概要情報
事件番号・通称事件名 |
京都府労委平成29年(不)第4号
京都府不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
京都府 |
命令年月日 |
令和元年9月20日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合の組合員らに係る本件民間委託に際する離職せん別金及び平成28年の年末増加賃金についての団体交渉に関して、京都府が、平成28年12月9日、「臨時従事員の離職せん別金について」と題する文書(「本件文書」)を交付することにより団体交渉を打ち切ったこと及び同年11月24日の団体交渉において、京都府が、虚偽の約束をすることにより不誠実な団体交渉を行ったことが、いずれも労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当するとして、組合が、当委員会に救済申立てを行った事案である。
京都府労働委員会は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
1 平成28年12月9日の団体交渉において、京都府は、本件文書をもって交渉を打ち切ったか。(争点1)
本件文書は団体交渉を打ち切るという新たな意思表示をしたものとは認めらないこと、また、本件文書交付後の状況から見ても、京都府が、本件文書をもって交渉を打ち切ったと認めることはできない。
2 平成28年11月24日の団体交渉において、京都府は、意図的に虚偽の約東をすることにより、不誠実な団体交渉を行ったか。(争点2)
虚偽の約束をしたとまではいえないとしても、B所長が、「出せる方法を考える」等と発言する一方で、支払額に係る京都府の考え方について説明しなかったことにより、組合の組合員が支払額について期待を持ったとしてもやむを得ないところである。また、一般には退職金に当たる離職せん別金が、従事員の生活設計にとって重要なものであることは想像に難くないことを併せ考えると、このような支払額に係る京都府の考えは、同日の団体交渉等において組合に説明することがより適切であったものと解する。
しかしながら、京都府は、上記のような説明をしなかったにとどまり、積極的に虚偽の説明をしたわけでもないのであるから、このような事情をもってしても、意図的に虚偽の約束をすることにより不誠実な団体交渉を行ったと認めることはできない。
以上のとおり、京都府は、意図的に虚偽の約束をすることにより、不誠実な団体交渉を行ったと認めることはできない。 |
掲載文献 |
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