概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
岐阜県労委令和7年(不)第2号
不当労働行為審査事件 |
| 申立人 |
X組合(組合) |
| 被申立人 |
Y1会社、Y2会社(併せて「会社ら」) |
| 命令年月日 |
令和8年6月25日 |
| 命令区分 |
全部救済 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
本件は、会社ら及びY2会社のB1代表取締役が、組合のA1委員長個人に対して、令和7年8月5日付け損害賠償請求訴訟(以下「本件訴訟」)を提起したことが、労働組合法(以下「労組法」)第7条第3号及び第4号に該当する不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
岐阜県労働委員会は、労組法第7条第3号及び第4号に該当する不当労働行為であると判断し、会社らに対し、文書交付等を命じた。
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| 命令主文 |
1 会社らは、本命令書写しの受領の日から10日以内に、組合に対して、下記の内容の文書を交付しなければならない。
記
年 月 日
X組合
執行委員長 A1 様
Y1会社
代表取締役 B1
Y2会社
代表取締役 B2
当社らが、貴組合のA1執行委員長を被告として、令和7年8月5日付けで損害賠償請求訴訟を提起したことが、岐阜県労働委員会において、労働組合法第7条第3号及び第4号に該当する不当労働行為であると認定されました。
今後は、このような不当労働行為を二度と繰り返さないことを誓約いたします。
以上
2 会社らは、前項の文書交付義務を履行したときは、速やかに当委員会に対し、文書でその旨を報告しなければならない。
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| 判断の要旨 |
1 本件の争点は、会社らが組合のA1委員長個人を被告として、本件訴訟を提起したことが、労組法第7条第3号及び第4号の不当労働行為に該当するか否かである。
2 報復的不利益取扱いの判断
(1) 不利益性について
組合の執行委員長が訴訟提起されることは、同組合の活動に対し疑念を生じさせ、新規組合員の加入を抑制したり、他の使用者との労使間の信頼関係を失わせる原因ともなりかねず、本件訴訟の提起によって組合活動を萎縮させる結果となることが否定できないことから、組合活動上の不利益が生じることも認められる。
(2) 不当労働行為意思について
会社らが団体交渉でのA1委員長の交渉態度を理由として本件訴訟を提起したことが明らかに合理性を欠くものとまでは認められないものの、組合が不当労働行為救済申立てをしたことが違法であるとの理由で本件訴訟を提起したことは、報復的意図が推認され、組合活動を萎縮する効果を及ぼしたといえる。
よって、会社らが本件訴訟を提起したことには、組合が当委員会に不当労働行為救済申立てをしたことに対する報復的な不当労働行為意思があったと推認するのが相当である。
(3) 結論
以上のとおり、本件訴訟による不利益性が認められ、組合に対する報復的な不当労働行為意思も推認されることから、会社らに裁判を受ける権利があり、当委員会がその判断をもってこれを制限することには慎重であるべきことを考慮してもなお、組合が不当労働行為救済申立をしたことに対する報復的な不利益取扱いであるとすべき事情があるといわざるを得ず、労組法第7条第4号の不当労働行為に該当する。
3 支配介入の判断
組合の不当労働行為救済申立が違法であることを理由として本件訴訟を提起したことは、組合活動を萎縮する効果を及ぼし、組合の弱体化や運営・活動の妨害をもたらすとともに、会社らが支配介入の意思を有していたものと推認できることから、労組法第7条第3号の不当労働行為にも該当する。
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| 掲載文献 |
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