労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成24年(不)第73号・25年(不)第13号 
事件番号  大阪府労委平成24年(不)第73号・25年(不)第13号 
申立人  X労働組合 
被申立人  株式会社Y 
命令年月日  平成27年5月11日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   被申立人会社が①平成23年8月から3か月間、賃金を14%減額したこと、②当該賃金減額を議題とする団交において、過去5年間の財務諸表の提示や減額の合理的な理由についての説明を行わなかったこと、③就業規則の変更に関する団交において趣旨説明等を拒否したこと、④勤務体制等を議題とする団交の申入れに応じなかったことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は会社に対し、上記④の団交申入れに応じること及び文書手交を命じ、その他の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人は、申立人が平成24年9月6日付けで申し入れた団体交渉に応じなければならない。
2 被申立人は、申立人に対し、下記の文書を速やかに手交しなければならない。
記(省略)
3 申立人のその他の申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 平成23年8月から3か月間、賃金を14%減額したことについて
 ①23年7月8日に14%減額率での賃金支給が社内報で従業員に通知されていたこと、②同月27日に申立人組合の結成が会社に通知されたこと、③組合に加入した者以外の従業員についても賃金減額が実施されたこと等が認められることからすれば、組合が結成される以前に賃金の14%減額が決定されていたことや当該減額が組合員のみを対象にしたものではなかったことが明らかである。したがって、本件賃金減額は組合員であるが故になされたものであるとは到底いえず、これが不利益取扱いであるとの組合の主張は採用できない。
 また、被申立人会社は同年11月支給の賃金の減額率を9%にし、12月以降は減額なしで賃金を支給していることなどが認められ、最終的には組合の要求を100%受け入れる形での支給を行っており、このような態度からすれば、会社が組合を無視したり軽視したとみることはできない。したがって、本件賃金減額が組合に対する支配介入に当たるということはできない。
2 賃金14%減額を議題とする団交における対応について
 会社が23年8月19日開催の団交において、同年7月4日において過半数を占めていた別組合との調印団交で合意形成ができていると考える旨及び別組合との間で決まったことは従業員全員に及ぶという慣行があった旨述べていることなどからすれば、会社は自らの主張の根拠を一定説明しているといえる。
 また、会社は組合に対し、賃金減額の根拠とされる経営悪化について数字を示して説明しており、財務諸表の開示については組合の要求から一定時間がかかったものの、臨時株主総会の開催後に行っている。
 以上のことからすれば、賃金14%減額を議題とする団交における会社の対応は、不誠実団交に当たるとは認められない。
3 就業規則の変更に関する団交において趣旨説明等を拒否したことについて
 24年5月29日開催の団交における、新就業規則等の提案趣旨説明はする必要がない旨の会社の発言は、就業規則の改定に当たっては組合への事前説明が必要であると組合が繰り返し主張したことに対して、その必要はないと考える旨の意見表明であったとみることができ、むしろ、会社が同団交において、今後説明してもよい旨述べ、提案趣旨説明を1回行うことを組合が確認していることからすれば、会社に説明を行う意思がなかったとはいえず、現にその後、会社からの提案を受けて、組合と会社との間で新就業規則等の問題について協議する小委員会が5回開催されており、会社が同団交において説明や協議を行うことを拒否していたとみることはできない。
 したがって、同団交において会社が説明拒否等の不誠実な対応を行ったと認めることはできない。
4 勤務体制等を議題とする団交の申入れに応じなかったことについて
 24年9月6日に組合が会社に送付した団交申入書には、「4班の4勤週休2日制」、「2t車の業務変更」、「警告書」(2012年8月21日付)について、「回答及び警告書」(2012年8月27日付)について、などが議題として記載されているが、これらの事項は、それを読んだだけでは組合が団交で解決すべきであるとして要求している事項の内容が一見して明らかであるとはいえず、具体性を欠くものであったといわざるを得ない。しかし、それまでの経緯からすれば、それぞれの議題に関して会社は容易に組合の要求事項について認識できたということができ、当該団交申入書による要求内容が団交を行わないことを正当化できるほど不明確であったということはできないから、要求事項の明示を求めていただけで団交拒否には当たらないとの会社の主張は採用できない。
 したがって、会社が上記の団交申入書による団交の申入れに応じなかったことに正当な理由は認められず、会社の行為は労組法7条2号に該当する不当労働行為である。 
掲載文献   

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