01/08/06 第5回保健医療情報システム検討会議事録 第5回保健医療情報システム検討会議事録 平成13年8月6日(月)16:00〜18:00 東海大学校友会館 富士の間 【武末補佐】  では定刻となりましたので、ただいまから「保健医療情報システム検討会」を開催い たします。  開催に先立ちまして、まずお手元の資料の確認をさせていただきます。本日の資料は 「保健医療情報分野の情報化にむけてのグランドデザイン(第1次提言)(案)」でご ざいます。そのあとに、用語解説としまして3ページの表をおつけいたしております。  本日の出欠の状況でございますが、石川委員、樋口委員、細羽委員の3名の方が所用 で欠席でございます。なお、大山委員は少し遅れてまいられるそうでございます。  それでは開原座長、議事進行のほうをよろしくお願いいたします。 2.議  事  (1)保健医療情報システムの進むべき方向性 【開原座長】  さて、本日の資料は、前回ご検討いただきました「グランドデザイン」の第1次提言 について、ご指摘の点等を踏まえて修正されたものが、ただいま資料として配られてい ると、そういうことでございます。  前回から修正点がいろいろあったと思いますが、その辺のことについて、事務局から の説明を受けまして、これらの内容についてのご意見をいただくというのが今日の議事 次第でございます。  本日提出されている修正案については、前回以降、各委員と事務局の間で、それぞれ の方が恐らく何度もやり取りをなさっておられると思いますので、基本的にはすべてご 意見は盛り込まれていると、私は了解をしております。そういう意味では修正の必要は ないと思っておりますが、しかし、今後個別課題の検討を進めるということもあります ので、その辺を踏まえて、今後のこととしていろいろご意見をいただくということは意 味のあることと思います。そういう意味で、今日のご提言を承らせていただきたいと思 っておりますが、そんなことでよろしゅうございますでしょうか。  それから本日ご欠席の委員がいらっしゃいますが、この第1次提言の取り扱いについ ては座長に一任をいただくということで、すでにご了解をいただいておりますので、き ょうご欠席の委員もすべてご意見はいただいて、その内容はここに盛り込まれていると 考えてご審議をいただければと思っております。  それでは早速でございますが、この第1次提言に関して、事務局のほうから説明をお 願いいたしたいと思います。 【谷口室長】  それではお手元の資料に基づきまして、項目ごとにご説明をさせていただきます。ま ず3ページと4ページ、一括して読み上げをさせていただきたいと存じます。  *資料読み上げ    0.はじめに     〈グランドデザインの目指すもの〉    1.保健医療分野における情報化の理念と目的     〈何のために情報化を進めるのか〉 【開原座長】  どうもありがとうございました。今、この「0」の「はじめに」と、それから「保健 医療分野における情報化の理念と目的」のところを読んででいただきましたが、ここに つきまして何かご意見がございますでしょうか。修正をしていくと、だんだん格調が高 くなってまいりますね。よろしゅうございますか。 【大山委員】  ちょっと遅れてきたので。申しわけないのですが、そんなに大きな話ではないのです が、今ぱっと見て最初に気づいたので。「保健医療」と書いてあるときに、4ページ目 の○の2つ目、「このような環境変化や社会ニーズの変化の中で、医療における情報化 の推進は」と書いてあるのですが、この辺の「保健医療分野における情報化の理念と目 的」といったときに、保健分野と医療分野というのはお分けになられているのかどうか というのは、言葉の意味でですね。  特に「今や医療全体の構造変革にも大きな影響を及ぼしうる」と、これは随分重要な お話をここに一言、ちゃんと文章が入っているとは思うのですが、そのときに、「これ は保健は関係しないのですか」とか、そういうのがちょっと気になるのですが。その辺 はどういう整理のしかたになっているのか、もし教えていただけるとありがたいのです が。 【開原座長】  これはいかがでしょうか。それではよろしくお願いします。 