労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  神奈川県労委令和元年(不)第17号
スマートステック等不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  令和3年1月26日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、組合が、組合員であるAの労働災害問題に係る団体交渉を申し入れたところ、C1会社が、①要求事項に対して具体的な回答等をしなかったこと、②組合の関与なくAと接触したこと、また、C2会社が、③申入れに対する回答をせずに団体交渉を拒否したこと、さらに、会社が、④申入れに対する回答をせずに団体交渉を拒否したことが、①、③及び④については労組法第7条第2号に、②については同条第3号に該当する不当労働行為であるとして、令和元年7月22日に救済申立てのあった事件である。
 その後、令和2年8月6日、組合は、C1会社及びC2会社に対する上記①から③までの本件申立てをいずれも取り下げた。
 神奈川県労働委員会は、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  争点(会社は、A組合員との関係において、労組法第7条の「使用者」に当たるか否か。また、会社がA組合員の「使用者」に当たる場合、組合の令和元年6月16日付け団体交渉中入れに対する会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。)
1 会社はC2会社にスチールセグメント等を発注した注文者であり、(C1会社と雇用契約がある)Aと会社との間に雇用契約は存在しないから、会社は直ちに組合との団体交渉応諾義務を負うものではない。しかし、雇用主以外の事業主であっても、当該労働者の基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあると認められる場合には、その限りにおいて労組法第7条の使用者に当たると解されるので、以下検討する。
2 組合が、C1会社、C2会社、及び会社に対して要求した主な団体交渉事項は、本件労災事故に関する労働者災害補償保険法に基づく給付の申請への協力、労働者派遣法等違反、並びにC1会社とC2会社との間の契約書及びC2会社と会社との間の契約書の開示である。
 審査の全趣旨からすると、組合が申し入れた団体交渉の議題は本件労災事故に関するAの補償問題であり、組合は、本件労災事故について法的責任を負う者を明らかにするため、上記要求をしていると解される。
 会社がAに対して具体的な作業指示をしていた事実は認められないし、組合が本件労災事故の直接の原因と考える本件足場台を購入し、管理していたのはC2会社であり、その所有及び管理について、会社が関与したとの事実は証拠上認められない。
 したがって、会社は、Aの基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあると認めることはできず、Aとの関係において、労組法第7条の使用者に当たるとはいえない。
3 前記2で判断したとおり、会社は労組法第7条の「使用者」に当たらないから、その余については検討するまでもなく、組合の主張には理由がない。 
掲載文献   

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