労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  徳労委平成26年(不)第3号 
事件番号  徳労委平成26年(不)第3号 
申立人  X労働組合 
被申立人  Y土地改良区 
命令年月日  平成27年7月27日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   被申立人土地改良区の職員であるX2は、定年退職後の再雇用についての事前に提示された条件に納得できなかったため、申立人組合に加入し、組合は土地改良区に対し、X2の65歳までの雇用保障等を要求事項とする団交を申し入れた。
 本件は、土地改良区が①3回にわたり行われた団交においてX2に対する誹謗中傷発言を繰り返し、再雇用も拒否したこと、②団交での話合いを拒否する発言を続けたこと、③団交での合意事項(再雇用の条件を再提示すること等)を無視したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 徳島県労委は、団交における土地改良区の対応は労組法7条2号に該当する不当労働行為であることを確認するとし、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 平成26年4月18日、同年5月13日及び同年5月30日に行われた団体交渉における被申立人の対応は、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であることを確認する。
2 申立人のその余の申立ては、いずれも棄却する。 
判断の要旨  1 組合員X2は犯罪者である旨の発言等及び同人を再雇用しなかったことについて
 被申立人土地改良区の理事長Y1の団交における、X2は犯罪者である旨の発言は、同人の名誉を傷つける不適切なものであったといえるが、かねてからの同人への不満から出たものであり、申立人組合に加入したが故にそのように発言したわけではないので、不当労働行為意思を推認することはできない。また、X2は半分遊んでいる、失格であるなどの発言についても、単なる意見表明に過ぎず、不利益取扱いには当たらない。
 X2を再雇用しなかったことについては、Yが、X2が組合に加入して労働争議となったことに嫌悪感を持っていたことは否定できないが、結果として再雇用に至らなかった決定的な理由は組合が土地改良区の提示した条件に合意せず、その後も再雇用の条件で折り合いがつかなったことであると判断されることから、不当労働行為意思は認められない。
2 団交において「裁判にもっていけ」などと発言し続けたことについて
 Y1の発言は、組合が団交においてX2を65歳まで雇用継続することを主張し、雇わなければ「法律上の争いになります」と発言したため、これに反発して「裁判せんか」と発言するなど、組合の発言に呼応する形でなされたと認められ、これらのY1の発言のみでは不誠実な団交には当たらない。
 しかし、土地改良区は、65歳までの雇用継続を受け入れられない理由を説明する義務もあったというべきであるところ、団交において十分な説明があったとは認められない。また、再雇用の条件に関して、当初提示した日額賃金の積算根拠及び6か月契約が自動更新でないことについて、具体的な説明を十分にしていたとも認められない。さらに、当初提示した労働条件について妥協はできないことは伝えておらず、具体的な提案をしないまま団交が終わっている。
 このような土地改良区の対応は、組合の理解を得られるよう努力を尽くしたものとはいえず、労組法7条2号の不当労働行為に該当する。
3 団交での合意事項を無視したか否かについて
 組合は、X2が平成26年3月末に定年退職した後の4月以降の暫定賃金及び社会保険の継続について団交で合意があったと主張するが、4月分の暫定賃金については土地改良区が支払った額に加えて支払うべき差額があるとは認められず、また、5月分以降の暫定賃金の支払については合意があったとは認められない。社会保険の継続についても、合意があったとは認められない。
 一方、再雇用の条件の再提示については合意があったことは疑いなく、第3回団交において土地改良区が再提示しなかったことは不誠実な対応であると認めざるを得ず、労組法7条2号の不当労働行為に該当する。 
掲載文献   

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