【谷口室長】  なかなか「保健医療」と「医療」という言葉の使い分けというのは難しゅうございま すが、特にこの「1」の、4ページにおいて、冒頭、「我が国の医療は」というところ から入っておりますが、この医療という狭い分野に、むしろこれまでの我が国での情報 化における課題というのが集約してあるととったものですから、保健の分野というのは 若干薄らぐこともございまして、例示としてその医療という形から入ったというのが事 実でございます。  ただそう申し上げても、あとのほうで別途、保健というのは大事ですし、そういった ものを今後大事にしていかなければいけないということで、保健医療という形にだんだ んふくらませてきているというのが実態でございます。 【大山委員】  そうなるとちょっと意見なのですが、私、情報化で非常に効果があるのは保健の分野 もあると思っていまして、その意味は、前々から「情報の高度利用」とかいろんな言い 方があるかと思うのですが、その意味で、ここにある「医療における情報化の推進は」 といったときに……。これだと3つ目までが「医療」だけになっていて、4つ目からは 「保健医療」に変わる……。どちらなんだろうな。  かつてよく言われていた、例えば「予防医学とか成人病に対するうんぬん」という、 生活習慣病みたいな話というのがありましたが、その辺のところはどう考えられている のか。すみません、あまり強い意見ではないのですが。保健の分野というものを、もう 少し強く言ってもいいのかなと思っただけなのですが。 【開原座長】  ただいまのご意見は大変そのとおりでございまして、実際問題としてはこの中にかな り保健に関係したことも書き込んであるとは思います。これ以降少しずつ、個々の項目 についてさらに詰めが行われますので。大山先生のご意見はその中でまたいろいろ議論 をしていただく機会があろうかと思います。今の段階としては、医療が保健の分野まで ふくらんだ、ある意味では一体となったものとして、理解をしておくということでよろ しゅうございますか。 【大山委員】  そうであれば、もう。 【開原座長】  はい。それでは、次の「2」のほうをお願いをいたしたいと思います。  大山先生、あとでいらっしゃいましたので、繰り返しますが、大体きょうのこの原稿 というのはすでに各委員と事務局の間でかなりやりとりをされているというふうに了解 をしておりますので、私としては、きょうは基本的にはそれほど修正をする必要はない のではないかと思っております。  しかし、いただいた議論は今後、9月以降も本検討会は続きまして、そこで今度は 個々の問題を詰めてまいりますので、そちらのほうで取り上げさせていただくと、そう いう方向でいきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは2のほうをお願いいたします。 【谷口室長】  それでは5ページ、2でごさいます。  *資料読み上げ    2.保健医療分野における情報化の現状     〈情報化はどのように進んでいるか〉 【開原座長】  どうもありがとうございました。ここの「2」の部分は、現状をサマリーをしたもの であります。ある意味ではこの検討会の現状認識ということになろうかと思いますが、 ここの部分について何かご意見はございますでしょうか。大変よくまとめられているよ うに思いますが。 【藤本委員】  言葉の問題なのですが、CT、MRIをレントゲン画像と呼んでいる箇所が2か所あ るのですが、これについて、先生方はどんなものでしょう? 【開原座長】  「どんなものでしょう?」というのは? 【藤本委員】  われわれメーカーサイドでは、あまりCT、MRIをレントゲン画像といわないもの ですから。 【開原座長】  CT、MRIをレントゲン画像に含めているという意味ですか。 【藤本委員】  はい。 【開原座長】  そういうふうになっていましたっけ? 【藤本委員】  ええ。2か所で。 【開原委員】  そうですね。「などのレントゲン画像」。CTはレントゲン画像でいいのですが、M RIがレントゲン画像かといわれると、確かにレントゲン画像ではない、というのは確 かですね。 【藤本委員】  例えば「医療画像」とするか。 【開原委員】  これは「医療画像」にしますかね。最近は「医療画像」という言葉が割と普及してき ておりますから、確かにおっしゃるとおり、CTまではいいのだけれどもMRIを含め ると、最近は超音波のところまで含めると。