概要情報 
                
                  
                    | 事件番号・通称事件名  | 
                    都労委平成26年(不)110号  | 
                   
                  
                    | 申立人  | 
                    X組合(「組合」)  | 
                   
                  
                    | 被申立人  | 
                    会社Y(「会社」)  | 
                   
                  
                    | 命令年月日  | 
                    平成28年10月4日  | 
                   
                  
                    | 命令区分  | 
                    棄却  | 
                   
                  
                    | 重要度  | 
                      | 
                   
                  
                    | 事件概要  | 
                    ① 嘱託社員であったA1は平成24年12月末日付けで雇止めとさ
                      れたが、A1 が東京地裁に提起した地位確認訴訟において和解が成立し、A1 は平成25年5
                      月10日付けで会社に復帰した。 
                      ② 会社は、平成26年4 月1
                      日付けで就業規則を改定し、70歳に達した嘱託社員の不更新条項(以下「70歳定年制」という。)及び嘱託社員の雇用契約終了後の業務委託制度を導入した。
                      ③ 会社は、同年12月末日付けで嘱託社員の雇用契約が終了となる営業第一部長及び同部担当部長に3
                      か月間の業務委託契約を打診する一方、A1には1 か月間の業務委託契約を打診したが、A1は当該打診を拒否した。 
                       また、会社は、同日付けで雇用契約が終了するA2 及び営業第二部長には、委託契約を打診しなかった。 
                      ④ 本件は、会社が70歳定年制に基づきA1 及びA2
                      に対する業務委託契約又は雇用契約の締結を行わなかったことが、組合員であるが故の不利益取扱いに当たるか否かが争われた事案であり、東京都労働委員会は、申立てを棄却し
                      た。   | 
                   
                  
                    | 命令主文  | 
                     本件申立てを棄却する。   | 
                   
                  
                    | 判断の要旨  | 
                    1 70歳定年制と業務委託制度の導入について 
                       会社が導入した70歳定年制は、会社存続の対応策とみるべきものであり、A1と会社との雇止め訴訟を契機とするものであっ
                      たとしても、会社が組合員であるA1に対し早期職場復帰に向けた配慮をしていることも併せ考えると組合員の排除を企図したも
                      のとみることはできない。 
                      2 組合員2名の雇止めについて 
                      ① 会社が、平成26年12月末付けで雇用契約が終了となる営業第一部長及び同部担当部長に、後任決定までの間として3
                      か月の業務委託契約を打診する一方、総務部において、27年1
                      月の創立15年記年行事の準備の大半を行ってきたA1に1か月の業務委託契約を打診したことには、それぞれ、相応の理由があること及び業務内容、会社売上げへの影響等の事
                      情が異なることからすれば不合理であるとはいえない。 
                      ② 会社がA2に業務委託契約の打診をしなかったのは、後任がC社出身である必要がある営業第一部長らと比較するとA2は、
                      後任が容易に確保でき、退職までに円滑な引継ぎが可能であることから、業務委託契約を締結する必要性がなかったものといえ
                      る。 
                      3 したがって、会社が、26年4 月1
                      日付就業規則改定により導入した70歳定年制に基づき、同年12月31日をもってA1 及びA2
                      に対する業務委託契約又は雇用契約の締結を行わなかったことは、組合員であるが故の不利益取扱いとはいえない。
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                    | 掲載文献  | 
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