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概要情報
事件番号・通称事件名  東京都労委令和3年(不)第38号・令和4年(不)第66号
日本航空・日本航空(支配介入)不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(組合) 
被申立人  Y会社(会社) 
命令年月日  令和7年11月18日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   本件は、①令和3年4月5日、13日及び22日に組合が行った(会社更生手続中に行われた更生管財人による運航乗務員及び客室乗務員の整理解雇(以下「本件整理解雇」)に係る)団体交渉申入れ(以下「本件団体交渉申入れ」)に対する会社の対応、②会社が、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を理由に、令和4年1月12日に開催が予定されていた団体交渉の延期を通知したこと及びその後の会社の対応、③同年4月19日及び5月30日に開催された団体交渉における会社の対応、④当該整理解雇に係る会社解決案の提示に当たり、申立外の2つの労働組合と組合との間で異なる取扱いをしたことが不当労働行為に当たる、として救済申立てがなされた事案である。
 東京都労働委員会は、③の一部について、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると判断し、会社に対し、(ⅰ)組合が、当該整理解雇後の会社の企業グループにおける運航乗務員及び客室乗務員の人員数に関する会社の認識について説明を求める団体交渉を申し入れたときは、根拠を示して具体的に見解を述べるなどして、誠実に応じなければならないこと、(ⅱ)文書交付等を命じ、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 会社は、組合が、令和3年4月5日付けで要求した「統一要求に準じた解決」を議題とし、平成23年7月に会社が公表した航空法に基づく安全報告書の人員数と、22年6月に会社の更生管財人が作成した更生計画案に関する説明会の資料に示された人員数を踏まえて、22年12月31日付けの整理解雇後の会社の企業グループにおける運航乗務員及び客室乗務員の人員数に関する会社の認識について説明を求める団体交渉を申し入れたときは、根拠を示して具体的に見解を述べるなどして、誠実に応じなければならない。

2 会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を組合に交付しなければならない。
 年 月 日
X組合
 委員長 A1殿
Y会社       
代表取締役 B
 令和4年5月30日の貴組合との団体交渉において、貴組合が、平成23年7月に当社が公表した航空法に基づく安全報告書の人員数と、22年6月に当社の更生管財人が作成した更生計画案に関する説明会の資料に示された人員数を踏まえて、22年12月31日付けの整理解雇後の当社の企業グループにおける運航乗務員及び客室乗務員の人員数に関する当社の認識について説明を求めたことに対する当社の対応は、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。

3 会社は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。

4 その余の申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 組合は、後記の争点2に係る団体交渉について、労働組合法第7条第2号の「使用者が雇用する労働者の代表者」に当たるか否か(争点1)。

(1)雇用関係の終了後も、解雇に関する未解決の事項があり、時宜を失した申入れでない限り、被解雇者が加入する労働組合が団体交渉を申し入れた場合には、その労働組合は「使用者が雇用する労働者の代表者」に当たる。そして、団体交渉の申入れが、時宜を失することなく社会通念上合理的期間内になされたといえるかについては、解雇後の経過期間の長さだけで判断することは困難であり、団体交渉の申入れに至る経過などの諸事情を総合的に考慮して判断する必要がある。

(2)本件の経過をみると、〔会社には、機長以外の運航乗務員を組合員とする申立外K組合、機長を組合員とする同L組合及び客室乗務員を組合員とする同M組合があり(以下「申立外3労組」)、その後、L組合はK組合に統合された(以下「申立外2労組」)ところ〕組合員Aらが、L組合の組合員資格を喪失後、直ちに新たな組合を結成せず、N争議団として、申立外3労組とともに、元従業員の職場復帰や金銭的補償などを求める要求(以下「本件統一要求」)の作成に関与するなどの活動を行いながら、組合への再加入を試みたことには、相応の事情があり、Aらが、本件整理解雇に関する問題の団体交渉を通じた解決について、漫然と放置していたとはいえない。
 一方で、会社は、〔平成23年1月、本件整理解雇の被解雇者である運航乗務員74名(Aらを含む)及び客室乗務員72名が、それぞれ会社を被告として、労働契約上の地位確認を求めて提起した〕別件訴訟の判決確定後、申立外3労組又は申立外2労組との間で、本件統一要求について協議を継続的に行っており、本件団体交渉申入れ〔後記2参照〕に対して、会社が、Aらの二重交渉の可能性を指摘し、本件統一要求についてのK組合と会社との協議の対象者にAらが含まれる可能性を考慮していたことを踏まえれば、組合は、時宜を失することなく社会通念上合理的な期間内に、本件団体交渉申入れを行ったと評価できる。
 そして、組合との団体交渉では、「本件統一要求に準じた解決要求」という申立外2労組と同一の事項を協議しており、当該団体交渉申入れは、いずれも、未解決の事項について社会通念上合理的な期間内に行われたといえる。
 したがって、組合は、争点2に係る団体交渉について、「使用者が雇用する労働者の代表者」に当たる。