「医療画像」という言葉がありますから。 ここは直しましょうかね。どうですか。 【谷口室長】  ここはさすがにちょっと、事実認識と違うと思いますので、直させていただいたほう がいいのではないかと思いますが、座長とちょっとまた、事務局と相談させていただけ ますか。 【藤本委員】  まあ大きな問題はないと思いますが。 【開原座長】  どうもありがとうございます。ほかに何かございますでしょうか。 【大山委員】  これもたいした話ではないのですが、何となくバランスを見たときに、自分がやって いるせいもあるのですが、ICカードのところが非常に薄いようだったりして。何とな くこれ、寂しいかなという気もしないでもない。 【開原座長】  ちょっとそっけないですか。 【大山委員】  いや、これでもう皆さんがよいというのであれば、私は何のあれもないのですが。 【藤本委員】  「ICカード」は用語集に出ていればと思うのですが、それはないですか。 【大山委員】  用語集があるんですか。それだったら。 【藤本委員】  ああ、ありますね。 【大山委員】  ああ、次世代ICカード、書いてあるな。 【開原座長】  ちょっと雑談をいたしますが、実は明日、大山先生にお願いをして、このICカード のセミナーをやることになっております。関心は非常に高いようではございますね。こ の部分は恐らく今度の9月以降の中で、まさにもっともっとされていく問題かとは思い ますので、ここにはこういう形でヘッダーだけが出ているということで、次へのステッ プであると、そういうふうにお考えいただきたいと思っております。  ほかにいかがでございましょうか。  それではその次に行かせていただいて、もし何かまたありましたら戻っていただいて も結構でございますが、では「3」の「情報化によって変わる保健医療サービスの姿」 と。では、よろしくお願いします。 【谷口室長】  9ページでございます。  *資料読み上げ    3.情報化によって変わる保健医療サービスの姿     〈情報化を進めれば医療はどう変わるか〉 【開原座長】  はい。いかがでございましょうか。これは「期待されること」でございますので。  よろしゅうございますか。それでは次に4のほうへ行って、もしまた何かございまし たら戻っていただいてもよろしいということに……。 【藤本委員】  一言。変えるという話ではないのですが、メンバーの一員として反省するに、樋口先 生がおっしゃったのかな、要するに「国民にとってわかりやすいビジョンを示す」とい う面ではまだ改良の余地があるな、という認識を。個々のことは全部正しいことだろう と思うのですが、「では、全体としてどうなる」ということをまだ表現しきれていない ということを、メンバーの一員として反省する次第でございます。 【開原座長】  わかりました。それはぜひ今後、9月以降にもう少し全体像を描くようにしましょ う。おっしゃるところは確かにそのとおりのように、私も感じます。これは私の責任も あると思います。  それではその次に行かせていただきますが、「4」でございます。 【谷口室長】  それでは、12ページ以降でございます。「4」だけでなく「5」も、短こうございま すので一緒に説明させていただきます。 【開原座長】  はい。 【谷口室長】  *資料読み上げ    4.保健医療分野の情報化の健医療サービスの姿     〈情報化を進めるために何をするか〉    5.今後の推進方策と関係者の役割     〈どのように進めるか〉 【開原座長】  どうもありがとうございました。それではただいまの「4」と「5」の部分で、ある 意味では一番大事なところかもしれませんが、何かご意見があれば、よろしくお願いを いたします。 【井上委員】  ここの部分は大変重要だと思いますから。15ページの「情報格差の是正」の部分が、 これは医療に限らず、情報化社会において情報強者と情報弱者の格差、この問題は社会 問題として非常に重要ではないかと。医療のIT化が進んで、その根底というのでしょ うか、メリットを十分に受けられる人と、せっかく情報化されてもそれを受けられない 人、そういう人の差をどういうふうにカバーしていくかということで、ここに取り上げ られているのだろうと思いますが、「情報機器のユニバーサルデザイン開発など」とい うようなことだけで十分なのかどうか。  