労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  (株)エスディ製作所 
事件番号  茨労委平成25年(不)第3号 
申立人  茨城ユニオン、X2(個人)、X3(同) 
被申立人  株式会社エスディ製作所 
命令年月日  平成27年5月19日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   被申立人会社は、平成23年6月頃、同社の製造部製造2課で班長として勤務していた申立人X2に対し、同課の従業員から苦情が出ているから気を付けるよう注意するとともに、同じく製造2課で勤務していた申立人X3(X2の妹)に対し、遅刻・早退・欠勤の多さや有給休暇の取り方について注意した。
 本件は、その後、会社が①同年9月7日付けでX2を製造1課R加工班に配置転換したこと、②X2及びX3が申立人組合に加入した後、24年から25年にかけて、X2及び(又は)X3に対し、「指導書」等の交付、休業の命令、出勤停止処分、賞与の減額等を行うとともに、X3の職場を中心に監視カメラを設置し、及び同人が作業する机の備品に値段シールを貼付したこと、③組合との団交において誠実な交渉をしなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 茨城県労委は、25年4月19日の団交における会社の対応は不当労働行為に当たることを主文において確認し、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人の平成25年4月19日の団体交渉に係る対応は、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に当たることを確認する。
2 その余の申立ては、いずれも棄却する。 
判断の要旨  1 申立人X2を配置転換したことについて
 本件配置転換から本件申立てまでに既に1年以上が経過しているところ、申立人は、同配置転換はX2及び申立人X3の申立人組合加入を知った被申立人会社がそれまでの解雇通告や退職強要の方針を配転と自主退職への誘導のための継続した攻撃に転換したものであって、その後の会社の対応を含め、一連の継続する不当労働行為であると主張する。しかし、認定した事実によれば、本件配置転換は平成23年9月16日付けの「辞令」により完結した1つの行為とみるべきものであって、労組法27条2項の「継続する行為」に該当するとは認め難い。
 また、会社は両名が組合に加入する以前から、両名との雇用関係を終了させるか、それがかなわない場合には製造1課に配置転換するとの方針を持っていたと判断されることから、団交申入れ等に配慮して退職から配置転換への方針を変更したことは、会社による譲歩の姿勢とも評価できるのであって、組合に対する嫌悪感等がその理由であるとの結論には結びつかない。
 さらに、申立人は、製造1課は日常的に重量物を扱うこと等からおよそ女性にふさわしくない職場であり、配置転換に伴う不利益性は明白であると主張する。しかし、会社が重量物の取扱いを男性従業員に援助させるなど相応の配慮を行っていたことなどからすると、女性にふさわしくない職場であったとまで評価することはできない。
 以上のとおりであるから、本件配置転換は同法7条1号の不利益取扱いには当たらない。また、本件配置転換により、組合の運営に支障が生じた等の事情も見受けられないから、同条3号の支配介入にも当たらない。
2 X2及び(又は)X3に対し、「指導書」等の交付、休業の命令、出勤停止処分、賞与の減額等を行うとともに、X3の職場を中心に監視カメラを設置し、及び同人が作業する机の備品に値段シールを貼付したことについて
 本件配置転換が不当労働行為意思に基づくものとは認め難いことについては、前記1で判断したとおりであるが、同配置転換後も本件申立てに至るまでの間に会社をして組合に対する嫌悪感を新たに生じさせるような出来事があったとは認められない(平成25年の昇給や賞与支給については本件申立て以後の出来事も含んでいるが、同申立てを契機に会社の組合等に対する態度が悪化したと認め得る疎明はなされていない。)。そうすると、24年から25年にかけての一連の会社の対応については、X2及びX3が組合員であったためであるとする特段の根拠は認められないというべきである。また、組合の弱体化につながるものであったとか、運営に対して介入したものであったとも認められない上、個々の対応それぞれに相応の理由が認められることから、労組法7条1号又は3号の不当労働行為には当たらない。
3 団交における会社の対応について
 平成25年4月19日の第5回団交における会社の対応のうち、X2及びX3に対する休業命令の回数等についての説明、職場でのX3の席が会社の設置したカメラ(会社は防犯カメラだと主張している。)の下に設定されたことについての説明等については、不十分な点や事実と異なる点が見受けられ、これらについては労組法7条2号の不当労働行為が成立すると評価せざるを得ない。 
掲載文献   

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