事件番号・通称事件名 |
神奈川県労委平成30年(不)第9号
コストコホールセールジャパン不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X組合(組合) |
被申立人 |
Y会社(会社) |
命令年月日 |
令和元年5月29日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合が組合員Aの労働災害等を交渉事項とする団体交渉を
申し入れたところ、
会社が正当な理由なく団体交渉に応じなかったことが、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件であり、神奈川県労働委員会は申
立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
組合による平成30年5月5日付け団体交渉申入れ及び同月15日付
け損害賠償要求に対する会社の対応は、 正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。
そもそも、 会社が団体交渉を拒否しているか否かは、
同社の回答文書の一部分だけを提えて判断すべきものではなく、文書全体の趣旨、そして文書以外の情況などを含めて総合的に判断されるべきものである。
本件文書全体をみると、会社は、組合に対して本件団交に応じる姿勢を示しながら、発生から相当期間の経過した本件転倒事故に
ついて必要な情報の提供を求めたものであり、団体交渉の出席予定者や場所の提案なども併せて記載されており、このような情報
提供の求めに対する回答が本件団交を開催するための前提条件としていたと評価することはできない。また、組合は、
30.5.5団交要求書によって本件団交の日時を指定した後に、団体交渉の開催に向けた日程調整のための連絡等の対応を一切
していない。さらに、過去にも2件、本件とは別件で、 本件と同じ弁護士を代理人とした団体交渉が行われていた。
これらのことを併せ考えると、 本件申立ての段階で会社が本件団交を拒否したとまではいえない。
以上により、組合による平成30年5月5日付け団体交渉申入れ及び同月15日付け損害賠償要求に対する会社の対応は、正当
な理由のない団体交渉の拒否に当たらず、不当労働行為の成立は認められない。 |
掲載文献 |
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