労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委令和3年(不)第57号、4年(不)第10号・第11号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(組合) 
被申立人  Y1会社、Y2会社、Y3会社(3社併せて「会社ら」) 
命令年月日  令和8年3月27日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、組合が、会社らに対し、会社ら又はそのグループ会社に入社してその業務に従事していた組合員の労働条件等について団体交渉を申し入れたところ、会社らが組合との団体交渉を拒否したことが不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
 大阪府労働委員会は、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 本件の争点は次のとおりである。
1-1 Y1会社は、組合員A1の労働組合法上の使用者に当たるか。
1-2 組合の令和3年9月29日付け団体交渉申入れに対するY1会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか。
2-1 Y2会社は、被申立人適格を有するか。
2-2 Y2会社は、組合員A1の労働組合法上の使用者に当たるか。
2-3 組合の令和3年11月27日付け団体交渉申入れのうち、組合員A1に関する事項に係るY2会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか。
3-1 Y3会社は、組合員A1及び組合員A2の労働組合法上の使用者に当たるか。
3-2 組合の令和3年11月27日付け団体交渉申入れに対するY3会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか。

2 争点1-1について
(1) 組合は、会社らの業務を遂行すること及び会社らとの間に指揮命令関係が存在することが組合員A1と会社らとの雇用関係の証明となる旨主張するが、指揮命令関係が存在することだけから雇用関係が存在するということはできないから、組合の主張は採用できない。
(2) また、Y1会社は、団交申入れの時点において、組合員A1に対して廃棄物収集運搬業務について指揮命令をしていたとはいえず、同指揮命令に関して、組合員Aの基本的労働条件等について雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定することができる地位にあるとはいえない。
(3) 組合員A1の賃金については、3年(不)57号事件申立ての時点において支配・決定していたのはC社であったというべきであるから、Y1会社が、組合員A1の未払賃金について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配・決定できる地位にあったとはいえない。
(4) 以上により、Y1会社は団交申入れの要求事項について、組合員A1の労働組合法上の使用者に当たるとはいえない。

3 争点1-2について
 Y1会社が団交申入れの要求事項について組合員A1の労働組合法上の使用者に当たらないことは前記2のとおりであるから、Y1会社に団交応諾義務はない。
 したがって、Y1会社の対応は正当な理由のない団交拒否に当たるといえない。

4 争点2-1について
(1) B1は個人事業主としてY2会社を営んでいたが死亡し、B2がB1の全財産を相続したことが認められる。
(2) 被申立人である使用者が個人事業主であって死亡した場合は、労働契約上の地位は一身専属的なものであって、通常は相続の対象とならないと解され、事件は終了するのが原則である。しかしながら、相続によって当該個人事業が承継され、同一性をもって継続しており、労働関係も承継されている限りは、審査手続についても承継が当然に認められると解される。
(3) 個人事業としてのY2会社は、相続によってB2に承継され、同一性をもって継続し、労働関係も承継されたものとみるのが相当である。
 よって、B2は、被申立人適格を有する。

5 争点2-2について
(1) まず、Y2会社はA1の雇用主とはいえない。また、団交申入れの要求事項は、組合員A1の基本的労働条件等に当たるとはいえない。
(2) そして、Y2会社は、業務命令についても、賃金未払いについても雇用主であるC社と同視できる程度に現実的かつ具体的に組合員A1の基本的労働条件等を支配、決定することができる地位にあったとはいえない。
(3) 以上により、Y2会社は団交申入れの要求事項について、組合員A1の労働組合法上の使用者に当たるとはいえない。

6 争点2-3について
 Y2会社が団交申入れの要求事項について組合員A1の労働組合法上の使用者に当たらないことは前記5のとおりであるから、Y2会社に団交応諾義務はない。
 したがって、Y2会社の対応は正当な理由のない団交拒否に当たるといえない。

7 争点3-1について
(1) Y3会社は、組合員A1の雇用主とはいえず、組合員A2は、Y1会社との間に雇用関係があると推認される一方、Y3会社との間の雇用関係の存在を認めるに足る事実の疎明はなく、雇用主であるとはいえない。
(2) また、Y3会社が、両組合員の賃金の支払について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定できる地位にあるとはいえないから、Y3会社は両組合員の労働組合法上の使用者には当たるとはいえない。

8 争点3-2について
 Y3会社は団交申入れの要求事項について両組合員の労働組合法上の使用者に当たらないことは前記7のとおりであるから、Y3会社に団交応諾義務はない。
 したがって、Y3会社の対応は正当な理由のない団交拒否に当たるといえない。
 
掲載文献   

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