労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成26年(不)第14号 
事件番号  大阪府労委平成26年(不)第14号 
申立人  X労働組合 
被申立人  Y留守家庭児童育成クラブ運営委員会 
命令年月日  平成27年6月12日 
命令区分  全部救済 
重要度   
事件概要   A市においては、平成元年度以降、小学校のPTA、地域の自治会、児童の保護者の各代表や学校長等を構成員として小学校校区ごとに結成される運営委員会が各留守家庭児童育成クラブ(小学校の敷地内で、保護者が昼間家庭にいない児童を対象に放課後等に開設されるもので、児童の安全確保や遊びの指導等を職務とする指導者が配置されている。以下「クラブ」) を開設、運営することになった。組合員C及び同Dは、同年度から25年度までYクラブの指導者として活動していたが、市がクラブを開設、運営していた昭和63年度以前は市の非常勤職員としてYクラブ等で指導者として勤務しており、Cはその頃から申立人組合に加入していた。
 本件は、平成26年3月、被申立人運営委員会の会議において指導者等について定めた規則(新たに作成したもの)が提示された後、組合が「平成26年4月以降も、雇用を希望する指導者はYクラブで雇用すること」等を要求事項とする団交を申し入れたのに対し、運営委員会が、組合の組合員は労組法上の労働者に当たらないとして応じないことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は運営委員会に対し、団交応諾を命じた。 
命令主文   被申立人は、申立人が平成26年3月10日付け及び同月15日付けで申し入れた団体交渉に応じなければならない。 
判断の要旨   被申立人運営委員会は、運営委員会は形式的にクラブの運営に関与するのみであり、本来の機能を果たしていなかったところ、①組合員Cらの契約内容が運営委員会によって一方的に決定されていた事実はなく、②報酬の労務対価性にも疑問があり、③運営委員会による業務遂行への指揮監督・時間的拘束もなく、④同人らには業務依頼の諾否の自由があるなど、同人らは労組法上の労働者性を有しないなどと主張する。
 しかし、Cらの業務の実態その他について検討すると、次のようである。
①運営委員会とクラブの指導者との関係は、概ねYクラブ運営委員会規約及びA市クラブ基本方針によって規律されているところ、その記載によれば、運営委員会はクラブの運営に不可欠かつ枢要な業務の遂行を指導者に求めていたものといえる。
②運営委員会は長期にわたり継続してCらを指導者として選任し、Yクラブの運営に不可欠な労働力として取り扱ってきたとみるのが相当である。
③Yクラブの出勤簿によれば、Cらは概ね上記規約や市の方針に沿った時間帯に指導者としての活動を行っていたといえる。
④運営委員会は、指導者の活動時間を把握し、時間単価を乗じた額を算出して、生活費の一部に見合う水準の謝礼を支払っていたとみるべきで、Cらの謝礼は労務提供に対する対価に当たるというのが相当である。
⑤Yクラブが市の補助金と保護者の負担金を主な財源として運営され、指導者にもその活動に応じ謝礼が支払われているのであるから、運営委員会が全く機能を失っていたとまではいえず、また、指導者の行う業務への関与が希薄であったとしても、それは運営上の問題というべきであって、そのことからCらの労働者性が否定されるものではない。
⑥Cがどの指導者を予算超過回避のための年度末の時間調整の対象とするかについて発言したことがあったとしても、このことをもって直ちにCらが業務依頼の諾否の自由を有していたとはいえない。
 したがって、CらはYクラブの運営に必要不可欠な人員として位置付けられた指導者として、運営委員会の定める開設場所と開設時間において、児童の生活指導など運営委員会の定める業務を行い、これに対して運営委員会は労働対価性のある謝礼を毎月支払ってきたというべきであるから、同人らは労組法上の労働者に該当すると判断される。
 よって、運営委員会が団交に応じないことには正当な理由がなく、労組法7条2号に該当する不当労働行為である。 
掲載文献   

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