概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
神奈川県労委令和5年(不)第16号
富士見交通不当労働行為審査事件 |
| 申立人 |
X組合(組合) |
| 被申立人 |
Y会社(会社) |
| 命令年月日 |
令和7年12月26日 |
| 命令区分 |
全部救済 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
本件は、会社が、①組合の申し入れた乗務員給与支給規程の定め及び運用を議題とする団体交渉において不誠実な対応を行ったこと、②組合が雇用調整助成金申請のために必要な休業協定書があれば提示するよう要求したにもかかわらず提示しなかったことがそれぞれ不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
神奈川県労働委員会は、①について労働組合法第7条第2号、②について同条第3号に該当する不当労働行為であると判断し、会社に対し、(ⅰ)誠実団交応諾、(ⅱ)文書手交及び掲示等を命じた。 |
| 命令主文 |
1 会社は、同社の乗務員給与支給規程の定め及び運用を議題とする組合との団体交渉において、同社が令和4年10月1日から施行していた乗務員給与支給規程について、その内容が労働基準法に照らして適法であるかどうかを具体的に説明し、かつ、その改定の必要性について誠実に交渉しなければならない。
2 会社は、本命令受領後、7日以内に下記の文書を組合に手交するとともに、同文書の内容を日本産業規格A2縦長型の大きさの白色用紙(縦約60センチメートル、横約42センチメートル)全面に明瞭に認識できる大きさの楷書で記載した上で、会社従業員の見やすい場所に毀損することなく、14日間掲示しなければならない。
記
当社が、①貴組合の申し入れた、令和4年10月1日から施行された乗務員給与支給規程の定め及び運用を議題とする令和5年6月20日の団体交渉において、不誠実な対応を行ったこと、②貴組合が雇用調整助成金申請のために必要な休業協定書を提示するよう要求したにもかかわらず、これを提示しなかったことは、①については労働組合法第7条第2号に、②については同条第3号に該当する不当労働行為であると神奈川県労働委員会において認定されました。
今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
令和 年 月 日
X組合
執行委員長 A1 殿
Y会社
代表取締役 B1
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| 判断の要旨 |
1 本件の争点は次のとおりである。
(1) 令和5年6月20日の団体交渉における会社の対応は、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たるか否か。(争点1)
(2) 令和4年6月14日の団体交渉において、組合が、会社に対し、雇用調整助成金申請のための休業協定書が存在するならば組合に対し提供するよう求めたことについて、会社が応じなかったことは、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たるか否か。(争点2)
2 争点1について
(1) 会社は、5.6.20団体交渉において、組合の要求する事項に対し、必要に応じて会社の主張の論拠を説明したり、その裏付けとなる資料を提示するなどして自らの見解について説明しておらず、誠実に団体交渉に応じたとは認められない。
(2) したがって、5.6.20団体交渉における会社の対応は、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たる。
3 争点2について
(1) 会社は、基本的な労働条件に関して締結された労使協定の内容を示す書面である休業協定書について、これを組合に対し開示することを意図的に拒絶し続けたといえる。
(2) 会社は、組合及びその活動について会社経営を阻害するものと捉えていたというのが相当であり、組合活動をできるだけ抑制したいという認識のもと、休業協定書の開示に誠実に応じない不作為を継続したと認められる。これは、労使対等の原則に反した、会社による組合の存在意義を否定する行為であり、組合の活動や運営に重大な支障を来すとともに、組合活動の弱体化につながる行為であるから、労組法第7条第3号の不当労働行為に当たる。
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| 掲載文献 |
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