労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  愛労委平成25年(不)第21号 
事件番号  愛労委平成25年(不)第21号 
申立人  X1組合、X2組合 
被申立人  学校法人Y 
命令年月日  平成27年8月26日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人法人が団交において、①給与体系の改善、一時金支給その他の労働条件に関する申立人組合らの要求に応じられないとする理由・根拠について、資料を提示して具体的に説明を行わなかったこと、②給与体系改善要求に「私学平均」という言葉が入ることをもって、要求の検討自体を拒否し、実質的な議論に入ろうとしない対応を続けたことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 愛知県労委は、申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 被申立人法人が団交に誠実に応じていたかについて
 法人は、一時金支給に関する団交においては申立人組合(単組)の要求を受け入れている。また、給与体系改善及び一時金支給以外の労働条件に関する団交においては、ほとんどの項目で組合との間で何らかの合意をし、柔軟に話し合う姿勢を示し、若しくはその要求を一定程度受け入れている。このほか、法人に不誠実な対応があったとの疎明もないことから、労組法7条2号の誠実交渉義務違反があったとは認められない。
 給与体系改善に関する交渉における対応については、組合らと法人との間で見解の不一致が解消されない状況が見られるものの、法人の対応が取り立てて不誠実とまではいえない。他方、必要な資料を提示し、自己の主張の根拠を具体的に説明する努力をしたことや、交渉内容について毎回理事会に報告し、組合らの要求について必要な配慮をしていたことが認められる。
 組合らは、法人が組合らの要求に「私学平均」という言葉が入ることをもって要求の検討自体を拒否した旨主張する。この点に関し、法人の理事長の発言からは、高校の教員の基本給をなぜ他の私学の平均値にしなければならないのかについて理事会で説得力のある説明をするためにその論拠を示すよう組合らに求めていたことが窺える。したがって、法人が組合らの要求の検討自体を拒否したとまでいうことはできない。
 他方、法人は、組合らが私学平均は根拠ではなく、水準であり、根拠としては厳しい労働条件の中で成果を出していること、法人の財政状況が悪くないこと等であると説明しているにもかかわらず、組合の要求書に記載された内容に拘泥し、面前で行われている組合らとの交渉に真摯に向き合おうとする姿勢に欠けていたことは否めない。このような態度は、団交における使用者の対応として適切なものとはいえない。
 以上のとおり、法人の交渉態度には適切とはいえない面があるものの、法人は資料を提示して自己の主張の根拠を具体的に説明する努力をし、譲歩案を示すなど、必要な対応を取っていたものと認められることから、給与体系改善要求に関する団交において労組法7条2号の誠実交渉義務違反があったとは認められない。
2 法人が給与体系改善要求の検討自体を拒否したことは、組合に対する支配介入に当たるか否かについて
 前記1で述べたとおり、私学平均に関する法人の理事長の発言の数々からは、同人が、高校の教員の基本給をなぜ他の私学の平均値にしなければならないのかについての論拠を示すよう組合らに求めていたことが窺われ、これらの発言が組合らに威嚇的効果を与え、その運営に影響を及ぼしたとも認められない。したがって、法人が、給与体系改善要求に私学平均という言葉が入ることをもって、要求の検討自体を拒否し、実質的な議論に入ろうとしない対応を続けたと認めることはできず、法人の対応は労組法7条3号の支配介入に該当しない。 
掲載文献   

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