労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  愛知県労委平成31年(不)第2号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  令和2年3月9日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、会社が、組合及びその上部団体へのひぼう及び中傷を繰り返しているウェブサイトCの連営者に対し、直接又は第三者を介して組合との労使関係の情報を提供したことが労組法第7条第3号に該当する不当労働行為であるとして、平成31年3月4日に当初申立てがされ、その後、同月1日開催の団体交渉において、同年2月19日の組合からの書面が届くまで当該ウェブサイトの存在を知らなかった旨の虚偽の発言を行ったことが同条第2号に該当する不当労働行為であるとして、同年3月20日に追加申立てがされた事件である。
 愛知県労働委員会は、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 会社は、ウェブサイトCの運営者に対し、直接又は第三者を介して組合との労使関係の情報を提供したか。会社の当該行為は、労組法第7条第3 号の不当労働行為に該当するか。(争点1)
ア 会社はウェブサイトCにその運営者C2からの取材の内容が掲載される可能性があることを認識した上で、組合との団交の協議事項及び出席者についての情報をC2に提供したといえるが、会社がC2に対して組合との労使関係の情報に係る記事をウェブサイトCに掲載するよう依頼したとの疎明はない。
 また、会社がC2からの取材を受けた際の姿勢は受動的なものにとどまるといえる。
 加えて、会社は組合に対する批判的な内容がウェブサイトCに掲載されることを意図して当該取材に応じたとまではいえない。
 さらに、平成31年1月13日及び19日にウェブサイトCに実際に掲載された内容のうち、会社がC2に提供した情報を基にしたと考えられるものは、会社と組合との団交の協議事項及び出席者についての内容にとどまるといえることに加え、両日に掲載された内容のうち、組合及び組合の執行委員長に関してC2が自身の裁量により評価した内容についてB社長が関与したとの疎明はない。
イ 上記からは、会社がC2に対して直接、組合との労使関係の情報を提供した行為は、組合の連営・活動を妨害する効果を持つものとまではいえず、労組法第7条第3号の不当労働行為に該当しない。
2 会社は、平成31年3月1日の団交において、ウェブサイトCに関する虚偽の発言を行ったか。会社の当該行為は、同条第2号の不当労働行為に該当するか。(争点2)
 会社の平成31年3月1日の団交における追加の団交議題に係る対応は、会社がウェブサイトCを初めて見た時期に関して虚偽の発言があったという点において適切さを欠くものの、会社が組合との労使関係の情報を提供した相手方、方法等に関して一定の説明を行ったものであって、不誠実であるとまではいえないことから、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当しない。 
掲載文献   

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