表現として、もう少し踏み込んで。その表現はちょっと難しいと思いますが、私たち は医療現場で、インターネット等を見て来られる方と、そういうことにはもう全く利用 できずに来られる方と、格差がますます開いてくると思いますので、そういったことに どう対応するかということは、今回はこれでいいと思いますが、将来的には考えるべき 重要なことではないかと思います。  もう1つは「人材の育成」のところですが、情報システムの運用のためのIT技術者 の養成、これは非常に重要なところだと思いますが、同時に、本当にこの情報化を医療 機関において推進すべきとすれば、IT技術者を配置するということが不可欠なことで はないかと思います。これは政府も雇用促進とか雇用拡大とかいうようなことを言って おられるので、本気で医療のIT化を実りあるものにするためには、単なる養成ではな くて、配置というようなことまで踏み込んで提言してもいいのではないかと思います。 【開原座長】  どうもありがとうございました。今、2つご指摘のところは非常に大事なところだと 思います。確かに情報格差の是正というのは、スタイルだけいくらユニバーサルデザイ ンにしても、ちゃんと教育・啓蒙もしないといけないわけですし、自治省などはいろい ろ、教育などのほうにも、NPOを使ってやっているようですが、そのようなことも確 かに、医療界でもやってみる必要があるのかもしれませんね。  この点は、今の段階としてはちょっと、この文章としては、「など」のところでこれ を読んでいただいて、まさにこれも9月以降、少し議論していただくべき問題としてと っておきたいと思います。  それから「人材の育成」のところも、これもまさにそうで、いくら養成しても就職す るところがなかったら意味がないということも、まさにそのとおりでございますので、 これはちょっと別な問題にもなってくるかとも思いますので、これも9月以降に少し議 論をしてみたいと思っております。  それから、ICカードの問題はここにもちょっと出てまいりましたので、大山先生 に、「さっきご心配の点はちょっとここで解消されています」という気はいたします が。  ほかに何かございますでしょうか。 【藤本委員】  11ページに戻るのですが、〈医療サービスの効率化が期待できること〉の最後の○ で、「レセプト電算処理システムの導入や診療報酬請求・審査支払のペーパーレス化の 進展などにより」と書いてあって、そういう期待をさせるのですが、この「審査支払の ペーパーレス化」が、ではその次の4番のところに何か施策が出ているかというと、ど こにも見当たらないように思いますもので。 【谷口室長】  12ページのところに。下から2つ目の「レセプト電算処理システム」……。 【藤本委員】  あ、「レセプト電算処理システム」の中に書いてあるんですね。「完全なペーパーレ ス化に向けた技術的問題の検討」。では、それはそういうふうに理解すればいい。わか りました。 【開原座長】  ほかに何かございますでしょうか。 【大山委員】  これも文言の問題というほどではないのですが、もし問題でなければ逆に1文字入れ ていただくと、と思うだけなのですが。またICカードのところで恐縮なのですが、 「被保険者の資格確認システム」と書いてあるのですが、「被保険者の資格を確認する システム」というふうにお考えなのか、保険証の有効性を確認するシステムとお考えに なっているのか。  個人を特定するという意味で考えているから、意味は違うと思うのですが。例えば被 保険者の保険が有効かどうかを確認するだけでも、実は被保険者だけでなく保険者も確 認しなしないと、いろいろこういうのは、普通のネットワークの認証の世界でみると、 十分になっていなくて。したがって、被保険者「等」と入れてはまずいのでしょうか、 という意味なのですが。これは「確認する」というのは、だれがだれを確認していく、 というのがあるのですが、そのときには保険者というのは実態を見るといろいろありま すね。したがってそこが確認されていない限り、確認してもこういうシステム、逆に混 乱させるだけになると可能性があるんです。それで、言葉の上では「等」ぐらい、入れ ておくほうがいいのではないかと。後ろにももう1個あるんです。14ページ。 