概要情報
事件番号・通称事件名 |
大阪府労委平成27年(不)第61号 不当労働行為審査事件 |
申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
Y会社(「会社」) |
命令年月日 |
平成29年2月21日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 組合及び組合の上部団体(以下「組合ら」という。)、平成27年3月9日、5項目の団体交渉要求書(以下「3.9要求書」という。)を提出したところ、会社は、4人の代理人弁護士(以下、4人全員でない場合を含め「代理人弁護士ら」という。)を選任した。
その後、組合と会社の間で、平成27年5月1日、同月22日、同年7月27日に団体交渉(以下、それぞれ、「5.1交渉」、「5.22交渉」、「7.27交渉」という。)が行われ、組合らが、A2常務が行ったとするパワーハラスメント等についてもやりとりが行われたが、会社側は代理人弁護士ら以外は出席しなかった。
2 本件は、組合が、平成28年8月28日、会社社長を宛先として、会社が立ち上げたハラスメント委員会に関する事項、会社が重要案件の交渉に出席しない理由等を団交事項とする、団交申入書(以下「本件団交申入書」)という。)を同月31日配達指定日の配達証明郵便にて郵送したのに対し、会社が、受取りを拒否してこれを返送し、団交に応じないことが不当労働行為であるとして救済申立てのあった事件で、大阪府労働委員会は、申立てを棄却した。
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命令主文 |
本件申立てを棄却する。
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判断の要旨 |
1 本件団交申入書記載の①ハラスメント委員会に関する事項は、5.1交渉で組合らからA2常務によるパワハラ発言があった旨の指摘を受けたことに会社が対応し、事実関係を調査する委員会としてハラスメント委員会を設けて調査を行ったことに関連した事項であり、②会社が重要案件の交渉に出席しない理由等については、5.1交渉、5.22交渉、7.27交渉に会社が出席しない理由を明らかにするように求めていると解されるから、本件団交申入書の要求事項は、3.9要求書に関連する一連のものであるとみるのが相当である。
2 本件団交申入書記載の要求事項は、3.9要求書にかかる要求事項と一連のものであるところ、3.9要求書に係る事項については5.1交渉、5.22交渉、7.27交渉において代理人弁護士らと組合らにおいて交渉が行われ、本件団交申入書送付時点においては5項目全てについて合意が成立しつつあり、この経過を踏まえて会社は代理人弁護士らに委任して対応していたものであり、このような対応に格別の問題はなかったところ、本件団交申入書が直接会社に送付されたことに対し、本件団交申入書の受取を拒否した会社の対応はいささか問題があったといわざるをえないものの、このことをもって直ちに正当な理由のない団交拒否に当たるということはできない。
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掲載文献 |
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