2 争点1が「当たる」と判断された場合(下記3及び4において同じ)、本件団体交渉申入れに対する会社の対応は、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか否か(争点2-1)。

(1)組合が示した回答期限(令和3年4月30日午後3時頃)まで回答をせず、組合からの問合せを受けて、「これから回答書を用意するので、しばらく待ってくれ」と述べた会社の対応に非がないとはいえない。
 しかし、本件団体交渉申入れの後、会社は、申入れの内容や、4月30日付回答書にて組合に確認を求めた事項(①「使用者に雇用される労働者の代表者」の該当性、②申立外2労組との二重交渉となる可能性、③団体交渉における対象組合員の範囲)について、社内で整理・検討を行って回答を準備していたことがうかがわれ、回答期限までに会社からの回答がなかったことをもって、直ちに、会社が申入れを無視していたとまではいえない。

(2)そして、本件団体交渉申入れが、本件整理解雇から10年以上経過した後に結成された組合からの初めての団体交渉申入れであったことからすると、会社が、前記(1)①「『使用者に雇用される労働者の代表者』の該当性」に疑問を持ち、回答までに一定の時間を要したことをもって直ちに正当な理由のない団体交渉の拒否とはいえない。また、組合の要求が、(申立外2労組との間で協議が継続していた)「本件統一要求に準じた解決要求」とされており、それまでの経緯を踏まえると、会社が、AらはL組合を統合後のM組合に加入しているのではないかと考えたことにも相応の理由があるというべきで、同②「申立外2労組との二重交渉となる可能性」についての調整状況や、同③「団体交渉における対象組合員の範囲」について、会社が組合に確認を求めたことをもって、正当な理由のない団体交渉の拒否とはいえない。
 加えて、会社は、令和3年8月4日に第1回団体交渉を実施し、その後も団体交渉を行っていることも踏まえれば、4月30日付回答書を組合に送付して上記の①から③までの3点について回答を求めた会社の対応が、正当な理由なく団体交渉の申入れを拒否するものであったとはいえない。

3 会社が、令和4年1月12日に開催が予定されていた団体交渉について、開催の延期を通知したこと及び延期に係る会社の対応は、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか否か(争点2-2)

 組合は、予定されていた団体交渉を会社が一方的に延期し、会社は団体交渉実施のルールやスケジュールについて組合と誠実に協議せず、一方的に組合に強要したもので、組合が申し入れても団体交渉が実施できない状況となり、令和4年3月22日の事務折衝まで会社との協議ができなかった旨を主張する。
 しかし、①都内における新型コロナウイルス感染症に関する状況、②令和4年1月12日に組合の関係者が会社本社の受付を突然訪問し、多人数かつ至近距離で対応を求め、会社が組合に抗議していたこと、③会社が、まん延防止等重点措置の終了後速やかに事務折衝が開催されるよう対応したこと等の経過を踏まえると、会社が、東京都内全域のまん延防止等重点措置の終了時期が明らかになるまでの間、リモート会議による団体交渉を提案しつつ、対面での団体交渉や事務折衝に応じなかったことには相応の理由があり、このこと自体が不合理であったとまではいえず、約2か月間、対面での協議が行われなかったことを踏まえても、正当な理由なく団体交渉を拒否する対応であったとはいい難い。

4 令和4年4月19日に開催された第4回団体交渉及び5月30日に開催された第5回団体交渉における(本件安全報告書、解決金要求及び原職復帰要求に係る)会社の回答や対応は、不誠実な団体交渉に当たるか否か(争点2-3)

(1)本件安全報告書

ア 第4回及び第5回団体交渉における本件安全報告書〔平成23年7月に会社が公表した、航空法に基づく安全報告書〕に関する交渉内容をみると、組合は、「更生計画案に示された人員数は運航に必要な人員数である」との組合としての理解を示した上で、①「本件整理解雇(平成22年12月31日)後の、23年3月31日時点の会社の人員数は、運航に必要な人員数が書かれた更生計画案に示された人員数を下回っていたのではないか」、②「23年2月8日に、当時の会社の代表取締役会長が、記者会見の場で、『本件整理解雇による被解雇者約160名を会社に残すことが経営上不可能ではなかった』旨を発言したこと(以下「元会長発言」)は本件整理解雇が必要なかったことの証拠である」と述べており、会社は、これら主張に対し、「整理解雇の必要性ははっきりと裁判で確認された、裁判で認められている話である」などと応じている。
 別件訴訟で、東京地裁及び東京高裁は、人員削減の必要性を肯定した上で「本件整理解雇が有効だった」旨を判断し、平成27年2月にこれらの判断を含む判決が確定している。また、判決における「元会長発言があったことをもって、人員削減の必要性が認められるとの認定判断を左右するに足りるものではない」旨の判断などを踏まえると、上記②の組合の主張に対する会社の対応に理由がないとまではいえない。
 他方、上記①の組合の主張は、本件整理解雇の3か月後の人員数について、会社の認識を問うものである。また、別件訴訟の争点は本件整理解雇の有効性であり、人員削減の必要性の有無の判断について、「基準時とされた22年12月31日以後の事情はそれ自体が人員削減の必要性を左右する要素であるとはいえない」と判示され、別件訴訟の判断中には、本件安全報告書への言及はない。

