労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委令和6年(不)第15号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(組合) 
被申立人  Y会社(会社) 
命令年月日  令和8年2月2日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   本件は、会社が、①団体交渉中における副分会長の発言を理由に、組合に対し、発言者の処分を示唆する通告を行ったこと、②これまでの慣行に反して、所属長の同意のないまま、分会長を組合組織率100%の事業所から組合加入者のいない事業所へ異動させたこと、③組合員である所属長が、この異動に異議を申し立てる行動をとったところ、当該所属長に対し降格の懲戒処分を行ったことがそれぞれ不当労働行為である、として救済申立てがなされた事案である。
 大阪府労働委員会は、①及び②について労働組合法第7条第3号、③について同条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であると判断し、会社に対して降格処分がなかったものとしての取り扱い及びバックペイ並びに文書手交を命じた。
 
命令主文  1 会社は、組合員A1に対し、令和6年1月29日付けの懲戒処分通知書による降格処分がなかったものとして取り扱い、降格処分がなければ得られたであろう額と既に支払った額との差額を支払わなければならない。
2 会社は、組合に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
年 月 日
X組合
執行委員長A2 様
Y会社      
代表取締役B
 当社が行った下記の行為は、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
(1)令和5年8月8日付け書面による通告を行ったこと。(3号該当)
(2)令和6年1月21日付けで貴組合員A3氏を異動させたこと。(3号該当)
(3)令和6年1月29日付けの懲戒処分通知書により、貴組合員A1氏を降格処分としたこと。(1号及び3号該当)
 
判断の要旨  1 本件の争点は次のとおりである。
① 会社が、組合に対し、令和5年8月8日付け書面による通告を行ったことは、組合に対する支配介入に当たるか。
② 会社が、令和6年1月21日付けでA3分会長を異動させたことは、組合に対する支配介入に当たるか。
③ 会社が、令和6年1月29日付け「懲戒処分通知書」により、A1組合員を降格処分としたことは、組合員であるが故の不利益取扱いに当たるとともに、組合に対する支配介入に当たるか。

2 争点1について
 令和5年8月8日付け書面による通告は、団交における発言のみを取り出して問題視する内容及び団交後に文書で一方的に通告した方法ともに適当とは言い難い。また、会社の代表取締役名義で行っており、組合員の活動を萎縮させ、労働組合の基本的活動である団交を不当に牽制するものであり、組合の組織・運営に影響を及ぼすものであることから、組合に対する支配介入に該当する。

3 争点2について
 ①当時の労使関係が対立状態にあり、会社が反組合的意思を有していたこと、②組合は会社に対し、A3分会長の異動により、組合活動に支障が出るため同意できない旨を表明していたこと、③A3分会長の異動について業務上の合理性は認められないことから、本件異動は、会社の反組合的意思により、組合の主要人物であるA3分会長を組合活動の中心である事業所から排除し、組合の弱体化を企図した支配介入に該当する。

4 争点3について
⑴ まず、会社が懲戒処分通知書によりA1組合員を降格処分としたことの不利益性についてみる。
 本件降格処分により、A1組合員は給与が下がり、経済的な不利益があるといえる。
 次に、組合員であるが故になされた不利益取扱いかどうかについてみる。
 ①会社は、A1組合員の行為が組合活動と強く関連した行為であると認識していたこと、②当時の労使関係は対立状況にあったこと、③当該懲戒処分は、同処分の根拠となったA1組合員の行為に比して、著しく過重であって相当性を欠くものであり、当該降格処分に合理性は認められないこと、から組合員であるが故になされた不利益取扱いであるといえる。
⑵ また、当該降格処分は他の組合員を萎縮させ、組合の団結力、組織力を損なうおそれがあることから、組合に対する支配介入に当たる。
 
掲載文献   

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