労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  都労委平成28年(不)第50号
創新工業不当労働行為審査事件 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y会社(「会社」) 
命令年月日  平成29年2月7日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   A2、A3、A4は、平成27年7月から12月にかけて被申立人会社に入社した。
 平成28年2月、3名の給与に遅配や一部未払が生じた。また、3月末日及び4月末日に支払が予定されていた給与は、全く支払われなかった。
 A2は平成27年12月に、A3及びA4は平成28年5月に、申立人組合に加入し、組合は、会社に対し、同月12日にA2の、同月19日にA3及びA4の未払い賃金等を議題とする団体交渉申入れを行った。
 これに対し、会社は一切応答しなかった。
 本件は、組合が平成28年5月12日付け及び同月19日付けで申し入れた団体交渉に会社が応じなかったことが、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否かについて判断した事件であり、東京都労働委員会は、会社に対し、団交応諾、文書交付等を命じた。  
命令主文  1 被申立人会社は、申立人組合が平成28年5月12日付け及び同月19日付けで申し入れた団体交渉に、速やかに、かつ、誠実に応じなければならない。
2 被申立人会社は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合に交付しなければならない。


年  月  日

  組合
  委員長 A1様
会社        
代表取締役 B

 当社が、平成28年5月12日付け及び同月19日付けで貴組合が申し入れた団体交渉に応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。
 (注:年月日は文書を交付した日を記載すること。)
3 被申立人会社は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。  
判断の要旨  1 会社における組合員の具体的な就労実態は必ずしも明らかではないが、組合員3名は、会社の指示を受け、指定された場所で労務を提供し、その対価として会社から給与を受領していたことから、会社の雇用する労働者に該当する。
 そして、組合は、会社に対し、会社の雇用する労働者である組合の未払賃金の支払等について団体交渉を申し入れたのであるから、会社が正当な理由なくこれを拒否することはできない。
2 会社は、組合の5月12日付団体交渉申入書を同月14日に、また、同月19日付団体交渉申入書を同月21日に、それぞれ、配達証明郵便で受領したが、これらに対しなんら応答はしなかった。
 また、組合は、本件申立て以降の7月16日及び8月4日にも、会社に、団体交渉を申し入れたが、会社は、本件結審時に至るまで、組合に対し、やはり、何ら応答していない。
3 結局、会社は、組合からの団体交渉申入れに一切応じておらず、そのことに正当な理由があると推認できるような事情は何ら存在しない。
 したがって、本件団体交渉申入れに会社が応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に該当する。  
掲載文献   

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