労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  光洋商事 
事件番号  長崎県労委平成25年(不)第4号 
申立人  全日本建設交運一般労働組合長崎合同支部 
被申立人  光洋商事株式会社(Y)、サカキ運輸株式会社(Z) 
命令年月日  平成27年12月7日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要    平成25年9月30日、石油製品の配送等の事業を営む被申立人会社Yは、長崎本社営業所の運送事業を廃止し、申立人組合の組合員4人を含む同営業所の運転手全員を解雇した。これに先立ち、Yの従業員(運転手)の1人であるZ1は同年3月、Yの代表取締役Y1らから、Yとほぼ同じ事業を定款上の目的とする別会社Aの株式の譲渡を受け、その代表取締役に就任していた。Aは同年7月、商号の変更により被申立人会社Zとなった。Zは、Yの運転手であった非組合員3人全員を採用したが、上記組合員4人は採用しなかった。
 本件は、Yによる上記組合員4人の解雇及びZによる当該組合員らの不採用は不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 長崎県労委はY及びZに対し、1 両社のいずれかにおいて、上記組合員4人を原職に相当する職務に速やかに就労させること、2 同人らに対し、Yによる解雇の翌日から前記1の就労までの賃金相当額を連帯して支払うこと、3 同人らの労働条件については、Yが解雇した時点と同程度のものとすることを命じ、その余の請求を棄却した。 
命令主文  1 被申立人光洋商事株式会社及び同サカキ運輸株式会社は、申立人組合の組合員X2、同X3、同X4及び同X5(以下、「組合員4人」という。)に対し、次の措置を講じなければならない。
(1)被申立人光洋商事株式会社及び同サカキ運輸株式会社は、両社のいずれかにおいて、組合員4人が光洋商事株式会社から解雇された時点での原職に相当する職務(以下、「原職相当職」という。)に速やかに就労させること。
 なお、いずれの会社において就労するかについては、速やかに申立人と誠実に協議し、決定しなければならない。
(2)被申立人光洋商事株式会社及び同サカキ運輸株式会社は、組合員4人に対し、平成25年10月1日から上記(1)の就労までの間の賃金相当額(被申立人光洋商事株式会社が支払った平成25年7月分ないし9月分賃金の1か月当たりの平均額を1か月分の賃金相当額として計算した額。)を連帯して支払うこと。
 ただし、この間に組合員4人が他において得た賃金があれば、上記賃金相当額の4割を限度にこれを控除することができる。
 また、組合員4人に対して独立行政法人勤労者退職金共済機構から振り込まれた退職金を充当することができる。
(3)組合員4人の労働条件については、被申立人光洋商事株式会社が当該組合員を解雇した時点と同程度のものとすること。
2 申立人のその余の請求は棄却する。 
判断の要旨  1 本件解雇及び本件不採用は、組合員排除の意図によるものと認められるかについて
 認定した事実によれば、被申立人会社Yの代表取締役Y1が申立人組合を嫌悪する意思を有していたこと、組合の公然化を契機に、同人の主導により、Yの運送事業を廃止し、これに代わる被申立人会社Zの運送事業の開始に向けた動きが始まったこと、平成25年7月4日の団交でZの設立等が公表されたが、それまでに行われた団交ではZの設立は秘匿され、それと無関係で無意味な交渉が繰り返されたこと、Yの運送事業が同年9月30日で廃業されたのに伴い、組合員が解雇され、組合員以外の3人全員がZに移行したことが認められる。以上を総合すると、本件解雇及び本件不採用は、Y1の主導の下、Yと同社に代わって運送事業を開始することになったZから組合員を排除するために行われたと認めるのが相当である。
2 YとZは、実質的に同一と認められるかについて
 Zの設立の経緯、車両、不動産や備品、取引先、従業員、業務の実態等を総合すると、Zは法人格としては独立しているものの、それは形式に過ぎず、実質的にはYの一部門として長崎本社営業所の運送事業を行っていると判断するのが相当である。
3 不当労働行為の成否
 以上のとおりであるから、Y及びZは実質的に同一であると認められ、そして、本件解雇及び本件不採用は、組合員4人を両社から排除することを意図して行われた不利益取扱いであり、労組法7条1号に該当する不当労働行為と判断するのが相当である。 
掲載文献   

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