労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  東京都労委平成30年(不)第39号
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  平成31年4月23日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要  申立人X組合と、被申立人Y会社とは、組合員A2の平成30年2月からの定年後再雇用の労働条件について、平成29年に3回の団体交渉を行った。平成30年、組合は、会社に対して、A2の再雇用後の労働条件について団体交渉期日の候補日を記載した通知申入書3通(以下「本件通知申入書」という。)を提示した。しかし、会社は、協議が調う見込みはない、回答済みである、書面で十分で直ちに団体交渉を行う必要がないなどと回答し、団体交渉は開催されなかった。本件は、本件通知申入書に対する会社の対応が、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか否かが争われた事案であり、東京都労働委員会は、会社に対し、文書手交を命じた。 
命令主文  1 被申立人Y会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人X組合に交付しなければならない。

 年 月 日

X組合
執行委員長 A1 殿
Y会社       
代表取締役 B

当社が、貴組合が平成30年1月9日、同月24日及び2月16日に申し入れた団体交渉に応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。
(注:年月日は文書を交付した日を記載すること。)

2 被申立人会社は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。 
判断の要旨  (1) 組合は、表題こそ通知申入書としたものの、会社が団体交渉に応じたそれまでの要求書と全く同じ書式で、団体交渉の候補日を記載して応諾について回答を求めているのであるから、組合は会社に対して明確に団体交渉を申し入れているというべきである。ましてや、平成30年2月16日付通知申入書に回答や交渉を拒否した場合は直ちに争議行為を開始するなどとの記載があることからも、意向を尋ねたにすぎないという会社の主張は採用できない。
 そして、組合が候補日を示して3回にわたり団体交渉を申し入れたことに対し、会社は、書面で団体交渉を行う必要がない旨を述べて、開催日については回答せず、団体交渉は開催されていないのであるから、会社は、団体交渉を拒否したものといわざるを得ない。
(2) ①労使双方平行線のまま協議が調う見込みはないとの会社の回答について、組合と会社とは、29年に3回の団体交渉を行っているところ、11月28日の団体交渉では、組合が30年1月に雇用契約書が交付されてから次回団体交渉期日を決めたいと述べ、会社が了解している経緯があり、労使双方平行線のまま協議が調う見込みがなくなっていたものとはいえない。
 ②申入れ事項は事実誤認や社内規則の誤解に基づいてなされたものであったり、内容の一部が不明確で、これまでの団体交渉や、書面における回答で十分説明を尽くしたとの会社の回答について、組合は、本件通知申入書により改めてA2の労働条件について要求し団体交渉を申し入れているのであるから、社内規則等について見解の不一致や、不明確な要求などがあるとしても、会社は、団体交渉において社内規則等について説明し、要求を確認し、妥結の道を探り、組合の要求を受け入れられないのであればその理由を説明すべきであって、団体交渉の必要がなく、書面による回答で十分であるとはいえない。
 以上のとおり、組合は本件通知申入書により団体交渉を申し入れており、会社がこれに応じていないことに正当な理由は認められないのであるから、会社の対応は、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たる。 
掲載文献   

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