労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  大阪府労委平成25年(不)第42号 
事件番号  大阪府労委平成25年(不)第42号 
申立人  X労働組合 
被申立人  株式会社Y 
命令年月日  平成27年4月17日 
命令区分  棄却 
重要度   
事件概要   被申立人会社でパートタイマーのドライバーとして勤務していた従業員らを構成員とする申立人組合は、平成23年10月から24年12月にかけて18回にわたり、組合員の正社員化やパート従業員間の賃金差別の改善等を議題として会社との間で団交を行った。この間、会社は24年8月23日の団交において、組合員X2及び同X3の雇用契約(同年10月1日以降の期間に係るもの)を更新しない旨記載した文書を組合に手渡したが、その後の団交での協議を経て9月下旬、契約期間を10月1日から11月30日までとし、更新しない旨記載した雇用契約書を両人に手渡した。
 本件は、会社が①24年11月30日をもってX2及びX3との雇用契約を終了したこと、②組合が25年3月16日及び同年8月1日に行った団交申入れ(春闘統一要求や無期雇用労働者と有期雇用労働者との労働条件の格差の是正等を議題とするもの)を拒否したことは不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
 大阪府労委は申立てを棄却した。 
命令主文   本件申立てをいずれも棄却する。 
判断の要旨  1 組合員X2及び同X3の雇止めについて
 被申立人会社は、本件雇止めの理由について、①X2及びX3の勤務態度が著しく不良であり、改善が期待できないこと、②両人が所属するA支店の減車に伴う減員の必要性等を総合的に考慮したものである旨主張し、申立人組合は会社の挙げる雇止め理由はいずれも理由にならない旨主張する。
 雇止めに至るまでの雇用契約の更新状況からすると、両人が期間満了後の契約更新を期待することには一定の合理性が認められるから、期間満了に伴い当然に契約を終了するということはできず、従来の取扱いを変更して雇用契約を終了させてもやむを得ないと認められる特段の事情が必要である。
 この点について検討すると、会社がX2及びX3の勤務態度が著しく不良であると判断したことについては理由があり、また、A支店では減車の方針に沿ってパート・ドライバーを減員する必要があり、現に減員していったといえる。したがって、両人との雇用契約を終了させてもやむを得ないと認められる特段の事情が存するといえる。
 加えて、雇止めに係る手続の面で不合理な点は認められず、また、組合員であるが故になされたと認めることもできない。よって、本件雇止めは労組法7条1号に該当する不当労働行為であるとはいえない。
2 団交申入れに対する対応について
 認定した事実によれば、平成24年12月11日の団交において組合は、多数の組合員を出席させ、自らの主張を述べるばかりで、自らの要求に合致しない会社側出席者の発言を罵倒し、粗暴な言葉で遮ったり、退出時に屋外で会社側出席者を多数の組合員で取り囲み、非難・侮辱するなどしている。こうした組合の態度は、社会的相当性を逸脱した言動といわざるを得ず、団交及び屋外でのやりとりが誠実に、平和的かつ秩序ある方法で行われたとは到底いえない。さらに、同団交の後、組合がA支店の承諾を得ることなく、支店出入口に組合旗を立てるとともに、2週間にわたり同支店付近で街宣車による抗議活動を行って組合活動を活発化させていること、会社の主要取引先に赴き、会社を指導するよう事実上圧力をかけていることなどからすると、組合の態度は改まるどころか、増長していると会社が評価してもやむを得ない状況が続いているといえる。
 こうしたことからすると、25年3月16日の団交申入れについて、会社が、組合が社会的相当性を逸脱した態度について会社に謝罪し、適切な改善策を書面で誓約しない限り、組合と面談して団交することはできず、組合との一切の連絡を書面で行うとして、各要求事項に文書で回答したことには正当な理由があるといえる。
 また、25年8月1日の団交申入れに関しても同様に、会社が、組合に交渉態度を改善する姿勢が認められず、謝罪もなく、適切な改善策の誓約もないことから、面談による団交を行った場合、依然として平和的かつ秩序ある方法で行われるとは想定しがたく、社会的相当性を逸脱した事態が再度生じる蓋然性が高いと判断したことはやむを得ないということができ、組合と面談して団交をすることができない旨の回答書を送付したことには正当な理由があるといえる。
 したがって、上記の団交申入れに対する会社の対応は、労組法7条2号の不当労働行為に当たるとはいえない。 
掲載文献   

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