概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
北海道労委令和4年(不)第7号
不当労働行為審査事件 |
| 申立人 |
X組合(組合) |
| 被申立人 |
Y会社(会社) |
| 命令年月日 |
令和8年4月24日 |
| 命令区分 |
一部救済 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
本件は、会社が、①組合のA1委員長及びA2副委員長(以下「A1委員長ら」)に対し、記者職から人事総務付けへ配置転換したこと(以下「本件配置転換」)及び記者職とは関係のない業務を命じるなどしたこと(以下「本件業務命令」)、➁A1委員長らを試用期間満了により本採用を拒否(解雇)したこと(以下「本件本採用拒否」)、③組合が本件配置転換の撤回等を求めて団体交渉(以下「団交」)を申し入れたが、団交を拒否したことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
北海道労働委員会は、①について労働組合法第7条第1号及び第3号、➁について同条第1号に該当する不当労働行為であると判断し、会社に対し、(ⅰ)原職復帰及びバックペイ、(ⅱ)支配介入の禁止、(ⅲ)文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。
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| 命令主文 |
1 会社は、組合の執行委員長であったA1及び副執行委員長であったA2に対して行った令和4年6月4日付け配置転換及び同年8月31日付けの本採用拒否をなかったものとし、原職又は原職相当職に復帰させ、同人らに対し、上記本採用拒否がなかったならば支給されるべきであった同年9月1日から原職又は原職相当職に復帰するまでの間の賃金相当額並びにこれらに対する各支払日の翌日から各支払済みに至るまで年3分の割合による金員を付加して支払わなければならない。
2 会社は、A1及びA2に対する令和4年6月4日付け配置転換等により組合の運営に支配介入してはならない。
3 会社は、組合に対し、次の内容の文書を、日本産業規格A4判の大きさの白紙に楷書で明瞭かつ紙面いっぱいに記載し、本命令書写しの交付の日から7日以内に、手交しなければならない。
当社が行った次の行為は、北海道労働委員会において、労働組合法第7条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。
今後、このような行為を繰り返さないようにします。
記
1 当社が、A1氏及びA2氏が労働組合を結成し、正当な組合活動をしたことを理由に、配置転換命令及び本採用拒否を行ったこと。
2 当社が、A1氏及びA2氏への配置転換命令等により、貴組合の活動に支配介入したこと。
年 月 日
X組合
共同執行委員長 A2 様
同上 A1 様
Y会社
代表取締役 B1
4 申立人のその余の申立てを棄却する。
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| 判断の要旨 |
1 本件の争点は次のとおりである。
(1) 本件配置転換は、労組法第7条第1号の不当労働行為に該当するか(争点1)。
(2) 本件配置転換及び本件業務命令は、労組法第7条第3号の不当労働行為に該当するか(争点2)。
(3) 本件本採用拒否は、労組法第7条第1号の不当労働行為に該当するか(争点3)。
(4) 令和4年6月8日以降、組合が行った本件配置転換の撤回等を議題とした団交申入れに対する会社の対応は、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当するか(争点4)。
2 争点1について
(1) A1委員長らの執務室には、折り畳み式の机とパイプ椅子しか用意されていなかったことなど、当該職場における職員の一般的認識として、本件配置転換が不利益なものであると受け止められ、それによって組合活動意思が委縮し、組合活動一般に対して制約的効果が及ぶものであることは明らかである。
よって、本件配置転換は不利益性を有する。
(2) 次に、本件配置転換が「故をもって」行われたか否かについて検討する。
労働組合ができた、若しくはできる可能性があると考えたB1社長が、組合結成を嫌悪して、組合結成署名を取り下げるよう働きかけたこと、その後、会社がにわかにA1らのCらに対する言動を取り上げて、Cへのハラスメントの調査を始めたこと、その調査はCの意思とは無関係に結論が決められていたこと、組合を結成したことを通知するメールをB1社長が見た上で、A1らに対しCへのハラスメントについてヒアリングを行ったこと等、一連の流れからみて、会社の不当労働行為意思が認められる。
したがって、本件配置転換は、法第7条第1号の不当労働行為に該当する。
3 争点2について
本件配置転換等が、上記のとおり、会社の不当労働行為意思によってなされたものである以上、会社の配置転換等に係る一連の行為は、A1らの組合活動を委縮させ、組合の弱体化を図る支配介入行為である。
したがって、本件配置転換及びその後の業務命令は労組法第7条第3号の不当労働行為に該当する。
4 争点3について
本件本採用拒否は、本件配置転換時において組合嫌悪の意思を有していた会社が、組合活動に対し、継続した反組合的意図ないし動機を有して行ったものであり、不当労働行為意思があったものと認められる。
したがって、本件本採用拒否は、労組法第7条第1号に該当する。
5 争点4について
会社は、団交の実施前に組合の求める資料を提示しているのであって、その提出の時期が組合の希望する時期ではなかったり、その資料の内容に誤っている箇所があったり、実際の制定、施行日が不明であったとしても、それらをもって直ちに団交の拒否もしくは使用者の誠実交渉義務に違反する行為があったとはいえない。
よって、会社の行為は団交の拒否には該当しない。
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| 掲載文献 |
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