろしゅうございますでしょうか。  どうもありがとうございました。  続いて、前回の議事録の確認ですけれども、事務局からご説明をお願いいたします。 ○吉田補佐  それでは、ご説明いたします。  資料1が「第7回シックハウス検討会議事録(案)」でございます。これにつきまし ては、速記録をもとにしまして事前に委員の方には内容の確認をいただいているもので ございます。特段の問題がなければ、この内容で確定の上、公開の手続に入らせていた だきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○林座長  先生方、いかがでしょうか。特に問題がないようでしたら、この内容で前回の議事録 として確定したいと思いますけれども、よろしゅうございますでしょうか。               〔「はい」という声あり〕 ○林座長  それでは、前回議事録についてはこの内容で確定させていただきたいと思います。 ○吉田補佐  どうもありがとうございました。当議事録につきましては、この後、厚生労働省のホ ームページへの掲載など、公開の手続に入らさせていただきます。  ここで、宮島局長に一言ごあいさついただきます。 ○医薬局長  どうも遅くなりまして申しわけございませんでした。  本日は、各位の先生方には大変お忙しいところ、本検討会にご出席いただきまして、 まことにありがとうございます。  ちょっと遅れてまいりましたのは、実は狂牛病の対応をしていたところでございまし て、これもある意味ではリスク管理といいますか、それの重要性とまた難しさも実感し ている次第でございます。  余談になりましたけれども、この検討会では昨年4月の発足から揮発性化学物質の室 内濃度指針値や測定法の指針について精力的にご審議いただきまして、前回の会合で6 回から7回のまとめの中間報告を取りまとめていただいたところでございます。  この指針につきましては、国や地方自治体が行う室内空気汚染対策の基本となる指針 として、地方自治体にも通知したところでございます。本日は、新たな対象物質といた しまして、アセトアルデヒトなどの指針値案についてご審議いただくということになっ ております。厚生労働省といたしましても、これまで同様、精力的にシックハウス対策 を進めてまいる所存でございますので、委員の先生方には引き続きご協力のほどをよろ しくお願い申し上げたいと思います。簡単ではございますが、ごあいさつとさせていた だきます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○林座長  それでは、議事に移らせていただきます。  ただいま局長からご紹介がありましたように、前回の検討会では6回から7回のまと めの中間報告として、テトラデカン等3物質の室内濃度指針値、測定法マニュアル、相 談マニュアル作成の手引きを取りまとめました。さらに、次回以降の指針値策定の検討 対象として、アセトアルデヒト、フェノブカルブなどを示したところでございます。本 日は、それらについて事務局での検討結果が提出されることになっております。  まず、議題1の「室内空気汚染に係るガイドライン案について」、資料2が配付され ておりますので、その内容について事務局からご説明をお願いいたします。 ○高江専門官  それでは、資料2「室内空気汚染に係るガイドライン案について−室内濃度に関する 指針値案−」についてご説明申し上げます。  資料2をごらんいただけますでしょうか。  1ページ目でございますけれども、1番といたしまして「アセトアルデヒトについて はラットに対する経気道暴露に関する知見から、鼻腔嗅覚上皮に影響を及ぼさないと考 えられる無毒性を基に算出し、室内濃度指針値を50μg/m3(0.03 ppm)と設定した、 とございます。また、2番、「フェノブカルブについては、ラットに対する経口混餌反 復投与毒性に関する知見から、コリンエステラーゼ活性阻害をはじめとする各種異常を 認めないと判断される無毒性量を基に算出し、室内濃度指針値を130 μg/m3(15 ppb )と設定した、とございます。これが今回の事務局案でございます。  この室内濃度指針値案の設定の根拠等につきましては、2ページ以降でどのような資 料をもとに事務局案を取りまとめたかについてご説明させていただきます。  まず、1番目といたしまして、「アセトアルデヒトの室内濃度に関する指針値」でご ざいます。「ごく最近までのアセトアルデヒトに関する毒性研究報告について調査した ところ、以下のような結論を得た」としてございます。  まず、(1)遺伝毒性ですけれども、最近、これはTA1535、TA1538、TA98、TA100 で すけれども、これら用いた復帰突然変異試験におきましては、代謝活性化の有無にかか わらず、結果は陰性でありました。ヒトリンパ球やCHO 細胞を用いたin vitro試験にお いては染色体異常や姉妹染色分体交換の頻度上昇を起こすなどの結果が報告されてござ いました。  また、in vivo 試験におきましては、ラットにおいて染色体異常が、マウスとハムス ターにおいてSCEの頻度上昇が生じるとの結果が報告されております。なお、生殖細胞 に対する遺伝子障害性についての報告はございませんでした。  (2)発がん性に関してです。ラットに対して、1350、2700、5400mg/m3、それぞれ ppm換算で750 、1500、3000 ppmですが、3000 ppmにつきましては、毒性発現のため1800 mg/m3、1000 ppmに後半1年間は変更しておりますが、これらの濃度における暴露試験 がございますが、これは所定の濃度のアセトアルデヒトを1日6時間、週5日、28カ月 間にわたって暴露させたものでございます。その結果、雌雄とも用量依存的に鼻腔に偏 平上皮がん、腺がんの発生が認められたとされております。  また、ハムスターに対してアセトアルデヒトを4500mg/m3から2970mg/m3まで漸減さ せつつ、1日7時間、週5日、52週間にわたって暴露させた結果、雌雄とも口頭がんが 有意に増加したとの報告がございます。  なお、どちらの報告におきましても、がん病変の認められる領域には上皮の過形成及 び化生があわせて認められてございます。  ヒトに対する影響、発がん性でございますが、アセトアルデヒトのほかにアクロレイ ン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒドなど、種々の化学物質とともに暴露される 作業環境に従事していた作業者に係る疫学調査がございます。この中で9例の腫瘍、こ れは肺がんが5例、口腔がんが2例、胃がん及び大腸がんが各1例でございますが、こ れらは対象数が150 名であること、また腫瘍発生した群はすべて喫煙者であるというこ となど、評価にあたって十分な内容ではないと考えられています。  当該調査以外には、ヒトに係る疫学調査結果については報告がないことから、ヒトで のアセトアルデヒトの暴露とがん発生との関連性に関する十分な証拠はないと考えられ ます。  (3)これらのことから、現在の知見においては、アセトアルデヒトの発がん性を示 唆する証拠は腫瘍発生との用量依存性が観測された一部の動物実験に限られており、さ らにヒトでの発がん性を明確に示唆する証拠は得られていないことから、アセトアルデ ヒトの指針値の策定には閾値のある毒性を指標とし、耐容一日摂取量を求める方法で算 出することが適当と判断いたしまして、以後、耐容一日摂取量を求めるに必要なデータ について、4番以下まとめさせていただいてございます。  (4)急性毒性でございますが、ラットのLD50値は経口で660 〜1930mg/kg、皮下で6 40 mg/kg、ラットの吸入のLC50値は4時間暴露で2万4000mg/m3でございます。麻酔 したラットに1〜40mgを静注した場合、心臓における交感神経興奮作用とともに、20mg /kg以下では高血圧が、高濃度では徐脈及び低血圧が認められてございます。  3ページでございますが、ウサギの眼刺激試験におきましては、40mgの注入により著 名な刺激性を示すとの報告がございました。  (5)亜急性及び慢性毒性でございます。ラットに対して、720 、1800、3950及び900 0mg/m3のアセトアルデヒトを1日6時間、週5日、4週間にわたって経気道暴露させ た結果といたしまして、1800以上の暴露群で成長遅延、雄の尿量増加、鼻腔上皮の過形 成などが認められております。また、720 mg/m3暴露群におきましても、嗅覚器上皮の 変性がわずかに認められており、この試験ではNOELは決定されておりません。  別の試験といたしまして、ラットに対してアセトアルデヒト1日6時間、週5日、4 週間にわたって次に掲げる3通りの方法で経気道暴露した報告がございました。1つ目 は、1日1回6時間で0、270 、900mg/m3 の暴露。2つ目といたしまして、1日2回 3時間、9、270 、900 mg/m3。3時間暴露−1.5 時間休憩−3時間暴露という形です 。3つ目といたしましては、1日2回3時間で0、200 、900mg/m3 で休憩が1.5 時間 。さらに3時間に5分間を4回、計8回にわたり通常の6倍の濃度を投与することによ り、6時間加重平均暴露値として0、255 、1050mg/m3の投与と同等であるとした方法 でございます。  この試験自体の目的といたしましては、アセトアルデヒトを経気道暴露した際、時間 を6時間連続でした場合と3時間3時間で分けた場合で何か症状に差があるか、また暴 露中に通常の6倍の濃度という高い濃度でピーク刺激を与えた場合に何か起こるかどう かということが主眼の実験でございまして論文で公表されているものでございます。  それぞれの投与形態における最高用量におきましては、鼻腔嗅覚上皮の変化が認めら れてございます。この本広告におけるNOELにつきましては270 、150 ppmとされてござ います。  ラットに対して別の実験ですが、25、125 、675 mg/kgのアセトアルデヒトを4週間 経口投与した結果、675 mg/kg投与群において前胃における角化亢進が見られてござい ます。また、雄の腎臓相対重量の増加やさまざまな血液性化学検査時の変化などがあわ せて認められてございますが、これらは飲水量の減少が認められてございまして、そち らが原因ではないかとされております。125 mg/kg以下の投与群では何ら影響が認めら れなかったということで、ラットの経口投与に係るNOELは125 と報告されております。  ラットに対して、0.05%のアセトアルデヒトを飲用水とともに6カ月間与えた結果、 これは約40mg/kgの投与量に相当しますけれども、その場合、肝臓におけるコラーゲン 合成が亢進したとの報告がございましたが、他の毒性発現に関する詳細は不明でござい ます。  ハムスターの実験ですけれども、700、2400、8200mg/m3のアセトアルデヒトを1日 6時間、週5日、90日間にわたって暴露させた結果として、8200mg/m3投与群におきま して成長遅延、目、鼻の炎症、気道の著明な組織学的変化などが認められております。 無影響量(NOAEL)といたしまして700 mg/m3がハムスターの場合、報告されてございま す。また、ハムスターに2700mg/m3のアセトアルデヒトを52週間にわたって暴露させた 結果、成長遅延や鼻腔粘膜の異常等が起こるという報告もございました。  このことから、亜急性及び慢性毒性をまとめますと、ラットに対して経気道暴露で一 番低いNOELは270 mg/m3、ラットの経口投与のNOELは125 mg/kg、ハムスターにおきま してのNOAEL は700 mg/m3という文献がそれぞれございました。  続きまして、(6)番でございますが、生殖発生毒性に関して、ラットの妊娠10〜12 日にアセトアルデヒトを50、75、100 mgを腹腔内投与した結果、成長遅延や奇形発生が 認められたとの報告がございますが、用量依存性は認められておりません。ラットの妊 娠8〜15日にアセトアルデヒトを50、75、100 、150 mg、これも腹腔内投与した結果、 用量依存的に胎仔死亡の増加が認められたとの報告がございました。  また、妊娠13日に1〜10%のアセトアルデヒトを0.02ml、羊水内に投与した場合、胎 仔死亡率が増加し、アセトアルデヒト投与群の生存例において奇形発生率が増加したと の報告がございます。  一方、マウスにつきましても5つの生殖発生毒性に関する報告がございますが、催奇 形性や胎仔毒性の関しての結果の統一性がなく、全然何も問題がないという結果と奇形 等が発生するという結果の両方がございまして、アセトアルデヒトの生殖発生毒性に対 する影響は明らかではないと考えられます。  (7)といたしまして、ヒトへの暴露でございます。アセトアルデヒト241 mg/m3を3 0分間暴露したところ、上気道に中程度の刺激を生じるとの報告がございます。  また、90mg/m3、15分暴露により眼刺激性を生じ、感受性の高い被験者ではその半分 の42mg/m3、15分暴露でも眼刺激性を生じるということが報告されております。本報告 においては、360 mg/m3を暴露した際には、すべての被験者において眼の充血、一過性 の結膜炎が起こり、多数に鼻や喉の刺激が生じるとされております。若い男子学生に5 %溶液を静注した結果、心拍数及び呼吸数の増加や肺胞内二酸化炭素濃度の減少などが 起こることが報告されております。  (8)といたしまして、作業環境中の許容限度でございます。ACGIH のTLV-CEILING として45mg/m3が、また日本産業衛生学会の最大許容限度として90mg/m3が勧告されて いるところでございます。  (9)といたしまして、まとめでございます。以上より、アセトアルデヒトの室内濃 度指針値の算出については、入手した毒性に係る知見から化学的に見て最も安全サイド に立った数値が得られるデータを採用することとした。アセトアルデヒトについては、 経気道暴露した際、眼や気道に対する刺激性が生じることがよく知られており、指針値 の算出についてはラット4週の経気道暴露で求められたNOEL270 mg/m3を用いて耐容濃 度を求めることとした。  NOEL=270 mg/m3として耐容濃度を計算するにあたり、不確実係数としては種差10、 個体間差10のほか、当該試験が4週間という比較的短い試験系であること、また発がん 性試験で上皮の過形成及び化生など刺激による発がんが生じていることなどを考慮して 、さらに10を掛けることとし、合計で1000を用いることとしました。  また、当該試験は1日6時間、週5日の投与であることから、1日24時間、週7日に 平均化して計算いたしますと、アセトアルデヒトの室内濃度指針値はNOELの270 に不確 実係数で1000で割りまして、1日6時間、週5日を割戻しいたしまして係数を掛けます と50μg/m3、0.03 ppmという結論が得られるという案でございます。  アセトアルデヒトに引き続きまして、6ページをお開きください。  フェノブカルブの室内濃度に関する指針値でございます。  (1)フェノブカルブは殺虫剤であり、他のカーバメート系殺虫剤と同様にコリンエ ステラーゼ活性阻害作用を有するものでございます。  (2)遺伝子障害性については、現時点において評価可能な報告が公表されてござい ません。  (3)発がん性に関して、ラットに10、30及び100ppmのフェノブカルブを2年間混餌 投与をしたところ、発がん性は認められなかった、との報告がございます。また、マウ スに同様に2年間混餌投与の発がん性の試験を行っているのですが、こちらでも発がん 性は認められておりません。  (4)このことから、現在の知見においてはフェノブカルブに関して動物実験の結果 から発がん性は認められず、またヒトでの発がん性を示唆する証拠もないことから、フ ェノブカルブの指針値の策定につきましては非発がん性の毒性を指標とし、耐容一日摂 取量を求める方法で算出することが適当と判断いたしました。以下、その方法について 集めた資料の説明でございます。  (5)急性毒性でございますが、ラットのLD50値は経口で雄が524 mg/kg、雌が425 m g/kgでございます。経皮で5000mg/kg以上でございました。また、マウスのLD50は経 口で雄が505 mg/kg、雌が333 mg/kgでございます。また、ラットに対して23.1、69.3 及び208 mg/kgのフェノブカルブを経口投与したところ、208 mg/kgではコリンエステ ラーゼ活性阻害が生じましたが、69.3mg/kg以下では観察されませんでした。  ラットの吸入のLC50値はフェノブカルブの4時間1回、吸入暴露で2500mg/m3以上、5 0%乳剤の4時間1回吸入暴露で、雄が約2700mg/kg、雌が2290mg/kgであったとされ ております。  (6)刺激性ですけれども、フェノブカルブ原体0.1mlをウサギの下眼臉内に投与し た結果、非洗眼群では角膜、虹彩、結膜、洗眼群では虹彩、結膜に刺激性変化を示しま したが、非洗眼群は投与72時間後、洗眼群では24時間後に消失したとの報告がございま す。  フェノブカルブ原体0.5 mlをウサギに塗布したところ、Intact skin 及びAbraded ski nで赤斑が見られましたが、塗布48時間後には消失との報告があります。また、モルモ ットに対する皮膚感作性試験の結果は陰性でございます。  (7)亜急性及び慢性毒性ですが、ラットに対して30〜1620 ppmのフェノブカルブを9 0日間混餌投与した結果、90 ppm、これは雄が9.3 kg/mg/day 、雌が14.5ですけれど も、これ以下ではChE 活性阻害は見られず、血液学的、病理組織学的な異常も認められ なかったとされております。  また、ラットに対して10、30、100 、300 ppmのフェノブカルブを2年間にわたって 混餌投与した結果、300 ppm群において白血球の減少が見られましたが、100 ppm、こ れは雄で4.1 mg/kg/day 、雌で4.9 mg/kg/day となりますが、100 ppm以下ではChE 活性阻害をはじめとする各種異常は認められなかったとされております。なお、慢性 経口毒性のNOELがラット2年間投与の実験で1.2 mg/kg/day とされている報告がござ いますが、その詳細については公表されておりません。  イヌに対して400 ppm、雄で10.7、雌で10.6ですが、フェノブカルブを2年間混餌投 与した結果、ChE活性阻害をはじめとする変化は認められなかったとの報告がございま す。  (8)生殖発生毒性に関してですが、ラットの妊娠6〜16日目にフェノブカルブを500 から300 混餌投与した結果、催奇形性は認められておりません。また、ウサギの妊娠 6〜16日目にかけてフェノブカルブを5〜80経口投与した結果、催奇形性は認められて おりません。  (9)ヒトへの暴露ですが、スミバッサ乳剤75、これはフェノブカルブ30、フェニト ロチオン45%の合剤ですけれども、この航空散布における散布直下での測定では、フェ ノブカルブの気中濃度は散布直後に最も高く、ここが1.64mg/m3、3分後に0.47、60分 後には0.03に低下しており、このとき、調査に従事した10名の被験者において、血漿及 び血中のChE 活性阻害は認められなかったとの報告がございます。  (10)作業環境中の許容限度としては、日本産業衛生学会の許容濃度として5mg/m3 、またACGIH 及びWHO におきまして、フェノブカルブと生体作用類似物質でありますカ ルバリルについて、これもカーバメート系の農薬でございますが、これについての許容 限度は5mg/m3とそれぞれ勧告がされております。  フェノブカルブの残留農薬の基準設定に関しては、許容一日摂取量(ADI)が0.012 mg /kg/day と設定されておりますが、その設定の詳細については公表されておりません 。  (11)結論でございますが、以上述べました報告をもとに、フェノブカルブの室内濃 度指針値の算出につきましては、入手した毒性に係る知見より、設定の根拠となった試 験の詳細が公表されているもののうち、最も安全サイドに立った数値が得られるデータ を採用することと事務局案ではさせていただいております。  試験結果が公表されている(7)の2年間混餌投与の結果、こちらの方は6ページの 一番下のところになりますが、100 ppmで雄が4.1 というものでございます。この経口 投与により無作用量としての4.1 mg/kg/day を採用いたしまして、耐容一日摂取量を 求めることにより、室内指針値を求めた場合、不確実係数として種差10、個体差10を用 いることといたしますと、TDI は0.041 mg/kg/day となります。日本人の平均体重を5 0kg、一日あたりの呼吸量を15m3といたしますと、室内濃度指針値はこの0.041 に50を 掛けて15で割って、0.13mg/kg、すなわち130μg/m3という計算になり、これを指針 値案として事務局からご提案させていただきたいと思います。  なお、7番目で述べました通り、フェノブカルブについてこちらは経口の混餌投与の 結果の方を使わせさせていただいております。混餌投与と別に慢性毒性の吸入の毒性の 方の結果がございますれば、経口による吸収率と経気道による吸収率等々を見比べた上 で、経口毒性の結果をそのまま割り戻して室内濃度指針値に使うTDI として採用するこ とができるかというところの判別ができるのでございますが、あいにく今回、経気道暴 露に関する知見が慢性毒性等に関してはございませんでした。この場合、経気道暴露の 方が一般的には吸収率等が高いということもいわれているところでございますので、経 気道と経口のところで例えば安全係数等をさらに用いる必要があるか等について、事務 局としては検討会の場でご検討いただければと考えてございます。  以上、1と2のご説明をさせていただきました。 ○林座長  どうもありがとうございました。  それでは、物質ごとに検討を進めさせていただきます。  まず、アセトアルデヒトの指針値案について、ご質問、ご討論をお願いいたします。  いかがでしょうか。 ○廣瀬委員  アセトアルデヒトですけれども、(3)で「アセトアルデヒトの指針値の策定には、 閾値のある毒性を指標とし」ということになっておりますが、「閾値のある毒性を指標 とする」ということの大前提には、これに遺伝毒性がないということが重要な知見とな ってくると思うのですが、この場合に(1)を見ますと、遺伝毒性は幾つかの試験で陽 性のデータが出ていると。陽性のデータが出ていて、なおかつ発がんが起こっていると いうことで、この発がんが遺伝毒性に基づいていないというようなはっきりした証拠が ない限り、この閾値のある毒性を指標として摂取量を求めるのはちょっと不適かと思う のですけれども、その辺の見解はいかがでしょうか。 ○林座長  いかがでしょうか、事務局の方で。 ○高江専門官  ただいまご指摘のありました点でございますが、例えば発がんが必ず刺激性によって のみ起こるというような報告ですとか、また遺伝毒性に関しましてもIARC等の文献の方 も参考までに見ましたところ、細菌の方はあまり出ないが、実際に哺乳類細胞のところ ですと、ある程度、少ない陽性のデータはあるのですが、ほとんどのものについては陰 性であるという結果が得られてございます。  実際に、このアセトアルデヒトにつきましては、類似物質としてホルムアルデヒドが あるわけでございますが、かなりの部分が刺激性がある物質でございまして、例えば核 内に行くまでの間に細胞が固定されてしまうですとか、そういった実験過程で細胞毒性 があらわれるために遺伝毒性のところをきちんと見るのが難しいというようなお話も変 異源の先生からはいただいてございます。  採用基準といたしましては、ほぼホルムアルデヒドと同様な形でDNA とRNA や蛋白質 等とクロスリンクを生じる作用が想定され得るということでございますが、ホルムアル デヒドの場合も細胞固定するというものに使われるくらいのものですので、かなりその 作用は強いということでございますが、アセトアルデヒトもそれと同様な作用があると いうことで、今、廣瀬先生がご指摘になられた発がんが遺伝毒性ではないという、明確 にそれをターゲットを絞った文献というのは、私が調査させていただいた限りではそれ を明確にするものはございませんが、かなり刺激性の部分で作用があるといったような 文献はかなりございますので、そこのところとあわせて考えて今回はその閾値のある毒 性を指標とできないかと考えているところでございます。 ○林座長  どうもありがとうございました。廣瀬先生、いかがでございますか。 ○廣瀬委員  遺伝毒性のテクニカルな問題があるということですけれども、そのテクニカルな問題 は特にin vitroの試験では大きな問題になるかとは思うんですが、in vivo の試験で実 際に動物に投与してというような方法でもし出るというようなことになると、やはりこ れはかなり疑わしいのではないかということになってくると思うんですけれども、その 辺のin vivo のデータはここでは染色体以上とSCE の話が出ておりますけれども、ほか の試験ではどうなんでしょうか。 ○林座長  いかがでしょうか。 ○廣瀬委員  先ほど、ほとんどの試験で陰性ということですので、陰性が多いのだろうとは思うん ですが。 ○高江専門官  in vivo の結果では、TVA のDNA プロティンクロスリンク、in vivo の試験ではエフ シャラットを用いた鼻のムコウザが陽性になっています。D3H とCO7 ブラックシックス の小核は陰性になっています。 ○廣瀬委員  実際に鼻の粘膜で陽性ということは、かなり大きな所見ではないかと思うんですが。 ○林座長  安藤先生、どうぞ。 ○安藤委員  ということは、この実験は経気道的な暴露をしたときのデータですね。 ○高江専門官  今申し上げましたのは1000 ppmの1日6時間の5日間暴露です。経気道暴露です。 ○安藤委員  はい、わかりました。と申しますのは、ホルムアルデヒドのガイドラインを設定した ときのお話が出ましたけれども、ホルムアルデヒドのガイドラインを設定したときには 、ホルムアルデヒドは齧歯類に対して発がん性があるということでした。ただ、設定し た根拠はあくまでヒトの刺激性でまいりました。発がん性をどういう評価をしたかとい いますと、齧歯類特有の鼻の構造的な要因で、非常に特異的に暴露量が多い部分が特異 的ながんを発生するということでした。そのために、一応コンセンサスとしては、国際 的なのかもしれませんが、ホルムアルデヒドの発がん性というものは非常に特異的だと 。つまり、齧歯類に特異的なものだというお話だったと思います。このお話ももしそう だとするならば、そういう系統になるのかもしれませんが、それが国際的にコンセンサ スを得られる事実なのかとどうかが私はわかりません。 ○廣瀬委員  齧歯類に特異的という話ですが、このメカニズムとしては確かに刺激性があるとは思 います。これは本当に動物だけかというと、後でヒトの試験をやっておりますけれども 、ヒトでもやはり鼻腔に刺激性がある。これは病理学的な解析を何も行っていませんけ れども、刺激性があるということを考えると、ヒトでもラットでもこれを高濃度でずっ と暴露させれば、同じような変化が出るのではないかという危惧がするというのが私の 印象です。 ○林座長  ヒトで刺激性の高いものを高濃度で暴露するということは実際にはあり得ないのです ね。 ○廣瀬委員  まあ、そうですね。 ○林座長  ホルマリンの場合でも実際に刺激性で評価する方が、ヒトの場合、感度が高いといえ ます。ヒトの場合眼は刺激に対して非常に敏感なものですから。  ただ、廣瀬先生のご意見の通り、事務局の方の書き込みが少し足りないために誤解を 受けるということもあるようですね。 ○廣瀬委員  特に、遺伝毒性のところはこのままだと誤解を与えると思うんですね。いかにも遺伝 毒性があるというような書き方ですので。  ですから、トータルとして、こういうような報告はありますけれども、「ヒトに対し てはこれは特段問題にならない」とか、そういうことが書いてあればいいと思うんです が、このままだと問題があるかもしれないと思います。 ○林座長  IARCの場合もそういうような記載になっているのではないかと思うんですが、その点 についてもご注意いただきたいと思います。  例えば、復帰突然変異では陰性であるという、これはよろしいですね。そのあとの部 分、ヒトのリンパ球あるいはCHO 細胞のin vitroの試験については陰性の場合もあるし 、陽性の場合もあるということで、しかも陽性になっているのはごく一部ですね。陽性 の場合でもかなり高い濃度ではないかと思います。従って、データに則して記載すれば 理解されると思います。in vivo の試験でも「ラットにおける染色体異常」とあります けれども、どこの細胞かということがない。そこのところを書き加えた方がいいと思い ます。  それから、ラットで吸入毒性で鼻粘膜に影響があったとのことですが、これがどの程 度の変化なのか、再現性のあるデータかどうかということですね。この知見に再現性が あるとするならば、IARCで取り上げているはずなんですけれども、この点はどうなので しょうか。このように、遺伝毒性のところを少し書き込みを加えてもいいのではないか と思います。 ○高江専門官  先生方のお話をお伺いいたしまして、全体的に遺伝毒性には、陰性と陽性の結果が両 方ございますので、それについて詳細に記載することにいたしたいと思います。また、I ARCではこちらの物質は2Bとなってございまして、ヒトに対する発がん性に関する証拠 は不十分であるが、動物実験での発がん性の知見は十分あるという形で結論づけられて いるものでございます。この評価に使った一覧表も入手いたしましたので、そのあたり を勘案しながら書きぶりの方をご指摘にあわせて、先ほどの安藤先生のラットの鼻腔の 形で滞留するところがあるというお話はほかの先生からもお伺いしてございますので、 そういったものも全部含めた上でリバイスの方をさせていただきたいと思います。 ○林座長  ホルマリンに比べてアセトアルデヒトの場合には発がん性は低いと見られていますが 、今の書きぶりですと、ホルマリンより危険という印象も受けますので、その点、十分 注意していただいた方がよろしいかと思います。 ○高江専門官  ホルマリンは2Aでございますし、こちらは2Bですので、そのあたり、書きぶりに誤解 のないように訂正させていただきます。 ○林座長  ほかに、ご意見ございませんでしょうか。 ○池田委員  素人っぽい質問で申しわけないのですが、先ほどから出ていますようにアセトアルデ ヒトはホルムアルデヒドと非常によく似たものでして、実際、ホルムアルデヒドの代替 物質としても使われているわけなので、このホルムアルデヒドとアセトアルデヒトが共 存するような場合のことは何か一言書いておかないといけないのではないかと思うので すが、いかがでしょうか。 ○高江専門官  それはホルムアルデヒドとアセトアルデヒトの混合した実験についてなのか、それと もホルムアルデヒドとさまざまな性質もあわせた上で似ているもの、作用的にもメカニ ズム的にも刺激が出るのは似ているからどうだというところの議論がまだ煮詰まってい ないというご指摘でございましょうか。 ○池田委員  後者の方です。 ○高江専門官  定量的にその記述をこの中にしようといたしますと、定量的にホルムアルデヒドとア セトアルデヒト、それぞれの割合を変えてどのような形で、例えば動物に暴露させた場 合にどのくらい違いがあるのかというところの試験結果がございませんと、記述できま せん。定量的にこれとこれを足した場合はこれくらいというある種、一種の指針値を示 すのはちょっと難しいと思います。できるとすれば、定性的にこれはホルムアルデヒド と似ているとか、そのような形での注意喚起の記述になるわけでございます。そういっ たものであればこの中にも、確証的なデータはないにしろ、似ているという蓋然性は非 、そういうことでございましょうか。 ○池田委員  例えば、ホルムアルデヒドの方は100μg/m3でこちらが50μg/m3ですから、1対2 の割合で両方重みづけして足したものがどうのこうのというような話はできないのでし ょうか。 ○高江専門官  その議論には単純に足してそれがそのまま使えるかどうかを確証するところの科学的 根拠というものが必要なわけですが、ホルムアルデヒドとアセトアルデヒトを足して暴 露するという実験系が、私が今回調べた限りでは見当たりませんでした。明確な根拠が ありませんと、今回、この時点で記載するのは事務局としては難しいのかなと考えてご ざいます。 ○吉田補佐  補足いたしますけれども、先生のご指摘は相加・相乗性の話だと思うんですが。 ○池田委員  はい。 ○吉田補佐  基本的に、これは個別の物質の指針値を定めるためにこういった文献のリビューを行 っていますので、その意味では各物質ごとの毒性データというものを評価して必要な指 針値を導き出すということでやっているのですが、相加・相乗性というのはまた別の問 題できちんと評価する必要があるので、もし何かホルムアルデヒドとアセトアルデヒト を混合した場合の毒性についての知見をご存じでしたら、逆に教えていただければ、こ ちらの方に書くことはできるのではないかと思います。ただ、こちらの方で検索した現 状でいいますと、そこまでは検索できておりません。あるいは、まだ明確に相加・相乗 性をきちんと導き出したデータが出ていないのではないかと思うんです。もし何かあり ましたら、逆に教えていただければと思います。 ○池田委員  そういうわからないときは、逆に相加性があるとして話を進めるのが、何となく話の 筋としては通るような気がするのですが、その点はいかがでしょうか。逆にいうと、独 立性が証明されない限り、相加的と考えるのが普通ではないかと。これは前から言って いることなので、あまりこれ以上申し上げませんが。 ○吉田補佐  確かに、おっしゃるように一つの課題だとは認識しております。一応、ホルムアルデ ヒドの指針値もできて、これできょう指針値案という形で提示して、了解いただければ その後パブリックコメントの手続を経て最終化の方に進むわけですけれども、TVOCのと ころでも議論になりました通り、相加・相乗性のところに関しては個別の研究も進めて いただいているところですので、その辺の結果を見ながら、データが揃った段階で何ら かの形で紹介できればと思っているところです。ですから、この時点では残念ながら触 れることはできないと思うんですが、もし何か触れることができるようなデータがあり ましたら教えてください。よろしくお願いいたします。 ○池田委員  はい。 ○石川委員  ホルムアルデヒドのときもそうだったんですけれども、人間の発がん性の問題で、散 発的には上顎洞にがんができるとか、副鼻腔にがんができる、そういう報告もございま したね。人間の場合ですから、確実なdose dependentでものをいうことは不可能です。 今回のアセトアルデヒトを見ても、この資料1のhuman studies というところに書いて あるのですが、粘膜の刺激症状があり、もう一つ「データはあまりはっきりしていない から何ともいえない」というコメントはあるのですけれども、150 人の労働者で種々の がんのタイプが出ているという記載があるわけですね。  先ほど池田先生のご質問ともちょっと関係するのですけれども、ホルムアルデヒドの ときもある動物の特異個体だけに発がん性があったから、これは特異的なものであると いう結論になったのですけれども、結論的にいうとアセトアルデヒトも分解していく酵 素系にかなりの個体差があると思います。これは、アルコールを飲んだときの雑物です けれども、アセトアルデヒトが代謝でどのようになっていくかというのはかなりの個体 差があるので、ホルムアルデヒドのときにも、この決定した値よりも低い値で反応する 個体があり得るという項目を確かつけたと思いますし、アセトアルデヒトも同様な物質 で、非常に症状は似ていますので、そういう趣旨のパラグラフを1行つけていただくと いいなというのが私の印象なんです。 ○林座長  いかがでしょうか。 ○吉田補佐  貴重なご意見をありがとうございます。これについては、ホルムアルデヒドを議論し たときの記録にもあると思いますので、そこを見て今のお話を追記するように検討した いと思います。 ○林座長  ほかに何かございませんでしょうか。 ○田辺委員  このアセトアルデヒド50μg/m3という値ですが、実際に住宅を測定しますと、新築 時にはこれを超えているものは相当にあると考えられます。一昔前のホルムアルデヒド が非常に多い時点では、アセトアルデヒトはこんなに出ていなかったのですが、今は1 対1に近いような濃度の住宅がかなりあります。このガイドラインは今後、パブリック コメントを経るわけですが、その後、マニュアル等を作成されるときには発生源とか、 どういう点に注意するかということを多少注意しないと、既存で不適格なものがかなり 出てくる可能性があると思われます。対策に関する資料とか、そういった整備を同時に やっていくといいのではないかと思います。 ○林座長  どうもありがとうございました。  ほかに何かございませんでしょうか。 ○櫻井委員  ホルムアルデヒドと刺激性がどういう相対的な関係があるかなと思いながら見ますと 、例えばこの4ページの(7)のデータを見ますと、アセトアルデヒトの場合、比較的 高い濃度で刺激があるとなっております。ホルムアルデヒドですともろに刺激があるか ら0.何 ppmにしようというオーダーで、従ってホルムアルデヒドの場合には現在100μg /m3という数字が出ておりますが、それでもすべての人の刺激は予防できないといって いるわけですね。  ですが、このアセトアルデヒトの場合にはそれほど低い濃度で刺激が起こるというデ ータは、ここで見る限りないんですね。