【藤本委員】  「電子認証」のところですね。 【大山委員】  ええ。「また、被保険者の資格」と書いてあるのですが、これは正式にこういう用語 で「被保険者の資格確認システム」というのがもうすでに使われているのならいいので すが。 【審議官】  医療保険の世界では、まさに先生がおっしゃるとおり、たくさん保険者が来られる と。被保険者というのは、その被扶養される方も含めると1億2,000 万人を超えている わけで、普通、資格確認なり資格点検という言葉が使われるのですが、それはその保険 証を持って来た人が、本当にその保険証が有効かどうか、という意味に使っているんで す。割合保険の世界では一般的にこう言っているもので、われわれは違和感がないので すが、保険者の確認というか、医療保険の世界では保険者というのはもう確定している というか、その5,000 なら5,000 あるのはもう決まって、この世に存在するのは確かな ので、その持ってきた人が本当にその保険証を……、例えば「中村健保組合の保険証を 持ってきたけれど、本当にその中村健保組合の被保険者であるか」というのを確認する と、そういう意味で使われているんですね。  先生がおっしゃっていることが、情報の世界でおかしいかどうか、ということですね。 【大山委員】  私もそこは、仕掛けはよく存じているのですが、問題は、例えば券面を見て確認をす るというレベルと、ネットワークで確認をするというのは違うと思うんです。で、券面 の場合には偽造防止とかというのを普通、行わなければいけなくて、それから保険者が 登録されているかどうか、よく知られているかどうか、存在しているかどうかと。通常 の感覚ですとお互いに知っているので、ある程度問題なく動いているのだと思います が、情報化の流れからみると、これ、ネットワーク上で確認とかという話が、そのうち 出てくるのではないですか。すなわちオンライン、あるいはリアルタイムでやるという 話が出てくるのではないかと。  そのときに、この被保険者というのが個人だとすると、認証業務の考えと同じなので すが、個人とその方を確認するための相手方とがグルになると、大体おかしくなるのが 普通で、今、一般的に認証の世界というのは、こういう重要なものについてはなおのこ と、両方とも確認されるようにつくっていくのが通常だと思います。すなわち、個人を 特定するような認証業務というのは民間の認証業者がやっていますが、あの場合には電 子署名と認証業務に関する法律の中に、特定認証業務をできるところというのは特定さ れるように、ある一定のレベルで許認可の形をとっているわけです。  それと同じように、その被保険者というのが、単に何々保険組合という形で名前だけ で信じるのか、あるいはそこに対するいわゆる組織の認証になるのかわかりませんが、 そういう形のことをお考えになっているのかがあって。それは一般的に、インターネッ トにおける認証のお話としてあります。そこから見たときに、被保険者だけではなく て、保険者もあるのではないかと思ったので、「等」を入れれば逃げられるかなと、実 は今思っていたのですが。 【開原座長】  例えば、だれかが架空の保険者をネットワークの上に開設して? 【大山委員】  というか、そういうことは当然のことながら、ネットワークの世界になると想定され ている話だと思うので。 【開原座長】  架空の保険証をだれかに発行して、それを持ってきたら、確かにカルテは認証されて しまうわけですね。 【大山委員】  多分情報の世界では、遅れた場合に、例えば保険証がその場で出せない場合には、あ とから提出するとかというさまざまな方法が、利便性からみるとあると思います。その 観点からは、両方が確認できるような仕掛けとしてつくっておくというのが将来像では ないかと思うものですから、こんなことを申し上げたのですが。 【開原座長】  なるほど。私は理解はできたのですが、これを読んでそこまで考える人がいるかどう かという話。まあ「等」を入れるというのは、それほど難しいことではないかと思いま すが。 【大山委員】  今後の議論だということでも構いませんが。「そういうのは認識しているよ」という 意味で、ここで言っておくかどうかだと思います。 【谷口室長】  座長、よろしゅうございますか。