労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  道委平成25年(不)第11号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  法人Y(「法人」) 
命令年月日  平成29年4月14日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   法人が、①賃上げ、日常生活用品費、特別休暇制度、休憩(仮眠制度)、サービス残業、B2病院及び介護老人保健施設B3に係る増改築工事(大規模改修工事)を交渉事項とする団体交渉(以下これらを「本件団交」という。)に誠実に対応しなかったこと、②訴訟係属を理由として、A2組合員に対するハラスメント問題に関する団交に応じなかったこと、③本件団交において、組合が求めた、法人の最高経営責任者である院主の出席に応じなかったことが不当労働行為であるとして救済申立てのあった事件である。
 北海道労働委員会は、誠実団交応諾、不誠実団交等による支配介入の禁止及び文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。  
命令主文  1 被申立人は、申立人が申し入れた①賃上げ、②特別休暇制度、③サービス残業を交渉事項とする団体交渉において、自らの主張に固執することなく、要求事項に対して自らの見解の内容や根拠を具体的かつ明確に示して申立人の納得を得るよう努力して、誠実に団体交渉を行わなければならない。
2 被申立人は、前記1に係る団体交渉において不誠実な対応をすることにより申立人の運営に支配介入してはならない。
3 被申立人は、次の内容の文書を縦1メートル、横1.5メートルの白紙にかい書で明瞭に記載して、被申立人が運営するB2病院及び介護老人保健施設B3の正面玄関のいずれも見やすい場所に、本命令書の写し交付の日から7日以内に掲示し、10日間掲示を継続しなければならない。
 当法人が、貴組合に対して行った次の行為は、北海道労働委員会において、労働組合法第7条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であると認定されました。今後、このような行為を繰り返さないようにします。

1 貴組合から、①賃上げ、②特別休暇制度、③サービス残業、④大規模改修工事を交渉事項として申し入れられた団体交渉において自らの主張に固執し、要求事項に対して自らの見解の内容や根拠を具体的かつ明確に示して貴組合の納得を得るよう努力せず、誠実な対応をしなかったこと。
2 貴組合から、A2組合員に対するハラスメント問題を交渉事項として申し入れられた団体交渉において、訴訟係属を理由として応じなかったこと。
3 当法人が、前記1及び2の行為並びに日常生活用品費に係る協議において不誠実な対応をしたことにより、貴組合の運営に支配介入したこと。

 平成 年 月 日(掲示する日を記載すること)

組合
 執行委員長 A1様
法人        
理事長 B1
4 組合のその余の申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 本件団体交渉における法人の対応について
(1)賃上げについて
 法人が、賃上げについて結論として「ゼロ回答」としながら、経営状況を示す資料を一切提示せず、経営状況に関する具体的数値を口頭でもほとんど説明しなかったことは、具体的根拠の説明及び資料提出、いずれの面においても不十分といわざるを得ず、法人の対応は、法第7条第2号及び第3号の不当労働行為に該当する。
(2) 日常生活用品費について
 日常生活用品費に関する交渉事項は義務的団交事項と認めることはできないこと等から、法人が、日常生活費に関する交渉に応じなかったことは、法第7条第2号に該当しない。
 法人が、組合との約束を守らず、札幌市との協議終了後速やかに日常生活用品費について組合に説明を行わなかったことは、法第7条第3号の支配介入に該当する。
(3) 特別休暇制度について
 法人は、シフト調整の困難さ、パート労働法や当委員会のあっせん案の趣旨を理由として、準社員及びパート職員に対する、正職員と同じ内容の有給の特別休暇の付与に応じていないが、シフト調整が困難であることについて、論拠となる調査や資料提供をしていないなど、法人の対応は、具体的根拠の説明及び資料提出、いずれの面においても不十分といわざるを得ず、法第7条第2号及び同条第3号の不当労働行為に該当する。
(4) 休憩(仮眠時間)について
 法人の対応は、特に不誠実ということはできないから、法第7条第2号及び第3号の不当労働行為に該当しない。
(5) サービス残業について
 法人は、組合が求める現場職員に対する実態調査を不要であるとする合理的な理由や根拠を具体的にを説明しておらず、法人の対応は、法第7条第2号及び第3号の不当労働行為に該当する。
(6) 大規模改修工事について、
 法人が、大規模改修工事について組合に対する説明を引き延ばしたことは、法第7条第2号の不当労働行為に該当する。
2 A2組合員のハラスメント問題に関する団交拒否について
 法人が、訴訟係属を理由として、A2組合員のハラスメント問題に関する団体交渉を差し控えたことは、法第7条第2号及び第3号の不当労働行為に該当する。
3 院主を本件団交に出席させなかったことについて
 法人は、B3理事に全権を委任して団交に出席させたことが認められるから、法人が、院主を出席させなかったことは、法第7条第2号及び第3号の不当労働行為に該当しない。  
掲載文献   

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