そのあたりはもっと正確な情報があるにこした ことはないと思います。ですが、決め方が全くホルムアルデヒドの場合と違っておりま して、こちらは動物のNOELから出しておりますので、書き方としては今書いてあるよう な書き方でよろしいのではないかと思っております。 ○林座長  どうもありがとうございました。何かほかにございませんでしょうか。  もしなければ、次のフェノブカルブに移らせていただきます。  何かご意見ございませんでしょうか。  これは事務局の方で何かご意見がありますか。 ○高江専門官  再度申し上げますけれども、今回、TDI を経口混餌投与の2年間暴露の結果からNOEL 、TDI と進めて、そのまま室内濃度指針値の方をつくっているというストーリーにさせ ていただいてございますが、経口投与の場合と経気道の場合で経気道の方が吸収率等が いい場合があるということもございます。これらを踏まえまして、今回は室内濃度指針 値という経気道暴露が主な対象となる値でございますので、経口投与の試験結果を用い てTDI を算出してよろしいか、もしくは経気道暴露と経口暴露の違いでさらに安全係数 が必要かどうかについて、ご意見をいただければ考えてございます。 ○林座長  廣瀬先生、何かございませんですか。私もこれはちょっと疑問に思うんですよ。 ○廣瀬委員  今まで、かなり多くの物質について経口投与を経気道の暴露に変えてきておりますの で、ここでさらに何かファクターを加えるということはちょっとまた混乱するのではな いかと思いますが。 ○林座長  ほかに何か。  実際にヒトが暴露されるのは経気道ですけれども、この評価では経口暴露の実験を使 っている。その場合、経気道暴露と経口暴露との違いは全身影響については同じ、コリ ンエステラーゼの阻害をエンドポイントにしていますので、これは経気道であろうと、 経口であろうと一緒ということです。けれども、この場合に考慮しなければいけないの は、吸収率が経口と経気道でどう違うかということですね。  もう一つは、特に吸入の場合には気道粘膜に対する局所作用を考える必要がある。今 まで、廣瀬先生にご意見をいただいた物質については、吸収率についてある程度データ があり、わずかながら経気道の吸入実験について反復投与のデータもありました。しか し、今回の物質では吸入実験と経口実験での吸収率の比較というデータが全くないとい うことと、それから吸入実験での気道粘膜への影響のデータがないんですね。というこ とから考えると、経気道でのヒトへの影響を経口のデータで評価したこれまでの例とは 少し状況が違うのではないかと思います。廣瀬先生、いかがですか。 ○廣瀬委員  確かに、この場合は主にコリンエステラーゼの問題ですから、コリンエステラーゼの 阻害を来すような物質の場合に経気道と経口投与の比較というのがあれば、それをここ に外挿するということはいいかもしれないですね。ただ、私はそのデータがあるかどう か、わかりません。 ○櫻井委員  確かに経口投与から経気道への外挿の問題につきましては、例えば参考文献で3の環 境庁水質保全局で出している『航空防除農薬環境影響評価検討会報告書』では、そのフ ァクターも考慮して、スミチオンの場合に若干のデータがあるということで、4くらい の安全率を基本的には使っていたという記憶がございます。  本来、吸入と経口で吸収率がまず等しいということを仮定しているわけですね。農薬 だから割合に吸収率が高いと思いますが、経口も吸入も80%なら80%、全く同じである ということをまず仮定している。  それから、それがどのくらい大きいかわかりませんけれども、肝臓初回通過効果、そ れによって経口の方が若干毒性が落ちる可能性がある。少なくとも毒性が上がるという ことはないかもしれないというようなこともありまして、吸入のデータが全くないとい う状況で決める際に、追加の不確実係数を全然考慮しないというのは確かに気掛かりと いうふうに思います。  それを推定する方法として、肝臓初回通過効果は別として、吸入と経口の吸収率のデ ータが欲しいわけですね。多分、今回それはないと。次に、LD50とLC50を比較するとい うような方法、あるいはこういうものだったらコリンエステラーゼ活性阻害も経口と吸 入でデータがあることが望ましいし、それがあればダイレクトに比較が可能だと思いま す。それを使って修正できないでしょうか。 ○林座長  事務局の方でいかがですか。私もその方がよろしいのではないかと思います。とにか く吸入のデータがほとんどないということがやはり問題になるのではないかと思います 。類縁物質についての吸入毒性データがある程度あるとしますと、それから安全係数を 考えるのもよろしいかと思います。もう一つ、全体的に見てこの物質の毒性はそれほど 高いものではないということもありますし、皮膚とか粘膜への刺激性を見ると、それも それほどきついものではないということになりますので、それほど大きな安全係数は必 要ないとしても、やはり安全係数を類縁化合物でのデータなどに基づいてつくるという タなどを集めていただけますか。  そのほかに何かございませんでしょうか。 ○石川委員  このカルバメート一般には、医学会ではエゼリンという薬があって、フィゾスチュー ミン、ネチスチグミン、ピリドスチグミンというのを使うわけですね。これは重症筋無 力症という病気の治療に使われるのですが、それを使っている経験から申しますと、作 用に個体差があるんです。ある人は1ミリで効く、次の人は100ミリでやらないと効か ない。カルバメート剤は非可逆的抑制の有機リンと違って可逆的にコリンエステラーゼ を抑制しますから、非常にバリアンスがある、これが第一点です。経口と吸入投与であ る程度の差を見た方がいいという、これは私は非常に幅があるから、作用幅があるから レベルはかなり下げた値にすべきと思っております。  それ以外に、皆様よくご存じだと思うけれども、湾岸兵士症候群があります。まず毒 ガスのサリンにあたるのを防ぐためにまずピリドスチグミンを打って、それで飛んでい った。サリン等が降ってくると、これは非可逆的にレセプターのコリンエステラーゼを 抑制しますから、前投与すればサリンからレセプターを保護できるわけです。だから、 サリンが飛んできてもレセプターに入れないので防げる。サリンが来たときに、アトロ ピンのインジェクターを使って注射すれば、サリンの毒性から守れる。そういうことだ ったのですが、ご存じの通り、ピリドスチグミン、DEET、その他の有機リンで帰還兵士 が非常にひどい頭痛と粘膜症状と、ベーチェットに非常によく似た潰瘍症状などになっ た、これが湾岸兵士で一番問題になっていることです。  そういうこともあるので、このカーバメートも有機リンとはいわなくてもいいんです が、ある程度レベルを下げたデータにした方が今後安全だと思います。以上です。 ○林座長  どうもありがとうございました。事務局で何かありますか。 ○高江専門官  さまざまなデータがあって、個体差10があるとはいいながら、先ほど事務局の方から ご提案させていただいた安全係数のお話ですとか、さまざまな点を考慮して、また考慮 させていただきたいと思います。まず、データの方をきちんとした形で集めた上で、事 務局の方で先生方とご相談しながら判断させていただければと思っております。 ○林座長  ほかに何かございませんでしょうか。 ○櫻井委員  ちょっと議論が戻りますけれども、先ほどの経口と吸入の吸収率の差という問題です が、これは固体ですから粒子状ですね。そうしますと、粒子の大きさがかなり効いてき てしまうと思うんです。経口の方はある程度の時間がたって糞便として排泄されるまで にどれだけ溶けて吸収されるか。