労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  大阪府労委平成27年(不)第1号
不当労働行為審査事件 
申立人  X組合 
被申立人  Y会社 
命令年月日  平成28年2月16日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人会社のH営業所でパートタイマーとして勤務していたCは、自宅で右手を骨折し、平成26年4月から休職していたが、7月、会社に対し、完治した旨の診断書を提出した。同年8月、会社はCに対し、H営業所は人員が余剰であるため、S営業所に配置転換する旨通知した。Cはこれを不服とし、大阪労働局の紛争調整委員会に対し、配置転換の撤回等を求めるあっせんを申請し、あっせんが行われたが、合意には至らず、打ち切られた。同年10月7日、会社はCに対し、無断欠勤が2か月を超えており、懲戒解雇すべきところであるが、諭旨退職とする旨などを記載した通知書を送付した。同日、申立人組合は会社に対し、Cが加入した旨を通知するとともに、同人のH営業所への復帰等を求めて団交を申し入れた。同月21日及び12月15日、組合と会社との間で団交が行われた。
 本件は、会社が、上記10月21日の団交においてCの処遇について持ち帰り検討するとしていたにもかかわらず、12月15日の団交において同人との労働契約は既に終了しているとして誠実に応じないことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨   申立人組合は、①被申立人会社は平成26年10月21日の団交において、同月7日に組合員Cに送付した通知書に記載された懲戒解雇について留保するかどうかを含めて、翌日までに回答するとしたこと、②会社がその回答として同月22日に組合に送付した通知書には懲戒解雇に関する記載がないことを前提に、同日の時点ではCの処遇は確定していなかったとし、同年12月15日の団交において、会社がそれまでの回答を覆し、Cとの労働契約が同年10月に終了しているとしたことは不当労働行為に該当する旨主張する。
 しかし、上記②の会社の通知書において会社は組合の要求事項を全て拒否するとの趣旨の回答を行っているとみることができること、及びその後、会社と組合との間のやり取りにおいて、会社は対応を変更することは考えていないとの回答を行い、労基署に解雇予告除外認定申請を行っていることからすれば、当該通知書に懲戒解雇の記載はないものの、会社が解雇を撤回していないことは明らかであり、以前からの方針を維持し続けたものとみるべきであって、その時点でCの処遇が確定していなかったとまでいうことはできない。
 したがって、会社が12月15日の団交において、それまでの回答を覆したということはできず、組合の主張は採用できない。 
掲載文献   

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