労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委令和6年(不)第40号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(組合) 
被申立人  Y会社(会社) 
命令年月日  令和8年3月23日 
命令区分  却下・棄却 
重要度   
事件概要   本件は、会社が、①組合との事前協議同意約款を無視し、組合の理解と納得を得る努力をしないまま、組合が組織している事業部の事業を申立外C社へ事業譲渡することを強行しようとしたこと、②事業譲渡に当たり、C社に対し、組合の存続と労働協約の承継を認めさせる努力を行わなかったことがそれぞれ不当労働行為に当たるとして、救済申立てがなされた事案である。
 大阪府労働委員会は、秘密保持に関する契約2件を締結したことに係る申立てについて、申立期間経過後の申立てであるとして却下し、その他の申立てを棄却した。
 
命令主文  1 令和4年8月22日付けで秘密保持に関する契約2件を締結したことに係る申立てを却下する。
2 申立人のその他の申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 本件の争点は次のとおりである。
⑴ 令和4年8月22日付けで会社とC社が秘密保持に関する契約2件(以下「4.8.22秘密保持契約2件」)を締結したことに係る申立ては、労働組合法第27条第2項の申立期間を徒過していないといえるか。いえる場合、会社が、当該契約を締結したことは、組合に対する支配介入に当たるか。(争点1)
⑵ 会社が、令和6年3月28日午後1時まで、組合に知らせることなくメカトロ事業の事業譲渡に向けたC社との交渉の準備を進め、同日当該交渉を開始することを取締役会で決議し、公表し、同年8月2日付けで事業譲渡の基本合意書をC社と締結したことは、組合に対する支配介入に当たるか。(争点2)

2 争点1について
⑴ 本件申立ては、令和6年8月22日であるところ、会社がC社と4.8.22秘密保持契約2件を締結した日は、それぞれ同4年8月22日付けであることから、いずれの行為も行為の日から1年以上経過して申し立てられたことは明らかである。
⑵ この点、組合は、本件申立ての内容は継続する行為に当たると主張する。しかしながら、4.8.22秘密保持契約2件の締結行為は、「業務提携等」及び「企業合併、企業買収及び資本提携等」の可能性の検討を目的とし、それに関する情報について、会社とC社が秘密を保持すべき義務を定めた契約の締結という法律行為であるから、継続して行われる一括して一個の行為とはいえない。
⑶ したがって、4.8.22秘密保持契約2件を締結したことに係る申立ては、申立期間経過後の申立てであるので、却下する。

3 争点2について
⑴ 一般に、事業所廃止や営業譲渡等の労働者の地位に影響を及ぼすような経済活動であっても原則的には使用者の営業の自由の範囲内であるといえ、それが経営判断として合理性を有する場合には、使用者が労働協約を無視して行った場合や、専ら労働組合を嫌悪し、その活動に打撃を与える目的をもってされたものであるなどの特段の事情のない限り、それ自体が不当労働行為となることはないと解すべきである。
⑵ 本件事業譲渡は、組合の組合員の雇用確保とは関係がないことから、事前協議同意約款に違反せず、経営判断として合理性を有することも認められる。また、会社は、本件事業譲渡について、組合に一定の説明・協議を行った又は行おうとしたといえ、その他、本件事業譲渡が、専ら労働組合を嫌悪し、その活動に打撃を与える目的をもってされたものと認めるに足る疎明はない。
 以上のことから、本件事業譲渡は事前協議同意約款に違反せず、また、本件事業譲渡には一定の合理性があり、専ら組合を嫌悪し、その活動に打撃を与える目的をもってされたものであるなどの特段の事情は認められないので、組合に対する支配介入とはいえず、組合の申立ては棄却する。
 
掲載文献   

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