この点につきまして、保険局のほうで今どのような 形で進めらているのか、明日ちょっと確認をして、その「等」を入れるかどうか、その 辺の判断をさせていただくということでいかがでございましょうか。 【大山委員】  私のほうは結構です。 【開原座長】  それでは、このお話は保険の仕組みそのものとも関係があると思いますので、大山先 生のおっしゃることは非常によく、私は理解できましたが、この文章はいろんなところ ですでに見ていただいているということもありますので、「等」を入れるかどうかは事 務局のほうと座長のほうに一任させていただくことでよろしゅうございますでしょう か。  ほかに何かございますでしょうか。 【井上委員】  ちょっともう1つ。これでいいと思うのですが、全体的な流れの中で電子カルテとい う言葉が出てきて、少し電子カルテが万能だというような印象もあって。その方向性は それで結構だとは思うのですが、今回あまりそれに期待され過ぎるということのこわさ も多少感じることですが。もう1つは、それがすごくコストがかかるということを認識 していただいて、それではそのコストをだれが負担するかということを、「検討する」 とは書いてありますが、法律化できるだろうからその分でコストを補うというような、 そういうものではないと思いますので、これも9月以降にもう少し具体的に詰めていく 必要があるのではないかと感じます。 【開原座長】  ありがとうございました。ただいまのご指摘も大変よく理解できます。随分注意して 書いてあるようには思いますけれどね。注意して書いてはあるのだけれども、確かに実 際にやってみるとなかなか大変だというのは、また実際の姿でもありますので。ただい まのご指摘、重要なご指摘として記録にとどめて、9月以降にぜひ議論させていただき たいと思います。  ほかに何かございますか。 【藤本委員】  9月以降の話なのですが、この中に14ページと15ページ、2か所、2003年度を目途に それぞれ結論を得るとか作業を進めるとかございまして、そのこと自体は反対するわけ ではないのですが、これ2つあって、ほかはではどういうことなのかと。最後のほうに は「年次ごとの実施計画表を作成し」とありますので、これからつくるのだと思います が、先にこの2つがあるのは、ただこれは早く決まっているから書いてあるだけでこれ からもふえていくのか、これ以外はちょっと別の枠組みになるのか。ここは質問なんで す。 【開原座長】  初めに大体5年という枠がはまっているので、ほかは大体5年ということで、少し早 めるというか。 【藤本委員】  早めるものだけ書いてあると、そう思えばいいですか。 【開原座長】  いや、私はそういうふうに理解している。どうぞ、事務局のほうから。 【谷口室長】  要するに電子政府ということがもうそこに来ておりまして、それに間に合わせるよう に、医療分野でのこういう情報活動を進めるために、最低限の基盤整備をしてやってお かなければいけないことがこの2つであろうと、私どもは想定しておりまして。それ以 外ももちろんあるのでしょうが、それらは9月以降に時期をつくりますので、そのとき にまた委員の先生方からご指摘いただいて、「ちゃんとこういうのも忘れないでやれ」 と言われればやるということでございます。 【開原座長】  ほかに先立ってやらなければいけないことがやっぱりあると、そういう答えでしょう かね。  ほかにいかがでございましょうか。 【開原座長】  最後に用語の解説がついておりますが、これも大変きちんといろんなものを添付して いただいておりますので、非常に読みやすくなっておりますね。これについては特に 今、議論をするということもないかとは思いますが、もし何かお気付きの点とか間違っ ている点とかありましたら、ご指摘をいただければと思いますが。これはちょっと読み 上げることはいたしませんので、もし何かお気付きの点があったら、あとででも結構で すから、おっしゃっていただければなと。 【藤本委員】  先ほど井上先生がおっしゃった電子カルテというのは、用語集にはないのですが、こ れはあげると大変なことになるからですか。 【開原座長】  1冊、本ができそうですね。 【大山委員】  これ、電子署名という言葉はどこにも使っていないんですね。 【開原座長】  出てこないですね。 【藤本委員】  その辺はなかったですね。 