労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  神労委平成27年(不)第29号
五葉等不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  平成29年10月11日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   本件は、被申立人会社が、申立外C1会社に派遣し、廃棄物の仕分け業務に従事していたA2が作業中に負傷した件について、申立人組合が会社及びC1に対して申し入れた団体交渉を拒否したことが不当労働行為であるとして救済申立てのあった事件で、神奈川県労働委員会は、誠実団交、文書の手交・掲示を命じた。 
命令主文  1 被申立人は、申立人が平成27年8月21日付けで申し入れた団体交渉に誠実に応じなければならない。
2 被申立人は、本命令受領後、速やかに下記の文書を申立人に手交するとともに、同文書を縦1メートル、横2メートルの白色用紙に楷書で明瞭に大きく記載し、被申立人事務所入口付近に、その掲示が明確に識別できるよう毀損することなく10日間掲示しなければならない。


 当社が、貴組合からの平成27年8月21日付け団体交渉要求に対し、何ら応答することなく団体交渉を拒否したことは、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると神奈川県労働委員会において認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。

 平成 年 月 日
組合
  執行委員長 A1 殿

会社               
代表取締役 B1   

判断の要旨  1 本件団体交渉申入れに対する会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。
 組合は、27.8.21団交要求書で、会社に対して、①平成26年3月20日、A2が会社から、雇用契約期間の途中である同年3月31日で就労が終了する旨通告された件、②本件労災、③A2が同年4月30日で雇止めとなった件、④時間外労働に対する割増賃金の未払い等労働法違反を交渉事項として団体交渉を求めた。これらの交渉事項は、いずれも会社が作成した離職票にA2の離職年月目として記載された平成26年4月30日以前に生じたものである。しかし、たとえ形式的には雇用関係の終了以前に発生した問題であっても、それが未解決のものと認められる限り、使用者はその後も団体交渉に応ずる義務がある。
 本件の場合、組合が求める交渉事項は労働条件その他の待遇にかかわるものであり、会社は組合の団体交渉に応ずる義務があるところ、会社は何ら理由なく、本件団体交渉申入れに応じず、また、組合による交渉事項についての文書回答要求に対しても一切応じなかった。このような会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否であり、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為である。
 
掲載文献   

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