労働委員会命令データベース

(こ の命令は、労組法に基づく和解の認定により失効しています。)
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概要情報
事件番号・通称事件名  福岡労委平成28年(不)第1号 
申立人  X組合(「組合」) 
被申立人  Y法人(「法人」) 
命令年月日  平成28年10月14日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   本件は、組合X2支部が「調理業務に就いている再雇用・非常勤職 員について来年度も調理師として雇用し、調理職場の委託拡大を行なわないこと」との議題で団体交渉を申し入れたところ、法人 Bセンターが、本件議題は義務的団交事項に当たらず団体交渉の対象にならないなどと回答し、団体交渉に応じなかったことが不 当労働行為に当たるとして救済申立てのあった事件で福岡県労働委員会は、法人に対し、文書の交付を命じた。 
命令主文   法人は、本命令書写しの交付の日から10日以内に、次の文書を組 合X2支部に交付しなければならない。
年 月 日
組合X2支部
 支部長A1殿
法人    
理事長 Y
 当法人Bセンターが、貴組合による平成27年10月30付けの「調理業務に就いている再雇用・非常勤職員について来年度も 調理師として雇用し、調理職場の委託拡大を行なわないこと」との議題での団体交渉申入れに対し義務的団体交渉事項に当たらず 団体交渉の対象とはならないなどと回答し、団体交渉に応じなかったことは、福岡県労働委員会によって労働組合法第7条第2号 に該当する不当労働行為と認定されました。
 今後このようなことを行わないよう留意します。  
判断の要旨  ① 経営に関わる事項の実施が、労働者の現在又は将来の労働条件に 影響を及ぼす可能性がある場合には、義務的団交事項になる。
② A1調理師は、業務委託の範囲の拡大により部下がいなくなると3級に昇格できなくなくなり、また、業務内容や年休の取得 については、業務範囲の委託の拡大に伴い、調理現場の職員が行う業務内容の縮小や見直しが必要となり、組合員の業務量や休暇 の取得などに影響が出る可能性があったことから、委託業務の範囲の拡大が、組合員らの労働条件に影響を及ぼす具体的な可能性 があったことは明らかである。
 したがって、本件議題は、調理業務の外部委託という経営に関わるものではあるが、義務的団交事項に当たる。
③ 被申立人は、組合に対して調理業務の範囲の拡大によって派生する調理師の労働条件に関する議題に文言を変更すれば、団交 に応じる旨を伝えており、本件議題についての団交に応じていないことには正当な理由があると主張する。
 しかしながら、本件議題は、義務的団交事項に当たるのであるから、法人Bセンターは議題を変更することなく団交に応じるべ きであり、業務委託の範囲の拡大により派生する労働条件についてのみ団交すればよいとする被申立人の主張は認められない。
④ 以上のことから、本件病院が団交に応じなかったことは正当な理由のない団交拒否であり、労働組合法第7条第2号の不当労 働行為に該当する。  
掲載文献   

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