イ 第4回及び第5回団体交渉は、組合からの令和3年3月1日付要求書に対して、会社が、「組合の求める原職復帰や解決金の支払には応じられない」旨を改めて回答し、①平成30年から経験者採用の門戸を開いている、②申立外2労組とは地上職マッチング施策〔注 地上職の職務へのマッチングを希望する被解雇者に係る会社によるマッチング〕を実施している旨を伝え、協議が行われていた時期であった。
 原職復帰を第一に求めていた組合が、要求を譲歩して会社の提案する経験者採用や地上職マッチング施策による解決を受け入れられるか否かを検討するに当たっては、本件整理解雇の3か月後の平成23年3月31日時点において、更生手続が終結し(3月28日)裁判所や更生管財人の監督下を離れた会社に、運航経験を有する被解雇者を再雇用する余地がなかったのかという点は大きな意味を持つと考えられる。
 組合が、「23年3月31日時点の実人員数が運航に必要とされた人員数を下回っていたのではないか」という疑問について説明を求めたことは、本件整理解雇後の状況を踏まえて被解雇者の処遇等を協議するために意味のあるもので、本件整理解雇の有効性とは別の問題といえる。
 よって、組合が、第5回団体交渉において、これらに係る説明を求めたことが、法的に決着した本件整理解雇の有効性についての議論の蒸し返しであったとはいえない。

ウ その上で、第5回団体交渉での会社の対応をみるに、〔組合が、「更生計画案に示された人員数と比較している」旨を明確に述べることなく、本件安全報告書のみを差し出して、「本件整理解雇が必要ではなかった」旨を主張した第4回団体交渉とは異なり〕組合が、更生計画案に示された人員数と、本件安全報告書に示された実際の人員数という根拠を踏まえて「本件整理解雇後、23年3月31日時点では人員を削減しすぎていたのではないか」として、会社の認識について回答を求めたところ、会社は、「裁判記録を見てほしい、裁判で全て議論し尽くしている」などと回答するにとどまり、具体的な見解を示していない。
 そして、①別件訴訟の判決に本件安全報告書への言及がないことや、②組合が「別件訴訟と同じでもいいから」と会社の認識・考え方を示すよう求めても、会社がこれに応じていないことを踏まえると、第5回団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たる。

(2)解決金要求
 解決金による解決要求に関する会社の対応をみるに、本件整理解雇は、会社が9,252億円という巨額の債務超過に陥り、更生計画に基づく取組が行われる中で実施され、その対象者は165名であったことを踏まえると、更生計画に定められた約1万6千名の人員削減の多くは、複数回行われた特別早期退職や希望退職によると考えられる。また、金融機関、株主、企業年金の受給者などの幅広い関係者にも、会社の更生手続によって多大な影響が生じていたとみられる。
 これら状況を踏まえれば、会社の回答は、「会社の再生への取組により、様々な立場の関係者に負担を強いた中で、被解雇者に対してだけ解決金を支払うことはできない」との見解を示したものとみられる。
 組合と会社とのやり取りを踏まえると、会社の再生過程において、様々な立場にあった関係者が、それぞれの立場において負担を分担していた点は労使双方とも認識しており、その上で、「解雇という形で意に反して雇用契約を終了させられた点を重視し、他の関係者との違いを強調して被解雇者への解決金を要求する組合の見解」と、「被解雇者を含む様々な関係者に負担を掛けた点を重視し、最終的に合意して会社を退職した特別早期退職者らにも会社を去ることを余儀なくされた者がいることなどを指摘して、被解雇者だけに解決金を払うことはできないとする会社の見解」が対立しており、組合の追及に対し、会社は自己の見解を相応に説明していたといえる。
 したがって、会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるとはいえない。

(3)原職復帰要求
 本件整理解雇が行われた当時の状況、すなわち更生計画の内容や会社が実施した人員削減施策を踏まえれば、会社が、「様々な立場の関係者に負担を強いた中で、被解雇者だけを優先的に雇用することはできない」と回答したことは、上記の状況を踏まえて一定の見解を表明するものといえる。会社が、その上で、被解雇者に対し、特別早期退職者らと同様の経験者採用や、地上職マッチング施策といった再雇用の提案をしていたことについて、対応が不誠実であったとはいえない。
 これらから、会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たらない。

