労働委員会命令データベース

(この事件の全文情報は、このページの最後でご覧いただけます。)

[命令一覧に戻る]
概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委平成30年(不)第60号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  令和元年7月19日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、団体交渉において、会社が、組合員を懲戒処分するに当たって実施した組合員、会社の社員及び取引先に対するヒアリング内容を提示しなかったことが、不当労働行為であるとして申し立てられた事件であり、大阪府労働委員会は申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判断の要旨   30.8.16団交において、会社が、A組合員に対する30.7.17懲戒処分を行うに当たって実施した、A組合員、B社員及び取引先に対するヒアリング内容を、組合に対し提示しなかったことは、不誠実団交に当たるか。

 会社は、A組合員に対し、30.7.17減給処分通知書において処分理由を開示するとともに、組合に対し、30.7.17会社通知書及び30.8.16団交における説明により、30.7.17懲戒処分の処分理由等を、ヒアリング内容を踏まえて具体的に明らかにしており、30.8.16団交において、会社がヒアリング内容を明らかにしなかったことにより、30.7.17懲戒処分の具体的な処分理由が明らかにならなかった旨の組合の主張は採用できない。
 また、30.7.17懲戒処分を行うに当たって実施した、A組合員、B社員及び取引先に対するヒアリング内容は、「組織変更」についての情報ということはできず、30.5.9和解勧告書第4項における配慮すべき「情報提供」の対象外であると考えられる。
 さらに、30.8.16団交において、社長が、労働委員会及び裁判所その他の「公の場」であれば、ヒアリング内容を開示するのかとの組合の問いかけに対して、その場合は仕方がない旨述べていたことが認められが、社長の発言は、不当労働行為事件の審査や訴訟において必要とされる場合は、ヒアリングの内容を開示することもやむを得ないとの趣旨であると解しても不自然とはいえず、その他、組合が、労働委員会に不当労働行為救済申立てを行えば、直ちにヒアリング内容を開示することを具体的に約したものと認めるに足る事実の疎明もない。

 以上のとおり、30.8.16団交において、会社が、A組合員に対する30.7.17懲戒処分を行うに当たって実施した、A組合員、B社員及び取引先に対するヒアリング内容を、組合に対し提示しなかったことは、不誠実であるとはいえず、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当せず、本件申立ては棄却する。 
掲載文献   

[先頭に戻る]
 
[全文情報] この事件の全文情報は約290KByteあります。 また、PDF形式になっていますので、ご覧になるにはAdobe Reader(無料)のダウンロードが必要です。