概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
広島県労委令和7年(不)第1号
栄己建設不当労働行為審査事件 |
| 申立人 |
X組合(組合) |
| 被申立人 |
Y会社(会社) |
| 命令年月日 |
令和8年2月27日 |
| 命令区分 |
全部救済 |
| 重要度 |
|
| 事件概要 |
本件は、会社が、組合員3名に係る賃金等の未払を交渉事項とした団体交渉要求に応じなかったことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
広島県労働委員会は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると判断し、会社に対し、団交応諾及び文書手交を命じた。
|
| 命令主文 |
1 会社は、組合が令和7年4月7日付け団交要求書及び同月11日の電話で申し入れた団体交渉について、本命令書受領の日から2週間以内に応じなければならない。
2 会社は、本命令書受領の日から2週間以内に下記内容の文書を組合に手交しなければならない。
記 年 月 日
X組合
委員長 A1 様
Y会社
代表取締役 B
当社が、貴組合の申し入れた団体交渉に応じなかったことは、広島県労働委員会において、労働組合法第7条第2号に当たる不当労働行為であると認められました。
今後は、このような行為を繰り返さないようにいたします。
|
| 判断の要旨 |
1 本件の争点は次のとおりである。
令和7年4月6日以降に行われた団体交渉要求に対する会社の対応は、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当するか。
2 本件団体交渉要求における議題について
本件団体交渉要求の議題は、組合員3名が在職中に未払であった月例賃金や歩合給等に関することであり、これは会社と組合員3名との間の労働契約関係に係る未精算の問題であるから、組合員3名の労働条件等に関する事項であって、会社に処分可能なものとして、義務的団交事項に当たる。
3 会社の対応は正当な理由のない団体交渉拒否といえるかについて
(1) 本件団体交渉要求に対し、一旦は双方で令和7年4月27日に団体交渉を行うことを確認したものの、その後、社長が日程の再調整を求め、同年5月25日に延期された。
しかし、社長は開催日前日の同月24日になって「私は出席しません」と、開催日当日の同月25日には「誰もいきません」と回答し、当日に団体交渉が行われることはなかった。
その後、社長から回答はなく、顧問弁護士からも何の連絡もなく、令和8年1月16日の結審に至るまで、団体交渉は行われていない。
以上のことからすると、会社が本件団体交渉要求を拒否していることは明らかである。
(2) 会社は、本件審査手続において、団体交渉拒否の理由について何ら主張も立証もしていない。また、証拠及び審査の全趣旨に照らしても、本件の団体交渉拒否を正当化する特段の事由も認められない。
したがって、会社が組合との団体交渉を拒否したことに正当な理由は認められない。
4 結論
本件団体交渉要求に対する会社の対応は正当な理由のない団体交渉拒否として、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当する。 |
| 掲載文献 |
|