5 会社は、整理解雇問題に係る会社解決案の提示に当たり、申立外2労組と組合との間で異なる取扱いを行ったか。異なる取扱いを行ったといえる場合、そのことは組合運営に対する支配介入に当たるか否か(争点3)

(1)組合は、「令和4年6月23日の会社との事務折衝(以下「4.6.23事務折衝」)において、①業務委託の提案を雇用の提案であると虚偽の情報を提供された、②会社が行ったとされる『業務委託』の発言は議論が紛糾している中でなされたもので、会社側の参加者が意図的に業務委託という言葉に組合員の注意を向けないようにした」旨を主張する。
 しかし、第5回団体交渉(5月30日)において、組合が、地上職マッチング施策で対応できない者についての検討状況を会社に質問したことを受けて、4.6.23事務折衝において、会社が、「地上職マッチング施策の延長線上のものとして、年齢や健康上の理由などで応募できない者に対して職務を提供する」旨を提案したこと(以下「本件提案」)は、当該組合の質問に対する会社としての検討結果の説明とみることができる。そして、会社は、4.6.23事務折衝が紛糾する前から、本件提案について、①70歳を超えても可能で、②働く場所に拘束されず、③報酬が月額12万円程度であるといった提案の内容を相応に説明しており、会社は、同日、申立外2労組にも同様の説明を行っていた。
 これら事情を踏まえると、会社が、4.6.23事務折衝において、組合からの反発を受けつつも、「本件提案が地上職マッチング施策の延長線上である」旨を繰り返し述べて説明したことには一定の理由があり、また、提案の内容を相応に説明していたことからすると、(雇用契約での提案との誤解を招き得る会社の発言があったことを踏まえても)会社が虚偽の情報を提供しようとしたとまではいえず、「マッチングというか、業務委託契約で」などの発言(以下「本件発言」)について、会社側の参加者が意図的に業務委託という言葉に組合員の注意を向けないようにしたともいえない。

(2)4.6.23事務折衝以降の会社の対応について、議論が紛糾したために組合側の出席者が「業務委託」との部分を聞き取れなかったとしても、①4.6.23事務折衝において会社は「業務委託」を含む本件発言を行っており、②会社が「本件提案が地上職マッチング施策の延長線上のものである」との説明を繰り返したことに一定の理由が認められることからすると、6月29日以降、会社が、組合に対して、「4.6.23事務折衝において会社は業務委託と発言して組合に伝えていた」として、その認識があるか否かの確認を求めたことに非があるとはいえない。また、7月4日に、組合が「業務委託について説明を聞かなければ態度を決められない」と述べたことを受けて、会社が、業務委託に関する事務折衝を(7月15日に)設けることとし、7月8日に業務委託概要を組合に提供したことは、当時の労使関係を踏まえた相応の対応というべき。
 一方で、会社の申立外2労組への対応をみると、組合が業務委託概要を受領するまでの間に、申立外2労組は提案を各組合員に情報提供して意思確認を行うなど、整理解雇問題の解決に向けた交渉が進んでいた。
 しかし、K組合とM組合との間でも合意書の内容には一部相違がみられる上、そもそも、組合が、4.6.23事務折衝において、「地上職マッチング施策による解決は受け入れ難い」との態度を鮮明にしていたことからすれば、会社が当該施策の延長線上と位置付ける本件提案について、それを前向きに検討しようとして協議を継続していた申立外2労組と、「地上職マッチング施策は組合の要求ではなく本件提案はしない方がよい」として提案を拒絶した組合との間で、本件提案についての交渉の進展に一定の差が生じたとしても、それは、各労働組合がそれぞれの運動方針に基づいて今後の交渉をどのように進めていくかを判断した結果生じたものとみるべき。
 そして、4.6.23事務折衝の時点で、会社は、組合に対して本件提案の内容を相応に説明しており、その後、交渉の進展に差が生じつつも、会社は、申立外2労組と合意書を締結する前の7月8日に、組合と申立外2労組に対して、会社の提案する業務委託契約の期間、報酬、委託する業務内容について、同じ情報を提供していた。
 そうすると、組合は、7月8日以降、申立外2労組とその内容について必要に応じて協議することも可能だったといえるから、業務委託に関する組合と会社との事務折衝の開催が、M組合と会社との合意書締結の2日後であったことを踏まえても、「会社の対応によって組合と申立外2労組との間が分断され、労働組合間の連携・連帯活動が妨害された」とまでは認められず、会社が組合と申立外2労組との間で差別的な取扱いをしたとはいえない。 

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