それから、吸入の方はどれだけ沈着するかという問題 で、吸ってまた吐いて外へ出てしまうというファクターがございます。そうしますと、 例えば粒子が大きい場合にはかなり沈着率が、例えば鼻とか喉に沈着して、それが腸の 方にいきますから、結局、経口と同じようなことになってあまり違いがない。ところが 、小さいものになりますと、そういう量よりも沈着しないでまた吐き出されるというこ とでむしろ吸収率が減る可能性もあるわけですね。ですから、なかなか難しいと思うん です。  これは室内空気汚染ですから、比較的小さい粒子、浮遊しているものだと思うんです 。そういうものの呼吸器への沈着率というのは、データがあるのかなという気もいたし まして、そういうところは本当はしっかり研究をして、データをつくらないといけない のかと思います。 ○林座長  ただ、非常に小さい粒子の場合の、低濃度の場合の吸入の場合には肺胞でほとんどが 吸収される場合もあるんじゃないですか。ですから、一概にはいえないんですね。 ○櫻井委員  そうですね。直径1μmくらいが一番沈着率が高い。それよりもっと小さくなると、 また結構外に出てしまう。 ○林座長  ただ、その場合に外に排出されますが、濃度が低い場合には肺胞からほとんどが吸収 される場合もございますね。 ○櫻井委員  そうです。  あと一つ、小さいのですけれども、7ページの一番最後のところに130μg/m3と書い て、(15ppb)というのがありますが、これはおかしいんじゃないでしょうか。個体で すので ppbという表現が妥当とは思えませんが。ガスならば結構ですが……。 ○安藤委員  ガスかどうかというのはまだわからないと思います。例えば、沸点が300 度くらいで もガス状としてとらえることもできますので、一概にこれは固体とはいいがたいかなと 、そんな気がいたしております。ですから、つけておいてもいいかなという気がいたし ております。 ○櫻井委員  労働環境の許容濃度を決めるときも、大体、固体のものは ppmというような表現は避 けますが、一部の気体として残っていると思われる可能性が高いと思われるものは併記 しております。ですから、これもそうだということであれば結構だと思います。 ○林座長  それは気体に換算したという意味ですか。 ○櫻井委員  気体に換算したという意味です。これは容積・容積の比率ですから、気体でないと成 り立たない。 ○林座長  ほかに何かございませんでしょうか。  もしないといたしますと、大体ご意見は出尽くしたと判断いたします。これらの室内 濃度指針値案について検討会としての結論をまとめさせていただきたいと思います。  事務局から提示された資料2につきましては、文面上、修正を必要とする箇所がかな り多いと思うのですけれども、それは諸先生方、ご指導いただきましてこれを少し修正 するといたしまして、一応、基本的にはこの指針値案の考え方は適当だと思うのですが 、いかがでしょうか。  基本的にはよろしゅうございますか。               〔「はい」という声あり〕 ○林座長  どうもありがとうございました。  では、室内濃度指針値案に関しましては、基本的に資料2で示された考え方を本検討 会では了承することといたします。ただ、事務局ではその後、パブリックコメントの手 続の作業に入ると思いますが、今後の作業について後でまとめてご説明いただきたいと 思います。 ○林座長  次に、議題2に移らせていただきます。  アセトアルデヒト等の測定法について資料3が配付されておりますので、事務局から ご説明をお願いいたします。 ○平野主査  では、資料3についてご説明させていただきます。  こちらは、今回の指針値を新たに提案いたしましたアセトアルデヒト及びフェノブカ ルブの測定方法でございます。  アセトアルデヒトの測定につきましては、既にご提示させていただいておりますホル ムアルデヒドの標準的測定方法を用いて測定することが可能です。よって、基本的には ホルムアルデヒドの標準測定方法を用いて測定していただくことになりますが、以下に 簡単に追補事項を加えております。  標準物質としては、アセトアルデヒトのフェニルヒドラゾン体を用いる。また、標準 原液、標準溶液、検量線作成用標準系列等はアセトアルデヒトも同時に混合することが 可能である。検出波長は360nmを使用する。必要に応じて、標準物質とリテンションタ イムや吸収スペクトル等を確認して、定性、定量を行うということでございます。  また、フェノブカルブの測定につきましては、現在提案されておりますクロルピリホ スの暫定測定方法を用いて測定することが可能です。この場合、測定対象物質と測定用 質量数は以下のようになります。  測定対象物質としてはフェノブカルブ、測定質量数としては121 及び150 を使用する 。標準物質といたしましては、残留農薬測定用レベル以上のフェノブカルブ製剤を用い る。必要に応じてリテンションタイムや測定質量数を比較して定性・定量を行うという ことになります。  注意点として、フェノブカルブの場合はリンを含んでおりませんので、クロルピリホ スの注意書きにございます炎光光度検出器(FPD)は使用できないということになりま す。測定方法については以上でございます。 ○林座長  どうもありがとうございました。  何かご質問、コメントございませんでしょうか。 ○土屋委員  測定方法のフェノブカルブのところですけれども、今も説明がありましたように、注 のフェノブカルブの測定ではFPDは使用できないという、確かにリンは入っていません ので測定できないのですけれども、そうしますとこのフェノブカルブに関してはGC/MS の測定ということになってしまうと思うんです。それで、その注のところに、例えば熱 イオン化検出(FTD)を使用できるとかいうのを少し入れた方がよろしいのではないか と思います。  もう一つ、BPMCはGCで測定するときに、多分、熱分解を起こすはずなんです。ですか ら、小さなピーク、要するに分解物が少しできるのですけれども、今までの経験からい うと無視できると思うのですが、その辺は別に考慮しなくてもよろしいのか、その辺ど うなんでしょうか。 ○林座長  どうもありがとうございました。いかがでしょうか。 ○安藤委員  ほかの検出器としてFTDを使う、これは書いておいた方がいいかなという気もいたし ます。ただ、今、どのくらい使われているんでしょうか。FTDは結構使われているんで しょうか。 ○土屋委員  使われていると思いますけど。 ○安藤委員  わかりました。  それから、もう一つ、熱分解については、いわゆる溶媒抽出でどのくらい分解するか というのはまだ正確にはつかんでおりません。ですから、何ともいえませんが、例えば 水中からの測定法に比べるとむしろ分解は少ないのかなとは思っているのです。  そこは現在検討しているところですから、それであまり分解しなければ必要ないとい うことになりますし、ある程度分解するならば何らかの書き方を多少加えなければいけ ないかなと思っています。 ○林座長  ほかにございませんでしょうか。  測定法については特に問題はないということでよろしゅうございますでしょうか。  測定法につきましては、一応、この検討会としての結論をまとめさせていただきたい と思います。事務局から提出されました資料3につきまして、土屋先生からのコメント もございましたけれども、そういうことで多少修正がございますけれども、基本的な考 え方といたしましては適当と思われますけれども、よろしゅうございますでしょうか。               