【大山委員】  この後ろの用語にないので、ないのかなと思ったのですが。認証ツ−ルにあるんです か。 【開原座長】  認証は……。 【大山委員】  署名法がなったという、法律が実施されているというのは大きな差ですよね。保健医 療分野について十分に認識していないのですが、地方自治体のさまざまな方と電子政府 関係の話をすると、電子署名の法律が実施されていることは、あまりご存じない方がま だまだ多くてですね。「判こは要らなくなったんです」と言うと、記名、捺印を 廃止したと勘違いなさる方がいたり、電子署名というと、印鑑登録の文様の電子版をお 考えの方がいたりですね。まだまだ浸透していないという気がするんです。PKIが出 ているから、どこかに電子署名があるのかなと、実は思ったのですが。これ、どうかな と。 【開原座長】  確かに、医療の世界で電子署名がどういうふうに使えるかというのは、実はまだちゃ んと議論していないところがあるので。何でもかんでも署名を電子署名に変えてしまっ ていいというわけではなくて、「この部分はやっぱり変えたほうがよろしい」というこ とにならないといけないのだと思いますので、多分、その議論が必要なのだろうと思い ます。これは議論はしていないから、これも9月以降の宿題にさせていただいて。先生 のおっしゃるところは、私も大変よくわかりますので。  使うとすれば、確かにその電子カルテの保存とか、あるいは処方箋のところとか、そ の辺のところに電子署名が出てくる可能性があるのだと思うんです。まだちょっとこれ は議論が十分深まっていないですね。だからここでは一般的に「認証」という言葉で逃 げてしまっているんですね。 【大山委員】  そうですね。「2」の「保健医療分野における情報化の現状」の中に、〈情報処理に おける技術革新〉と〈医療の情報化を巡る環境変化の現状〉とあって、環境変化という 意味で法的なもの……。そこですね。9月以降にまたもちろん……。確かに十分議論し ていませんので、それでよろしいかと思うのですが。  ただ、ご案内のとおり、法的公人認証サービスなどという話が出てきていますので、 そういう意味では、電子署名というのが明確にその位置付け……。電子政府というのを 念頭に置くのであれば、当然それは出てくるというのは、もう見えていますので。ひと つその辺……。実施方策になるのかもしれませんけれどね。 【開原座長】  そうですね。確かに医療の世界のもう1つ難しいのは、これが電子政府だけだと、公 的なところの署名をどうするかという話で、印鑑をどうするかでいいと思うのですが、 医療の世界というのは、公的な話と民間の話が一緒になっていますからね。そこがまた ちょっと、完全な電子政府だけで議論できないところに難しさがあるなという感じはし ております。今の法的枠組みの話も確かに環境として書き込んでいくと、それこそIT の基本法もあるし、電子署名法もあるし、個人情報保護法もあるしという。まだこれは 通っていませんけれどね。  いろいろあるから、その辺も9月以降に少し整理して、その辺の関係を明確にする必 要があるかもしれません。大変ありがたいご指摘でございますので。  それでは、大体ひとわたりご意見を伺いまして、重要なご指摘がたくさんございまし て。これは決してむだにするということではなくて、全部記録にとどめて、9月以降に じっくりと議論をさせていただくということにいたしたいと思います。この第1次案に 関しましては、1か所訂正−−先ほどの画像のレントゲンのところ、それと1か所はち ょっとペンディングで、「等」ということを入れるかどうかについては、保険局のほう とご相談の上でお決めいただくということにして、その辺はちょっと座長預かりにさせ ていただいて、その2点を除いてはきょうここでお認めをいただくということで、よろ しゅうございますでしょうか。  それではどうも、大変ありがとうございました。それではこれは、ただいまの2点を クリアーした上で、8月の8日の日にこれは公表するということになっているようでご ざいますが、そのようなことでよろしゅうございますでしょうか。その辺について、事 務局のほうから、公表の点についてご説明をいただけますか。 