概要情報
事件番号・通称事件名 |
福岡県労委平成30年(不)第7号
時優会外1者不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
Y1法人・Y2法人 |
命令年月日 |
令和2年6月29日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、(1)Y1法人が、①平成30年9月80日付けで組合の組合員21名を解雇したことが労組法7条1号及び3号に、②組合からの30年11月9日付け団体交渉申入れに応じなかったことが労組法7条2号に、また、(2)Y2法人が、③ 30年10月1日以降当該組合員を雇用しないことが労組法7条1号及び3号に、④組合からの30年10月1日付け及び同年11月19日付け団交申入れに応じなかったことが労組法7条2号にそれぞれ該当するとして、組合が救済を申し立てたものである。
福岡県労働委員会は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
被申立人Y1法人に対する申立て、被申立人Y2法人に対する申立てをいずれも棄却する。 |
判断の要旨 |
1 Y1法人が、30年9月30日付けで組合員を解雇したことは、労組法7条1号及び3号に該当するか。
Y1法人が組合員を解雇した行為は、Y1法人の事業の終了を理由として職員の労働契約を終了させたものであり、労組法7条1号及び3号には該当しない。
2 Y1法人が、30年11月9日付け団交申入れに応じなかったことは、労組法7条2号に該当するか。
組合から申し入れられた事項について、団交等において協議を行っており、その時点での状況を踏まえて回答をしているのであるから、団交に応じていないということはできない。
したがって、30年11月 9日付けの団交申入れに対するY1法人の対応は、労組法7条2号の団交拒否には該当しない。
3 Y2法人は、組合員の労組法上の使用者に該当するか。使用者に該当するとして、30年10月1日以降組合員を雇用しないことは労組法7条1号及び3号に該当するか、また、30年10月1日付け及び同年11月19日付け団交申入れに応じなかったことは、労組法7条2号に該当するか。
ア Y2法人とY1法人との間で合併がなされ、その他Y2法人がY1法人と職員の労働契約を含む法律関係を包括的に承継したとの合意がなされた事実は認められない。
また、Y2法人と組合員との間で近い将来において労働契約関係が成立する現実的かつ具体的な可能性が存していたと認めることはできない。
以上のとおり、Y2法人は、組合員の労組法上の使用者に該当しない。
イ よって、その余の点を検討するまでもなく、Y2法人が組合員を雇用しないことは労組法7条1号及び3号に該当せず、Y2法人が30年10月1日付け及び同年11月19日付け団交申入れに応じないことは、労組法7条2号に該当しない。 |
掲載文献 |
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