労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委令和7年(不)第11号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(組合) 
被申立人  Y法人(法人) 
命令年月日  令和8年6月26日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、パワーハラスメントを行ったとして懲戒処分を受けた組合員Aに関する団体交渉において、法人が、①同組合員は、パワーハラスメントの被害者とされる者に対し優越的地位にあると認定した根拠事実について説明しなかったこと、②不服申立審査委員会の手続が遅延した理由等の具体的説明を行わなかったこと、③組合に対し掲示板の貸与を行わない具体的理由を説明しなかったこと、がそれぞれ不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
 大阪府労働委員会は、申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 本件の争点は、令和6年8月6日の団体交渉(以下「6.8.6団交」)における法人の対応は、不誠実団交に当たるかである。
2 団体交渉申入書に協議及び要求事項として記載された内容は、団体的労使関係の運営に関する事項及び労働者の労働条件に関する事項であり、かつ、法人に処分可能なものであるから、義務的団交事項に当たるといえる。
 そうすると、法人は、誠意をもって当該団交に当たらなければならず、実質的な協議に応じなければ、不誠実団交に当たることとなる。
 組合は、6.8.6団交において、①掲示板貸与の拒否理由を具体的に説明しなかったこと、②不服審査の手続の遅れ等に関し具体的な回答を行わなかったこと、③A組合員がB准教授に対して優越的地位にあったとの認定についての具体的な説明を行わなかったこと、が不誠実団交であると主張するので、以下それぞれについてみる。
(1) 掲示板貸与の拒否理由について
 法人は、掲示板の貸与を拒否した理由について、繰り返し具体的に伝えており、組合の追及の程度に応じた具体的な説明をしていたといえる。
 このため、掲示板貸与の拒否理由についての法人の対応は、不誠実団交に当たるとはいえない。
(2) 不服審査の手続の遅れ等について
 法人は、団交において説明を行い、その後、組合の求めに応じて不服審査委員会に聴取した上で回答も行っており、こうした法人の対応は、自己の主張の根拠を具体的に説明したものであるといえる。
 このため、不服審査の手続の遅れ等についての法人の対応は、不誠実団交に当たるとはいえない。
(3) 優越的地位にあったとの認定について
 法人は、優越的地位について、ハラスメント調査委員会や不服審査委員会の報告書以上の説明はできないと述べ、これらの報告書に書いてある旨を繰り返し自己の主張の根拠を具体的に説明しており、法人にこれ以上の報告義務があるとまでいえない。また、組合の求めに応じて過去の事例等について回答するなどしており、法人に可能な範囲で組合に対応しているといえ、法人の対応は不誠実団交に当たるとはいえない。
3 以上のとおりであるから、6.8.6団交における法人の対応は、不誠実団交に当たるとはいえない。
 
掲載文献   

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