【谷口室長】  きょう完全に固まればきょうでもよかったのですが、ちょっと修正点がございました ので、明日1日お時間をいただきまして、座長さんとご相談をさせていただいた上で、 8日の日に対外的に、こういうご意見をいただいたという形での公表をさせていただき たいと、そういうことでございます。 【開原座長】  では、そういうことを含めてご了解をいただいたということでよろしゅうございます でしょうか。では、どうも大変ありがとうございました。それではこれで、第1次案に つきましては審議を終了をいたしました、ということにさせていただきたいと思いま す。  (2)次回の日程調整・確認 【開原座長】  それで、先ほどから9月以降、9月以降というふうに申し上げておりましたが、その 9月以降のことにつきましては、個別の課題のご検討をお願いするということになるわ けでございますが、そういたしますと、歯科とか看護とか薬剤とか、医療といいまして も医師だけでやっているわけでもございませんので、そういう医療関係の方々にもご参 加をいただくという必要もまた出てくるかと思いますが、いかがでございましょうか。  では、そういう各論に踏み込んでいった段階で、そういういろいろな方のご意見を伺 うと。もちろん今申し上げた歯科、薬剤、看護だけではなくて、そのほかの方々のご意 見も当然必要になってくるかもしれませんが、そういうことにつきましても、この検討 のしかたを、私と事務局のほうで少し検討させていただきたいと思っておりますが、そ んなことでよろしゅうございますでしょうか。  それでは8月はこれでおしまいにいたしまして、また9月以降に、今度は第2段目の ご検討をしていただくということになりますが、その日程等について、何か事務局のほ うで案がございますでしょうか。 【武末補佐】  日程に関しましては、事務局のほうで後日、委員の先生方とご連絡を再度お取りさせ ていただきまして、またこちらのほうから連絡させていただきたいと思います。一応9 月を予定しておりますので、ひとつよろしくお願いします。 【開原座長】  では、9月中ということで、きょう特に日は定めずということで、また改めて日程の 調整をさせていただくということにいたしたいと思います。  それでは何かほかに、委員の先生方から特にご発言がございますでしょうか。 【井上委員】  この医療のIT化は大変重要だと思うのですが、やっぱり最後はこのコストの問題、 かかる経費の問題が非常に重要ではないかと思います。だからその考え方を、よほどし っかりとしておく必要があるので。で、最後に民間主導でという小泉内閣の方針を少し 書いていますが、一般の企業というのは、IT投資をして、それで品質をよくして売り 上げをふやす、顧客をふやすということでペイする。だから、当然民間主導でいいので すが、医療というのははたしてそういうものかどうかということを考えた場合に、何も かも民間主導で、何も全部民間でやれというような考え方でIT化が進むのかどうかと いうことを、かなり疑問に思います。  ですから、こういう社会保障的な課題については、やはり官の役割と民の役割という のをよく整理しておかないと、なかなか思ったとおりに進まないというふうな感じを非 常に持っておりますので、そういうことは、ここで議論すべきかどうかは別にいたしま して、ぜひお考えいただきたいということで感じております。 【開原座長】  ただいまの井上委員のお話は、第4部の一番最後に、「論点を整理して、医療機関、 医療保険者、患者、公的資金などで費用を分担する方法を引き続き検討すべきである」 と、こう書いてありますので、これはまさに検討課題の宿題として残っております。こ れも、場合によれば9月以降の話になろうかと思いますので。  ほかに何か特にご発言、ございますでしょうか。  では局長、何か? 【医政局長】  どうもすみません。ありがとうございました。 【開原座長】  それではまだ少し早いのですが、時間が早く終わるのはご迷惑ではないと思いますの で、本日の検討会はこれで終わらせていただきたいと思います。本日はどうも大変あり がとうございました。 +---------------------------------+ | 照会先:医政局研究開発振興課 | |        医療技術情報推進室| | 担当 :武末、植田 | | 内線 :2589 | +---------------------------------+