概要情報
事件番号・通称事件名 |
大阪府労委平成29年(不)第42号
不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X(個人) |
被申立人 |
Y会社(「会社」) |
命令年月日 |
平成30年10月30日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、被申立人が、申立人に対し、平成28年下期及び同29年上期賞与について、不利益な査定を行ったことが不当労働行為であるとして救済申立てがあった事件で、大阪府労働委員会は、申立てを棄却した。 |
命令主文 |
本件申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
申立人の本件賞与についての査定結果は絶対評価でマイナス4であるが、組合加入前の平成26年上期以降、本件賞与に至るまで、査定結果はいずれもマイナス4であり、本件は組合加入を契機に査定結果が下げられた事案ではない。また、当委員会は、申立人の平成27年下期賞与及び同28年上期賞与についての査定結果に関する先行事件について、棄却命令を発し、この命令は再審査や行政訴訟を経ずに確定したことが認められる。
そこで、本件賞与の査定期間である平成28年4月1日から同29年3月31日の間において、申立人の勤務実態がそれまでと比較して上位に評価すべき状況であったにもかかわらず、申立人が組合員であるが故に、従前の査定結果が維持されたといえるかについて検討する。
申立人は、会社は、申立人に対するマイナス評価の理由として積極性の欠如を挙げるが、申立人が会社の問題点を指摘し、改善に向けて取り組んでいたことは、3.13メールを送信していることからも確認できる等主張する。しかし、これらのことが申立人の査定結果にいかなる影響を及ぼしたかについての具体的な疎明はなく、これらのことをもって、本件賞与の査定期間における申立人の勤務実態が、それまでと比較して上位に評価すべき状況であったということはできない。
一方、本件賞与の査定期間内に、申立人が従前に比べ活発に組合活動を行ったとする主張や疎明、また、組合と会社の関係が悪化したとする主張や疎明もなく、むしろ、同27年l2月l6日以降、組合は会社に対して団交を申し入れていないことが認められる。また、申立人は、非組合員との比較により、申立人の査定結果が低く抑えられているとの主張や疎明も行っていないことから、申立人が組合員であることが同人の本件賞与についての査定結果に影響を及ぼしたとみる余地もない。
したがって、申立人の平成28年下期賞与及び同29年上期賞与についての査定結果が、組合員であるが故の不利益取扱いに当たるということはできない。
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掲載文献 |
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