概要情報
| 事件番号・通称事件名 |
大阪府労委令和7年(不)第15号
不当労働行為審査事件 |
| 申立人 |
X組合(組合) |
| 被申立人 |
Y会社(会社) |
| 命令年月日 |
令和7年11月17日 |
| 命令区分 |
全部救済 |
| 重要度 |
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| 事件概要 |
本件は、組合が、大阪府労委の団体交渉応諾等を命じた命令に基づき、会社に対して団体交渉を申し入れたところ、会社が応じなかったこと、が不当労働行為に当たる、として救済申立てがなされた事案である。
大阪府労働委員会は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると判断し、会社に対し、(ⅰ)団交応諾及び(ⅱ)文書手交を命じた。
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| 命令主文 |
1 会社は、組合からの令和7年6月10日付けの団体交渉申入れに応じなければならない。
2 会社は、組合に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
記
年 月 日
X組合
執行委員長A1 様
Y会社
代表取締役B
貴組合からの令和7年6月10日付けの団体交渉申入れに応じなかったことは、大阪府労働委員会において労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
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| 判断の要旨 |
◯ 争点
令和7年6月10日付けの団体交渉申入れに対する会社の対応は、正当な理由のない団交拒否に当たるか。
(1) まず、本件団交申入れの要求事項が義務的団交事項に当たるかについてみる。
6-27事件命令の主文1は、令和6年度春闘要求としての賃上げ等、及び、5-42事件命令に従い、本件自宅待機命令等に関して、団交応諾を命じていることが認められるのだから、この履行を要求する本件団交申入れについても、 「団体的労使関係の運営に関する事項」に係る交渉を求めるものとして、義務的団交事項といえる。
(2) 次に、会社が団交に応じない正当な理由の有無について検討する。
会社は、C協同組合(以下「C協」)に加盟しており、C協は加盟各社に対し、組合と団交等を個別に行うことを控えるように要請していることから、C協の要請に従ったものであると主張する。しかし、C協からの要請に従ったことを理由に、個々の会社に課せられた団交応諾義務が免ぜられるわけではない。
また、会社は、再審査申立てをしており、それにもかかわらずその履行について団交をするとなると、団交を開催しても命令を履行しないことを改めて明言するにとどまり、団交拒否には正当な理由がある旨主張する。しかし、再審査申立てをしていることが団交拒否の正当な理由となりえないことは言うまでもない。
(3) 以上のとおりであるから、会社は、本件団交申入れに正当な理由なく応じなかったと判断され、かかる行為は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為である。
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| 掲載文献 |
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