労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  秋労委平成29年(不)第1号
西山運輸有限会社不当労働行為審査事件 
申立人  X1組合、X2分会(X1組合と合わせて「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  平成29年12月19日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   本件は、組合が、会社に対し、団体交渉を申し入れたところ、会社がこれに応じなかったこと、が不当労働行為であるとして救済申立てのあった事件で、秋田県労働委員会は、会社に対し、誠実団交応諾、文書の手交を命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人が平成29年1月18日付け要求書で申し入れた団体交渉を、正当な理由がなく拒否してはならず、速やかに、かつ、誠実に団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人は、本命令書写しの交付の日から10日以内に、下記の文書を申立人に手交しなければならない。

平成  年 月 日
(手交する日を記入すること)
 X1組合
  執行委員長 A1 様
 X2分会
  執行委員長 A2 様

会社              
代表取締役 B1  印 

 当社が、貴組合から平成29年1月18日付け要求書で申し入れられた団体交渉に応じなかったことが、秋田県労働委員会によって労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為と認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないようにします。 
判断の要旨   本件団体交渉申し入れに係る要求事項は、賃金や労働時間に関するものなど、いずれも基本的な労働条件に関わるものであり、いわゆる義務的団体交渉事項に該当することは明らかであるから、会社はこれらについて誠実に交渉に応じなければならないものである。
 しかしながら、申し入れに対する会社の対応を見ると、団体交渉を行う考えがないことをたびたび明らかにしており、実際、平成29年1月18日付け要求書の提出から結審時まで、団体交渉は行われていないことから、会社は団体交渉を拒否していることが認められる。
 組合が提出した一連の要求書に対する会社の対応を見ると、本件団体交渉申し入れ前には、団体交渉を二度行っているものの、社長は一方的な発言に終始し、およそ交渉をする意思がないことが窺える。
 こうした経緯から、基本的に社長には、組合を著しく嫌悪し、組合の存在を無視しようとする姿勢が顕著に認められ、他方、団体交渉を行えない特段の具体的理由は認められない。
 これらのことから、会社が、団体交渉を拒否したのは、こうした社長の基本的姿勢に基づくものと考えざるを得ない。
 上記のとおり、本件団体交渉拒否は、会社の組合を嫌悪し、かつ、無視する姿勢に起因しているものであって、何ら具体的理由は認められないことから、正当な理由がないことは明らかである。
 以上のとおり、本件団体交渉申し入れに対する会社の対応は、正当な理由がなく団体交渉を拒否したものであって、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為である。 
掲載文献   

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