概要情報
事件番号・通称事件名 |
神労委平成27年(不)第14号 ムラタフーズ不当労働行為審査事件
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申立人 |
X組合(「組合」) |
被申立人 |
Y法人(「法人」) |
命令年月日 |
平成28年11月24日 |
命令区分 |
一部救済 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、平成27年5月13日付け「組合加入通知書及び団体交渉要求書」(以下「13日付け要求書」という。)により組合の申し入れた、事業閉鎖を理由とする組合員A2の解雇問題、同人への時間外割増賃金の未払い問題及び年次有給休暇の未交付問題を議題とする団体交渉に応じなかったことが不当労働行為に当たるとして救済申立てのあった事件で、神奈川県労働委員会は、会社に対し、文書手交を命じ、その余の申立てを棄却した。
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命令主文 |
1 被申立人は、本命令受領後、速やかに下記の文書を申立人に手交しなければならない。
記
当社が、貴組合が平成27年5月13日付けで申し入れた団体交渉に応じなかったことは、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると神奈川県労働委員会において認定されました、
今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。
平成 年 月 日
組合
執行委員長 A1殿
会社
代表清算人 B
2 その余の申立てを棄却する。
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判断の要旨 |
1 会社は、平成27年5月中旬「13日付け要求書」を受領したにもかかわらず、組合に対して何らの連絡もしなかった。確かに、組合が、会社に対し「13日付け要求書」を送付したのみで、同要求書の受領確認等を一切行わず、ただ漫然と開催日を迎えていることは団体交渉を求める組合の対応として十分なものとはいえない。しかし、結果として組合が要求した同年6月2日の団体交渉が開催されなかったのであるから、会社の対応は、団体交渉の拒否に当たる
なお、会社は、A2との合意を理由に団体交渉を行う必要性がないと判断した旨主張するが、本件においてそのような合意の存否は明らかでなく、また、仮にそのような合意があったとしても、このような主張は、組合からの団体交渉申入れ時に行うべき時機に後れたものであるから、会社の主張は採用できない。
2 会社は、団体交渉を拒否する正当な理由として、労組法の手続に不慣れであったこと等を主張している。しかし、平成27年5月中旬に「13日付け要求書」が会社に到達している以上、会社は、組合に対し、団体交渉の開催について連絡すべきであることは当然であるから、会社の主張には理由がない。
3 よって、本件における会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否であり、労組法第7条第2号に該当する不当労働行為である。
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掲載文献 |
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