〔「はい」という声あり〕 ○林座長  どうもありがとうございました。  それでは、次に、資料3の今後の取扱いにつきまして、先ほどの資料2と一緒に事務 局からご説明ください。 ○吉田補佐  それでは説明いたします。  まず、本日の議論ですけれども、資料2、資料3ともに基本的な考え方という意味で は一応ご了解いただいたものと認識しております。資料2につきましては、アセトアル デヒトにつきましては、文面上の修正として、特に遺伝毒性に関する部分の記載のとこ ろの修正作業が残っております。あと、分解補酵素等による個体差、そういった指摘も ありましたので、それについても適宜反映させたいと思っております。  また、フェノブカルブにつきましては、基本的な考え方という形では一応ご了承いた だきましたけれども、最後の吸入と経口の補正のところに関していろいろご示唆をいた だきましたので、こちらの方でいろいろ調べてまた案をつくりまして、先生方にご提示 したいと思っております。  その他、細かい指摘も含めまして文面上の修正等を行いまして、きょういただいたご 議論を踏まえまして、よろしければ座長と事務局の方で一度整理をしまして、その後、 郵送等でほかの先生方にお諮りして、その上でパブリックコメントの手続に入る前の最 終化をしたいと思っております。そこで了解が得られましたら、パブリックコメントの 手続に移りまして、それでコメントを募集して、次回の検討会で最終化の検討を行うと いうふうに進めたいと思いますが、いががでございましょうか。 ○林座長  ただいま事務局から資料2と3について、作業の説明がございましたけれども、先生 方、よろしゅうございますでしょうか。               〔「はい」という声あり〕 ○林座長  どうもありがとうございました。  その前に、石川先生にご質問がありますけれども、カバーメートについてあるいはア ルデヒドについて個人差があることがあると。その個人差というのを、例えば遺伝子だ けで説明できるほどの知見はありますですか。 ○石川委員  有機リンに関する遺伝子だけは今PON、パラオキソネースで私たちも少しずつ研究を はじめたところですが、カーバメートで一体どういう酵素で遺伝子をチェックしていく か、まだわかっておりません。これは少し時間をいただかないとやれないと思います。 ○林座長  アルデヒドについてはいかがでしょうか。 ○石川委員  私たちの理解はホルムアルデヒドは代謝中で蟻酸になって、それが生体にかなり悪影 響を与えるのですけれども、アセトアルデヒトは乳酸になっていく課程だけですからそ んなに”悪さ”はしないかなと思っておりました。ただ、文献を読んでみますと、非常 に個体差がある。例えば、アルコールでも二日酔いになるかならぬかとか、個体差が出 るということを、いただいた資料を読んでみました。資料1と資料2、英文の方にそれ が書いてありますので、そのあたりは今後の問題かなと思っております。  フェノブカルブについては、コリンエステラーゼ阻害剤以外に他の酵素阻害もあり得 るので、個体差が出てきますから、先ほどの100対1の用量差でもいいですし、100人中 1人だけが下がって神経症状が出る、また他のエステラーゼ阻害もあり、いろいろ副作 用(アレルギー反応など)が出るということもあり得るので、そういうことを考慮して いただきたい。 ○林座長  どうもありがとうございました。  それでは、事務局の方で先ほどご説明いただきました方向で作業を進めていただきた いと思います。 ○林座長  続きまして、議題3のその他ですけれども、相談マニュアル作成の手引き追補として 資料4が配付されておりますので、事務局からご説明をお願いいたします。 ○平野主査  それでは、資料4について簡単にご説明させていただきます。  相談マニュアルの作成の手引きにつきましては、前回の検討会で最終化させていただ きまして各方面にも配布をさせていただいたところでございますが、この分野は非常に 進捗が激しいということがございまして、取りまとめ後に、既に幾つか改変もしくは新 設されたことがございますので、今回、追補という形で簡単に取りまとめさせていだた いたものでございます。  まず、SV規格ですが、8月1日に、壁紙系ホルムアルデヒド規格値が0.05と以前のマ ニュアルではなっておりましたが、0.01ppmに改訂されております。また、国土交通省 において「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に一部変更がございました。大きな ところはいたしましては、平成13年8月の基準の改訂におきまして、「室内空気中の特 定測定物質の濃度等の測定結果についても選択表示事項として表示できることとされた 」ということでございます。こちらの内容について、今回このような簡単な資料にまと めさせていただきました。  今後もこういった改訂が進めれるかと思いますので、随時、こういった形で追補を作 成させていただきまして、ある程度とりまとまった段階で改訂版にまとめさせていただ くことを考えております。資料4については以上でございます。 ○林座長  どうもありがとうございました。  ただいまのご説明につきまして、何かご質問あるいはコメントがございましたらお願 いいたします。  特にないということでしたら、ご承知いただいたということでよろしゅうございます でしょうか。               〔「はい」という声あり〕 ○林座長  どうもありがとうございました。本日の議題は以上でございますけれども、その他と して事務局から何かございますでしょうか。 ○化学物質安全対策室長  事務局の方で、その他ということでは特に用意してございません。本日、極めて順調 にご審議をいただきまして、本当にご審議ありがとうございました。  先ほど、今後の手順の方でご説明申し上げましたように、指針値につきましてはフェ ノブカルブの不確定係数等について再度調査検討いたしまして、追って再度案文をお示 ししてご意見をいただくという形で処理させていただきたいと思います。その後、通常 どおりのパブリックコメントの手続に入りたいと思っております。  また、次回ですけれども、次回につきましてはパブリックコメントが終了した後とい うことになりますので、早ければ年内12月くらいにもう一度と考えておりますけれども 、日程調整は追ってさせていただきたいと思います。  事務局から以上でございます。 ○池田委員  次回はどんな物質をという予定みたいなものはありますでしょうか。 ○化学物質安全対策室長  次回は、今回の案の最終化ということになります。その次が、前回のご指摘いただい たものといたしましては、ノルマルカーボンのもの、それとノルマルカーボンのアルデ ヒドがあったのですけれども、なかなか資料の方が集まっていないということがござい まして、今回お示しできなかったのですけれども、そのあたりも検討対象になるかとは 思いますが、次回以降、今後に何をやるべきかということも具体的にまたご相談させて いただければと思います。  また、それまでに何かこういうものをというものがございましたら、また事前にいた だけましたら、それを含めて次回お示ししようと思います。 ○林座長  どうもありがとうございました。各先生方におかれましては、ご熱心なご討論をいた だきましてありがとうございました。  これをもちまして、本日の検討会を閉会させていただきます。ご多忙のところ、ご参 加いただきましてありがとうございました。                                     −了− 照会先:化学物質安全対策室      吉田(2423)、平野(2427)