労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  京都府労委平成29年(不)第2号
太平ビルサービス不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社({会社」) 
命令年月日  平成30年5月15日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、被申立人が、平成29年1月20日、「解散届をご提出頂 ければ幸甚でございます」と記載した「ご回答依頼」と題する同日付け文書(以下「本件回答依頼文書」という。)を申立人組合 の分会であるA2分会に対して交付したことが労働組合法(以下「法」という。)第7条第3号の不当労働行為であるとして救済 申立てがあった事件で、京都府労働委員会は、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 本件回答依頼書の交付は、法7条第3号の支配介入に該当する か。(争点(1))
 本件回答依頼は、不適切なものであって、外形的に支配介入と評価されてもやむを得ない側面を有するが、その一方で、分会の 組織の実体に関わる意思決定をさせようとする被申立人の意図や認識を認めることまではできず、その動機は、被申立人の会社内 の事務手続との関係で確実に記録を残そうとするものにとどまるので、本件回答依頼の性格から直ちに、組合弱体化又は反組合的 な結果を生ずるとの被申立人の認識を推認することはできない。また、本件回答依頼当時の組合と被申立人との間の労使関係の実 情は相当程度に険悪であったとは認められず、本件回答依頼による組合への影響は大きなものではないなど、本件回答依頼が組合 弱体化や反組合的な結果を生じさせる行為であるとの被申立人の認識を認めるのを妨げる事情が存在する。
 これらを総合して判断すると、本件回答依頼は、分会の組織の存続、名称等に係る組合の意思決定に何らかの影響を与え、組合 弱体化若しくは反組合的な結果を生じ、又は生じさせるおそれがあるとの認識に基づいて被申立人がしたものと認めることはでき ない。
 このような認識が被申立人にあったと認められない以上、本件回答依頼文書の交付について、不当労働行為意思を認めることは できず、したがって、これが法第7条第3号の支配介入に該当するということはできない。
2 本件について、救済の利益があるか。(争点(2))
 本件回答依頼文書の交付は法7条第3号の支配介入に該当するということができない以上、争点(2)について判断するまでも なく、本件申立ては、これを棄却することとなる。 
掲載文献   

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