労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大分県労委平成28年(不)第1号
ワタキューセイモア不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  株式会社Y(会社) 
命令年月日  平成29年3月17日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   本件は、組合の組合員と雇用関係にある申立外C1社(以下「申立外会社」という。)の荷主である被申立人が、申立外会社と通謀し、配送業務の一部を解除し、非組合員のみを新規発注会社であるC2会社に移籍させ、組合員の申立外会社での就労を減少させ、賃金の減少を容易にしたことが、申立人の分会の弱体化を図った行為であり、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第3号の不当労働行為に該当するとして救済申立てのあった事件で、大分県労働委員会は、申立てを棄却した。 
命令主文  本件申立てを棄却する。  
判断の要旨  1 争点(1)(申立人組合員らにとって申立外会社の荷主である被申立人は、労組法第7条の「使用者」に当たるか)について
 確かに会社は、取引上の優位性から経営面について相当程度の影響力を有していることはうかがえるが、会社の関与は、集配業務を円滑かつ安全に遂行するために必要な範囲にとどまっているとみるべきであり、また、会社と申立外会社との間の人事、資本、取引関係からみても、会社は、申立外会社とは別個独立した会社である。  申立外会社の従業員に係る労務管理についても、申立外会社が独立した主体として自らの責任で行っており、会社は、申立外会社の従業員に対し直接指揮命令しているとみることはできないことから、申立人の主張する「偽装請負」とまでは認められない。
 したがって、会社が申立外会社に雇用される労働者の基本的な労働条件等について、申立外会社と部分的にでも同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあったとみることはできず、会社は、労組法第7条の使用者に当たらない。
2 争点(2)(被申立人が労組法第7条の使用者に当たる場合、被申立人が、申立外会社との寝具部門の集配業務委託契約を解除し、当該業務を申立外C2会社に委託し、非組合員のみがC2に移籍し引き続き当該業務を行っている反面、申立外会社にとどまった申立人組合員に対する配車(とりわけ、チャーター便配送業務の配車)が減少し、これに伴い賃金が減少したことは、組合の弱体化を図る目的で、被申立人が申立外会社と共謀して行った労組法第7条第3号の不当労働行為(支配介入)に当たるか)について
 上記1のとおり、会社には使用者性はないのであるから、使用者性があることを要件とする労組法第7条第3号の不当労働行為には当たらない。  
掲載文献   

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